卵巣のう腫茎捻転の鍼灸【原因・定義・症状】

☆本記事の内容

• 卵巣のう腫茎捻転とは
• 卵巣のう腫茎捻転の原因
• 卵巣のう腫茎捻転の症状
• 卵巣のう腫茎捻転の改善方法
• 卵巣のう腫茎捻転のまとめ

目次

• 卵巣のう腫が発生し、子宮とつながっている部分で捻れる
• 腫瘍が4cm以上になると発症する可能性が高くなる
• 卵巣のう腫茎捻転の主な症状は、下腹痛
• 卵巣のう腫茎捻転の改善方法は、手術
• 婦人科できちんと体を調べておくことが大事
• 卵巣のう腫茎捻転に効果的なツボ

卵巣のう腫茎捻転は、卵巣のう腫が発生し、子宮とつながっている部分で捻れることです。

約20～40歳の女性の正常卵巣では、いろいろな腫瘍が発生することがあります。

卵巣のう腫は、卵巣の中に液状成分がたまって腫れている状態になります。のう腫のなかに髪の毛や脂肪組織、軟骨などの成分を含む皮のう胞腫も多く見られます。

このような卵巣のう腫が子宮とつながっている部分で捻れることを卵巣のう腫茎捻転というのです。

一般的には、卵巣のう腫が5～6cm近くになると捻れる可能性がありますが、5～6cmより小さかったり大きかったりしても捻れることがあります。

卵巣のう腫茎捻転の原因は、卵巣嚢腫によって卵巣が腫れた状態になることです。

卵巣嚢腫によって卵巣が腫れた状態になると卵巣そのものが重くなるため、卵巣が動いたときに周りの血管や組織を巻きこむように捻じれることがあるのです。

腫瘍が4cm以上あると、卵巣のう腫茎捻転を発症する可能性が高くなります。 しかし10cm以上と大きい場合でも卵巣のう腫茎捻転を発症しない可能性もあります。

卵巣のう腫茎捻転は、卵巣や卵巣のう腫がその付着部分を中心に回転し、血液供給が遮断される緊急を要する状態です。この状態は、卵巣の組織が壊死（死滅）するリスクを高め、改善が遅れると生命を脅かすこともあります。

・卵巣のう腫の存在

卵巣のう腫や卵巣腫瘍がある場合、その重さによって卵巣が自身の軸を中心に回転しやすくなります。特に、5cmを超える卵巣のう腫が茎捻転のリスクを高めるとされています。

・急激な身体活動や運動

急激な運動や活動、あるいは強い腹部の圧力が加わることで、卵巣が回転しやすくなることがあります。

・妊娠

妊娠中は卵巣のう腫が発生しやすくなり、また、子宮の大きさの変化によって卵巣が通常の位置から動きやすくなるため、茎捻転のリスクが高まります。

・生殖器官の解剖学的な特徴

卵巣のリガメントが長い場合など特定の解剖学的な特徴や異常が、卵巣が捻転しやすくなる要因となることがあります。

・卵巣刺激

不妊の改善で用いられる卵巣刺激は、卵巣のう腫を形成するリスクを高め、それにより茎捻転の可能性も増加します。

・卵巣のう腫茎捻転のリスクを高める要因

卵巣のう腫や腫瘍の存在、急激な身体活動や運動、妊娠、不妊の改善、生殖器官の解剖学的な特異性

卵巣のう腫茎捻転は、卵巣の血流が突然遮断されるため、急性の痛みや他の顕著な症状を引き起こす可能性があります。以下に、卵巣のう腫茎捻転の典型的な症状を挙げます。

・急激な腹痛または骨盤痛

通常、痛みは片側に発生しますが、非常に強く、突然に現れることが特徴です。痛みは持続的で、体位の変更や活動で緩和されないことが一般的です。

・腹部の膨満感または圧迫感

捻転により卵巣が腫れ、腹部が膨らんだり、圧迫感を感じたりすることがあります。

・吐き気と嘔吐

強い痛みによって吐き気や嘔吐が引き起こされることがあります。

・発熱

低度の発熱が伴うことがありますが、これは体の炎症反応の一部として発生します。

・排尿や排便の問題

捻転した卵巣が膀胱や腸に圧力をかけることで、排尿時の痛みや頻尿、排便困難などの問題が生じることがあります。

・突然の血圧低下や失神

強い痛みや内部の出血により、血圧が低下したり、失神に至る場合があります。

卵巣のう腫茎捻転の症状は他の状態、例えば胃腸の問題や子宮外妊娠や急性盲腸炎などの他の婦人科の病気と似ているため、正確な判断は専門の機関で行われる必要があります。

卵巣のう腫茎捻転は、卵巣への血流が遮断される緊急事態であり、迅速な改善を行うことが必要です。改善法は主に状態の重篤さや年齢、将来の妊娠希望などに基づいて決定されます。

