公開日:2022年 7月 5日
更新日:2022年 7月27日
本日は皮膚筋炎について解説させていただきます。
本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
皮膚筋炎は、皮膚や筋肉に炎症が起こる病気です。筋炎の原因は、色々ありますが、その中でも膠原病が原因で発症する筋炎が皮膚筋炎と多発性筋炎とされています。
皮膚筋炎と多発性筋炎の区別は、皮膚の症状によって分けられています。皮膚筋炎は特徴的な皮膚症状が現れている場合、多発性筋炎は特徴的な皮膚炎のない場合です。
皮膚筋炎と多発性筋炎を合わせると、日本では2万人以上の発症者がいると考えられています。発症は男性よりも女性に多いです。
皮膚筋炎は、子供から高齢の人まで全ての年齢で発症がみられる病気です。中でも、中年以降で発症することが1番多いとされています。また、学童期までの子供にも小さい発症のピークがあるといわれています。
皮膚筋炎の原因は、免疫異常です。
免疫に異常が起きると、外から体の中に入ってくる細菌やウイルスなどから体を守るはずのシステムが、間違えて自分の臓器を攻撃してしまうのです。
なぜ免疫に異常が起きるのかということについては今のところわかっていません。免疫の異常を起こす要因として考えられていることは、生まれつきの体質やウイルスへの感染、紫外線、喫煙などです。
そのような要因に、がんや特定の薬などの条件が合わさると免疫の異常が起きると考えられているのです。
皮膚筋炎の症状は、特徴的な皮膚症状と筋肉の炎症です。人によっては、関節症状や呼吸器症状、心臓の症状や全身症状などが現れることもあります。
特徴的な皮膚の症状は、ヘリオトロープ疹やゴットロン丘疹です。ゴットロン丘疹と同じような皮疹が、手指だけでなく、肘や膝、足首などの関節に起きることもあります。
日光が当たりやすい部分や物理的な刺激を受けやすい部分は、紅斑が起きやすいです。皮疹ではかゆみが現れることもあり、かゆみが現れることから症状がはじまることもあります。
また、皮下脂肪に炎症や石灰化が起きたり、皮膚の潰瘍ができたりすることもあります。
筋肉の炎症では、筋肉が障害されることで疲れやすくなったり痛みが出たり、筋力が低下し力が入らなくなったりします。多くの場合、筋肉の症状は緩やかに現れるため、初期段階では、特に自覚症状はないこともあります。
筋力が低下しやすい部分は、二の腕や太もも、首などの体の中心に近い筋肉です。喉の筋力が低下することもあります。喉の筋力が低下すると、食べ物が飲み込みにくくなったりむせたり喋りにくくなったりします。
関節の症状では手足の関節の痛みや腫れ、呼吸器や心臓の症状では、間質性肺疾患や心臓の筋肉の障害が見られることがあります。
他にも、レイノー症状、発熱、倦怠感や疲労感、食欲不振などが見られることもあります。
皮膚筋炎改善方法は、薬です。主に経口ステロイドを使います。一般的には中から高用量のステロイドを2週間ほどかけて投与します。
ステロイドの使う量や期間を減らすために、メトトレキサートやアザチオプリンなどの免疫抑制薬を使うこともあります。現れている症状が皮膚症状だけであれば、ステロイドやタクロリムス外用を使って改善を行います。
筋力の低下の改善を目的に免疫グロブリンを大量に使う方法で改善を行うこともあります。筋力低下が見られた場合は、薬を使うこととあわせて早い段階でリハビリテーションを行うことも大事です。
皮膚筋炎を改善するためには、早い段階でリハビリテーションを行うことも大事であるといわれています。
リハビリテーションを始める時期や運動の強度は人によって違います。
ただし、近年、リハビリテーションを行うことが、筋肉の炎症を抑えたり筋肉の中のエネルギーを作るミトコンドリアの機能を改善したりすることがわかってきました。
そのため、早い段階でリハビリテーションを行うことが大事であると考えられているのです。