抜け毛の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 7月23日

更新日:2023年 7月25日

本日は抜け毛について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 抜け毛とは
  • 抜け毛の原因
  • 抜け毛の症状
  • 抜け毛の改善方法
  • 抜け毛のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

自然脱毛と異常脱毛

髪の毛は、完全に成長した後、段々と抜けていきます。これは自然脱毛と呼ばれる現象で、誰にでも起こる一般的なことです。

 

しかし、様々な原因によって髪の毛が成長し切る前に抜けてしまうことがあります。これは異常脱毛と呼ばれています。

 

頭皮の状態が悪くなると髪の毛の成長期が短くなります。そのことによって多くの髪の毛がきちんと育つ前に抜けてしまうのです。

抜け毛の原因は非常に様々

抜け毛の原因は、アレルギーやストレスや睡眠不足、偏った食生活、飲酒や喫煙、ホルモンバランスの乱れ、頭皮の皮膚の疾患、過剰な皮脂、頭皮の乾燥、紫外線による影響や年齢など非常に様々です。

 

男性の抜け毛で1番多いものは、AGAです。AGAは年齢を重ねることによって起こるだけではありません。若い年代でも発症することがあるのです。

 

AGAの原因は、テストステロンが酵素によってジヒドロテストステロンに変わってしまうことです。ジヒドロテストステロンは悪玉男性ホルモンで、毛根を攻撃するために髪の毛が抜けてしまうのです。

抜け毛は、私たちが日常的に経験する自然な現象であり、通常は新しい毛髪の成長によって補われます。しかし、過度の抜け毛や脱毛は気になる問題であり、その原因は多岐にわたります。

 

遺伝的要素:最も一般的な脱毛の形態である男性型脱毛症(女性でも発症します)は、主に遺伝的要素によるものです。これは、ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)の影響により、毛髪の成長サイクルが短縮され、毛髪が細く、短く、色素が少なくなるというものです。

 

ホルモンの変動:女性のホルモンは周期的に変化し、これが抜け毛の原因となることがあります。妊娠、出産、閉経、更年期はホルモンの大きな変化を引き起こし、一時的な抜け毛を引き起こすことがあります。

 

ストレス:精神的なストレスまたは身体的なストレスは、抜け毛の一般的な原因です。重病、手術、急激な体重減少、貧血、栄養不足などの身体的ストレスや、喪失、離婚、仕事のストレスなどの精神的ストレスは、毛髪の成長サイクルを乱し、抜け毛を引き起こすことがあります。

 

薬物や医療処置:特定の薬物や医療処置は、抜け毛の一般的な原因です。例えば、抗がん剤、抗うつ薬、血圧薬などは、副作用として抜け毛を引き起こす可能性があります。また、放射線や抗がん剤も抜け毛の原因となります。

 

栄養不足:適切な栄養は、健康な毛髪の成長に必要不可欠です。特に、鉄、亜鉛、ビタミンB群、ビタミンD、たんぱく質などは、毛髪の成長に重要な役割を果たします。これらの栄養素が不足すると、毛髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛を引き起こす可能性があります。

 

スカルプの健康:頭皮の健康は毛髪の健康に密接に関連しています。頭皮の感染症、皮脂過多、乾燥、炎症などは、毛髪の成長を妨げ、抜け毛を引き起こす可能性があります。

 

自己免疫の病気:一部の自己免疫の病気、特に円形脱毛症は、毛髪の成長を妨げます。自己免疫の病気は、体の免疫システムが誤って自分自身の細胞を攻撃し、この場合は毛髪を攻撃し、抜け毛を引き起こす可能性があります。

 

以上のような要因が抜け毛の原因となりますが、重要なことはこれらの原因が個々の人により異なるということ、そして多くの場合、これらの要因が複合的に抜け毛を引き起こすということです。抜け毛の理由を特定するためには、遺伝的要素、生活習慣、健康状態、ストレスレベル、食事の質など、全体的な視点から評価することが必要です。

抜けている髪の状態を見て判断する

抜け毛は抜けている髪の状態を見ることで異常脱毛であるかどうかの判断ができます。

 

