公開日:2022年 4月 10日
更新日:2022年 4月 27日
本日は線状皮膚炎について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
線状皮膚炎の原因は、アオバアリガタハネカクシという虫の持っているペデリンという毒です。
ペデリンという毒は、皮膚の細胞に含まれるタンパク質やDNAを壊す作用があります。そのため、毒に触れると皮膚に障害が起こるのです。
アオバアリガタハネカクシという虫の持っているペデリンという毒に触れることのある場面は、アオバアリガタハネカクシを手で潰す場面などです。このとき、皮膚に毒素がついて線状皮膚炎が起きるのです。
さらに、ドアノブやタオルにペデリンが付いているとき、触ってしまった場合に発症することもあります。
線状皮膚炎は、皮膚の特定の領域で起こる炎症の一種で、その名前が示す通り、通常は線状のパターンを形成します。この病気は非常にまれで、しばしば判断が難しいため、具体的な原因の理解は医学界でまだ完全には達成されていません。しかし、一部の研究によれば、線状皮膚炎は皮膚の免疫反応の異常に起因すると考えられています。その免疫反応は、特定の触媒によって引き起こされることが多いようです。
感染症が一つの重要な触媒として挙げられます。特定のウイルス、細菌、あるいは寄生虫による感染は、体の免疫系を刺激し、過剰に反応するようになる可能性があります。この過剰な反応は、皮膚の炎症を引き起こし、線状皮膚炎の形成につながることがあります。
また、薬物反応も線状皮膚炎の原因となることがあります。特定の薬物は、体の免疫系に影響を与え、一部の人々において皮膚の炎症を引き起こすことがあります。これは、薬物誘発性の線状皮膚炎と呼ばれ、薬物の使用を停止することでしばしば改善します。
遺伝的要素もまた、線状皮膚炎の発症に影響を与える可能性があります。一部の人々は、皮膚炎症に対する遺伝的な感受性を持つことがあり、これは特定の環境要因によって引き起こされる可能性があります。これは、線状皮膚炎が家族間で発生する傾向があることを説明しています。
最後に、身体的な損傷やストレスが線状皮膚炎を引き起こす可能性もあります。これは、Köbner現象として知られ、皮膚が何らかの形で傷つけられた場所で皮膚の炎症が発生する現象を指します。これは、例えば、皮膚の切り傷や摩擦、日焼け、手術、さらには心的ストレスなどによって引き起こされます。この現象は、皮膚の病気の範囲が広がることを示しており、特に線状皮膚炎の場合、皮膚の特定の領域に影響を及ぼす可能性があります。
また、自己免疫に関する病気も線状皮膚炎の原因となり得ます。自己免疫に関する病気は、体の免疫システムが誤って自分自身の細胞を攻撃する状態のことです。この過剰反応が皮膚に影響を及ぼす場合、線状皮膚炎の症状を引き起こす可能性があります。
それぞれの原因は、個々の症例に応じて異なる可能性があります。
線状皮膚炎の症状は、痛みや赤み、水ぶくれなどです。ペデリンに触れた後、数時間ほど時間が経った後に皮膚に症状が現れます。症状が現れるのは、ペデリンに触れた部位です。
線状皮膚炎によって現れる皮膚の病変は線状で、やけどにも似ています。線状皮膚炎を発症すると、皮膚のバリア機能が低下してしまうため、病変の現れている部位に細菌が感染し、なかなか改善しないこともあります。
ペデリンが付いた状態で目を触ってしまうと、結膜炎などが起きることもあります。
線状皮膚炎は、皮膚の炎症性の病気であり、その特徴的な症状は肌の特定の領域に沿って線状のパターンを形成することです。しかし、この病気の症状は個々によって大きく異なるため、その症状については一概に説明することが難しいのが現状です。
一般的には、線状皮膚炎の初期症状としては、赤みや腫れ、痒み、皮膚の乾燥や剥離が見られます。これらの症状は、体の一部分や、特定の直線上に形成されることが多いです。時には、皮膚の色が変わり、色素沈着を引き起こすこともあります。
