公開日:2019年 12月23日
更新日:2021年 5月 15日
本日は高血圧について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
高血圧は、安静な状態で血圧が慢性的に正常値よりも高い状態のことです。血圧は、動脈を血液が流れる時、血管の内側にかかる圧力です。高血圧になるといつも血管に負担がかかっている状態になります。
そのため、血管の内側の壁が傷ついたり、柔軟性がなくなって固くなったりしてしまいます。その結果、動脈硬化を起こしやすくなります。
血圧は、体を動かしたり寒いところに行ったりするなどの少しの行為で上がります。しかし、このような一時的に血圧が高い状態は高血圧ではありません。
高血圧は日本人にとって身近な病気です。しかし、ほとんどの場合は自覚症状がありません。
福岡県の久山町で行われた久山町に住んでいる人を血圧の高さでグループ分けをし、長い年月にわたって追跡調査した研究があります。その研究の結果、血圧が高い人の方が脳卒中の危険が高いことがわかりました。
このように自覚症状がなくても高血圧は怖いものなのです。高血圧の怖さは脳卒中につながることだけではありません。脳以外にもその他の多くの臓器や部位に色々な悪影響を引き起こしてしまいます。
高血圧には2種類のタイプがあります。「二次性高血圧」と「本態性高血圧」です。
二次性高血圧は腎臓の疾患や内分泌の異常、心臓や血管の異常などが原因で起こります。
本態性高血圧は、親が高血圧などのような体質的なこととその他の色々なことが合わさることが原因で起こります。高血圧の人のうち約90%の人が本態性高血圧と言われています。
本態性高血圧は、高血圧になりやすい体質の人が、塩分の取り過ぎや喫煙、アルコールの飲み過ぎや運動不足、ストレス、年齢などの要因が合わさることによって起こります。
長い期間の塩分の取り過ぎは血管の柔軟性がなくなるため血圧が上がる原因になります。肥満も血圧をコントロールするホルモンや自律神経の働きを乱すため血圧が上がる原因になります。
体質的なことが原因としての大きく影響する本態性高血圧ですが、生活習慣が非常に大きく関係しているのです。
血圧を上げてしまう主な要因は、塩分の摂りすぎや歳を取ること、ストレスや激しい運動、冬などの強い寒さ、外出や脱衣、入浴など外との気温が急に変わること、睡眠不足、過度の飲酒、トイレなどでの力む行為、日常的な運動不足、肥満や過体重、遺伝的な体質、動脈硬化などの病気、などです。
また、全てを1人で抱え込んでしまうタイプの人も、性格が血圧を上げる要因になっている場合があります。
遺伝的要因:家族歴や遺伝的な要素が高血圧のリスクを高めることがあります。
生活習慣:不健康な食事(特に塩分の高い食事)、運動不足、肥満、過度のアルコール摂取などが関連しています。
年齢:加齢により血管の弾力性が低下し、血圧が上昇する傾向にあります。
ストレス:長期間のストレスが心血管系に負担をかけ、血圧を上げることがあります。
多くの高血圧では自覚症状はありません。少し血圧が高くても基本的に自覚症状は出ないのです。血圧が非常に高いときは、頭痛やめまい、肩こりなどの症状が現れることがあります。
しかし、このような症状は血圧に関わらずよく現れる症状です。そのため、高血圧は自覚症状での判断が難しい病気です。症状があってもなくても病院で調べることが大切です。
高血圧の状態を放っておくと動脈硬化を起こしやすくなってしまいます。脳卒中や心疾患、慢性腎臓病などの大きな病気につながってしまう危険性が高いのです。
特に最近の研究で、脳卒中は男女関係なく高血圧の影響が大きいことが明らかになっています。最高血圧が10mmHg上がった場合、脳卒中のリスクは男性で約20%、女性で約15%高くなります。
脳卒中は命が助かっても、運動障害や言語障害が残ってしまうことが多いため、回復までに長い期間のリハビリが必要となることもあります。
高血圧は、脳卒中だけでなくその他色々な病気のリスクを高めることが考えられます。心筋梗塞や狭心症などの心疾患のリスクは特に男性への影響が大きいです。
最高血圧が10mmHg高くなった場合、心筋梗塞や狭心症のリスクは約15%上がります。血圧が高いと腎臓にも大きな負担がかかります。
血液の中の過剰な塩分などをうまく外に出すことができず、また血圧が上がってしまうという悪循環を起こすことも多いです。慢性腎臓病を起こしてしまった場合、脳卒中や心筋梗塞が原因の死亡率が上がることもわかっています。
高血圧はしばしば「沈黙の殺人者」と呼ばれ、初期段階では明確な症状がほとんど、または全く現れないことが一般的です。
頭痛:特に朝に強いことがあります。
めまい:ふらつきや立ちくらみを感じることがあります。
胸の痛み:心臓周辺の不快感や圧迫感が生じることがあります。
呼吸困難:軽い活動後に息切れを感じることがあります。
視覚障害:視力の低下や視野の変化が起こることがあります。
鼻血:鼻からの出血が頻発することがあります。
生活習慣などが原因で悪くなる本態性高血圧症の場合、血圧を上げてしまうような生活習慣を止めることが大事です。薬での改善と合わせて生活習慣の改善を行います。