1つ目のチェックポイントは毛根です。色が白い場合や黒い場合、尖っていたりくびれがない場合は何かの問題によって抜けている可能性が高いです。

 

2つ目のチェックポイントは太さと長さです。細く短い場合は成長する前に抜けている可能性が高いです。

 

3つ目のチェックポイントは本数です。1日に200本以上抜けている場合は異常な場合があります。排水溝に溜まる髪の毛が増えたり、起きたとき枕についている髪の毛が多かったりする場合は注意が必要なこともあります。

毛髪の生命サイクルは成長期、退行期、休止期という3つのフェーズから成り立っており、このサイクルにより自然な毛髪の更新が行われます。一日に50〜100本の毛髪が抜けるのは正常な現象です。しかし、これを超える量の毛髪が毎日抜け落ちるか、特定の部位が著しく薄くなるなどの症状がある場合、それは異常脱毛の可能性があります。以下に、異常脱毛を判断する基準について詳しく説明します。

 

毛髪の量:毛髪が大量に抜け落ちることは、異常脱毛の最も明らかな兆候です。髪をブラッシングした際やシャワーを浴びた後に、通常以上に多くの毛髪が抜ける場合、専門家に相談することを検討してみてください。

 

髪の質:毛髪が薄くなったり、質が変わったりした場合も、可能性としては異常脱毛が考えられます。例えば、一部の頭皮部分が透けて見えるようになった、または、髪が以前よりも細く、弱くなった場合などです。

 

頭皮の変化:頭皮に症状が現れることも、異常脱毛の兆候となり得ます。例えば、赤み、痒み、炎症、皮膚の剥離、腫れなどの頭皮の変化がある場合、それは毛髪の成長を妨げ、結果として脱毛を引き起こす可能性があります。

 

パターン:毛髪の薄毛が特定のパターンを持っている場合、それは一般的に脱毛症の形態を示します。たとえば、男性型脱毛症の場合、頭頂部と前頭部の薄毛が特徴的です。一方、円形脱毛症は一部の頭皮部分が突然無毛となることを特徴とします。

 

全身的な症状:一部の抜け毛だけでなく、全身的な症状も異常脱毛の判断基準となります。例えば、体重の急激な減少、疲労感、不定愁訴、甲状腺の問題、貧血など、他の健康問題と関連する症状がある場合、これは抜け毛の原因として考慮されるべきです。

 

これらの基準は一般的な異常脱毛の判断基準ですが、重要なのは個々の状況によって異なることです。自己判断で異常脱毛と判断するのではなく専門家に相談することが重要です。

抜け毛を改善するためには、頭皮の状態を整えること

抜け毛を改善するためには、頭皮の状態を整えることが非常に大切です。血流をよくして老廃物を流すことで状態を整えることができます。

 

のためには生活習慣の改善が効果的なこともあります。睡眠をしっかりとり栄養のある食事を摂るように心がけましょう。

 

肩や首が凝っていたり、頭痛がある場合も頭皮の血行が悪くなります。抜け毛の改善には全身の体調を整えることが大切なのです。

血流をよくして老廃物を流す方法としては、鍼灸が非常に効果的です。さらに鍼灸は自律神経を整える効果もあります。そのため、ストレスや不摂生などが原因で抜け毛が起こってしまった場合にも効果が期待できるのです。

 

東洋医学では、髪は血の余りと言われています。鍼灸によって自律神経が整うと全身に血液が届くようになります。血液が体の末端まで届き始めると、髪の毛がきちんと育つことが期待できます。

抜け毛は、多くの人にとって心配や不安を引き起こす問題ですが、幸いにも現代の医学はさまざまな治療法を提供しています。抜け毛の改善法は、原因、抜け毛のタイプ、個人の状態に基づいて個別にカスタマイズされます。以下に、一般的な抜け毛の改善方法をいくつか紹介します。

 

ミノキシジル(ロゲイン): ミノキシジルは、外用薬として市販されている一般的な抜け毛の薬です。これは、毛髪の成長を促進し、毛髪のサイクルを延長する作用があります。ただし、定期的な使用が必要であり、効果が現れるまで数ヶ月かかることがあります。

