公開日:2023年 4月 3日
更新日:2025年 5月 6日
今日は非24時間睡眠覚醒症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
・非24時間睡眠覚醒症候群とは
・非24時間睡眠覚醒症候群の原因
・非24時間睡眠覚醒症候群の症状
・非24時間睡眠覚醒症候群の改善方法
・非24時間睡眠覚醒症候群のまとめ
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
非24時間睡眠覚醒症候群は、外部環境のもとで約25時間の睡眠と覚醒の周期を示す障害のことです。一定の時刻に寝て一定の時刻に起きることができずに、睡眠の時間帯が毎日30~60分ずつ遅れる状態になります。
そのため、夜間に寝ることができる時期と昼と夜が逆転して昼間に寝てしまう時期が交代で現れます。
非24時間睡眠覚醒症候群では、不眠で日中に過剰な眠気を感じる時期が周期的に来てしまうため、日常生活を送る上でも問題が起こるようになります。
非24時間睡眠覚醒症候群の原因は、光による体内時計の同調が行われないことであると考えられています。これは、高度の視覚障害者に比較的発症が多くみられることから考えられている原因です。
ただし、視覚障害のない人が発症している例も報告があるため、原因は完全に分かっているわけではありません。
今のところ考えられている説には、夜の早い時間帯に光の影響を受けやすいことによって寝る時間が遅くなりやすいという説や体内時計の周期が長いことによって昼と夜の明暗周期に同調がすることが難しいという説などがあります。
・内因性概日リズムの異常
非24時間睡眠覚醒症候群の主な原因は、内因性の概日リズムが自然の24時間周期と同期しないことにあります。概日リズムは、睡眠、体温、ホルモン分泌など、多くの生理的プロセスを調節します。
・光の認識不足
盲目の人々の場合、網膜を介した光の認識が欠如しているため、体内時計をリセットする外部の光の信号が欠けています。これが非24時間睡眠覚醒症候群の発症に大きく寄与します。
・メラトニン分泌の異常
メラトニンは「暗闇のホルモン」とも呼ばれ、体内時計と密接に関連しています。非24時間睡眠覚醒症候群では、メラトニン分泌のタイミングがずれることがあり、これが睡眠パターンの乱れにつながります。
・遺伝的要因
一部の研究では、非24時間睡眠覚醒症候群に遺伝的要因が関与する可能性が示唆されています。特定の遺伝子変異が概日リズムの調節に影響を及ぼすことがあります。
・環境要因と生活習慣
視力がある人々において、非24時間睡眠覚醒症候群は不規則な生活習慣や環境光への曝露不足など、環境要因や生活習慣が原因で起こることがあります。
非24時間睡眠覚醒症候群の症状は、寝付く時間が毎日約30分〜1時間後退していくことです。
一定の時刻に寝付くことができないため、不眠と日中の眠気が現れます。不眠が続き、日中に過剰な眠気が現れることによって日常生活でも支障が起こります。
他にも、注意力や集中力の低下や全身の倦怠感や疲労感が現れます。睡眠時刻が一定でないため、社会に適応ができなくなっていくこともあります。
非24時間睡眠覚醒症候群の症状は、寝付く時間が毎日約30分〜1時間後退していくことです。
一定の時刻に寝付くことができないため、不眠と日中の眠気が現れます。不眠が続き、日中に過剰な眠気が現れることによって日常生活でも支障が起こります。
他にも、注意力や集中力の低下や全身の倦怠感や疲労感が現れます。睡眠時刻が一定でないため、社会に適応ができなくなっていくこともあります。
1. 寝る時間・起きる時間が徐々に遅れていく
毎日15分〜2時間程度ずつ自然入眠時間が後ろ倒しになります。
2. 一定期間ごとに昼夜逆転する
ある時期は日中に眠れても、1~2週間後には夜眠れなくなり、ぐるっと一周してまた正常時間帯に戻るが、またズレていきます。
3. 入眠困難と起床困難が周期的に繰り返される
日中に眠気が強く、社会生活や学業に支障が出ます。「夜眠れない」「朝起きられない」時期と、「昼間に普通に眠れる」時期が交互に現れます。
4. 日中の強い眠気・集中力低下・疲労感
眠るタイミングと社会的スケジュールが合わないため、学校・仕事に遅刻、集中できない、ミスが増える、慢性疲労や倦怠感が続くようになります。
5. うつ症状や不安障害を併発しやすい
社会とのズレが強いため、孤立感、自己否定感、不登校や退職の原因になることがあり、二次的にうつ状態を引き起こすことが少なくありません。
