ベーチェット病の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  9月10日

更新日:2021年 10月 8日

本日はベーチェット病について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • ベーチェット病とは
  • ベーチェット病の原因
  • ベーチェット病の症状
  • ベーチェット病の改善方法
  • ベーチェット病のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

ベーチェット病は慢性再発性の全身に炎症が起きる全身性炎症性疾患

ベーチェット病は慢性の再発性で、全身に炎症が起きる全身性炎症性疾患です。ベーチェット病はベーチェット教授が発見し報告したため、ベーチェット病という名前がつきました。

 

主に現れる症状は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部の潰瘍、皮膚症状、眼症状です。

 

発症する性別に男女の差はありませんが、症状は男性の方が重症化しやすいです。特に、内臓や神経、血管の病変が現れる頻度は女性よりも男性の方が高いと言われています。

 

眼の病変も男性に多く、中でも若い年齢で発症した男性は失明する危険も高いです。発病する年齢は男性も女性も20~40歳に多く、1番多い年代は30歳の前半です。

ベーチェット病の原因は今のところわかっていない

ベーチェット病の原因は今のところわかっていません。今のところ考えられていることは、何らかの遺伝素因に感染病原体やそのほかの環境因子が加わることで白血球が過剰に機能するようになり炎症を引き起こすということです。

 

1番重要だと言われている遺伝素因は、ヒト白血球抗原の中のHLA-B51というタイプです。感染病原体や環境因子についても、虫歯菌などの細菌やウイルスなどの微生物が関係しているのではないかと言われています。

 

ベーチェット病の遺伝素因がある人に微生物が入り込むことによって異常な免疫反応が炎症を起こし、ベーチェット病を発症するという説が発症の原因の有力な説であると言われているのです。

ベーチェット病は、多くの身体の部分に影響を及ぼす慢性的な炎症性の病気で、口内炎、皮膚の病変、性器の潰瘍、眼症状などの症状が特徴です。しかし、その根本的な原因については、今日まで完全には理解されていません。医学研究は進行中で、何がこの病気を引き起こし、どのように進行するのかを解明しようとしています。

 

遺伝的要因:ベーチェット病には明らかな遺伝的傾向があると示唆されています。特に、人間の白血球抗原(HLA)と呼ばれる特定の遺伝子タイプ(特にHLA-B51)がこの病気と強く関連していることが示されています(参考:Yazici, Y., Yurdakul, S., & Yazici, H., 2010)。しかし、この遺伝子を持っているすべての人がベーチェット病を発症するわけではないため、遺伝子だけが原因ではないと考えられています。

 

免疫系の反応:ベーチェット病は、免疫系が異常に活動し、体の細胞や組織を攻撃する病気と見なされています。しかし、どのようなトリガーがこの異常な反応を引き起こすかは不明です。一部の研究者は、特定の細菌やウイルスが免疫系の異常反応を引き起こす可能性があると提案しています(参考:Alpsoy, E., 2016)。

 

環境的要因:遺伝的傾向と免疫反応に加えて、ベーチェット病の発症には環境的要因も関与している可能性があります。一部の科学者たちは、感染症、ストレス、喫煙などの生活習慣や環境要因が、遺伝的にリスクのある個人で病気を引き起こす可能性があると考えています(参考:Yazici, Y., & Seyahi, E., 2021)。

 

感染症の役割:特定の細菌やウイルスがベーチェット病の発症に寄与する可能性があるという理論があります。これは、一部の感染症が免疫反応を引き起こし、それが炎症と症状を引き起こすという考え方に基づいています。ただし、これはまだ確立された理論ではなく、さらなる研究が必要です(参考:Alpsoy, E., 2016)。

 

ホルモンとベーチェット病:研究者たちはまた、ホルモンがベーチェット病の発症と進行に影響を与えるかもしれないと提案しています。例えば、一部の研究では、男性ホルモンが病気の活動性を増加させる可能性があると示唆されています(参考:Evereklioglu, C., 2004)。しかし、これらの関係性はまだ明確には理解されていません。

