モートン病の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2021年  5月 15日

本日はモートン病について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • モートン病とは
  • モートン病の症状
  • モートン病の原因
  • モートン病にかかる費用と改善法
  • モートン病のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

モートン病とは神経障害の一種

モートン病とは、足ゆびの間を通る神経が圧迫されることによって起こる神経障害の一種です。足指から足指のつけ根にかけて痛みが出てしまうもので、特に人差し指から薬指のあいだで起こることが多いです。

 

靴を履いているときに痛く、脱ぐと軽快する。ハイヒールは痛くて履けなくなった…

 

ハイヒールの常用などによる長時間のつま先立ち状態により、足の付け根の関節に大きな負荷がかかっている状態です。

骨に異常がないので、レントゲンを撮っても分からないことが多く原因不明の痛みとして扱われてしまうこともあります。

 

男性に比べて中年以降の女性に生じやすく、パンプスやヒールなど足に負荷がかがってしまう靴を履くことでモートン病になってしまうケースが多くみられます。

 

特徴は、足裏の一部を圧迫したときに鋭い痛みが出ることがあります。その部位の神経が圧迫されていると考えられます。

モートン病の症状は足趾の間のしびれ

痛みの箇所は多少個人差がありますが、足の指の第3趾(中指)と4趾(薬指)の向かい合う側にピリピリチクチクといった足の中ゆびと薬ゆびの間にしびれや痛み、焼けつくような感じなどを引き起こします。

 

特定の靴を履くと痛みを感じるという方から、裸足でも強い痛みを感じる方まで様々です。

 

点字ブロックや絨毯とフローリングの段差などの軽度の段差を踏んだときなどに,飛び上がるほどの痛みが生じることもあります。

 

時にはふくらはぎあたりまで痛みが及ぶことがあります。

モートン医師が報告した症状のため、「モートン病」という病名が付けられました。

 

この病気は足裏筋膜炎など違う病気との鑑別も必要です。どちらの症状も日常生活の中で足首の硬さや足の指の硬さがある状態で長時間立ったり、歩いたり、走ったりと、必要以上に足の裏の負担が大きくなることにより引き起こされます。

 

違いは、足裏の筋肉が常に引っ張られているような感覚になる足底筋膜炎に対し、モートン病はピリピリチクチクと言ったようなしびれが強いといった症状の特徴が挙げられます。

モートン病は、特に足の前部、特に第3および第4の趾の間で感じる不快感や痛みとして現れる病状です。しかし、この病状は単なる「足の痛み」以上のものであり、一連の特定の症状によって特徴付けられます。今回は、モートン病の典型的な症状について詳しく解説します。

 

まず最初に、モートン病は通常、痛みと不快感によって特徴付けられます。この痛みは通常、足の前部、特に第3および第4の趾の間で感じられ、歩行や立ち上がる動作、足に重荷をかけるといった活動で増加することが多いです。

 

痛みは通常、足の一部に限定されますが、時には全足に広がることもあります。また、痛みは一時的なものであることもあり、長時間持続することもあります。一部のは、足の中で「ポップ」という感じがする、または靴がきつく感じると報告しています。

 

次に、モートン病の症状の一つとしてしばしば挙げられるのが、足の一部の感覚異常です。これはしびれ、痺れ、あるいは「ピンと針」のような感覚として表れることがあります。これは、圧迫された神経が正常に信号を伝えられなくなるために起こります。

 

加えて、足の皮膚の下で厚いコールが形成されることがあります。これは、足が反応して追加の保護を提供しようとする結果として起こります。しかし、この硬い皮膚はさらなる不快感を引き起こす可能性があります。

 

最後に、モートン病は活動の制限という形で現れることもあります。つまり、痛みや不快感があまりにも激しい場合、歩行や運動が困難になることがあります。これは日常生活に大きな影響を及ぼします。

 

それぞれの人が体験する症状の範囲や強度は異なります。一部の人々は軽度の不快感しか経験しないかもしれませんが、他の人々は慢性的で激しい痛みを体験するかもしれません。

 

一般的に、モートン病の症状は活動中に悪化し、休息や靴を脱ぐことで改善する傾向があります。しかし、症状が長期間続く、または生活の質に影響を及ぼすようになった場合、それは評価と介入を必要とする可能性があります。

 

モートン病の症状は、他の足の問題や病状とも重なる可能性があります。

モートン病の原因は神経の圧迫

足指の付け根の関節(中足趾節関節)には、隣り合う骨どうしをつないでいる深横中足靱帯とゆう靭帯があります。そのすぐ足の裏側を神経が通過していますが、靱帯と地面の間で負荷がかかるとこの神経が圧迫されて生じます。

 

触ると神経の腫れ(しこり)を感じますが、ひどくなると圧迫部の近くに仮性神経腫といわれる、痛みのある塊が大きく形成されていきます。

年齢を重ねるごとに段々と土踏まずの減少による扁平足や足の横幅が広くなる開張足などを生じてきます。

 

