ロングコビットの鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 4月23日

更新日:2022年 4月30日

本日はロングコビットについて解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • ロングコビットとは
  • ロングコビットの原因
  • ロングコビットの症状
  • ロングコビットの改善方法
  • ロングコビットのまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

ロングコビットは、新型コロナウイルスの後遺症

ロングコビットは、新型コロナウイルスに感染した後、回復した後も後遺症としていろいろな症状が現れることです。新型コロナウイルスに感染した時に症状があってもなくてもおこることがあります。

 

ロングコビットによって現れる症状や症状の程度は、人によって違い、ロングコビットであるとされるのは、新型コロナウイルス感染症に感染していると判断されてから、1〜2か月以上経っても何かの症状がある場合です。

症状がなぜ現れるのかについては明らかになっていない

ロングコビットの原因は、はっきりとは分かっていません。

 

今考えられていることは、自己抗体やウイルスによる過剰な炎症、活動性のウイルスそのものによる障害や不十分な抗体による免疫反応などが関係しているのではないか、ということです。

 

ロングコビットは新型コロナウイルスに感染したときに症状がある場合もない場合もおこることがあります。新型コロナウイルスに感染することでロングコビットが起こりますが、症状がなぜ現れるのかについては明らかになっていないのです。

1. ウイルスの直接的な影響

神経への影響: 新型コロナウイルスは神経系に影響を与える可能性が指摘されています。これが、味覚や嗅覚の障害、頭痛、めまい、集中力の低下などの神経系の症状の原因となっている可能性が考えられます。

組織の損傷: ウイルスが感染した組織や細胞に損傷を引き起こすことが考えられます。特に肺は新型コロナウイルスの感染に弱く、感染によって炎症や損傷が生じると、息切れや呼吸困難の原因となることがあります。

 

2. 免疫系の反応

炎症の持続: COVID-19の感染により活性化された免疫応答が、過剰になることで体内の炎症が持続することが考えられます。この持続的な炎症がさまざまな症状の原因となる可能性があります。

自己免疫反応: 一部では、ウイルスに対する免疫応答が自身の細胞や組織を攻撃する「自己免疫反応」を引き起こすことが考えられます。これにより関節痛や皮膚の炎症などの症状が現れることがあります。

 

3. 循環器系の影響

新型コロナウイルスは、心臓や血管に影響を与えることが報告されています。これにより、心臓の筋肉の炎症、血栓の形成、血管の炎症などが引き起こされることがあります。これが、疲れやすさ、息切れ、胸痛などの症状の原因となる可能性が考えられます。

 

4. 精神的・心理的影響

COVID-19の感染経験は、精神的・心理的なストレスを伴うことが多いです。重症の場合、その体験がトラウマとして残ることがあります。また、孤立感、社会からの差別や偏見なども、精神的な負担となり得ます。このような精神的・心理的なストレスが、不安、うつ症状、睡眠障害などの症状として現れることがあります。

 

5. その他の原因

筋肉や骨格系の影響: 長期間の臥床や運動不足は、筋肉の衰えや関節の固さを引き起こすことがあります。これにより、疲れやすさ、筋肉痛、関節痛などの症状が現れることが考えられます。

回復過程の不均一性: 人によってCOVID-19の回復過程は異なり、一部では回復が遅れることがあります。これは、体質や基礎的な病気、初期の病態の重さなどが影響している可能性が考えられます。回復が遅れることで、長期間にわたり症状が持続する場合があります。

 

6. 微生物の残存

新型コロナウイルスの痕跡や断片が体内に一時的に残留することが示唆されています。このウイルスの残留が、直接的に症状を引き起こすのか、あるいは免疫応答を持続させるのかについては、まだ完全には解明されていませんが、これがロングコビットの一因となっている可能性も考えられます。

 

7. 再感染のリスク

COVID-19の再感染の報告が一部で上がっています。再感染による症状がロングコビットとして誤認される場合があるかもしれません。再感染のリスクや特性については、現在も研究が続けられています。

 

8. ウイルスの変異

新型コロナウイルスは、時間とともに変異しています。これらの変異株がロングコビットの原因や症状の持続に影響を与える可能性もあります。変異株に関する研究や調査は急ピッチで進められており、新しい情報が日々更新されています。

