マスク依存症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 12月 3日

更新日:2024年  9月11

本日はマスク依存症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • マスク依存症とは
  • マスク依存症の原因
  • マスク依存症の症状
  • マスク依存症の改善方法
  • マスク依存症のまとめ

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

マスク依存症は、常にマスクをしていないと不安になる病気

マスク依存症は、常にマスクをしていないと不安になり、外すと落ち着かなくなる病気のことです。

 

新型コロナウイルスの流行で、日常生活を送る中で、外出するときはマスクを着用するという習慣がつきました。

 

そのような中、マスクを外して、顔を見せること自体ができない、マスクを外すと不安になるなどの症状を覚える人が増えています。

 

特に小さいころからマスクをつけ続けてきたために、マスクを外すことに抵抗を覚える子供が非常に多いです。

 

もちろんマスクには感染予防などのメリットがありますが、顔を見せて話す場を極力避けるということが続くと、親密な関係が築きづらくなったり対人関係に問題が起きる可能性もあります。

マスク依存症の原因

マスク依存症の原因は、日本人の徹底したリスク回避志向が関係していると言われています。

 

日本人には、リスクを極端に恐れるリスク回避志向があります。そのため、海外では脱マスクの動きが進んでいても日本人はなかなか外すことができないと考えられているのです。

 

マスクをしなければどう思われるのか、白い目で見られるのではないかなどと考えてしまう傾向もマスク依存症と関係していると言われています。

 

また、日本人は目で表情を判断する傾向にあることもマスク依存症と関係していると考えられています。

 ・不安や恐怖の軽減

感染リスクへの恐怖: 新型コロナウイルスや他の感染症への不安感が強いため、マスクを着用することで安心感を得ることができます。マスクは「防御手段」としての象徴的な役割を果たしており、外すことで不安が高まる場合があります。

社会不安や対人恐怖の緩和: 対人関係での緊張や不安を感じる人にとって、マスクは顔の一部を隠すことで心理的なバリアを提供します。これにより、他者の目を気にせずに済むため、対人恐怖症や社会不安障害の軽減につながることがあります。

 

自己イメージの保護

外見への自信のなさ: 自分の顔や外見に対して自信がない場合、マスクを着用することでそれを隠し、安心感を得ることができます。マスクが自己イメージを保護する役割を果たし、他者からの評価を避ける手段として機能します。

表情管理の容易さ: マスクを着用することで、他者に自分の表情を読まれることを防ぎ、感情のコントロールがしやすくなります。感情表現に自信がない人にとって、マスクは心理的な負担を軽減するツールとなり得ます。

 

・社会的規範の強化

マスク着用の同調圧力: COVID-19の流行中に、マスク着用が社会的なマナーや規範とされ、多くの人々がマスクを着用することを期待される環境が生まれました。このような社会的な圧力の中で、マスクを外すことが「非常識」と感じられ、依存が強まることがあります。

職場や学校でのルール: 職場や学校でマスク着用が義務付けられている場合、習慣として定着し、義務が解除されてもマスクを外すことに不安を感じることがあります。

 

マスク着用の利便性

便利さの追求: マスクを着用することで、化粧を省いたり、風邪などの体調不良時に顔色を隠すことができるという利便性を感じる人もいます。このような「利便性の習慣化」が、マスク依存の一因となることがあります。

 

・長期間のマスク生活

マスク着用の長期間化: パンデミックの影響で、長期間にわたりマスクを着用する生活を続けた結果、これが「新しい常態」として脳にインプットされてしまうことがあります。習慣としてマスクを着用し続けることで、マスクなしの生活に不安を感じやすくなります。

 

マスコミやソーシャルメディアの影響

情報の過剰供給: 感染症に関する情報が過剰に報道されることで、恐怖感や不安感が増幅され、マスク着用が必須と感じるようになります。特に不安を煽るような情報が繰り返し流れると、マスクを外すことへの抵抗感が強まります。

 

自律神経の影響

マスク着用による身体的反応: マスクを着用していると、顔が覆われることで心理的な安心感を得られることがあります。これにより、リラックス状態を保ちやすくなり、逆にマスクを外すと自律神経が乱れ、不安感が強まることがあります。