長時間の中腰での作業、つま先立ちの格好、ランニングやウォーキングの頑張りすぎ、ハイヒールの常用などによって、足の指に行く神経が圧迫されやすくなります。

 

また、足への負担をなるべく減らそうと足幅の広い靴を選び勝ちになりますが、幅の広すぎる靴を履いていても起こることがあります。足指の筋力低下による開帳足という足幅が広くなっている状態です。

私たちの足は、一日中体重を支え、私たちが歩き、走り、ジャンプすることを可能にする驚異的な構造です。しかし、この活動の全てが重なると、足はさまざまなストレスと圧力にさらされます。モートン病は、このようなストレスや圧力が特定の足の神経に影響を及ぼす結果として発生する一つの病状です。今回は、この病状の具体的な原因について詳しく解説します。

 

モートン病は、通常、足の第3および第4の趾の間にある神経が圧迫されたり、刺激されたりすることで起こります。この問題は通常、足の前部の痛みや不快感として現れます。

 

では、何が足の神経に圧力をかけるのでしょうか。実際の原因は様々で、身体の構造や活動の特性、そして身体の自然な変化によるものです。

 

まず、身体の構造的な要素がモートン病の一因となることがあります。例えば、扁平足や高弓足、足の骨の形状が不規則であるといった状態は、足に異常なストレスを加え、神経を圧迫する可能性があります。特に、第3および第4の中足骨の間隔が狭い場合、神経が挟まれて圧迫される可能性が高くなります。

 

次に、日々の活動や趣味もモートン病の原因となる可能性があります。特に、ランニングやダンスなどの足に負荷をかける活動を頻繁に行う人は、足の神経に余分な圧力がかかることがあります。また、重いものを頻繁に持ち上げることで全体的な体重が増えると、足の神経に対する圧力も増加します。

 

さらに、着用する靴もモートン病のリスクを高める要素となります。特に、ハイヒールやつま先が細くなっている靴は、足の前部に異常な圧力をかけ、神経を圧迫する可能性があります。また、足の形に合わない靴を履くことも、同様の問題を引き起こす可能性があります。

 

加齢もまた、モートン病の発症に影響を及ぼす要因です。加齢に伴い、足の脂肪パッドが薄くなると、神経はより露出しやすくなります。これにより、日常の歩行や活動での圧力に対する足の耐性が減少し、モートン病を引き起こす可能性が高まります。

 

このように、モートン病の原因はさまざまで、多くの要素が複雑に絡み合っています。それぞれの人が独自の身体の構造、ライフスタイル、年齢などを持っていることを考えると、モートン病の原因もまた個々に異なることが理解できます。

 

私たちが足の痛みや不快感を経験するとき、それは身体からの重要なサインです。それは「何かが間違っている」または「何かが変わっている」というメッセージかもしれません。このようなサインを無視せず、適切なケアを求めることが、長期的な健康と快適さを保つための鍵となります。

モートン病の改善は保存法

血液を調べても異常所見はなく、レントゲン、CT像も特記すべき所見はありません。しかし他の疾患との鑑別に必要なためまずレントゲンが行われます。

 

MRI、超音波などで、片手で母趾と小趾の中足骨頭部を挟んで横から圧迫すると神経の腫れ(仮性神経腫)が見られたり疼痛が誘発されると病気はほぼ確定できます。

 

加えて、圧迫された神経との間に感覚障害があり隣りあう骨の先端の間に痛みのある瘤のような塊と、それと同じ場所に神経傷害部をたたくとその先に痛みがひびくなどの「ティネルサイン」が見られます。

主な改善方法は、つま先立ちなど痛みの出る動作は控える、作業時の足の格好に注意する、ハイヒールの禁止などです。

 

また、自身の足の形に合わせて作った足底挿板(中敷きのような装具)を用います。

 

併用して消炎鎮痛剤、ブロック注射を行うと改善することもあります。しかし、3か月ほど様子を見て症状が回復しないものでは、手術が必要になるケースもあります。

 

手術になると約1週間程度の入院を要します。神経剥離、神経腫摘出、深横中足靱帯を切り離す手術などで、傷んだ神経を取り除きます。神経を取り除く訳ですからその先の感覚はなくなります。

当院でのモートン病に対しての鍼灸施術は、血液や体液の循環改善を行うことで痛みや腫れ、熱感を抑えます。

 

中医学の観点から言うと、この疾患は「肝腎虚弱」の方に多く見られます。中医学において、肝臓は血液を貯留し腎は髪の滋養を行います。髪は血の余りなので、歳を取り肝腎が弱くなると、血液を貯留する力が減ると同時に、髪の毛が白髪化したり脱毛したりしてくるわけです。

 

モートン病が更年期の女性に多くみられることから、鍼灸施術においても肝腎の働きを補うツボを用いながら症状の改善を図ります。

モートン病の改善方法は、個々の症状、活動レベル、全般的な健康状態などに基づいてカスタマイズされます。改善の目的は、痛みを軽減し、足の機能を改善し、患者が日常生活を楽しむ能力を回復することです。