 

ベーチェット病の原因は、遺伝、免疫系の反応、環境的要因、感染症、ホルモンなど、さまざまな要素の複雑な相互作用によるものと考えられています。今後の研究が、これらの要素がどのように組み合わさって病気を引き起こし、どのように進行するのかを明らかにすることを期待しています。

症状は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状

ベーチェット病の主な症状は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部の潰瘍、皮膚症状、眼症状です。

 

口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍はほとんどの人に現れる症状です。口唇や頬粘膜、舌、歯肉、口蓋粘膜に円形で境界のわかりやすい潰瘍ができます。何度も繰り返し起こるという特徴があります。

 

皮膚症状では、下腿伸側や前腕に結節性の紅斑様皮疹が現れます。皮膚が紅くなり痛みを感じます。顔や頸、胸部などにはにきびのような皮疹ができ、場合によっては下腿などの皮膚の表面に近い血管に血栓性静脈炎が現れることもあります。

 

外陰部潰瘍は、男性の場合陰嚢、陰茎、亀頭に潰瘍が現れ、女性の場合は大小陰唇、膣粘膜に潰瘍が現れます。この潰瘍には痛みもあります。

 

眼症状は、ベーチェット病の症状の中で1番重大な症状です。ほとんどの場合両眼ともに症状が現れます。虹彩毛様体炎が起こることによって眼痛、充血、羞明、瞳孔不整が現れます。

 

場合によっては、網膜絡膜炎を起こし、視力が下がり失明する可能性もあります。

口内炎:これはベーチェット病に最も一般的に関連する症状で、ほぼ全員に見られます。これらは一般的に口内潰瘍として知られ、痛みを伴う小さな白または赤色の潰瘍として口腔内に現れます(参考:Criteria for diagnosis of Behçet's disease. International Study Group for Behçet's Disease, 1990)。

 

性器潰瘍:ベーチェット病の約半数以上が性器に潰瘍を発症します。これらは通常、男性の陰茎や女性の膣に出現し、口内潰瘍と同様に痛みを伴うことがあります(参考:Kural-Seyahi, E., Fresko, I., Seyahi, N., et al., 2013)。

 

皮膚の症状:皮膚の症状もベーチェット病の典型的な特徴で、約半数に見られます。これらには、血管炎や皮膚潰瘍、赤みを帯びた発疹などが含まれます(参考:Behçet's disease. DermNet NZ, 2018)。

 

眼症状:ベーチェット病には、視力を損なう可能性のある重大な眼症状が関連しています。これには、虹彩炎(虹彩の炎症)、脈絡膜炎(眼球の血管層の炎症)、視神経炎(視神経の炎症)などがあります(参考:Tugal-Tutkun, I., Onal, S., Altan-Yaycioglu, R., Huseyin Altunbas, H., UrganciogluM., 2004)。

 

関節症状:約半数以上が関節症状を示します。最も一般的に影響を受けるのは膝や足首ですが、肘や手首など他の関節も影響を受けることがあります。症状には、痛み、腫れ、朝のこわばりなどがあります(参考:Kiraz, S., Ertenli, I., Oztürk, M. A., Haznedaroğlu, İ. C., Celik, İ., & Çalgüneri, M., 2002)。

 

胃腸症状:ベーチェット病の一部では、潰瘍、腹痛、下痢、食道炎、胃炎などの胃腸症状を経験します(参考:Hatemi, G., Silman, A., Bang, D., et al., 2008)。

 

神経系の症状:ベーチェット病の患者の約5〜10%が、神経症状を示すことがあります。この状態は神経ベーチェット病と呼ばれ、頭痛、めまい、視覚障害、認知機能の問題、バランスや協調性の問題を引き起こすことがあります(参考:Al-Araji, A., & Kidd, D. P., 2009)。

