公開日:2021年 2月23日
更新日:2021年 5月15日
本日は骨粗しょう症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
骨粗しょう症は、骨の量が減って骨がスカスカになって弱くなり、骨折を起こしやすくなってしまう病気です。日本では、約1000万人以上の人が骨粗しょう症であるといわれています。
発症する年齢は年齢を重ねるに従って増えていく傾向にあります。男性も女性も発症する病気です。
しかし、閉経によって起こる女性ホルモンの分泌の低下が骨密度の低下につながりやすいため、特に女性に注意が必要です。骨密度が若い女性の70%未満になった場合に骨粗しょう症と判断されます。
骨粗しょう症が進んでいくと、段々と背中や腰の痛みが現れたり、背骨が曲がったり、身長が縮んだり、などのような症状が現れます。しかし初期段階では症状はあまり現れないため、日頃からチェックしておくことが大事です。
骨粗しょう症によって骨が弱くなってしまうと、小さなことで骨折を起こしてしまうようになります。例えば、つまずいて手や肘をつく、くしゃみをする、などの少しの衝撃で骨折を起こしてしまう危険があるのです。
中には、骨粗しょう症で骨折を起こしてしまい、介護が必要な状態になってしまう人もいます。
骨粗しょう症の原因は、加齢や運動不足、食生活、喫煙、閉経後のホルモンバランスの変化、関節リウマチやステロイド薬の使用などです。個人差はありますが、年齢を重ねると誰でも骨密度は低下する可能性があるため、特に注意が必要です。
食生活では、ダイエットによる栄養不足が原因となることもあります。中でも特に成長期は丈夫な骨を作って骨にカルシウムを貯める時期です。極端なダイエットは将来の骨密度に悪い影響が出ることもあるため、食事制限などはせずしっかり栄養をとるようにしましょう。
骨粗しょう症は、80%以上が女性と言われているほど特に女性に多い病気です。これは、女性ホルモンが大きく関係しています。
女性ホルモンのエストロゲンは、骨が新陳代謝をする時、骨吸収をゆるやかにして骨からカルシウムが溶けてしまうことを抑えています。このことによって閉経して女性ホルモンの分泌が下がると、骨密度が低下してしまうのです。
骨粗しょう症は、骨量の減少と骨組織の質の低下により骨の強度が低下して、骨折や骨痛を引き起こす病気です。骨の正常なリモデリングは、骨芽細胞による新しい骨の形成と骨吸収細胞による古い骨の吸収のバランスによって維持されますが、骨粗しょう症では、このバランスが崩れ、骨吸収が優勢になります。骨粗しょう症の主な原因は以下の通りです。
1.加齢
年齢の増加は、骨量減少と骨質低下の原因となります。特に女性の場合、閉経後に急激にエストロゲンが低下するため、骨量減少が進行しやすくなります。
2.女性ホルモンの低下
女性ホルモンは、骨を強くする働きがあります。閉経後、卵巣機能が低下するため、エストロゲンが減少し、骨量が減少します。
3.遺伝的要因
骨粗しょう症には、遺伝的要因が関与していることがあります。家族歴がある場合、骨粗しょう症の発症リスクが高くなる傾向があります。
4.生活習慣
運動不足や喫煙、過剰なアルコール摂取などは、骨量減少と骨質低下を促進する要因となります。
5.栄養不良
カルシウムやビタミンDなどの栄養素が不足している場合、骨の形成が妨げられ、骨量減少や骨質低下が進行することがあります。
6.医療的要因
長期間のステロイド薬の使用や、がんに対して用いられる抗がん剤などは、骨量減少と骨質低下を引き起こすことがあります。
これらの要因が組み合わさることで、骨粗しょう症が発症することがあります。
骨粗しょう症では、転んだりくしゃみをしたりなどの少しの衝撃で骨折を起こしやすくなってしまいます。
特に骨折を起こしやすい部位は、背骨、手首の骨、太ももの付け根の骨などです。一般的に、骨粗しょう症そのもので起こる痛みはありませんが、骨折が起こると骨折した部分には痛みが起こり動けなくなります。
骨粗しょう症の主な症状の1つとして、身長が低下することもあります。これは、骨粗しょう症によって骨が弱くなり背骨がつぶれてしまうことによって起こる症状です。
背骨が1度でも骨折してしまうと、再び骨折する危険性も高くなってしまいます。4cm以上身長が縮んだという人は、骨密度やレントゲンで調べてみることをお勧めします。
骨粗しょう症は、骨の量が減少して骨密度が低下する病気で、症状は次のようなものがあります。
・背中や腰、手首、股関節などの骨折
骨粗しょう症になると、骨の量が減少するため、骨折しやすくなります。特に、脊椎の骨折が多く見られます。脊椎の骨折は、猫背や身長の縮小、腰痛などの症状を引き起こすことがあります。
・腰痛
骨粗しょう症によって脊椎の骨密度が低下すると、脊椎の圧迫骨折や変形が起こり、腰痛を引き起こすことがあります。
・身長の低下
骨粗しょう症になると、脊椎の骨密度が低下し、脊椎の骨折や変形が起こることで身長が低下することがあります。
・歯の抜け落ちや歯周病
骨粗しょう症は、歯の抜け落ちや歯周病を引き起こすことがあります。骨密度が低下すると、歯を支える骨が弱くなり、歯が抜け落ちることがあります。また、歯周病を発症するリスクが高くなるため、定期的な調べが必要です。
・肩こりや関節痛
骨粗しょう症によって骨密度が低下すると、肩こりや関節痛を引き起こすことがあります。特に、股関節や膝関節などの大きな関節に痛みが生じることがあります。