 

通常、保存的なアプローチから始まります。これには、以下のような手段が含まれます。

 

装具や靴の調整:専門の靴やインソールを使用することで、足への圧力を分散し、神経を圧迫する力を軽減することができます。

 

フィジカルセラピー:特定のストレッチングや筋力強化エクササイズは、足の筋肉を強化し、足への圧力を軽減するのに役立ちます。

 

一時的な活動の制限:一部の場合、足への圧力を減らすために、一時的に運動や立った状態での活動を制限することが推奨されることがあります。

 

薬物療法:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの薬物が、痛みと腫れを軽減するのに使用されることがあります。

 

これらの保存的な方法が効果を発揮しない場合、または症状が重度である場合には、外科的な介入が考慮されることがあります。モートン病の手術は、通常、神経組織の一部を除去することで、痛みを軽減し、足の機能を改善することを目指します。手術は通常、局所麻酔下で行われ、通常、外来手術として行われます。大部分では、手術後数週間で通常の活動に戻ることができます。

 

外科的な方法にはいくつかのタイプがあります。モートンの神経腫の切除は、最も一般的な手術であり、これには炎症を起こしている神経の一部を取り除くという手続きが含まれます。他の手術の選択肢には、足の骨を再配置して神経への圧力を軽減するものもあります。適切な手術の選択は、具体的な症状、全般的な健康状態、生活スタイルに基づいて決定されます。

 

モートン病の改善は、一人一人に合わせてカスタマイズされます。プランは、症状の重さ、生活の質への影響、生活スタイルや目標を考慮して策定されます。

 

成功するためには、医師の指示をきちんと守り、必要なライフスタイルの変更を適用し、必要な場合には適切なリハビリテーションに取り組むことが、重要です。

モートン病のまとめ
  • 当院でのモートン病に対しての鍼灸施術は、血液や体液の循環改善を行うことで患部の痛みや腫れ、熱感を抑えます。モートン病は、足指の間を通る神経が圧迫されることによって起こる神経障害の一種。
  • ハイヒールの常用などによる長時間のつま先立ち、足の付け根の関節に大きな負荷がかかっている状態が続くと生じる。
  • 男性に比べて中年以降の女性に生じやすい。
  • 神経症状のため骨に異常はない。レントゲンは鑑別のために調べる必要がある。
  • 主な改善法は保存する方法だが、回復の見込みが見られない場合手術を要する。
  • モートン病に対しての鍼灸施術は、血液や体液の循環改善を行うことで患部の痛みや腫れ、熱感を抑える。また、肝腎の働きを補うツボを用いながら症状の改善を図る。

モートン病の改善例

事例1:マリア – 保存的な方法による成功

 

マリアは40歳のアクティブな女性で、長時間立って仕事をするため、足の痛みに悩まされていました。特に右足の第3と第4の趾の間に強い痛みを訴え、しばしばその痛みは夜も続いていました。彼女はモートン病の判断を受けました。

 

最初に保存的な方法を試すことを決定しました。彼女に特製のインソールを試すよう提案し、特定のフィジカルセラピーのエクササイズを教えました。また、NSAIDsの短期的な使用も彼女に推奨しました。

 

6週間後、痛みが大幅に軽減されたと報告しました。今では、彼女は仕事に戻り、足の痛みによる夜間の不快感もなくなりました。

 

事例2:ジョン – 外科的な介入による解決

 

ジョンは60歳の男性で、ハイキングやアウトドア活動が好きでしたが、左足の痛みによりこれらの活動を楽しむことができなくなりました。彼は我々のクリニックに来て、モートン病と判断されました。ジョンはまず保存的な方法を試みましたが、彼の痛みは改善しなかった。

 

そこで我々は彼とともに、外科的な方法を評価しました。彼は手術を受けることを決定し、神経腫の切除手術が行われました。手術は成功し、彼は数週間のリハビリテーションの後、再びアウトドア活動を楽しむことができました。

 

これらの例は、モートン病の改善が一人一人に合わせてカスタマイズされることを示しています。保存的な方法が効果的な場合もありますし、外科的な改善が必要な場合もあります。

 

事例3:リサ - 保存的と外科的方法の組み合わせ

 

リサは、長時間の立ち仕事により、左足の激しい痛みに苦しんでいました。彼女は最初、保存的な方法を試みましたが、インソールや薬、フィジカルセラピーによる症状の改善は一時的であり、痛みが常に戻ってしまいました。リサはその後、我々と相談の上で、外科的方法を選択しました。神経腫の切除手術後、彼女の症状は大幅に改善し、再び快適に仕事を続けることができました。

 

以上の事例は、モートン病の判断を受けた人がどのようなを受け、その結果を得ているかを示すものです。適切な改善を受ければ、痛みを大幅に軽減し、日常生活の質を改善することが可能となります。

おすすめ記事

営業時間

11時から21時

営業日
 

11時~21時迄

休業日

年末年始

お問合せ
080-1802-9798