・保存的方法

初期段階での茎捻転や軽度の症状の場合、痛み管理や症状のモニタリングを通じて、自然に回復するのを待つこともあります。ただし、これは非常に限定的なケースに適用され、一般的な方法ではありません。

・外科的方法

腹腔鏡手術: 最も一般的方法で、小さな切開を介して挿入されるカメラを使用して捻転を解除します。可能であれば、卵巣とその機能を保持しようとしますが、組織が壊死している場合や回復の見込みがない場合は、卵巣を部分的または全摘することが必要になる場合があります。

開腹手術: 腹腔鏡手術が不適切、または可能でない場合に選択されることがあります。これは、より大きな切開を必要とし、回復期間も長くなりますが、捻転の重度のケースや大きな卵巣のう腫を扱うのに適しています。

・卵巣の保存または摘出

若い女性や将来の妊娠を希望する女性では、可能な限り卵巣の保存を試みます。卵巣組織が健康であれば、捻転を解除し、血流を回復させることを目指します。卵巣が壊死していたり、卵巣がんの疑いがある場合は、摘出が必要になることがあります。

・改善後のフォローアップ

手術後は、定期的なフォローアップが必要になることがあります。これは、卵巣の機能をモニタリングし、再発を防ぐためです。痛み管理や感染予防のための薬での改善が行われることもあります。

卵巣のう腫茎捻転の改善では、状態の緊急性を考慮して迅速に行われます。改善法は主に外科的介入によるもので、将来の健康や妊娠希望に基づいて、最適な計画が立てられます。年齢や総合的な健康状態、および卵巣の損傷の程度に応じて、卵巣の保存または摘出が検討されます。

卵巣のう腫茎捻転の改善において、主な改善方法は外科的介入ですが、痛みの管理や手術後のケアにおいて薬が用いられることがあります。薬は、症状を緩和し、手術までの間や手術後の回復をサポートする目的で使用されます。卵巣のう腫茎捻転自体を薬で改善することはできませんが、以下の薬が痛みの管理や関連症状の軽減に役立ちます。

・非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）

用途: 痛みや炎症の軽減に用いられます。

例: イブプロフェン（Advil、Motrinなど）、ナプロキセン（Aleve）。

副作用: 長期使用は胃腸障害、腎機能障害、心血管系のリスク増加につながる可能性があります。

・鎮痛剤

用途: 中等度から重度の痛みを管理します。

例: パラセタモール（Tylenol）、場合によってはより強力なオピオイド鎮痛剤が処方されることもあります。

副作用: オピオイドには依存性、便秘、吐き気などの副作用があります。

・抗生物質

用途: 茎捻転が感染を引き起こしている、または手術後の感染予防のために使用されることがあります。

副作用: 胃腸の不快感、腸内フローラの変化、耐性菌の発生リスクなど。

上記の薬は症状の管理や補助的な改善に用いられますが、卵巣のう腫茎捻転の根本的な改善には外科的介入が必要です。薬は医師の指示に基づいて使用する必要があります。自己判断での薬の使用は避け、医師の判断と計画に従ってください。

・内関

・労宮

・築賓

内関は、押すことで吐き気を抑えることができる効果のあるツボです。そのため、卵巣のう腫茎捻転によって現れる症状である嘔吐や吐き気に効果が期待できます。

内関には精神を落ち着けて自律神経を整える作用もあります。

労宮は、血流を促す効果があるツボです。血流が促されることによって体全体に酸素行き渡り、筋肉の疲労回復と脳の活性化につながります。他にも、手のほてりや動悸、吐き気、胸のつかえ、胃腸の不調などに効果を発揮します。

労宮には自律神経を整える効果もあり、精神的に疲れている時や気持ちが落ちているとき、集中したいときなどにも効果的です。

築賓は浮腫みや解毒作用の効果があるとされているツボです。 花粉症やダイエット、足頸部痛、腰痛、アレルギーなどに効果的なツボなのです。

築賓は乗り物酔いなどで気分が悪くなった時にも効果を発揮します。

内関は、手のひら側の手首の横ジワ中央から肘に向かって指3本分の場所にあります。

押すときはスジの間に押し込むようなイメージで押しましょう。

労宮は、手を握ったとき手のひらで中指が当たる場所にあります。

押すときは、深呼吸をしながら押しましょう。ゴルフボールを両手で挟んで、両手の労宮を同時にほぐす方法もオススメです。

築賓は、足の内側のくるぶしからひざの方へ指5本分進んだ場所にあるツボです。

押すときはゆっくり押しましょう。膝を使ってアキレス腱から築賓まで下から上にかかとでこするように刺激をする方法もオススメです。