 

呼吸の制御

呼吸の感覚の変化: マスクをしていることで呼吸のリズムが変わり、深呼吸がしづらくなる一方で、呼吸が浅くなっていることに気づかないケースがあります。これに慣れてしまうと、マスクを外したときに逆に呼吸がしにくいと感じ、不安感が増すことがあります。

 

依存性の発展過程

習慣化: 最初は感染予防や社会的な圧力に従ってマスクを着用していたものが、次第に習慣化し、マスクなしでは落ち着かなくなる状態に発展します。これは、心理的な依存が生じ、習慣が行動の一部となった結果です。

強化学習: マスクを着用することで不安やストレスが軽減されるという「報酬」が得られるため、この行動が強化され、依存が進行します。

マスク依存症の場合は本来の目的ではなくマスクをつける

マスク依存症の症状は、自分の顔をマスクで隠していないと落ち着かない状態になることです。

 

マスクは本来、花粉症対策や風邪予防、喉の乾燥対策、色々な感染症予防、風邪やインフルエンザなどを周りに移さないためのエチケットなどの目的があります。

 

しかし、マスク依存症の場合はそのような本来の目的ではなくマスクをつけるようになります。学校や職場で食事をする時以外は常にマスクをしていなければ落ち着かないことから不便であることに悩みを抱えることもあります。

・マスクを外すことへの強い不安感

マスクを外すことに対して、過度な不安や恐怖を感じる。具体的には、「周囲から感染してしまうのではないか」「他人からどのように見られるかが不安」「素顔を見られるのが怖い」といった思いから、マスクを外すことを避けるようになります。

 

対人恐怖の悪化

他者と接する際にマスクを外すことができず、会話や表情のやり取りに対して不安感を覚える。特に、表情が見えないことで安心感を感じるため、マスクを外すことで自分の感情が露わになることを恐れるようになります。

 

社会不安の増加

公共の場や人混みの中でマスクを外すことができず、不安や緊張が増す。例えば、友人との食事の場面や職場でのミーティングなど、他者と顔を合わせる場面で、マスクを外すことに強い抵抗感を持つようになります。

 

自己評価の低下

マスクを外した自分の顔や外見に対して過度にネガティブな感情を抱き、「マスクがないと他者から受け入れられないのではないか」という不安が強くなる。このため、素顔でいる自分に自信が持てず、自己評価が低下します。

 

依存感の高まり

「マスクをしていないと落ち着かない」「マスクをしているときだけ安心できる」といった感情が強まり、生活のほとんどの時間をマスクを着用して過ごすようになります。結果として、マスクなしでは正常な生活が送れなくなる場合もあります。

 

・常にマスクを着用している

感染リスクが低い状況でも、常にマスクを着用し続ける。マスクを外すことが不安であるため、シャワーを浴びる際や寝るときにもマスクを着けていたり、顔を手で覆ってしまうこともあります。

 

マスク着用への執着

マスクが汚れたり、無くしたりすると強い不安感や焦りを感じる。そのため、予備のマスクを常に持ち歩き、忘れた場合は急いで購入しに行くなど、過度にマスクの着用に執着する行動が見られます。

 

マスクを外す場面を避ける

マスクを外さなければならない場面を避けるようになります。食事や飲み物を飲む際にも、一瞬だけマスクをずらして口元を隠すなど、過剰な注意を払うことがあります。

 

呼吸の変化

マスクを着け続けることで、浅い呼吸が習慣化し、マスクを外すと逆に深く呼吸ができなくなることがあります。また、マスクをしているときに呼吸が乱れることが多く、息苦しさを感じる場合もあります。

 

皮膚トラブル

長時間のマスク着用によって、肌荒れやかぶれ、ニキビなどの皮膚トラブルが増えることがあります。これがさらにマスク依存を強め、「素顔を見られたくない」という感情を助長する場合があります。

 

顔の筋肉の硬直

マスクを着用していると、表情筋をあまり使わないため、顔の筋肉が硬直しやすくなります。これにより、表情の乏しさや無表情感が強まり、表情を見られたくないという感情が強まります。

 