非24時間睡眠覚醒症候群の改善方法は、夜にメラトニンを投与することと、朝に高照度の光を浴びることです。
ただし、非24時間睡眠覚醒症候群では、毎日覚起きる時間が遅くなっていくため、朝に高照度の光を浴びる方法は行うことが難しいことも多いです。その場合は、まずメラトニンを投与する方法で改善を行います。
① 光
朝起きてすぐに、強い光(2500〜10000ルクス)を30〜60分浴びましょう。窓越しではなく目に直接光が届くことが重要です。
② メラトニン
夜寝る2時間ほど前にメラトニン(サプリまたは医薬品)を摂取しましょう。日本では「ロゼレム(ラメルテオン)」など医師処方薬が使われます。
③ 毎日同じ時間に起きて、夜は暗くする
多少の寝不足でも同じ時間に起床し、朝の光を浴びましょう。夜はなるべく早めにスマホ・PC・強い照明を控えることが大事です。
④ 睡眠日誌の記録・医師との連携
起床時間、就寝時間、日中の眠気などを記録する「睡眠日誌」や「アプリ」を活用しましょう。専門医との連携も大事です。
⑤ 鍼灸・自律神経ケア
鍼灸や自律神経を整える施術で体内の緊張や興奮を鎮め、副交感神経を優位にすることで自然な眠気を促しましょう。
非24時間睡眠覚醒症候群では、十分な睡眠がとれていないことによって、新しいことを学んだり創造力や注意力を発揮したりすることが難しくなります。また、非24時間睡眠覚醒症候群を発症した後にうつ状態になることもあります。
非24時間睡眠覚醒症候群の発症は女性よりも男性に多いと言われており、発症が多く見られる年齢は思春期から青年期であると考えられています。
・毎晩、眠くなる時間が少しずつ遅くなっていく
例:今日は23時、明日は1時、明後日は3時…といった具合に、自然と就寝時間が後ろ倒しになる。
・朝起きるのがどんどんつらくなっている
以前は起きられていた時間に起きることができず、遅刻や欠席が増えた。
・夜眠れない日と、日中強烈に眠くなる日が交互にある
日によって体のリズムが大きくズレている実感がある。
・生活リズムが“ぐるっと一周”して戻る感覚がある
ある時期は普通に眠れていても、数日後にはまた真夜中しか眠れないようになってしまう。
・「無理に眠ろうとしても眠れない」感覚がある
布団に入っても体が目覚めたままで、眠気そのものが訪れない。
・日中の眠気で集中できない、仕事・勉強に支障が出ている
強い眠気・頭のぼんやり感・イライラなどが続く。
・生活がうまくいかないことで、落ち込みやすくなっている
「自分は怠けているだけなのでは」と自責的になってしまう。
・毎日眠る時間・起きる時間がバラバラで、安定しない
どの時間に寝ても“しっくりくる日”が少ない。
3つ以上当てはまった方は非24時間睡眠覚醒症候群の可能性があります。非24時間睡眠覚醒症候群の症状は決して怠けでも気のせいでもありません。体内時計のズレによる医学的な睡眠障害であり、適切な対処によって改善が見込めます。
・合谷
・失眠
・労宮
合谷は副交感神経を優位な状態にするツボです。自律神経が整うため、眠りに対しても良い効果が期待できます。
また、気持ちを落ち着かせてくれて、ストレスや痛みを和らげる効果があります。
失眠は、不眠に対して効果的なツボで、不眠の特効穴としても知られています。昂った神経を落ち着かせてくれるため、不眠に効果を発揮するのです。
さらに失眠は、足の血流をよくする効果もあるため、血流が良くなることからも眠りにつきやすくなる効果があります。
労宮には、労という漢字が入っているように疲労や心労が集まる場所という意味があります。
そのためストレスや心労によって眠れなくなったりイライラしたり不安でいっぱいになったりした時にお勧めです。自律神経を整えてくれるため、睡眠障害にも効果的です。
合谷は、手の背面の親指と人差し指の間にあるツボで、親指と人差し指の骨の合わさっている場所にあるくぼみ部分にあります。
押す時は、親指と人さし指でツボを挟み込んで押します。少し強めに押し続けても良いでしょう。
失眠は、足の裏側にあります。かかとの中央部分のへこみにあります。
押すときは親指を使って押します。押すだけではなく、叩いたりお灸を行ったりすることもお勧めです。
労宮は、こぶしを軽く握った時の人差し指と中指の先端の間にあるツボです。
押すときは、反対の手の親指を使って押します。動きたくない時や起き上がりたくない時には横になりながら押しても良いでしょう。