 

まとめ

ロングコビットは、COVID-19の感染後も症状が持続する現象で、その原因やメカニズムは多岐にわたります。ウイルスの直接的な影響から、免疫系の反応、循環器や神経系の影響、精神的・心理的な影響など、さまざまな要因が絡み合ってロングコビットの症状を引き起こしていると考えられます。

主に現れる症状は、倦怠感、嗅覚障害、味覚障害など

新型コロナウイルス後遺症の症状は人によってさまざまです。また、症状の程度についても人によって違います。

 

主に現れる症状としては、倦怠感、嗅覚障害、味覚障害、せき、痰、発熱、呼吸困難感、抜け毛などが挙げられます。

 

倦怠感は体がだるいだけではなく、精神的にもだるさや疲れを感じることもあります。発熱に関しては、長い期間にわたって微熱の状態が続くケースも見られます。

 

嗅覚障害や味覚障害、抜け毛などの症状は新型コロナウイルスに感染している時に現れた症状が、回復しても続くケースが多いです。

1. 息切れと胸の圧迫感

一部では、軽度の活動での息切れや胸の圧迫感を訴えます。これは日常生活の中での階段の昇降や短距離の歩行でも現れることがあります。

 

背景: COVID-19の影響で肺の組織が傷つき、肺の機能が低下することでこのような症状が生じると考えられます。

 

2. 疲労感

多くの人が強い疲労感を訴えます。この疲労は、身体的な活動だけでなく、精神的な活動に対しても現れることがあります。

 

背景: この疲労感の原因は明確ではありませんが、免疫応答の持続や炎症、神経系の影響などが関与している可能性が考えられます。

 

3. 筋肉痛と関節痛

筋肉の張り、痛み、関節の痛みや腫れなどの症状が現れることがあります。

 

背景: ウイルスの感染や免疫の反応による炎症が筋肉や関節に影響を与えることで、これらの症状が生じる可能性が考えられます。

 

4. 味覚と嗅覚の異常

味覚や嗅覚の異常はCOVID-19の初期症状としても知られていますが、回復後も持続する場合があります。

 

背景: 新型コロナウイルスは嗅覚細胞を直接攻撃する可能性があり、これが味覚や嗅覚の異常の原因となると考えられます。

 

5. 頭痛とめまい

頭痛やめまいが続くことが報告されています。

 

背景: ウイルスの感染や炎症の影響で神経系が損傷されることで、これらの症状が生じる可能性があります。

 

6. 心臓の症状

心拍数の増加、胸痛、動悸などの症状が現れることがあります。

 

背景: COVID-19は心筋炎を引き起こすことが知られており、心臓の筋肉や血管の炎症がこれらの症状の原因となる可能性が考えられます。

 

7. 睡眠障害と精神的な症状

睡眠の質の低下、不眠、過眠、夢を見る頻度の増加など、さまざまな睡眠障害が報告されています。また、不安、抑うつ、集中力の低下、記憶の問題などの精神的な症状も多くの人に見られます。

 

背景: COVID-19による体の炎症やストレス、隔離・入院生活などの社会的要因、神経系やホルモン系の変動など、多岐にわたる要因が睡眠障害や精神的な症状の原因として考えられます。

 

8. 腸の症状

下痢、便秘、腹痛などの腸の症状が持続することがあります。

 

背景: 新型コロナウイルスは消化器系にも影響を与えることが知られており、腸の粘膜に炎症が起こることで、これらの症状が生じる可能性が考えられます。

 

9. 皮膚の症状

発疹、じんましん、手足の冷えや色の変化など、さまざまな皮膚の症状が報告されています。

 

背景: ウイルスの感染や体の炎症反応、血流の変化などが、皮膚の症状の原因として考えられます。

 

10. 耳鳴りや聴覚の変化

説明: 耳鳴りや聴覚の低下といった耳に関連する症状が一部で報告されています。

 

背景: ウイルスの影響や炎症、免疫の反応などが、耳の内部や神経に影響を与えることで、これらの症状が生じると考えられます。

 