・社会生活の制限

マスクを外せないことが原因で、他者と接触する場面を避けるようになり、社会生活が制限される。例えば、友人との食事や職場のイベントに参加しづらくなり、社会的孤立を感じることがあります。

 

職場でのパフォーマンス低下

対面でのコミュニケーションが求められる職場や、接客業などでは、マスク依存が原因でパフォーマンスが低下することがあります。顧客や同僚との交流が減り、仕事においての困難さを感じることもあります。

 

家族や友人との関係悪化

家族や親しい友人が「もうマスクを外しても大丈夫」と感じている中で、自分だけがマスクを外せないことから、意見の相違や摩擦が生じることがあります。これにより、人間関係にストレスが生じることがあります。

マスク依存症の改善方法は、カウンセラーに相談に行くこと

マスク依存症の改善方法は、カウンセラーに相談に行くことです。カウンセリングを受け、ゆっくりと時間をかけて、人との交流を増やしていくことが必要であると考えられています。

 

マスクを強制的に外さなくてはいけないということはありませんが、マスクにはメリットもデメリットもあります。マスク依存を続けることで社会との壁を高く作ることにつながる可能性もあります。

 

最終的には引きこもりに陥る危険性もあるため、マスクのメリットデメリットを理解して使うことができるようになると良いでしょう。

ステップバイステップアプローチ: いきなりマスクを外すのではなく、まずは自宅や家族、親しい友人の前で少しずつマスクを外す時間を増やしていきます。例えば、最初は1日5分間だけマスクを外すことから始め、徐々に時間を延ばしていくことで、不安を少しずつ軽減できます。

 

環境に合わせた練習: 人の少ない場所や、外気の多い屋外など、安心できる環境での練習を重ねていきます。スーパーや公園、散歩中など、リスクが低く感じられる場所での練習を通じて、少しずつ自信をつけていきます。

 

自分を励ます言葉を使う: 「私は大丈夫」「他の人もみんな同じ」「マスクを外しても怖くない」など、ポジティブな自己対話を繰り返すことで、不安感を和らげることができます。自分に対して優しい言葉をかける習慣を持つことが、安心感を高める助けになります。

 

成功体験を振り返る: 過去に不安を克服した経験や、マスクを外しても問題なかった場面を思い出し、それを自分への励まし材料として使います。「あのときも大丈夫だったから、今回もきっと大丈夫」と自己暗示をかけることで、少しずつ自信が持てるようになります。

 

深呼吸や腹式呼吸の実践: マスクを外したときに感じる不安や緊張を和らげるために、深呼吸や腹式呼吸を行います。ゆっくりと息を吸い込み、時間をかけて吐き出すことで、副交感神経が活性化し、リラックス効果を得られます。

 

瞑想やマインドフルネスの取り入れ: マインドフルネスや瞑想を日常に取り入れることで、自分の不安感や恐怖感を客観的に捉え、心の平穏を保つことができます。これにより、マスクを外す際の心理的な負担を軽減できます。

 

セルフケアリストの作成: 自分を大切にするためのセルフケアリストを作成し、実行していきます。例えば、好きな音楽を聴く、趣味の時間を大切にする、散歩や運動を取り入れるなど、自分にとって心地よいことを日常生活に組み込みます。これにより、自己肯定感が高まり、マスク依存からの脱却がしやすくなります。

 

自分へのご褒美を設定する: 目標を達成した際には、達成感を得られるようなご褒美を設定します。例えば、「今日は30分間マスクなしで過ごせたら、自分にご褒美として好きなカフェに行く」といったように、小さな成功体験を自分に与えることで、モチベーションを高めます。

 

不安を感じた瞬間を記録する: いつ、どのような場面でマスク依存の不安を感じたのかを日記に記録します。なぜそのように感じたのか、自分の感情や思考を具体的に書き出すことで、自分のパターンを把握し、次の対策を考えやすくなります。

 

前向きな感情を記録する: マスクを外しても不安がなかった場面や、うまく対処できた場面についても記録し、自分の進歩を確認します。これにより、自己肯定感が増し、克服のモチベーションを保つことができます。

 

