遠視の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 5月11日

更新日:2021年 6月10日

本日は遠視について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 遠視とは
  • 遠視の原因
  • 遠視の症状
  • 遠視の改善方法
  • 遠視のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

遠視は、眼に入る平行光線が網膜より後方で焦点を結んでいる状態

遠視は、眼に入る光が網膜より後方で焦点を結んでいる状態のことで、屈折異常の1つです。遠視は、遠くのものを見る時も近くのものを見る時もどちらのときも見えにくい状態になります。

 

遠視は、目が非常に疲れやすくなるため、程度によっては眼精疲労や肩こり、頭痛、吐き気、めまいなどの症状が現れることもあります。

遠視の原因は、目に入る光の焦点が網膜の後ろに合ってしまうこと

遠視の原因は、目に入る光の焦点が網膜の後ろに合ってしまうことです。これは、目の角膜から網膜までの距離が短いことによって起こります。

 

遠視は、老眼と同じように考える人もいますが、原因が違います。遠視の原因は角膜から網膜までの距離が短いことや角膜や水晶体の屈折力の弱さなどによって網膜より奥でピントが合ってしまうことです。

 

対して老眼は、年齢を重ねることによって水晶体が硬くなりピントが合わせられなくなっている状態が原因で起こります。さらに老眼は40歳を超えると近視を引き起こすこともあります。

 

老眼と近視は原因は違いますが、どちらの場合も疲れやすい目だということでは同じです。場合によってはコンタクトレンズや眼鏡で対処する必要があることもあります。放置せず、医師に相談することをお勧めします。

眼軸が短い: 正常な視力を持つ人々の場合、光は網膜上で正確に焦点を結んでいます。遠視の人々の眼球は通常、前後の長さが短いため、光は網膜の後方で焦点を結びます。つまり、眼軸が短いことが遠視の一般的な原因となります。

 

眼のレンズや角膜の屈折力が弱い: 眼のレンズや角膜の屈折力が弱いと、光の焦点が網膜の後方に位置し、遠視が発生します。屈折力が弱いことは、眼のレンズや角膜の曲率が適切でない、またはレンズの厚みが不足していることを意味します。

 

遺伝: 遠視は家族間で遺伝する傾向があります。親または祖父母が遠視である場合、子供が遠視になる可能性が高まります。これは、眼の形状やサイズ、そしてそれらが視力にどのように影響を及ぼすかについての遺伝的傾向によるものです。

 

年齢: 年齢と共に、眼のレンズの柔軟性が低下し、調節力が弱まります。これにより、通常は近くの物体がぼんやりと見える遠視が起こります。しかし、老眼は遠視とは異なり、その原因は自然な老化プロセスにあります。

 

その他の病状: 一部の眼の病気や病状、例えば、糖尿病なども遠視を引き起こす可能性があります。糖尿病は血糖値の異常により眼内のレンズ腫れを引き起こし、これが視力に影響を及ぼすことがあります。また、角膜が薄くなる角膜細胞減少症や角膜が通常よりも平らになる角膜形状異常なども遠視の原因となる可能性があります。

 

生活習慣: 一部の研究では、光のエクスポージャーや近距離作業が視力に影響を及ぼす可能性が示唆されています。遠視の発症につながる具体的な生活習慣は明らかにされていませんが、視力と生活習慣の関連性については今後の研究に期待が寄せられています。

これらの原因のどれが遠視を引き起こすかは、個々の人の眼の形状、眼の健康状態、遺伝的な傾向、年齢、さらには生活習慣によるところが大きいです。

遠視は、遠くがはっきりと見え近くに焦点を合わせることが難しい

遠視の症状は、遠くのものがはっきりと見え近くのものに焦点を合わせることが難しくなることです。

 

遠視では、頭痛が起こったり目の疲れを感じたりすることもあります。特に、至近距離で作業をするとき、目を細める、疲労感を感じるなどの症状が見られます。

遠視は、光の焦点が網膜の後方に位置するため、近くのものがぼやけて見える病状です。遠視の症状は軽度から重度まで様々で、年齢やその他の個々の健康状態によっても異なります。

 

近くの物体がぼんやり見える: 遠視の最も一般的な症状は、近くの物体がぼんやりと見えることです。例えば、本を読む、スマートフォンを使う、手紙を書くなど、近距離での視覚を必要とする活動が困難になります。

 

目の疲労: 遠視の人は、近くの物体を見るために視力を調整するのに余計な努力を必要とします。これは目の疲労を引き起こす可能性があります。目が重だるく、痛みを伴うことがあります。

 

頭痛: 遠視の人は、焦点を合わせるために目を酷使するため、頭痛を発症することがあります。特に、長時間にわたる近くでの作業後に頭痛が起こることがよくあります。

 

二重視: ある物体が二つに見える症状を二重視と言います。遠視の場合、両眼の視力が異なるために二重視が起こることがあります。

 

子供の学習障害: 子供の場合、遠視は読書や書き取りに困難を引き起こし、学習障害の原因となる場合があります。

 

頻繁なまばたきや目を擦る: 遠視の子供は、焦点を合わせようとして頻繁にまばたきをしたり、目を擦ったりすることがあります。

 

眼精疲労: 遠視の人は、特に一日の終わりに、視覚の不鮮明さや目の不快感を感じることがあります。

 

遠視の症状は個々に異なり、それぞれの症状の程度も異なるため、必ずしも上記の全ての症状が現れるわけではありません。また、特に子供の場合、自分が遠視であることを自覚しないことも多いです。

遠視の改善方法は、眼鏡やコンタクトレンズでの矯正

遠視の改善方法は、眼鏡やコンタクトレンズです。眼鏡やコンタクトレンズを使って網膜に当たる光の屈折を変えることで矯正することができるのです。

 