11. 濃度注意障害

集中力の低下、物事を忘れやすくなる、判断力の減少などの認知機能に関連する症状が現れることがあります。

 

背景: COVID-19の影響で脳や神経系が損傷されることや、炎症、酸素供給の低下などが、これらの症状の原因として考えられます。

 

 

ロングコビットは、COVID-19の感染後も持続するさまざまな症状を指します。これらの症状は、ウイルスの直接的な影響や、免疫系、神経系、循環系などの体のさまざまな部位に対する影響に起因すると考えられます。ロングコビットの理解はまだ進行中であり、症状の全容や持続する原因については、今後の研究が待たれます。

現れている症状に対して改善を行うことが基本

ロングコビットの根本的な改善方法はありません。原因もはっきりとわかっていないため、現れている症状に対して改善を行うことが基本になります。

 

多く現れる症状である倦怠感や発熱などの症状は、上咽頭炎の炎症が原因で現れている場合は、Bスポットという改善方法が効果を発揮すると言われています。

 

Bスポットという改善方法は、綿棒で直接炎症を起こしている上咽頭に塩化亜鉛溶液を塗る改善方法です。

 

ロングコビットはそのままにしておくと症状が悪化する可能性もあります。病院で症状に対して改善を行うことが大事です。

1. 総合的な評価

 ロングコビットの症状は多岐にわたるため、まずは全体的な健康状態を評価することが必要です。

効果: 体のどの部分に問題があるのか、何が原因で症状が持続しているのかを明確にすることで、改善方法の方針を決定するのに役立ちます。

 

2. 症状別の改善

症状や体の部位ごとに異なる方法が選択されます。例えば、呼吸器の症状には吸入薬、心の症状にはカウンセリングや抗うつ薬などが考慮されることがあります。

効果: 各症状に特化した改善方法を行うことで、症状の改善を促進します。

 

3. リハビリテーション

持続する疲労感や筋力の低下に対しては、リハビリテーションが効果的です。専門のリハビリテーションセンターや専門家と連携して、個別のプログラムを組むことが推奨されます。

効果: 体力の回復、筋力の向上、日常生活の質の向上を目指すことができます。

 

4. 精神的サポート

ロングコビットは、体だけでなく心にも大きな影響を与える可能性があります。心のサポートとして、カウンセリング、心理法、グループセラピーなどが考慮されます。

効果: 不安や抑うつなどの精神的な症状の緩和、生活の質の向上を目指すことができます。

 

5. 生活習慣の見直し

健康的な生活習慣を取り入れることで、症状の持続や再発を予防することが可能です。バランスの良い食事、適切な運動、十分な休息、ストレスの管理などが重要となります。

効果: 体全体の健康を維持・向上させ、ロングコビットの症状の緩和をサポートします。

 

6. 薬

症状に応じて、炎症を抑制する薬や痛みを緩和する薬、睡眠を改善する薬などが処方されることがあります。

効果: 症状の特定の部分をターゲットにして、その症状の改善を目指すことができます。

 

7.コミュニティ活動

ロングコビットを発症した人同士で情報交換やサポートを行うグループやコミュニティが多数存在しています。経験者の話を聞くことで、新たな改善法や生活の工夫を学ぶことができます。

効果: 他の人との交流を通じて、心のサポートや情報の共有を行うことができます。

ロングコビットに関して、特定の改善法や薬が確立されているわけではありません。しかし、症状や合併症に応じて様々な薬が処方される場面があります。以下はその一例です。

 

・抗炎症薬

名前: イブプロフェン、アセトアミノフェン(パラセタモール)など

使う場面: 炎症や痛みの緩和のため。頭痛や筋肉痛、関節痛などの症状がある場合に使用されることがある。

 

抗うつ薬

名前: フルオキセチン、セルトラリン、パロキセチンなど

使う場面: ロングコビットの患者が抑うつ症状や不安症状を示す場合に使用されることがある。

 

睡眠薬

名前: ゾルピデム、ゾピクロンなど

使う場面: 睡眠の質が悪化した場合や不眠が続いている場合に短期的に使用されることがある。

 

ベータブロッカー

名前: プロプラノロールなど

使う場面: 高血圧、不整脈、心の動悸などの症状がある場合に使用されることがある。

 