 

フィナステリド(プロペシア): フィナステリドは、内服薬として処方される抜け毛の薬です。男性型脱毛症に主に使用されます。この薬は、ホルモンDHTの生成を阻害し、毛髪の成長を促進します。ただし、副作用のリスク(性的機能の低下など)があるため、医師の指導のもとで使用する必要があります。

 

レーザータイプ: 低出力レーザー法や光線法は、頭皮に特定の波長の光を照射することで毛髪の成長を促進する改善法です。これにより、血液循環が改善され、毛髪の健康が促進されます。専門の施設やクリニックで行われます。

 

ステロイド: 一部の抜け毛のタイプ、特に自己免疫性の脱毛症に対して、ステロイドの内服や外用が使用されます。これは免疫反応を抑制し、毛髪の成長を促進する効果があります。ただし、ステロイドには副作用があり、医師の指導のもとで使用する必要があります。

 

ヘアトランスプラント: 抜け毛が進行した領域に対して、自身の毛髪を移植する手術です。この方法では、後頭部などの健康な毛髪のある部位から毛根を採取し、移植先に移植します。これにより、自然な見た目の髪の成長が促されます。ヘアトランスプラントは専門的な技術と経験が必要なため、熟練した医師によって行われるべきです。

 

栄養: 適切な栄養素の摂取は、健康な髪の成長と保持に重要です。ビタミン、ミネラル、タンパク質、オメガ-3脂肪酸など、毛髪の成長に必要な栄養素をバランス良く摂取することが重要です。食事改善やサプリメントの使用が考慮されますが、医師や栄養士との相談が必要です。

 

ストレス管理: ストレスは抜け毛を悪化させる要因の一つです。ストレス管理技術(瞑想、深呼吸、運動など)を取り入れることで、ストレスの影響を軽減できます。また、リラクゼーションや趣味に時間を割くことも有効です。

 

スカルプケア: 頭皮の健康は毛髪の成長に直接関係しています。頭皮マッサージや適切な洗髪方法を取り入れることで、血行を促進し、頭皮の健康を維持できます。また、過度の熱や化学物質から髪を保護することも重要です。

 

これらは一般的な抜け毛の改善法の一部ですが、個々の状況によって最適な改善法が異なることを覚えておいてください。

自分に合ったシャンプーを選ぶ

整髪料やシャンプーなどの影響によって抜け毛が起こることもあります。そのため、自分に合ったシャンプーを選ぶことも非常に重要です。

 

抜け毛が気になる場合、汚れをきちんと落としてくれてうるおいは残してくれるシャンプーがおすすめです。

 

清潔にするために何度も洗ったり、洗浄力の強いシャンプーを使ったりすると、頭皮に必要な皮脂までなくなり、乾燥やべたつきの原因になるため注意が必要です。

 

さらに、頭皮をケアする成分が入っているシャンプーもおすすめです。頭皮をケアする成分が入っているものには、汚れをしっかり落とし、肌を保湿し、肌を柔らかく保つ働きがあります。

 

頭皮環境を整えるためにもシャンプー選びにも注意しましょう。

抜け毛に効果的なツボ

百会

通天

天柱

・風池

中府

・関元

合谷

・陽池

百会

百会は多くの経絡が交わる場所にあります。経絡はそれぞれ違う場所をめぐっているため、多くの経絡が交わっている百会は、作用する範囲が広いツボです。

 

精神的な症状から頭や顔面に現れる症状、内臓下垂まで幅広い効果があります。精神的な症状では不眠や精神不安定など頭や顔面に現れる症状では眩暈や頭痛など、内臓下垂では胃下垂などに対して使われることが多いです。

通天

通天は、鼻づまりや鼻水、鼻出血などの鼻の問題に対して効果を発揮するツボです。東洋医学では鼻は肺に通じており呼吸と深い関係を持っています。そのyため、通天には、呼吸がしやすくなるという効果もあります。

 

