公開日:2022年 6月23日
更新日:2023年 11月16日
本日は真珠腫性中耳炎について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
真珠腫性中耳炎の原因は今のところわかっていません。耳管の機能が悪いことや乳突蜂巣の働きが悪いことなどが関係していると考えられています。
耳管の機能は鼻と中耳の換気を行なうことで乳突蜂巣の働きは中耳のガス交換です。そのため、耳管の機能や乳突蜂巣の働きが悪くなると、鼓膜が奥に引き込まれ、皮膚の表面の剥離物が重なって真珠腫が起きるのです。
真珠腫性中耳炎は、異常な皮膚成長が中耳に形成される病態です。この状態は耳の構造に損傷を与え、聴力喪失や他の合併症を引き起こす可能性があります。真珠腫性中耳炎の主な原因には以下のものがあります。
慢性中耳炎:慢性の中耳炎が真珠腫性中耳炎の最も一般的な原因です。感染や炎症が長期にわたって続くと、中耳の皮膚細胞が異常に成長し始めることがあります。
耳管機能不全:耳管が正常に機能しない場合、中耳の圧力が変化し、結果として皮膚細胞が内部に引き込まれて成長することがあります。これは「再吸収ポケット」または「レトラクションポケット」として知られています。
遺伝的要因:真珠腫性中耳炎には遺伝的要因が関与している可能性もあります。
外傷や手術後:耳の外傷や耳の手術後に、稀に真珠腫性中耳炎が発生することがあります。
先天性真珠腫:非常に稀ですが、生まれつき真珠腫が存在するケースもあります。
真珠腫性中耳炎は自発的には改善せず、放置すると聴覚障害や顔面神経麻痺などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。したがって、症状が現れた場合は速やかに病院に行くことが重要です。
真珠腫性中耳炎の症状は、耳痛や耳漏、伝音難聴などです。
真珠腫が小さい段階では、自覚症状はほとんどありません。しかし、真珠腫が細菌などに感染し、炎症が起こると耳痛や耳漏が現れます。
さらに、真珠腫が大きくなると、耳小骨が壊されるために聴力が低下していき、伝音難聴が起こります。
耳の奥には、脳やバランスの神経や聞こえの神経、味覚の神経や顔を動かす神経など非常に重要な神経がたくさんある場所です。そのため、真珠腫をそのままにしておくとそのような重要な神経に障害が起きるのです。
真珠腫性中耳炎は、中耳内に異常な皮膚細胞の成長が起こる状態で、以下のような主な症状を引き起こします。
耳漏(耳からの排液):最も一般的な症状の一つで、無色から茶色、時には臭いを伴う粘稠な液体が耳から排出されます。これは慢性的な中耳炎の兆候です。
聴力低下:真珠腫が中耳の構造に圧力をかけることで、伝音性または感音性の聴力低下が生じることがあります。
耳の痛みや圧迫感:耳内の圧力が増すことで、耳の痛みや圧迫感を感じることがあります。しかし、真珠腫性中耳炎では痛みは一般的な症状ではありません。
めまい:真珠腫が内耳に影響を与える場合、めまいやバランス障害が起こることがあります。
耳鳴り:聴力低下とともに耳鳴りを経験することがあります。
顔面神経麻痺:進行した症例では、顔面神経に影響を及ぼし、顔の一部に麻痺が生じることがあります。
真珠腫性中耳炎は徐々に進行することが多く、初期の段階では症状が軽微であるか、全く症状がないこともあります。
真珠腫性中耳炎の改善方法は、手術です。どのくらい症状が進んでいるのかにもよりますが、基本的に効果のある薬はありません。
手術は、鼓室形成術や乳突削開術を行なうことが多いです。真珠腫は手術をしても再び発生することも多くあります。再び発生しないようにするための方法は今のところ確立されていません。
そのため、手術をした後は長い期間の経過を見ることが必要になります。
外科手術:真珠腫性中耳炎の主要な改善法は外科手術による真珠腫の除去です。手術は、真珠腫を完全に取り除き、中耳や耳介の構造を再建することを目的としています。
手術方法には、マストイド骨の摘出手術(マストイデクトミー)、鼓室形成術(Tympanoplasty)、またはこれらの組み合わせが含まれることがあります。手術の方法は、真珠腫の大きさ、位置、および聴力状態によって異なります。
定期的なフォローアップ:真珠腫性中耳炎は再発する可能性があるため、手術後は定期的な耳鼻咽喉科でのフォローアップが必要です。
聴力の改善:手術は聴力を改善する目的でも行われることがあります。真珠腫が中耳構造に損傷を与えている場合、それらの修復や再建が行われます。
感染管理:真珠腫が感染を引き起こしている場合、抗生物質による改善が行われることがあります。
補聴器の使用:聴力の損失が重度の場合、補聴器の使用が推奨されることがあります。
顔面神経への配慮:手術中は顔面神経を保護するための特別な配慮が必要です。場合によっては、顔面神経のモニタリングが行われます。
真珠腫性中耳炎の改善は、個々の症状や健康状態に応じて個別に計画されます。
真珠腫性中耳炎の改善における手術は、真珠腫を除去し、中耳の構造を修復することを目的としています。以下に、手術の具体的な方法を説明します。
鼓室形成術(Tympanoplasty):これは、中耳と鼓膜の修復を目的とした手術です。鼓膜の一部または全体を再建し、真珠腫を取り除きます。必要に応じて、中耳の骨(聴小骨)の再構築も行われます。
マストイド骨の摘出手術(Mastoidectomy):真珠腫がマストイド骨(耳の後ろにある骨)に広がっている場合に行われます。マストイド骨内の感染部分や真珠腫を取り除くために、耳の後ろに小さな切開を行います。
顔面神経の保護:真珠腫が顔面神経の近くにある場合、手術中に神経を保護するための特別な注意が必要です。顔面神経損傷を避けるために、神経モニタリングが使用されることがあります。
内耳との関係:真珠腫が内耳に近い場合、聴覚を保護するために慎重な手術が必要です。重度の症例では、聴力の損失を最小限に抑えるために慎重なアプローチが取られます。
再発の予防:真珠腫は再発する可能性があるため、手術では真珠腫を完全に取り除くことが重要です。
閉鎖法と開放法:閉鎖法は、耳の自然な解剖学的構造を可能な限り保持しようとするアプローチです。開放法(Open Technique)は、より広範囲のアクセスを提供し、真珠腫の徹底的な除去を目指しますが、後に定期的な清掃が必要になることがあります。
真珠腫性中耳炎の手術は、症状、真珠腫の位置、大きさ、および耳の健康状態に応じて計画されます。
真珠腫の種類は、表皮芽が本来あるべき部位以外に位置することによって違います。表皮芽は、胎生期に表皮となる細胞の素のことです。
生まれつき表皮芽が本来あるべき部位以外に位置している場合は先天性真珠腫と、生まれた後に表皮芽が本来あるべき部位以外に位置した場合は天性真珠腫と言われています。
さらに後天性真珠腫は、鼓膜上方の弛緩部から発生する場合は弛緩部型真珠腫、鼓膜緊張部の後上部から発生する場合は緊張部型真珠腫に分けられます。弛緩部型真珠腫は、真珠腫性中耳炎の中で最も多いと言われています。
珍しいケースでは、穴があいた状態の縁から発生する二次性真珠腫が発生するケースもあります。
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