ステロイド

名前: プレドニゾロン、デクサメタゾンなど

使う場面: 慢性的な炎症反応が続いている場合や、重症のロングコビットの患者に短期的に使用されることがある。

 

抗コリン薬

名前: チォトロピウム、イプラトロピウムなど

使う場面: 呼吸困難や喘息のような症状がある場合に使用されることがある。

 

免疫抑制薬

名前: メトトレキサート、アザチオプリンなど

使う場面: 免疫系の過剰反応による症状がある場合や、炎症反応が強い場合に使用されることがある。

 

 

・血圧調整薬

名前: ロサルタン、アセンダピンなど

使う場面: 高血圧や心の症状がある場合に使用されることがある。

 

これらの薬は、ロングコビットの症状に応じて適切に処方される必要があります。自己判断で使用しないようにし、必ず医師との相談を行うことが大事です。また、薬には副作用もあります。使用する時には慎重な判断と経過観察を行いましょう。

新型コロナウイルス感染症で入院した後に全快した人は少ない

ある研究では、新型コロナウイルス感染症で入院した後に全快した人は少なく、入院する前に比べてQOLが下がっていたという報告もあります。

 

また、女性と男性で比べると、ロングコビットの症状を訴える人は男性よりも女性の方が多いという報告もあります。

 

新型コロナウイルスに感染し、入院した後、退院して5か月後と1年後に追跡調査に参加した人の中で、退院から5か月後も1年後も全快した人は非常に少ないということもわかっています。

 

退院から1年後でも倦怠感や筋肉痛、睡眠不足や息切れ、関節痛や関節の腫れなどが続いて現れている人が多かったのです。さらに、思考力が下がったり短期記憶障害が見られたりするケースも多いということがわかりました。

 

この調査では、退院から1年後も全快が難しいリスクとなる要因としては女性であること、肥満であること、急性期に人工呼吸器によって改善を受けていることが挙げられるという結果が示されています。

ロングコビットに効果的なツボ

鼻通

迎香

・足三里

鼻通

鼻通は、鼻の色々な症状を和らげる効果があります。ロングコビットでは、新型コロナウイルスに感染した後も、嗅覚障害や味覚障害などが続くというケースも多いです。

 

鼻通を刺激することで、嗅覚障害がある場合や嗅覚に障害が起きていることによって味覚にも障害が起きている場合などに効果が期待できるのです。

迎香

迎香というツボの名前は、香りを迎える効果があることから名付けられたと言われています。迎香は、嗅覚障害に対して非常に有効なツボなのです。

 

ロングコビットで現れる症状はいろいろありますが、多くの人に嗅覚障害の症状が見られます。嗅覚障害がある場合、症状を和らげるために迎香はおすすめのツボです。

足三里

足三里は疲れや倦怠感に効果的なツボです。足三里を刺激することで、全身の脱力感や倦怠感が和らぐ効果があるのです。そのため、体にも心にも活力が湧くことが期待できます。

 

ロングコビットで主に現れる症状である倦怠感は、体にも心にも現れます。精神的にだるい場合も体がだるい場合も刺激することで改善が期待できます。

ツボの位置と押し方

鼻通

鼻通の場所は、小鼻の横のくぼみです。

 

押すときは、静かに押します。あまり強く押しすぎないように注意して押しましょう。刺激が強いと感じる場合は、押す力を弱くしても効果は期待できます。気持ち良いと感じる程度の力加減で刺激をしましょう。

迎香

迎香の場所は、小鼻の付け根のでっぱりです。

 

押すときは、ツボに対して指を引っかけるような形にして押すと押しやすいです。鼻が詰まっているときは、押すときのイメージとして、下に向かって押すイメージをするとより効果が期待できます。

足三里

足三里の場所は、下の窪みから指4本下に下がったところの向こう側のスネの外側です。

 

押すときは、親指を使って押します。椅子に座って、親指以外の指は残りの指をふくらはぎに添えると押しやすいです。押すときの力加減は少し強めくらいがおすすめです。

おすすめ記事

営業時間

11時から21時

営業日
 

11時~21時迄

休業日

年末年始

お問合せ
080-1802-9798