通天は、頭にあるため、頭痛や片頭痛、肩こりなどにも効果的です。頭皮の血行を促進する効果もあるため、抜け毛にも効果を発揮します。

天柱

天柱は、疲れに対して効果があります。精神疲労やストレスにも効果的です。自律神経の乱れは首の後ろや後頭部に最初に現れることが多いため、首の後ろの血行をよくしてこりをほぐすことで自律神経失調症の改善にもつながります。

 

肩こりや疲れ目、目の充血、視力の低下、抜け毛やめまい、冷えなどにも効果的で、肝臓の働きを促進したり血圧を安定させたりする作用もあります。

ツボの位置と押し方

百会

百会は、頭頂部の中央の少しへこんでいるところにあります。

 

押し方のポイントは、体の中心に向かって真っ直ぐ押すことです。つぼ押しをするオススメのタイミングはお風呂上がりなどのリラックスしているときです。

通天

通天は、百会から指幅2本分斜め前にあります。百会と前頂の間で、頭部の中心線から左右に約3cm離れたところです。

 

押すときは、ツボに指の腹を当て、指を直角に立てて、体の内側に向かって垂直に押します。気持ち良いと感じるくらいの強さで押しましょう。

天柱

天柱は、首の後ろ側にあるツボです。首の後ろの中央のくぼみの両脇にある太い筋肉の上端にあります。その左右両方の外側のくぼみがツボの場所です。

 

探すときは、耳の後ろの髪の生え際のあたりと覚えておくと探しやすいです。押すときは顎を少し上げて頭全体を両手で押さえ、左右の親指の先を重ねて4~5秒ほど押して離します。この動作を5~10回繰り返すと良いでしょう。

抜け毛の改善例

抜け毛の改善方法は、個々の状況や原因に基づいてカスタマイズされます。以下に、抜け毛の実際の治療例をいくつか紹介します。

 

例1: ミノキシジルと栄養による男性型脱毛症

ジョンさんは男性型脱毛症の症状に悩まされていました。彼は頭頂部と前頭部の薄毛が進行し、自信を失っていました。彼は皮膚科医のアドバイスに基づき、ミノキシジルの外用薬と栄養を組み合わせた改善方法を開始しました。彼は毎日ミノキシジルを頭皮に塗布し、栄養バランスの良い食事を摂るようにしました。数ヶ月後、彼は頭皮の毛髪密度の改善を実感し、自然な髪の成長が促進されました。ジョンさんのケースは、医師の指導のもとで行われた継続的な改善方法により、男性型脱毛症の症状が改善した典型的な例です。

 

例2: ヘアトランスプラントによる円形脱毛症

エミリーさんは円形脱毛症に悩まされていました。彼女は頭皮の特定の部位で円形の無毛状態が現れ、非常に気になっていました。彼女は皮膚科医の勧めに従い、ヘアトランスプラント手術を受けることを決めました。彼女の手術では、後頭部の健康な毛髪のある部位から毛根を採取し、円形脱毛症の部位に移植されました。数ヶ月後、移植された毛髪が順調に成長し、円形脱毛症の症状が改善しました。エミリーさんのケースは、ヘアトランスプラントによって円形脱毛症の影響を受けた頭皮部分に自然な髪の成長をもたらした良好な結果の一例です。

 

例3: ステロイドによる自己免疫性脱毛症の症状緩和

マイケルさんは自己免疫性脱毛症の症状に苦しんでいました。彼は円形の無毛状態が頭皮や体の他の部位に広がり、髪の成長が停止していました。マイケルさんは皮膚科医の判断を受け、ステロイドの改善が提案されました。彼はステロイドの内服と局所的なステロイドの使用を行いました。数か月後、マイケルさんは脱毛症の進行が停止し、新たな髪の成長が見られるようになりました。彼の症状はステロイドによって効果的に管理され、髪の再生が促進された一例です。

 

これらの改善例は、個々の状況と抜け毛の原因に基づいています。重要なことは、正確な判断と適切な改善方法の選択が必要であり、医師の指導のもとで行われるべきであるということです。抜け毛の改善には時間と忍耐が必要であり、個人の反応や改善方法への適応性も異なる場合があります。

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