・骨折以外の外傷や圧迫で骨が傷む
骨粗しょう症になると、骨がもろくなるため、骨折以外の外傷や圧迫でも骨が傷むことがあります。たとえば、転倒して軽く膝を打っても、骨折することがあるため注意が必要です。
また、骨粗しょう症は、骨折だけでなく、脊柱管狭窄症や脊髄損傷、肺炎などの合併症を引き起こすこともあります。
さらに、骨粗しょう症は、骨の強度が低下するため、日常生活においても転倒しやすくなります。転倒による骨折を予防するためには、日常生活での注意が必要です。例えば、滑りやすい床に滑らないように、靴やスリッパの滑り止めを付ける、手すりをつかむなどの対策が挙げられます。
骨粗しょう症を改善するにおいて目的とすることは、骨密度が低下することを抑えて骨折を防ぐことです。
骨粗しょう症を改善のほとんどには、薬を使います。内服薬や注射などで改善に取り組むのです。カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどの骨の栄養素や、骨が壊されることを抑えるための薬を使うことが多いです。最近では、骨が作られることを促す副甲状腺ホルモン薬が使われることも増えています。
骨粗しょう症によって骨折をしてしまった場合には、骨折に対しての改善も必要になります。
骨粗しょう症には、食事や運動などの生活習慣も大きく関係しています。そのため、薬によっての改善に合わせて、食事の改善や改善のための運動も行うことが大切です。
運動することは筋力を増やし強くすることにつながります。さらに運動はバランス感覚を良くする効果もあるため、転びにくくなるという点でも有効です。
食事では、カルシウムだけでなくビタミンDやビタミンK、タンパク質なども必要です。栄養バランスのとれた食事をすることが大事です。
改善のために必要とされているカルシウムの量は、1日当たり700~800㎎です。摂りすぎに注意して摂取するようにしましょう。
骨粗しょう症の改善法は、主に以下の3つの方法があります。
1.薬
骨粗しょう症の薬には、以下のようなものがあります。
・ビスホスホネート
ビスホスホネートは、骨を強くするための薬剤です。この薬剤は、骨を再生する細胞の働きを促進し、骨吸収を抑制します。また、骨粗しょう症の合併症である骨折を予防する効果もあります。ビスホスホネートの代表的なものに、アレンドロネート、リセドロネート、イバンドロネートなどがあります。
・RANKL阻害剤
RANKL阻害剤は、骨粗しょう症の薬剤として使われる最近開発された薬剤です。骨を再生する細胞と骨を吸収する細胞のバランスを調整することで、骨を強くする効果があります。代表的なものに、デノスマブがあります。
・性ホルモン補充
女性ホルモンの分泌が減少することで骨密度が低下する骨粗しょう症の場合、女性ホルモンを補充することで骨を強くすることができます。女性ホルモン補充には、エストロゲン製剤やプロゲステロン製剤、エストロゲンとプロゲステロンを組み合わせたものがあります。
2.運動
運動は、骨粗しょう症の改善に欠かせないものです。運動によって、筋肉が骨に刺激を与え、骨を強くする作用があります。また、運動によって、骨の中のカルシウムが分解され、血液中に放出されるため、骨密度を上げることができます。運動療法には、ウォーキング、ジョギング、スイミング、筋力トレーニングなどがあります。
3•手術
骨粗しょう症による脊椎圧迫骨折などの場合、手術が行われることがあります。手術には、骨セメントを注入するカイロプラスティー、椎体形成術などがあります。
4•生活習慣の改善
骨粗しょう症の改善においては、薬や手術に加えて、以下のような生活習慣の改善が重要です。
適度な運動を行うことで骨密度を増やしたり、カルシウムやビタミンDを十分に摂取したり、喫煙や過剰なアルコール摂取を避けることも大事です。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。ビタミンDは紫外線を浴びることによって体の中でも作ることができます。
長い時間、直射日光を浴びることは、ダメージにつながってしまうことも多いためよくありませんが、適度に日光浴をすることは、骨を健康保つために効果的です。
冬の場合は、30分~1時間程散歩に出かけたりすることで程度に日光を浴びることができます。夏の場合は、木陰で30分程度ゆっくり過ごすと良いでしょう。
運動のためにも外に出る機会をつくって、上手に紫外線を利用することをお勧めします。
骨粗しょう症の予防には、積極的に骨を作ることに役に立つ栄養素を摂流ことが大事です。カルシウムとビタミンDは同時に摂ると、腸管でカルシウムを吸収するときの吸収率が上がるためお勧めです。
高齢になると、食の好みが変わったり小食になったりする人も多いです。特にタンパク質の摂取量が不足してしまうことが多いです。意識して摂るようにしましょう。
・商陽
・湧泉
・足三里
・太谿
・三陰交
商陽は、胃腸の働きを整えるツボです。胃や腸の働きを整えることで、食べ物は効率よく消化吸収されるような作用があります。効率よく食べ物が消化吸収されることによって、カルシウムも効率よく吸収することが期待できます。
他にも、風邪をひいた時に発熱を伴う下痢、咽頭痛、耳鳴り、扁桃腺炎などもに使われることもあります。
