| 受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8時 ~ 21時 | 副院長 | そうぜん | そうぜん | 副院長 | そうぜん | そうぜん | 副院長 |
公開日:2023年 1月13日
更新日:2025年 10月19日
本日はプリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
プリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症の原因は、遺伝子の変異です。遺伝形式は常染色体劣性遺伝で、原因となる遺伝子は、PNP遺伝子で、PNP酵素活性が欠けていることによって発症します。
PNP酵素が欠けていると、その基質の一つであるdeoxyグアノシンが溜まり、リン酸化されたdGTPの細胞毒性によって主にT細胞系に障害が起きるため、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症を発症します。
この病気の原因は、PNP遺伝子の変異です。PNP遺伝子は、細胞内でプリンヌクレオシドを分解するための酵素であるプリンヌクレオシドホスホリラーゼを作る設計図です。
この酵素が欠損するとプリン代謝が滞り、デオキシグアノシンなどの代謝産物が蓄積します。これらの物質は、特にTリンパ球に対して強い毒性を示し、T細胞が障害、減少します。その結果、細胞性免疫が著しく低下し、感染症に対する防御力が失われます。
遺伝形式は常染色体劣性遺伝で、父母ともに保因者である場合、子どもが25%の確率で発症します。
プリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症の症状は、感染症を繰り返すことです。あらゆる病原体に対して感染しやすい状態になります。
発症している報告が少ないため詳しくはわかっていませんが、免疫不全の程度は軽い方であると言われています。
免疫不全になるものは、主にT細胞機能で、呼吸器感染症を発症することが多いです。特に、細菌やヘルペス属を中心としたウイルス、真菌などに感染しやすくなります。
1. 免疫不全による症状
PNP欠損症は、Tリンパ球の障害による細胞性免疫不全が本質です。そのため、生後数か月〜数年以内に重篤または反復する感染症、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、口腔カンジダ症などが現れます。感染症が改善しにくく長引きやすい、発熱が続きやすい、リンパ節や扁桃腺が発達しにくいなども見られます。
2. 神経・発達面の症状
PNP欠損症の特徴の一つとして、他の免疫不全症ではあまり見られない神経症状の合併 があります。これは有害な代謝産物が神経系にも悪影響を及ぼすためと考えられています。発達の遅れや知的障害、学習障害、筋緊張低下ふるえやけいれん発作などが起こります。
3. 血液・その他の症状
リンパ球減少症、肝脾腫、成長障害などが起こります。
プリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症の改善方法は、今のところ造血幹細胞移植のみです。
HLA一致血縁骨髄血や臍帯血を使って移植手術を行った結果、成功したという報告がいくつかあります。
1. 造血幹細胞移植
PNP欠損症に対して、もっとも有効とされている唯一の根本的改善が造血幹細胞移植です。健常なドナーから造血幹細胞を移植し、骨髄を置き換えることで、正常なPNP酵素をもつ免疫細胞が再構築され、T細胞免疫が回復します。
2. 対症法
造血幹細胞移植を行うまで、または移植適応外の場合には、感染症のコントロールと生活の質の維持が目的となります。感染症対策には、抗菌薬や抗ウイルス薬、抗真菌薬の予防的投与が行われます。
3. 神経症状へのアプローチ
PNP欠損症では神経障害を合併するため、免疫の改善だけでは機能回復が難しい場合もあります。そのため、移植後も運動発達のサポート、発達支援、けいれんに対する抗てんかん薬の使用、学習支援を行います。
プリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症を発症している人の半分以上の人が、精神運動発達の遅れや痙性四肢麻痺、運動失調、振戦などの神経症状が現れていることがわかっています。
感染しやすい状態になる前に神経症状が現れることもあります。
プリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症は、溶血性貧血、血小板減少症、白血球減少症を合併することも多いです。