黄斑ジストロフィーの鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 11月11日

更新日:2023年  9月10日

本日は黄斑ジストロフィーについて解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 黄斑ジストロフィーとは
  • 黄斑ジストロフィーの原因
  • 黄斑ジストロフィーの症状
  • 黄斑ジストロフィーの改善方法
  • 黄斑ジストロフィーのまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

黄斑ジストロフィーは、原因不明の黄斑部が障害される病気の総称

黄斑ジストロフィーは、網膜の中心の黄斑部が障害されることで視力が下がったり視野の異常が起きたりする病気の総称です。

 

障害はゆっくりと進み、症状は両方の目に現れます。黄斑ジストロフィーの原因は遺伝性のものです。

 

代表的な黄斑ジストロフィーにはいろいろな病気があります。代表的な病気は、スタルガルト病や錐体杆体ジストロフィー、卵黄状黄斑ジストロフィー、X連鎖性若年網膜分離症、オカルト黄斑ジストロフィーなどです。

 

症状は病気の種類や人によって個人があります。進むスピードも人によっていろいろですが、一般的には発症する時期が若いほど症状が重く、発症する時期が遅いほど症状は軽いと言われています。

黄斑ジストロフィーの原因は遺伝

黄斑ジストロフィーの原因は遺伝です。遺伝的な体質によって、黄斑部の機能や構造が障害されることで視力の低下や視野の異常が現れるのです。

 

卵黄状黄斑ジストロフィーやオカルト黄斑ジストロフィーの遺伝形式は常染色体優性遺伝です。スタルガルト病の遺伝形式は常染色体劣性遺伝です。

 

黄斑ジストロフィーの中でも、スタルガルト病や卵黄状黄斑ジストロフィー、錐体杆体ジストロフィー、オカルト黄斑ジストロフィーなどは、発症に関係する遺伝子がわかっています。

 

黄斑ジストロフィーの原因は遺伝ですが、必ず子供に遺伝するというわけではありません。

黄斑ジストロフィーは、視覚に重大な影響を及ぼす眼の病気であり、主に黄斑と呼ばれる視神経の中心部における変性が特徴です。この病気の原因は多様であり、遺伝的要因や環境要因などが絡んでいます。

 

黄斑ジストロフィーの原因は、遺伝的要因が最も一般的です。一部では、遺伝子の変異が見られ、これが病気の発症に関連していると考えられています。黄斑ジストロフィーに関連する遺伝子の変異は、通常は視覚に重要な役割を果たすタンパク質の機能を損なうもので、この機能喪失が黄斑の細胞組織の変性や死を引き起こします。これらの遺伝子変異は、親から子へと遺伝する可能性が高く、家族歴がある場合には病気のリスクが増加することが知られています。

 

一部の黄斑ジストロフィーは、X染色体にある遺伝子の変異によって引き起こされるX連鎖遺伝の病気であることがあります。この場合、男性は一つのX染色体しか持たないため、変異があると病気が発現しますが、女性は二つのX染色体を持つため、片方の健康な遺伝子によって補償されることがあり、重症度が軽減されることがあります。しかし、女性でも重度の症状を示す場合もあります。

 

さらに、黄斑ジストロフィーの原因には環境要因も関与している可能性があります。環境因子としては、喫煙や長時間の紫外線曝露などが挙げられます。これらの要因が黄斑の細胞に損傷を与え、ジストロフィーの進行を加速することが考えられます。

 

また、高齢による黄斑の変性も一部の症例で原因とされています。加齢により、体内の細胞の機能は低下し、修復能力が減退するため、黄斑の細胞も影響を受けやすくなります。このような場合、老化に伴う自然な経過として黄斑ジストロフィーが進行することがあります。

 

さらに、黄斑ジストロフィーの原因には環境要因も関与している可能性があります。環境因子としては、喫煙や長時間の紫外線曝露などが挙げられます。これらの要因が黄斑の細胞に損傷を与え、ジストロフィーの進行を加速することが考えられます。

 

最後に、黄斑ジストロフィーの原因は複合的な要因が絡み合っていることもあります。遺伝的要因と環境要因が相互に作用し、疾患の発症や進行に影響を与える可能性が考えられます。ただし、黄斑ジストロフィーの具体的な原因については、まだ完全に解明されていない部分もあります。

黄斑ジストロフィーの症状は、視力の低下と中心部の視野の異常

黄斑ジストロフィーの症状は、視力の低下と中心部の視野の異常です。

 

黄斑部の障害はゆっくりと進むため、症状はゆっくりと現れます。症状が現れる目は両目です。色覚の異常や羞明などの症状が現れることも多いです。

 

