公開日:2019年 12月23日
更新日:2021年 5月 15日
本日は生理痛について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
女性は妊娠や出産、授乳という女性特有の役割があります。そのため、子宮や卵管、卵巣など多数の女性特有の生殖器官が存在します。
女性の体は女性ホルモンの分泌に非常に大きく影響を受けています。月経は、卵胞ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンであるプロゲステロンの働きによって大体25~38日周期で起こります。
月経は妊娠の準備を整える過程で受精卵が厚くなった子宮内膜へ着床せず、妊娠しなかった場合、子宮内膜がはがれ落ち、血液とともに体の外へ出されることによって起こります。
このとき、痛みのもととなるプロスタグランジンという物質が分泌され、子宮の収縮をするのです。この痛みのもとの分泌が増えると、痛みを感じます。この痛みが生理痛です。
動けないような激しい痛みがあったり、下腹部痛だけでなく腰痛や頭痛、吐き気、下痢やめまいなどの全身症状が合わせてある場合は月経困難症と呼ばれます。背景に病気のような異常のない場合は機能性月経困難症と呼びます。出産の前で子宮頸管が非常に細かったり、プロスタグランジンの分泌が多い体質の人などが強い痛みを感じることが多いです。若い人に起こる強い月経痛のほとんどはこのケースです。一般的には出産が終わると月経痛が軽くなることが多いです。原因が何かの病気にある場合は器質性月経困難症と呼ばれます。女性が出産した後、出産する前より月経痛が強くなったり血の量が増えたり、塊が出たり、月経の前から痛みがあったりするなどの場合は、子宮筋腫や子宮内膜症などが原因となっていることがあります。
生理が始まる少し前から子宮内膜の中でプロスタグランジンという物質ができます。プロスタグランジンが子宮の収縮を促すことによって、はがれ落ちた子宮内膜が体の外に出ていきます。
この子宮の収縮が強くなると生理痛の症状が現れます。生理痛の強さが人によって異なるのは、その人自身が持っているプロスタグランジンという物質の量と痛みの感じやすさが違うからです。
プロスタグランジンの量が多かったり痛みを感じやすかったりする人の場合、生理痛が強くなるのです。その人個人の体質で痛みが変わるのです。
さらに、ストレスやその日の体調、生理痛に対するイメージなどによっても痛みの感じ方が変わることもあります。
約8割の女性が生理痛として何か痛みを感じていると言われています。女性全体の約3割弱の女性は激しい生理痛だと感じているとも言われています。
人によっては生理痛だけではなく、頭痛や腰痛、吐き気など様々な症状を合わせて感じることがあります。痛みや症状に関して大きな個人差があるのは、生理の仕組みに原因があります。
生理痛で現れる症状や痛みの程度は個人によって差があります。生理に関係して起きる症状を月経随伴症状といいます。
多くの人が腹痛や腰痛、頭痛を感じます。また、気分が落ち込んだり、感情が不安定になったりするという人も多くいます。
腹痛や腰痛は生理とともに多くに人に起きる症状です。腹痛や腰痛、下痢が生理中に起きるのは、プロスタグランジンが原因です。
下腹部や腰に痛みが起きたり、胃腸の働きが悪くなって下痢や吐き気を感じる人もいます。さらに、頭痛を感じる人も多いです。
頭痛は、女性ホルモンの1つであるエストロゲンが原因です。生理前後に起こることが多いです。
他にも生理に関係して起きる症状は多くあります。まず、貧血です。貧血は、生理中の経血量が多いことが原因です。顔色が悪くなったりめまいが起きたりします。
イライラや憂鬱感、怒りっぽいなど感情が不安定になる人も多くいます。これは、生理に関係してホルモンが変化することが原因です。
症状が生理前から始まり生理がはじまると落ち着く場合、PMSの可能性があります。
生理痛の改善には、身体を温めることも効果的です。特に下腹部を温めることで血行が良くなります。
血行がよくなると、プロスタグランジンが子宮内にたまることを予防できるため、生理痛が辛くなることを防ぐことができます。生理痛がある時は、ゆっくりお風呂に入ったりお腹を温める服装にすると良いです。
冷たい飲み物や食べ物ではなく、温かいものや体を温める効果のあるものを食べたり飲んだりすることがお勧めです。
生理痛の改善には、ストレスをためないことも大切です。ホルモンバランスの安定が必要なのです。ストレスや疲れをためない生活を心がけましょう。
いつもよりしっかり睡眠をしたり、ストレス改善をすと良いです。生理の時はだるくて動きたくないという人も多いですが、運動習慣がある人は生理の前や生理中にジョギングやウォーキング、スイミング、ヨガやエアロビクスなどの軽い運動をすると良いです。
