公開日:2022年 7月23日
更新日:2025年 6月 4日
本日は小児乾燥性湿疹について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
小児乾燥性湿疹は、肌が乾燥し掻いてしまうことで、炎症が起きることです。
思春期になると皮脂の分泌量が増えます。しかし、思春期を迎える前の幼児から学童期の子供は、皮脂の分泌量が少なく、乾燥肌であることが多いです。
子供は、肌の機能も未熟で皮膚のバリア機能がきちんと働かないこともあり、水分が失われやすい状態です。肌が乾燥し、掻いてしまうと小児乾燥性湿疹の発症につながるのです。
小児乾燥性湿疹の原因は、乾燥です。肌のバリア機能の低下には、間違ったスキンケアや不規則な生活、加齢や摩擦、生活習慣の乱れなどが関係しています。
ただし、子供の場合は、肌の機能が未熟でバリア機能が上手に作用していないために、皮脂の分泌が減り、外からの刺激を受けやすくなるため、炎症が起こるのです。
最も根本的な原因は、皮膚のバリア機能の未熟さです。小児は角質層が薄く、水分保持力が弱いため、外部刺激を受けやすいです。皮脂や天然保湿因子が少なく、乾燥しやすい体質であるため、洗いすぎや石けんの使いすぎでセラミドや脂質が流出し、バリアが崩壊してしまうのです。
主な外的刺激となるものは、空気の乾燥、衣類の摩擦、汗やよだれ、紫外線などです。また、両親や兄弟にアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などのアレルギーがあると、バリア機能が遺伝的に弱い傾向であることが多いです。
子どもはかゆみに敏感で、掻くことで皮膚がさらに傷つき、炎症が悪化します。また、皮膚の局所免疫が発達途中で、刺激に対して過剰に反応しやすいため、ちょっとした乾燥や摩擦でも赤みやかゆみを感じます。
小児乾燥性湿疹では、皮膚が粉をふいたり、湿疹ができたり、皮膚にシワができたり、皮膚がひび割れたりする症状が現れます。
肌の乾燥が進むとかゆみを感じるようになります。かゆみを感じ、皮膚を掻くことでさらに症状が悪くなります。
・乳児期(0〜1歳)
頬がもっとも多く、額やあご、首まわり、胸からお腹、肘や膝の外側に現れやすいです。
・幼児期(1〜5歳)
肘の内側や膝の裏側、首のうしろ、わき、手首や足首、背中や腰まわりに出やすいです。
・学童期(6歳〜小学生)
すねや腕や手の甲、肘や膝の裏、背中や腰、顔などに現れやすいです。ランドセルや衣類の摩擦で、背中や肩周辺に湿疹が出る子もいます。
小児乾燥性湿疹の改善方法は、かゆみ止めを塗ることと保湿をすることです。
乾燥性湿疹によってかゆみが現れたとき、掻くことでより症状が悪くなります。そのため、子供が肌を掻く前に、かゆみ止めを塗ってかゆみを抑えることが大事になります。
もし掻いてしまっても皮膚を傷つけないようにするために、子供の爪を短く切ることも必要になります。
乾燥を防ぐために、お風呂から上がったらできるだけ早く保湿をすることも大事です。タオルで体の水分を拭いた後、できるだけ早く保湿しましょう。
保湿ケアが最も重要です。1日2回以上の保湿を習慣にしましょう。お風呂後は5分以内に保湿剤を塗布することを心がけ、顔、首、肘や膝の内側、すね、背中など、よく乾燥する部位を中心に保湿を行いましょう。
〈使用する保湿剤の例〉
・ワセリン
皮膚を保護し水分蒸発を防ぐ。刺激が少ない。
・ヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)
水分保持力UP。病院でよく処方される。
・尿素クリーム
大人向け。※子どもには刺激があるので注意
掻き壊し防止も大事です。爪は常に短く切る、掻いてしまう部位にはガーゼや包帯をあてて保護をするなどの工夫をしてかかないように注意しましょう。
かゆみのピークは夜間であるため、寝るときは手袋をつけるのも効果的です。
子供の肌トラブルを防ぐためには、衣類にも注意することが大事です。衣類には、ナイロンやアクリルなどの化学繊維が使われているものがあります。化学繊維の中には、肌の刺激になるものもあります。
肌に刺激が加わると、かゆみを起こし、小児乾燥性湿疹の発症につながる可能性もあります。
特に肌が直接触れる肌着は、綿などの肌ざわりの良い天然素材のものを選ぶようにしましょう。
肌着以外でも、肌に直接触れるズボンやスパッツ、セーターの首回りや袖の部分などに化学繊維が使われていることがあるため、注意しましょう。
・肩髃
・大腸兪
・気海
肩髃は、肩関節周囲炎や上肢麻痺、脳血管障害、高血圧などに効果があります。
さらに、肩髃は蕁麻疹にも効果があります。乾燥することによって起こるかゆみにも効果を発揮するため、小児乾燥性湿疹の改善にも効果が期待できます。
大腸兪は、 腰のだるさを和らげたり大腸の働きを良くしたりする効果があります。便秘や坐骨神経痛によく使われます。
さらに、乾燥による肌のダメージにも効果を発揮するツボです。そのため、小児乾燥性の改善にも効果が期待できます。
気海は、腎から出る気の海になるツボです。
肌の潤いが足りず乾燥しているときには腎脂が必要であるとされています。腎脂の分泌が十分であれば、適切に皮膚を保湿してくれるため、肌の乾燥を防いでくれるのです。
また、皮膚が適切に保湿されることによって、肌の老化も防ぐ効果があります。
肩髃の場所は、腕を真横に上げたとき、肩関節にできるくぼんでいる場所です。
指で押すことも良いですが、お灸やホッカイロで温めることもおすすめです。ホッカイロを貼るときは、肩髃と一緒に巨骨と肩髎もカバーするように貼ることをお勧めします。
大腸兪は、左右の骨盤の上端を結んだ高さの腰椎をはさんで両側あたりにあります。背骨に沿って上から下に触っていったとき、骨盤とぶつかった左右のポイントがツボの位置です。
押すときは、腰に手を当てて、親指を使って押し込むようなイメージで押します。
気海の場所は、体の真ん中のライン上で、おへそから指2本分下に下がったところにあります。
押すときは、指の腹を使って優しく押しましょう。