公開日:2022年 1月11日
更新日:2022年 1月27日
本日はポルフィリン症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
ポルフィリン症は、ポルフィリン体やポルフィリン体に関係している物質が、体にたまることで起きる病気です。原因は、遺伝子の変化によって起きることがほとんどです。
ポルフィリン体やポルフィリン体に関係している物質が、皮膚や血液、肝臓などの臓器にたまることで起きる病気はいろいろあり、今のところは9つの病型があります。
大きく皮膚型ポルフィリン症と急性型ポルフィリン症の2つに分けられています。皮膚型ポルフィリン症は、皮膚の症状が起きるポルフィリン症、急性型ポルフィリン症は、急性の症状が現れるポルフィリン症です。
全ての総称がポルフィリン症なのです。
ポルフィリン症の原因は、遺伝子の変化です。9つの病型によって原因となる病気の遺伝子が違います。
ポルフィリン症は遺伝する病気です。遺伝形式は病型によって様々です。
原因になる遺伝子の変化を持っている人が発症する病気ですが、遺伝子の変化が原因となるだけではなく、その上で特定の薬剤の服用などの誘因となる要素がある場合、ポルフィリン症の症状が現れるということがわかっています。
9つの病型の中でも、晩発性皮膚ポルフィリン症は、遺伝が原因になることはあまりありません。多くは、アルコール性肝障害やC型肝炎を合わせて発症しています。
ポルフィリン症は、ヘム合成経路の異常に起因する一群の代謝性の病気のことを指します。ヘムは、私たちの体で酸素を運搬するためのヘモグロビンの主要な成分であり、ヘム合成経路のどこかでの異常がポルフィリン症の原因となります。
1. ヘム合成とは
ヘムは、いくつかの酵素によって段階的に合成される複雑な過程を経て作られます。この合成経路の中間産物として、ポルフィリンという物質が生成されます。ヘム合成経路の各ステップで働く酵素のうち、いずれかの酵素が欠如または異常であると、該当酵素の作用前の物質が過剰に蓄積することになります。この蓄積物質が体内のさまざまな組織や器官に障害を引き起こすのがポルフィリン症です。
2. 原因となる遺伝子変異
ポルフィリン症の多くは遺伝的要因に起因します。特定の遺伝子に変異が生じることで、ヘム合成経路の酵素の活性が低下し、結果としてポルフィリンが過剰に蓄積します。これらの遺伝子変異は、家族内で世代を通じて伝わることがよくあります。
3. 環境的要因
ただし、遺伝的要因だけがポルフィリン症の原因ではありません。病気の発症や症状の悪化には、環境的要因も関与しています。例えば、特定の薬物、アルコール、飢餓、感染、ホルモンの変動、ストレスなどが、発症や症状の誘発・増悪のトリガーとなることが知られています。
4. 種類と特徴
ポルフィリン症は、症状の特徴や発症部位によっていくつかのタイプに分類されます。一部は皮膚の症状を主とし、一部は神経系の症状が中心となります。
ポルフィリン症は、ヘムの合成経路に関与する遺伝子の変異によって引き起こされる代謝障害の病気です。この結果、ポルフィリンという物質が体内に過剰に蓄積し、さまざまな症状を引き起こします。遺伝的要因の他、環境的要因も疾患の発症に関与しているため、日常生活でのケアが重要となります。
ポルフィリン症の症状は、様々です。
皮膚型ポルフィリン症の場合は、日光を浴びた後に日焼けが起こります。顔や手の甲などの光に当たりやすい部位の皮膚は軽い刺激を受けただけでも、皮膚に傷が付きやすい状態になります。
急性型ポルフィリン症の場合は、腹痛や嘔吐、便秘や下痢などの消化器症状、運動麻痺や知覚麻痺、脱力などの神経症状、高血圧や頻脈などの循環器症状が起こります。
ポルフィリン症は、ヘム合成経路の異常に基づく稀な遺伝的障害の一群を指します。この経路の異常により、ヘムの前駆物質であるポルフィリンが過剰に蓄積されることでさまざまな症状が現れます。ポルフィリン症の症状は、主に皮膚や神経系に現れるため、ここではそれぞれの症状に焦点を当てて解説します。
1. 皮膚の症状
一部のポルフィリン症は、皮膚の症状を伴います。これは、光に感受性が高くなった皮膚が、太陽光などの紫外線にさらされることで炎症を起こすためです。
光感受性: 紫外線にさらされた部位での皮膚の赤み、かゆみ、腫れなどの症状が出現します。これにより、日光を避ける生活を余儀なくされることが多いです。
水疱: 紫外線にさらされた皮膚に水疱や皮膚のはがれが生じることがあります。
皮膚の厚くなり: 何度も炎症を繰り返すことで、皮膚が厚くなることがあります。
2. 神経系の症状
一部のポルフィリン症は、神経系に影響を及ぼす症状を引き起こします。
腹痛: 最も一般的な症状の一つであり、激しい腹痛が突然発生します。この痛みは数日間続くことがあります。
筋力の低下: 主に四肢の筋肉に影響があり、筋肉の弱さや麻痺を感じることがあります。
精神神経的症状: 不安、錯乱、幻覚、意識の混濁など、精神的な変調や神経的な症状が現れることがあります。
尿の変色: 一部のポルフィリン症では、尿が暗紅色や茶色に変色することがあります。
3. その他の症状
脈拍の増加、血圧の上昇、便秘や嘔吐、筋肉痛や関節痛、呼吸困難や胸の痛みなどが現れることがあります。
4. 女性のホルモンと症状