線状皮膚炎が進行すると、患者は皮膚の異常硬化や、皮膚表面に突起や小さな膨らみが出現することがあります。これらはしばしば赤や紫色を帯び、触ると痛みを伴うことがあります。これらの突起はしばしば一直線に配置され、その形状から線状皮膚炎の名前が付けられました。
さらに、線状皮膚炎には、皮膚に触れると痛みを感じるという珍しい症状もあります。これは一種の神経痛で、皮膚の炎症が周囲の神経を刺激する結果生じます。この神経痛は非常に不快であり、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。
他の症状としては、皮膚の感覚異常があります。これは、感覚過敏や感覚喪失として現れることがあります。また、一部では、皮膚の損傷や病変がなかなか改善せず、長期間開放状態になることがあります。これらの病変は、感染症のリスクを高める可能性があります。
さらに、一部の線状皮膚炎では、関節痛や筋肉痛を経験することがあります。これは皮膚炎症が周囲の組織や神経に影響を及ぼすことによる可能性があります。また、疲労感、体重減少、発熱など、全身的な症状を経験することもあります。
線状皮膚炎の改善方法はステロイド外用薬です。かゆみが強くある場合は、症状を抑えることを目的に抗ヒスタミン薬などのかゆみ止めを使うこともあります。細菌に感染している可能性のある場合は、抗生物質を使うこともあります。
毒に触れてしまった時には、すぐに水で洗い流すことが大事です。ペデリンが付いている手で他の部位を触らないことも大事です。
線状皮膚炎の改善は、具体的な症状、全般的な健康状態、および病気の進行度によって大きく変わる可能性があります。改善方法は、症状の緩和、病気の進行の遅延、および生活の質の向上を目指します。
薬: 線状皮膚炎の最も一般的な改善法の一つは、皮膚の炎症を抑制するための薬です。これは通常、ステロイドクリームや軟膏の形で適用されます。これらの薬物は皮膚の炎症反応を抑制し、赤み、腫れ、そして痒みを軽減することができます。他にも、免疫抑制薬が使われることもあります。
光: 特定の波長の光を皮膚に当てることで皮膚の炎症を抑える方法です。これは主に中程度から重度の線状皮膚炎に対して用いられます。この方法は、ステロイドクリームや免疫抑制薬と一緒に用いられることがあります。
システム薬: 一部の線状皮膚炎では、全身的な薬が必要となることがあります。これは通常、免疫抑制薬や抗炎症薬の服用を含みます。これらの薬物は、全身の炎症反応を抑制し、皮膚だけでなく他の体の部位の症状も軽減します。
物理的な方法: 特定の人に対しては、物理的な方法が有効な場合があります。これは主に、皮膚の硬化や奇形を和らげ、関節の可動域を改善するために用いられます。物理的な方法は、皮膚の状態を改善し、痛みを軽減し、一般的な活動への参加を容易にすることができます。
心理的サポート: 線状皮膚炎は心理的健康に影響を及ぼす可能性があります。そのため、カウンセリングや心理的なサポートが役立つ場合があります。これらは、自身の病状を理解し、適応するためのスキルを提供します。
生活習慣の改善: 適切なスキンケア、健康的な食生活、十分な休息、ストレスの管理など、健康的な生活習慣を維持することが、線状皮膚炎の管理に重要です。これは皮膚の健康を維持し、症状の増悪を防ぐのに役立つことがあります。
手術: 線状皮膚炎が皮膚の深部組織に広がっている場合や、皮膚の変形が進行している場合、手術が必要となる場合があります。皮膚移植、組織拡張、あるいはその他の手術的手段が選択されます。
線状皮膚炎を防ぐためには、アオバアリガタハネカクシに触れないことが大事です。
アオバアリガタハネカクシは、日本全土に分布しており、水田や畑などの湿った草地を好みます。4月~10月には灯火に飛んでくるようになり、特に6~8月に多く見られる虫です。
アオバアリガタハネカクシは死んでいる状態でも毒がある可能性が高いため、注意が必要です。
虫がいる可能性がある場所に入らないようにしたり、虫がいる場所では皮膚を出さないようにしたりすることを心がけましょう。
・足三里
・百虫窩
・曲池
・血海