軽い運動によって骨盤の中に経血が溜まることを防ぐことができます。
生理痛やPMSを改善して生理の期間を快適に過ごすためには低用量ピルも選択肢の1つです。低用量ピルは排卵を抑えることによってホルモンのバランスを整えることができます。ホルモンバランスが整うと、生理痛やPMSが改善できます。さらに、低容量ピルには、生理痛の原因となる月経困難症や子宮内膜症を改善させることができる可能性もあります。
生理の際、集中力が低下したり強い眠気があったり、イライラしたり、食欲が旺盛になったり、体がむくんだりすることがあります。
生理に関して起こる症状は個人差が大きいです。自分にどのような症状が出るのかわかっておくと、対策しやすいです。
・合谷
・関元
・膈兪
・次髎
・腎兪
・三陰交
・足三里
・血海
・陰陵泉
・太衝
・失眠
合谷は、谷の合間という意味を持っています。合谷の合は親指と人差し指が出会う位置という意味をしており、合谷の谷は親指と人差し指を開く時にできる間が深い谷のように見えることから合谷と言われています。
合谷は万能のツボと呼ばれています。いろいろなことに対して効果を発揮するツボなのです。
生理痛だけではなく、疲れ目や肩こりなどの首から上の疲れにも効果的です。自律神経の乱れを正常に戻し、落ち着いた気持ちにする効果もあり、疲れやストレスなどの悩みを抱えている人にもおすすめです。
他にも、風邪のひきはじめや頭痛、鼻血、鼻水、歯の痛み、視力の低下などにも有効で、合谷は非常に幅広い症状に対して効果が期待できるツボなのです。
さらに、合谷は全身に365個あるとされているツボの中でも、最も脳に刺激が伝わりやすいと言われているツボです。
関元の関は、門を司るかんぬきという意味があり、関元の元は、大本や初めという意味があります。関元は、健康の源である元気の関所であり、全身の気の巡りにとって非常に大切な場所なのです。
関元は、男女を問わず泌尿器の症状に効果を発揮するツボです。中でも生理痛など女性器の症状に効果的です。
下腹部に血液を送る効果があるため、体を温めたい時にもおすすめのツボです。生理痛の上場が重い人は、生理痛が始まった後にツボを押すのではなく、日ごろから関元を温めたりマッサージしたりすることもおすすめです。
膈兪の膈は胸とお腹を分けるという意味があり横隔膜のことを意味しています。膈兪の兪は注ぐやめぐるという意味をしています。膈兪は横隔膜に活動エネルギーが注ぐ場所という意味なのです。
そのため、膈兪は横隔膜の変調を調整するという効果があり、生理痛だけではなくしゃっくりなどの症状にも効果的です。
膈兪を押すことで、血流の循環を促し、交感神経の緊張をほぐす効果もあります。血の巡りを良くしたいときや冷え性を改善したいときなどにも効果的です。
合谷は、親指と人差し指の骨の交わったところから、少し人差し指寄りにあるへこんだ場所にあります。
押し方は、親指を合谷にあてて、やや強めに押しもみます。強すぎると良くないため、気持ちいいと感じるくらいの強さで押すことがおすすめです。両手それぞれ約30回、押してもむことを繰り返しましょう。
関元は、人差し指をおへその上に置き、指4本下の小指があたっている部分にあります。おへその下に手を置いて、指4本分下と覚えると覚えやすいです。
押し方は、両手を重ねて、優しくつぼを押して離す動作を約1〜2分繰り返します。仰向けに寝て押すと押しやすいため、おすすめです。関元と関元の周りを、円を描くように優しく撫でてマッサージする方法もおすすめです。
膈兪は、肩甲骨の下の背骨から外に5cm離れた場所にあります。
押し方は、中指のはらで5~6秒程度押します。何度か繰り返して押すことがおすすめです。 固い場合は強めに押すようにし、柔らかい場合は優しく押すようにすると良いでしょう。
生理痛を改善するためにツボ押しを行う場合は、心地よいと感じる力加減で行うことが大事です。
中には強く押せば効くと思っている人もいると思いますが、ツボ押しするときの力が強すぎてしまうと、交感神経が優位になり体が緊張状態になってしまいます。そのため、心地いいと感じる力加減が非常に大事なのです。
体には気血が流れるルートがあります。そのため、ツボの流れに沿ってツボを押すとより効果が期待できます。
11時から21時
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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11時~21時迄 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
月曜、年末年始