女性ホルモンは、ポルフィリン症の症状を誘発する可能性があります。したがって、月経前後に症状が悪化することが一部で観察されます。
ポルフィリン症は、病型や体質、環境などによってさまざまな症状を示します。光感受性を起因とする皮膚症状や、神経系に関連する症状が特徴的ですが、その他の症状も多岐にわたります。
ポルフィリン症の改善方法は、病型によって違います。皮膚型ポルフィリン症の場合、光線過敏になるため、遮光をすることで症状を防ぐことができます。他にも、βカロチンによって、光線過敏を防ぐ効果があるとも言われています。
鉄が過剰になっている場合、瀉血を行い改善に取り組みます。
急性型ポルフィリン症で、腹痛などの症状が現れている場合は、ブドウ糖を含む点滴を行い改善を行います。最近では、急性の症状を改善するための薬として、ヒトヘミンを使うことも認められています。
肝障害がある場合は、デオキシコール酸やコレスチラミンを使って改善を行います。
ポルフィリン症は、ヘムの生合成経路に関与する酵素の異常によって引き起こされる代謝障害の一群を指します。症状の原因や種類に応じて、改善法も異なります。以下に、ポルフィリン症の主な改善法を詳しく説明します。
1. 光感受性への対応
多くの場合は、皮膚が光に過敏に反応するため、日常生活での対策が必要です。
日光避け: 外出時は広いつばの帽子、長袖、長ズボン、手袋、日傘などを使用して、皮膚が直接日光にさらされないようにします。
紫外線カットクリーム: 高いSPF値の日焼け止めクリームやローションを使用することで、皮膚を保護します。
2. 症状の対処
痛みの管理: 強い腹痛が出現した場合、非オピオイド系の鎮痛剤やスパズモリティクスが処方されることがあります。ただし、いくつかの薬物は症状を悪化させる恐れがあるため、医師との綿密な相談が必要です。
神経症状: 神経症状が現れた場合、症状の軽減や予防のための改善が検討されます。
3. ヘモ剤の投与
急性の神経症状の際、ヘモ剤の投与が考慮されることがあります。これはヘム合成経路を正常化することを目的とした改善法です。
ヘモアルギン酸: 主に入院している場合に静脈内投与されることが一般的です。
4. 炭活薬の投与
炭活薬は、体内のポルフィリン前駆体の吸収を減少させる効果があります。
5. 除草
血液透析: 体内のポルフィリンやその前駆体を取り除くために、血液透析が行われることがあります。
肝移植: 重症の場合や再発を繰り返す場合には、肝移植が選択肢として考慮されることがあります。
6. 遺伝子での改善
ポルフィリン症は遺伝子変異が原因であるため、将来的には遺伝子での改善が実用化される可能性があります。この方法は、変異した遺伝子を正常なものに置き換えることで病態の改善を図るものです。
7. 予防と日常生活の工夫
トリガーの回避: アルコールや特定の薬物、ストレス、飢餓などが症状を引き起こすトリガーとなる可能性があるため、これらを避けることが推奨されます。
定期的なチェック: 状態の変化や新しい症状の出現を早期にキャッチするため、定期的に専門医に見てもらうことが大切です。
ポルフィリン症の改善方法は、症状の種類や重症度、個別の状況に応じて適切に選択される必要があります。病態の理解と、日常生活での適切な対応が症状の軽減やQOLの向上に繋がります。
ポルフィリン症における急性の発作時には、強い腹痛が主要な症状として出現することが多いです。この腹痛の管理には、以下のような薬剤が使われることが一般的です。
・非オピオイド系鎮痛剤
パラセタモール (アセトアミノフェン): 炎症を伴わない痛みの緩和に有効であり、他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)よりもポルフィリン症の場合には比較的安全とされています。
・オピオイド系鎮痛剤
このグループの薬剤は、中等度から重度の痛みに対して有効です。しかし、長期的な使用には依存のリスクがありますので、適切な使用が求められます。例としてはモルヒネやオキシコドンなどが挙げられます。
・スパズモリティクス (抗スパスモジーン薬)
腸の収縮やけいれんを和らげるための薬で、腹痛の緩和に有効です。例としてはヒヨシアミンやディクロベンズアミンが挙げられます。
・その他
痛みの原因や状態に応じて、補液法やヘモ剤の投与、その他のサポートが必要となることもあります。
重要な注意点として、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用は、一部のポルフィリン症の場合に症状を悪化させる恐れがあるため、注意が必要です。
症状の程度が重くならないようにするためには、光線を防いだり誘因となる要因や悪化する要因をできるだけ取り除くことが大事です。
急性型ポルフィリン症では使ってはいけない薬もあります。急性型ポルフィリン症で使ってはいけない薬には、バルビツール系睡眠薬や抗けいれん薬、経口避妊薬、エストロゲン製剤、サルファ剤などがあります。
他の病気を発症したときなどには、注意をすることが必要です。病院で薬をもらうときには、医師に急性型ポルフィリン症であることをきちんと伝えることも大事です。
アルコール摂取の摂取もあまり良くはないと言われています。できるだけ避けることをお勧めします。
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