遠視の場合、眼鏡やコンタクトレンズの度数が+2.50のような冒頭がプラスで始まる表記になります。

 

遠視の症状は人それぞれです。常に眼鏡やコンタクトレンズを使う場合もあれば、近い距離での作業をするときだけ使う場合もあります。

遠視は、光が網膜の後方で焦点を結ぶため、近くの物体がぼんやりと見える状態です。遠視の改善方法は主に視力を補正し、視力の問題による症状を軽減することに焦点を当てています。

 

眼鏡: 最も一般的な遠視の改善法は眼鏡です。遠視のための眼鏡は、光の焦点を正確に網膜上に合わせるように設計されています。その結果、視力が改善し、目の疲労感や頭痛などの症状が軽減されます。眼鏡は安全で効果的な治療法であり、特に子供や高齢者に適しています。

 

コンタクトレンズ: コンタクトレンズは眼鏡と同様に視力を補正しますが、眼球の表面に直接取り付けるものです。コンタクトレンズは視界を広げ、より自然な視覚を提供します。しかし、適切な取り扱いとメンテナンスが必要で、それらが怠られると眼感染症などの問題を引き起こす可能性があります。

 

屈折矯正手術: レーザー眼科手術や他の屈折矯正手術は、遠視を恒久的に改善する可能性があります。これらの手術は、角膜の形状を変えて光が正しく網膜に焦点を合わせられるようにすることで視力を改善します。レーシック手術、レーザー表面屈折手術、レンズ置換手術などがあります。それぞれの手術にはメリットとデメリット、リスクがあるため健康状態、年齢、ライフスタイル、遠視の程度に応じて医師と一緒に適切な選択をする必要があります。

 

これらの改善方法はすべて、視力を補正し、視力の問題による症状を軽減することを目的としています。しかし、これらの改善方法の選択は、年齢、職業、ライフスタイル、健康状態、遠視の程度によるところが大きいです。

 

具体的な計画は、本人と医師が一緒に決定します。眼鏡は初期の遠視の改善に最も一般的に使用されます。しかし、レーザー手術やレンズ置換手術などのより進んだ手術的選択肢も、一部にとっては有益な選択肢となり得ます。これらの手術は通常、成人の遠視の人に対して行われ、永久的な視力改善をもたらす可能性があります。

 

子供の遠視の場合では、眼鏡が最も一般的な選択肢です。子供の眼は成長し発達を続けているため、視力は変動しやすく、定期的に調べて補正することが必要となります。子供の遠視が無視されたり、不適切に管理されると、視力の問題や学習障害を引き起こす可能性があります。

生まれてきた赤ちゃんはみんな遠視の状態

遠視の程度が軽い場合は、視力を調べても遠視であるとわからないことがあります。遠視は、目のピント調節力が十分ある人の場合、近くでも遠くでもある程度は自分でピントを調節することができるからです。

 

生まれてすぐの赤ちゃんの目はみんな遠視です。成長すると目も発達し、10歳くらいで大人と同じように見えるようになります。赤ちゃんは物を見るという刺激を受けることで、視力が発達していくのです。

 

子供は遠視の状態でも、生まれてきた時から遠視の状態であるために遠視の見え方が普通だと思っていることが多いです。

 

さらに、視力の問題は見た目ではわからないことも多いです。周りの大人が気にかけることで気がつけることもあります。子供の視力に関しては大人が気にかけるようにしましょう。

遠視の改善例

遠視の改善法は様々で、年齢、生活スタイル、遠視の程度などにより、最適な改善法が異なります。

 

例1: 眼鏡での補正

以下の例は、"American Optometric Association"による症例報告に基づいています。8歳の女の子が、学校での読書が難しいと訴え、眼科を訪れたとします(American Optometric Association, 2020)。彼女は頭痛を頻繁に経験し、特に学校で長時間読書をした後でした。眼科医は彼女の視力をテストし、彼女が遠視であることを発見しました。

 

この場合、改善法として最初に選ばれたのは眼鏡でした。眼鏡は子供の改善のため一般的に使用される方法であり、視力を効果的に補正することができます。新しい眼鏡を使用することで、彼女の視力は大幅に改善され、頭痛の頻度も減少しました。また、彼女は学校のパフォーマンスが向上したと報告しました。

 

例2: レーシック手術

次の例は、"American Society of Cataract and Refractive Surgery"による症例報告に基づいています(American Society of Cataract and Refractive Surgery, 2021)。40歳の男性が、眼鏡やコンタクトレンズを用いた視力補正に不満を感じ、眼科を訪れました。彼は自身の遠視を永久的に改善するための手術的オプションに興味を持っていました。

 

そこで眼科医は、レーシック手術を提案しました。レーシック手術はレーザーを使用して角膜の形状を変え、光が正しく焦点を合わせられるようにします。この手術はアウトペイシェントベースで行われ、ほとんどの場合は手術後すぐに視力の改善を体験します。

 

この男性はレーシック手術を受け、手術は成功しました。彼の視力は手術後大幅に改善し、眼鏡やコンタクトレンズなしで日常生活を送ることができるようになりました。彼は自身のライフスタイルに大きく影響を与えた視力の改善に満足していました。

 

これらの例からわかるように、遠視の改善はの個々のニーズに合わせてカスタマイズすることが可能です。一部の人にとっては、眼鏡やコンタクトレンズが最適な選択であるかもしれません。しかし、他の人にとっては、レーシック手術などの外科手術が最善の選択となるかもしれません。

 

最終的には、適切な方法は、年齢、遠視の程度、ライフスタイル、個々の健康状態などを考慮して、本人と眼科医が共に決定することが最善です。

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