しかし、黄斑ジストロフィーにはいろいろな病気があり、症状も病気によって違います。また、病気の種類が同じでも症状には個人差があります。

 

錐体杆体ジストロフィーやスタルガルト病の中でも症状が重い場合、視野の障害が中心部だけではなく、視界の周りまでに及ぶことがあります。

黄斑ジストロフィーは、黄斑と呼ばれる視神経の中心部における変性が主な特徴の眼の病気です。この病気により、視覚に深刻な影響が及びます。

 

黄斑ジストロフィーの症状は、通常はゆっくりと進行しますが、その重症度や速度は患者によって異なります。初期段階では症状がほとんど気付かれないこともあり、年齢とともに進行していくことが一般的です。以下に、黄斑ジストロフィーの主な症状を詳しく説明します。

 

中心視力の低下: 黄斑は視力の中心を司る領域であり、黄斑ジストロフィーではこの領域の細胞が徐々に退行し、中心視力が低下します。初期は見える範囲が狭く、細かい文字が読みづらい、顔の表情が分かりにくいといった症状が現れます。進行すると、中心視野が真っ暗になる「中心暗点」が出現することもあります。

 

視力の歪み: 黄斑ジストロフィーでは、視力が低下するだけでなく、物体の歪みやぼやけが感じられることもあります。特に直線や直角が歪んで見えるといった歪視が生じます。これにより、物体を正確に認識することが難しくなります。

 

色覚異常: 一部では、色覚異常がみられることがあります。特に、青色や黄色の識別が難しくなることが報告されています。色の見え方に変化が現れるため、日常生活においても支障をきたすことがあります。

 

暗順応障害: 黄斑ジストロフィーにより、暗い環境への適応が難しくなることがあります。暗所への移動や暗い場所での活動が困難になるため、夜間運転や暗室作業などが制約を受ける場合があります。

 

目の疲れやすさ: 黄斑ジストロフィーの進行により、目の疲れやすさが増すことがあります。長時間の読書や画面を見る作業が辛く感じるため、日常生活においても制約が生じることがあります。

 

視野の欠落: 黄斑ジストロフィーが進行すると、黄斑の周囲に視野の欠落が生じることがあります。視野の欠落により、周囲の景色や物体が見えない領域が出現し、全体的な視野が狭くなります。

 

双眼視の障害: 進行した黄斑ジストロフィーでは、双眼視が困難になることがあります。二つの目で物体を正確に捉えることが難しくなるため、立体視や奥行き感のある景色を理解することが難しくなる場合があります。

 

黄斑ジストロフィーは、これらの症状が進行するにつれて、視覚障害が日常生活に大きな影響を及ぼします。自動車運転や読書、料理、顔の表情の識別など、日常の様々な活動に支障をきたすことがあるため、早期の発見と適切な改善が重要です。

黄斑ジストロフィーの根本的な改善方法はない

黄斑ジストロフィーの根本的な改善方法はありません。これは、黄斑ジストロフィーの原因が遺伝子の異常であるためです。

 

遺伝が原因で発症する網膜の病気では、改善方法の研究が進んでいるものもあります。そのため、今後、研究が進むことで改善方法が見つかる可能性が期待できます。

 

黄斑ジストロフィーの症状はゆっくりと進みますが、症状の進み方には個人差があります。視力が大きく下がることもあれば、中高年になっても読み書きができる程度の視力は保つことができることもあります。

黄斑ジストロフィーは、現在のところ完全に改善できる方法は確立されていません。黄斑ジストロフィーは主に遺伝的な要因によって引き起こされる病気であり、細胞の変性が進行するため、その修復が難しいとされています。しかしながら、症状の進行を遅らせたり、日常生活の支援をするための治療法や支援策があります。以下に、黄斑ジストロフィーの改善法について詳しく説明します。

 

症状に対する対処:

黄斑ジストロフィーに対する改善法は、主に症状の進行を遅らせたり、日常生活の支援をすることが中心です。これには以下のような方法が含まれます。

抗血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤: VEGF阻害剤は、黄斑ジストロフィーにおいて新生血管の増殖を抑え、網膜の浮腫(水腫)を減少させる効果があります。浮腫が進行すると視力低下が進むため、VEGF阻害剤の投与によって視力を維持する効果が期待されます。

 

ビタミン法: 抗酸化作用のあるビタミンCおよびE、βカロテン、亜鉛などのビタミンとミネラルの組み合わせは、一部の黄斑ジストロフィーにおいて症状の進行を遅らせる効果があるとされています。AREDS(Age-Related Eye Disease Study)研究でその有効性が示され、黄斑ジストロフィーの進行を抑制するために使用されています。

 