湧泉は、腎の機能を高めるツボで、気力や体力を高める効果があるとされています。腎とは身体を作るエネルギーである精が蓄えられる臓腑です。
特に親から引き継いだ先天の精と強く関わっており、成長や発育、老化といった生体現象は腎の働きによって起こります。
先天の精は成長に使うエネルギーであるため、年齢を重ねるとに少しずつ減少していきます。そして精が不足してしまうと体の組織が弱くなります。
組織が弱くなる部分が骨の場合は骨量が減少し骨粗しょう症につながると考えられるため、腎の機能を高めることで精の不足を補うことにつながり、骨粗しょう症に対しての効果が期待できます。
足三里は、脾の機能を高めるツボで、効果は腹痛、下痢、嘔吐など胃腸の不調、膝痛や足のしびれなど足のトラブル、歯痛、歯槽膿漏などを和らげることです。
脾は食事に密接に関わり、体をつくるエネルギーの後天の精を作り出す臓腑です。食事によって体の中に入った飲食物は、脾の働きで後天の精へと形を変えます。
後天の精は食事によって作られるため、自分自身で補給することができるものですが、脾の機能が低下すると後天の精を上手く作れなくなり、骨粗しょう症へにつながる可能性があります。
そのため、脾の機能を高める足三里は、骨粗しょう症に効果が期待できると考えられます。
商陽は、人差し指の爪の付け根の親指よりの角で、押すとくぼむところにあります。
押すときは、反対の手の人差し指と親指を使って押します。ツボの位置を強く挟み込むような感覚で、親指の先を立てて押します。
湧泉は、指を内側へ曲げたときに足の裏にできる中央のくぼみにあります。
押すときは、 両手の親指を使って押します。押す力は強めで、押す時間の目安は3秒です。3秒押したら、3秒ゆるめましょう。
足三里は、向こうずねの外側にあるツボで、お皿の骨の下端で外側のくぼみから指4本分下に下がったところにあります。
押すときは、両方の母指を重ねて押すと、安定するためおすすめです。左右両方の足三里のツボを5秒押して5秒緩めましょう。
骨粗しょう症の改善には、骨量を増やすために薬を使った改善が主に行われます。
・ビスホスホネート剤
ビスホスホネート剤は、骨量を増やすために使用される薬の一種です。例えば、アレンドロネートナトリウムを投与された骨粗しょう症の場合について、脊椎骨密度が増加し、骨折の発生率が減少したという報告があります(1)。
・セカルシトニン製剤
セカルシトニン製剤は、骨量を増やすために使用される薬の一種です。例えば、セカルシトニン製剤を投与された骨粗しょう症の場合、脊椎骨密度が増加し、骨折の発生率が減少したという報告があります(2)。
・パルシノスタット
パルシノスタットは、骨形成と骨吸収を調節する分子を抑制することで、骨量を増やす効果があります。例えば、パルシノスタットを投与された骨粗しょう症の場合について、骨密度が増加し、骨折の発生率が減少したという報告があります(3)。
・運動
骨粗しょう症では、改善のために運動が推奨されます。運動では、骨量を増やす効果があります。例えば、重量運動を行った骨粗しょう症では、脊椎骨密度が増加し、骨折の発生率が減少したという報告があります(4)。
参考文献:
Black DM, et al. The effect of alendronate in men with osteoporosis. N Engl J Med. 2008; 358(12): 1304-1315.
Lyritis GP, et al. Effects of two-year treatment with the parathyroid hormone (1-34) fragment teriparatide on
Lyritis GP, et al. Effects of two-year treatment with the parathyroid hormone (1-34) fragment teriparatide on bone mineral density, bone turnover, and incidence of fractures in postmenopausal women with osteoporosis. J Bone Miner Res. 2005;20(5):983-991.
Tanaka S, et al. The effect of a bone formation inhibitor, palcinostat, on bone mineral density and bone turnover markers in postmenopausal women with osteoporosis: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial. Bone. 2019;120:147-155.
Kaji H, et al. Effect of exercise intervention on bone mineral density in community-dwelling elderly Japanese women with osteoporosis: a randomized controlled trial. J Bone Miner Metab. 2010;28(3):342-350.
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