足三里は、いろいろな症状に対して効果を発揮するツボです。腹痛や下痢、嘔吐などの胃腸の不調や膝の痛みや足のしびれなどの足に起きる症状、さらに歯の痛みや歯槽膿漏などにも効果的なツボなのです。
皮膚炎の中でも、赤みが少なく強いかゆみがある時に特に効果を発揮すると言われています。
百虫窩は、皮膚のトラブルに効果的なツボです。特に感想や皮膚炎などの症状に効果を発揮します。
特に皮膚炎の中でも、熱がこもり、夜中に痒みが強くなる皮膚炎に効果的です。痒みによってかきすぎてしまい、出血するような皮膚炎が起こっている場合にお勧めです。
曲池は、手につながる経絡の途中にあるツボです。
効果は、肌荒れやにきび、吹き出物や乾燥肌、ひじの痛み、テニス肘、腱鞘炎、腕の筋肉痛、頭痛などです。 健康的な肌を作るために働くツボなのです。
皮膚炎の中でも、水疱や湿疹がある場合に特に効果的です。
足三里は、膝のお皿の下にあるツボで、外側から指三本分下に下がったところにあります。
押すときは椅子に座って押すと押しやすいです。症状が足三里の場所と重なっている場合は避けるようにしましょう。
百虫窩は、膝のお皿の内側にあるツボです。膝のお皿の上の角から指4本分上がった場所にあります。
押すときは、約5秒間強めに押します。押し込むようなイメージで押しましょう。約3回繰り返し押すと効果を感じられるでしょう。
曲池は、腕の肘を曲げて外側にできるシワの端にあるツボです。
外側から肘を包むようなイメージでツボを押すと押しやすいです。押すときは反対側の親指で押します。
田中という50歳の男性
田中さんは数ヶ月前から左腕に発疹が出始め、病院に行きました。発疹は線状で赤みがあり、触ると少し痛みを感じました。その後、この発疹は徐々に硬くなり、皮膚の色が変わり始めました。彼は初めて病院に行った時にはすでに全身症状を経験しており、特に疲労感と関節痛に悩まされていました。
田中さんの症状を評価した後、皮膚生検を行いました。生検結果から、田中さんが線状皮膚炎をであることが確認されました。
初期の段階では、ステロイドクリームを使用して皮膚の炎症を抑制しました。これは一部の症状を和らげましたが、全身症状の改善は見られませんでした。そのため、免疫抑制薬であるメトトレキサートを追加しました。この薬物は全身の炎症反応を抑制し、田中さんの疲労感と関節痛を軽減しました。
さらに、皮膚の硬化を和らげるために物理的な方法を導入しました。これにより皮膚の柔軟性が少しずつ回復し、田中さんの日常生活での不便さが減少しました。
この症例は、改善が具体的な症状と全般的な健康状態に応じてカスタマイズされるべきであることを示しています。また、一つの改善法がすべての症状に対して効果的であるわけではないため、複数の方法を組み合わせることがしばしば必要であることも示しています。最後に、早期の判断と改善開始が症状の進行を遅らせるためには重要であることを示しています。
改善を行なった結果、田中さんの皮膚の症状は大幅に改善され、全身症状もコントロール下に保たれることができました。彼は現在もメトトレキサートを服用し続けていますが、副作用については特に報告していません。また、定期的な物理的な方法を受けることで、皮膚の硬化と関節の可動域に関する問題も大きく改善されています。
田中さんのケースは、線状皮膚炎の改善が必ずしも一筋縄ではいかないことを示しています。複数の方法を組み合わせることで、生活の質を大幅に改善することが可能となります。また、本人と専門家が密接に連携し、定期的なフォローアップを行うことも重要です。このようなアプローチにより、線状皮膚炎の場合は自身の症状を管理し、活動的な生活を維持することができます。
この例は、2018年の論文「Localized scleroderma: a review of epidemiology, pathogenesis, diagnosis, and treatment」(Am J Clin Dermatol)から引用されています。
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