オンラインや少人数の活動に参加する: 初めは、オンラインの趣味のコミュニティや、少人数での活動に参加することで、少しずつ対人コミュニケーションに慣れていきます。これにより、他者との接触が増え、マスクなしでのコミュニケーションに自信を持てるようになります。

 

新しい趣味を始める: 新しい趣味やスポーツなど、自己肯定感を高める活動に挑戦します。これにより、自己成長を感じ、マスクを外すことへの不安が軽減されることがあります。

 

新しい場所でマスクを外す経験を積む: 日常の環境を少し変え、普段行かない場所でマスクを外す経験をしてみます。例えば、自然豊かな場所に行く、旅行に出かけるなど、リフレッシュできる環境で新しい体験をすることで、マスクなしでも安心できる感覚を取り戻します。

 

家の中でもマスクを外すルールを設定する: 家の中ではマスクを外すことを自分のルールとして設定し、徐々にその時間を延ばしていきます。家族や同居人に協力をお願いし、外すことに対して肯定的なサポートを得ると効果的です。

 

信頼できる人に話す: マスク依存に対する不安や悩みを、家族や友人など信頼できる人に話し、サポートを受けます。他者に自分の状況を理解してもらうことで、安心感を得られ、マスク依存を克服するための助けとなります。

 

専門家の支援を受ける: 自力での克服が難しい場合、心理カウンセラーや医療専門家の支援を受けることも考えます。認知行動療法や対人関係療法などの専門的なアプローチが有効です。

マスク依存症が特に多く見られる年代は、10~20代

マスク依存症が特に多く見られる年代は、10~20代です。入浴時や就寝時以外にほとんどマスクをしている場合やマスクをすると安心する感覚がある場合などは注意が必要です。

 

鼻や口やニキビなどにコンプレックスがあったり人前でご飯をたべるのが苦痛であったりする場合はマスク依存症につながる可能性があります。

 

人に顔を見られたくない場合や顔にコンプレックスがある場合など美容目的でマスクを使うことは多いですが、メリットデメリットをしっかり理解し、依存しすぎないようにすることも必要です。

マスク依存症では自分のペースを尊重することが大事です。無理をしない: 一気にマスクを外すことに挑戦しすぎると、逆に強い不安感や恐怖感を引き起こし、依存が悪化する可能性があります。自分のペースを守り、少しずつ段階を踏んで取り組んで改善を行いましょう。

 

他の人が簡単にマスクを外せるようになっていると感じても、自分の進み具合を焦らないように注意しましょう。自分自身の状況を尊重し、他人と比べずに着実に進めることを意識しましょう。

マスク依存症に効果的なツボ

膻中

・百会

神門

膻中

膻中の効果は、呼吸の乱れや息苦しくなる息切れ、気持ちの高ぶりからくる動悸などを和らげることです。膻中は、鎮痛安定作用があるツボで、自律神経を調整する効果があるのです。

 

そのため、不安になった時や落ち着かないと感じる時に押すことをお勧めします。

百会

百会は、不安を和らげる効果のあるツボです。百会を刺激することは、自律神経の調整をする効果があるのです。そのため、精神を安定させたい時に効果を発揮するのです。

 

他にもいろいろな効果があり、頭痛や肩こりを和らげたい時や痔を改善したい時などにも使われます。

神門

神門を刺激することはリラックスにつながります。神門には、精神を安定させる効果があるため、不安を抱えている時に効果的なのです。

 

ネガティブに考えがえてしまうことの多い人や不安から眠れなくなることの多い人におすすめのツボです。

ツボの位置と押し方

膻中

膻中の場所は、左右の乳頭を結ぶ線の中間です。

 

押すときは、両手の人差し指を使って押します。呼吸を止めないように気をつけて押しましょう。

百会

百会の場所は、左右の耳の上を頭で結んだ所と顔の中央が交わっている場所にある小さなへこみ部分です。

 

押すときは、両手の人差し指を使って押します。押すときの力加減は、気持ち良いと感じるくらいがおすすめです。

神門

神門の場所は、手首のシワの上で、小指側の腱の内側です。

 

押すときは、親指を使って押します。押しながら深呼吸をすると良いでしょう。強く押しすぎないように気をつけて少し弱めの強さでゆっくり押すことを意識します。

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