低視力補助具の利用: 症状が進行して視力が低下する場合、低視力補助具の利用が有益となります。拡大鏡、手持ちのルーペ、特殊な照明などが含まれます。これらの補助具を使うことで、日常生活において視覚的なサポートが得られます。

 

臨床試験と新たな改善法:

黄斑ジストロフィーの改善においては、臨床試験が積極的に行われています。新たな改善法の開発を目指して、幹細胞法や遺伝子などの先端技術を利用した研究が進行中です。これらの改善法は、黄斑における細胞の修復や再生を目指すものであり、将来的に黄斑ジストロフィーの改善に革命をもたらす可能性があります。

 

サポートと心理的なサポート:

黄斑ジストロフィーは身体的な制約をもたらすだけでなく、精神的な負担も大きい病気です。視力の低下により、日常生活や社会生活において様々な困難が生じる可能性があります。そのため、家族に対して心理的なサポートを提供することが重要です。カウンセリングやサポートグループへの参加などが、心のケアに役立つことがあります。

 

予防策の重要性:

黄斑ジストロフィーの一部は遺伝的な要因によるものですが、環境要因も影響する可能性があります。喫煙や紫外線曝露などのリスクファクターを避けることで、病気の進行を遅らせる可能性があるとされています。健康な生活習慣を心掛けることが予防策として重要です。

 

総じて、黄斑ジストロフィーの改善法は現在も進化し続けています。現在の改善法は主に症状に対する対処であり、症状の進行を遅らせることに焦点が当てられています。しかしながら、新たな改善法の研究が進行中であり、将来的にはより効果的な改善法が開発されることが期待されています。

紫外線を避け、自分の状態にあった道具を使う

網膜は紫外線に弱い組織です。そのため、長い時間日差しの強いところに出る時はサングラスをしたり帽子を被ったりしましょう。

 

黄斑ジストロフィーでは視力が下がるため、遮光眼鏡やルーペ、拡大読書器などが必要になることもあります。

 

自分の視力や視野を定期的に病院で調べ、自分の状態にあった道具を使って日常生活を送ることをお勧めします。

黄斑ジストロフィーの改善例

黄斑ジストロフィーは、視力に深刻な影響を及ぼす病気であり、日常生活に多くの制約をもたらすことがあります。現在のところ、黄斑ジストロフィーの完全な改善法は確立されていませんが、症状に対しての対処やサポートが行われることで生活の質を改善することができます。

 

 

Aさんは、60歳の女性であり、遺伝的要因によって黄斑ジストロフィーを発症しています。家族に黄斑ジストロフィーの症例があり、幼少期から視力の低下を経験してきました。現在は中心視力が著しく低下し、日常生活に多くの支障をきたしています。運転や読書が困難であり、家族のサポートが必要な状況です。

 

 

Aさんは、視力の低下と歪みを訴えて眼科に行きました。網膜と遺伝子を調べた結果、黄斑ジストロフィーの判断が確定しました。この時、医師はAさんとその家族に対して病気の進行や改善法について詳しく説明し、心理的なサポートも提供しました。

Aさんの視力の低下が進行しているため、医師は症状への対処として抗血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤の改善を開始しました。VEGF阻害剤は、浮腫を減少させる効果があり、視力の維持に寄与することが期待されます。

Aさんは、AREDS研究に基づいたビタミン法も導入されました。ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、亜鉛などの組み合わせが処方され、網膜の健康をサポートすることが目指されました。

 

Aさんは、低視力補助具の利用も検討されました。特に拡大鏡や手持ちのルーペを使用することで、読書や手元での作業がより容易になると期待されました。また、特殊な照明を使用することで視覚のサポートも行われました。

Aさんは、黄斑ジストロフィーのサポートグループに参加することを勧められました。サポートグループでは、同じ病気を抱える他の人との交流や情報交換が行われ、心理的なサポートを得ることができます。

 

Aさんは、定期的に眼科専門医のもとでフォローアップが行われました。改善の効果や症状の進行状況を評価し、必要に応じて改善法の見直しや追加的なサポートを行っています。

 

Aさんの改善方法は、症状の進行を遅らせることが主な目的でした。VEGF阻害剤やビタミン法の導入により、視力の進行が一時的に抑制されたとされています。低視力補助具の利用によって、日常生活における視覚的なサポートが可能となりました。また、サポートグループの参加により、Aさんは同じ病気を抱える仲間と交流し、心のケアに役立てています。

 

ただし、黄斑ジストロフィーは進行性の病気であり、完全な改善法が確立されていないため、視力の低下は進行する可能性があります。将来的には、新たな改善法の開発や研究が進行し、より効果的な改善法が見つかることを期待しています。

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