1日の塩分の摂取量を6g以下にする、動物性脂肪の摂取を控えるなど食事の内容を見直しましょう。他にも日常的に有酸素運動をしたり、禁煙をしたり、体重の管理をして肥満にならないようにしたりすることが必要です。
軽い高血圧の場合、生活習慣の改善で血圧が正しい数値に戻ることがあります。しかし、食事と運動だけでは改善しない場合、降圧薬を使います。
降圧薬には、血管を広げる働きのあるカルシウム拮抗薬や血圧を上げるホルモンの働きを抑えるACE阻害薬、ARB、循環する血液の量を減らす利尿薬、交感神経が働きすぎることを抑えるβ遮断薬などがあります。
このような複数の薬を症状に合わせて組み合わせて使用します。
利尿薬(Diuretics):余分な塩分と水分を体から排出し、血圧を下げます。
ACE阻害薬(ACE Inhibitors):血管を拡張させる物質の生成を助け、血圧を下げます。
ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬):ACE阻害薬と同様に血管を拡張させる効果がありますが、作用機序が異なります。
カルシウムチャネル遮断薬(Calcium Channel Blockers):心臓と血管の筋肉細胞内のカルシウムの流入を抑制し、血管の拡張を促進します。
β遮断薬(Beta Blockers):心臓の負荷を減らし、心拍数を遅らせることで血圧を下げます。
高血圧では、生活習慣の改善と降圧薬をうまく組み合わせることによってできるだけ早く血圧を下げる効果あります。
また、二次性高血圧の場合は、まず高血圧の原因になっている疾患を改善することが大切です。
食生活の改善:塩分の摂取を減らし、野菜や果物、全粒穀物、低脂肪のタンパク質を多く含むバランスの取れた食事を心がける。
加工食品やファストフードの避免。
定期的な運動:週に少なくとも150分の中程度の有酸素運動(早歩き、サイクリングなど)を行う。
体重管理:健康的な体重を維持または達成するために、適切な食事と運動に取り組む。
アルコールとタバコの摂取制限:アルコールを適量に抑える。喫煙をやめる。
ストレス管理:ヨガ、瞑想、深呼吸などでストレスを管理する。
定期的な管理:医師と定期的に相談し、血圧管理のための最適なアプローチを継続的に評価する。
多くの高血圧の人は、血圧を上げる原因が分からない本態性高血圧にあたります。この場合、生活習慣の改善が1番大切です。
肥満の人はカロリーを制限して体重を減らすことで血圧が下がることもあります。おすすめの運動は1日30分以上か週180分以上の有酸素運動です。生活習慣を改善することで他の合併症の予防にも効果的です。
血圧を高くする明らかな原因がある高血圧の人は二次性高血圧にあたります。この場合は原因となっている病気を改善することが大事です。
高血圧は、放っておくと怖い病気です。しかし、自分で早期発見することもでききます。
痛みなどの症状は基本的にありませんが、定期的に家庭で血圧をはかったり、病院に行って調べたりすることで発見が可能です。
家庭で血圧が高いとわかったら早めに病院に行き改善が必要な高血圧かどうか相談しましょう。高血圧であれば原因が何かということを知ることも大切です。
・合谷
・人迎
・天柱
・内関
合谷は、血圧を下げる効果があります。そのため、高血圧の改善にも効果を発揮します。
高血圧の時にツボを押すことが良いとされている理由は、ツボを刺激することで血圧をコントロールする自律神経の働きが良くなり、血圧が下がることにつながるためです。
合谷は、色々な不調に対して効果を発揮するツボで、肩こりや疲れ、頭痛や鼻血、鼻水などに対してもよく使われます。
人迎は、血圧を下げる効果が特に高いツボであると言われています。人迎は、自律神経を整える効果もあるため、刺激をすることで血圧が整うのです。
他にも、気管支炎や喘息、狭心症や心筋梗塞などにも効果を発揮すると言われています。
天柱は、頭を締め付けるような頭痛を和らげる効果のあるツボです。首や肩の緊張や頭をたくさん使う作業によって頭痛が現れている時におすすめのツボで、筋肉の緊張をほぐしてくれる効果があります。
天柱は自律神経を整える効果もあるため、高血圧にも効果を発揮します。
合谷は手の甲にあるツボで、親指と人差し指の骨が接する付け根を探した時、人差し指の骨の際にある少しのくぼみにあります。
押すときは、骨の際に指を入れて、骨を押し上げるようなイメージで押しましょう。ツボに刺激が伝わると、響くような感覚を感じることができます。いた気持ち良いと感じるくらいの力で押しましょう。
人迎は、喉ぼとけから左右両側に指幅2本分離れた場所にあります。探すときは、指を押し込んでみて脈を打っているのがわかる場所を探しましょう。
押すときは、人差し指と中指をそろえて、中指がツボに当たるようにして押します。少し押したときに脈を感じたら優しく息を吐きながら押しましょう。
天柱は、後頭部の髪の生え際で、背中から首の中心に向かって伸びている僧帽筋のすぐ外側にあります。天柱は左右両側にあるツボです。
押すときは、両手で頭をつつみこんで両手の親指を使って押します。息を吐きながら押して息を吸いながら離しましょう。
11時から21時
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年末年始