 

心臓や血管への影響:ベーチェット病は心臓や血管にも影響を及ぼすことがあり、これには心臓弁膜症、心筋炎、大血管炎、血栓症などが含まれます(参考:Belizna, C., Hamidou, M., Levesque, H., Guillevin, L., & Shoenfeld, Y., 2007)。

 

ベーチェット病の症状は広範で多様であり、一人一人によってその体験は大きく異なることがあります。

現れている症状や症状の程度に合わせて改善を行なう

ベーチェット病の改善方法は症状によって様々です。

 

ベーチェット病の病状は人によって非常に様々です。そのため、全ての症状に対応できる改善方法はありません。現れている症状や症状の程度に合わせて改善を行なっていくことが大切なのです。

 

多くの場合、症状に合わせて薬を使って改善を行います。

体を休めて温め、ストレスを溜めないことが大切

ベーチェット病で大切なことは、体をきちんと休めることと、全身を温めることです。さらにストレスを溜めないようにすることも大切です。

 

喫煙は病気を悪化させる可能性もあります。そのため、禁煙することをおすすめします。食事においては特に摂らないほうが良いものはありません。バランスのとれた食事をすることが大切です。

ベーチェット病の改善例

ベーチェット病は多面的な病気であり、改善は個人によって異なります。そのため、改善の計画は個々の症状、症状の重症度、一般的な健康状態に基づいてカスタマイズされます。以下に、ベーチェット病の改善方法について説明し、実際の治療例を引用します。

 

抗炎症薬と免疫抑制薬:ベーチェット病の主な改善方法は、炎症を抑制し、免疫系の活動を制御する薬を使用することです。これには、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、コルチコステロイド、免疫抑制薬(例:アザチオプリンやシクロスポリン)が含まれます。これらの薬物は、症状を和らげ、新たな病変の発生を防ぎます(参考:Hatemi, G., Christensen, R., Bang, D., et al., 2018)。

 

ビオロジクス:近年では、生物学的製剤(ビオロジクス)がベーチェット病の改善に有効であることが示されています。これらの薬物は、炎症反応を誘発する特定のタンパク質を標的とするもので、インフリキシマブやアダリムマブなどのTNFα阻害剤がベーチェット病の多くの症状、特に眼症状や神経症状に対して有効であることが示されています(参考:Vallet, H., Riviere, S., Sanna, A., et al., 2015)。

 

眼症状:眼症状は、ベーチェット病の改善で特に重要な部分です。視力を維持するためには、通常、免疫抑制薬やビオロジクスを使用し、必要に応じて地元の炎症を抑えるためにステロイド眼薬を使用します(参考:Tugal-Tutkun, I., & Onal, S., 2017)。

 

ベーチェット病による神経症状:神経ベーチェット病は、特に困難な改善が必要な形態であり、免疫抑制薬とビオロジクスの組み合わせを使用することがよくあります。アザチオプリンやシクロスポリンのような薬物、およびインフリキシマブのようなビオロジクスが有効であることが報告されています(参考:Akman-Demir, G., Serdaroglu, P., & Tasci, B., 2004)。

 

外科的手術:ベーチェット病による慢性的な皮膚、血管、または眼の合併症のために、一部の人は外科的手術を必要とすることがあります(参考:International Team for the Revision of the International Criteria for Behçet's Disease, 2014)。

 

生活スタイルと補完:適切な休息と栄養は重要であり、運動やストレス管理テクニックが症状の管理に役立つことがあります。また、一部では、アロエベラジェルやD-パントテン酸などの補完が口内潰瘍の痛みを軽減するのに役立つと報告しています(参考:Elad, S., Meidan, I., Sellam, G., Simaan, S., Zeevi, I., Waldman, E., Weintraub, M., Revel-Vilk, S., & Epstein, J., 2013)。

 

要するに、ベーチェット病の改善方法は個人とその症状に合わせて調整されるべきです。

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