公開日:2021年 9月10日
更新日:2021年 10月19日
本日はブラウ症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
ブラウ症候群は、皮膚と関節と眼に肉芽腫ができる病気です。発生する肉芽腫は、サルコイドーシスという病気で発生するものに非常に似ています。
1985年にブラウ医師によって報告された病気であることからブラウ症候群と呼ばれるようになりました。最近は、若年で発症するサルコイドーシスとブラウ症候群は同じ病気であるということがわかりました。
2012年から行われた調査によると、日本全国にはブラウ症候群であると判断されていない人もいるのではないかと考えられています。
そのため、すでにブラウ症候群であると判断されている人と合わせると、おそらく50人程度ブラウ症候群を発症していると考えられます。
ブラウ症候群の原因は、NOD2という分子の遺伝子に異常があることです。NOD2という分子の遺伝子は、微生物の細胞の周りを取り囲んでいる細胞壁の一部を細胞の中で認識して免疫反応を起こして体を守る働きをしています。
一般的には微生物が細胞の中へと入ってきた時に分子が反応して免疫反応を起こしますが、ブラウ症候群の場合微生物がなくても分子がいつも活性化している状態になり、細胞の中で炎症を起こす仕組みができ肉芽腫が作られると言われています。
ブラウ症候群を発症する仕組みではまだ解明されていないことも多いですがNOD2という分子の遺伝子に異常が起き、細胞の中で炎症が起きる状態ができることで皮膚と関節と眼に肉芽腫ができると考えられているのです。
ブラウ症候群は遺伝する病気です。遺伝の中でも常染色体優性遺伝形式のため、父親もしくは母親のどちらかから原因となる遺伝子を受け継ぐことで発症します。
ブラウ症候群は、目を開ける筋肉の一部が欠けているために眼瞼が開かない状態を指します。特に、上眼瞼を開けるための筋肉、上眼瞼挙筋が欠けています。ブラウ症候群は先天性の状態で、つまり生まれつきの状態です。
原因について詳しく見てみましょう。遺伝学的な観点から、ブラウ症候群は通常、自己新規突然変異として生じます。これは、親から遺伝子を受け継ぐ代わりに、遺伝子の変異が個人の生命の初期の段階で発生したことを意味します。この症候群の遺伝的な要素は、遺伝子の特定の突然変異に関連しています。具体的には、遺伝子の特定の部分で起きた変異が、筋肉の正常な発達を防ぎます。
なお、この症候群は非常にまれな症状であり、公に知られている症例は非常に少ないため、具体的な原因や改善法などについてはまだよくわかっていません。しかし、遺伝的な要素が重要な役割を果たしていることは明らかです。
研究はまだ進行中で、未だ完全に理解されていない部分も多いです。しかし、科学者たちはこの病気の原因を詳細に理解するために、さまざまな手法を使って遺伝子の解析を進めています。それにより、将来的にはより効果的な改善法や予防策を開発できるかもしれません。
また、ブラウ症候群の原因については、遺伝的な要素だけでなく、環境要素も関与する可能性があります。例えば、母親が妊娠中に薬物やアルコールを摂取したり、感染症に罹ったりすると、胎児の正常な発育が阻害され、筋肉の欠如やその他の身体的な異常を引き起こす可能性があります。これは、遺伝的な要素と環境要素が組み合わさった多因子遺伝病という観点から見ることができます。
ブラウ症候群の症状は、皮膚と関節、眼に肉芽腫が現れることです。
発症したら初めは皮膚に症状が現れます。5 mm程の硬いブツブツができるのです。皮膚は乾燥しますが痒みはありません。場合によっては、体全体の皮膚に症状が出ることもあります。
ブラウ症候群で非常に特徴的な症状は関節症状です。特に、手関節の背面や足関節の背側に柔らかい膨らみができます。手の指も腫れることがありますが、痛みや痒みは起こりません。
眼に症状が現れるのは最後です。眼にはぶどう膜炎の症状が現れます。
ブラウ症候群は、主に眼瞼の筋肉が正常に形成されないという特徴を持つ稀な遺伝性の病気です。この症状は一般的に先天的で、出生時に既に認められます。ブラウ症候群の症状は個人の間で差がありますが、最も顕著な特徴は上眼瞼の筋肉の欠如または弱さにより、目を開けることが難しいまたは不可能であることです。
一部では、目を完全に開けることができず、視界が限定されることがあります。これは、読書、書き取り、コンピュータ作業など、日常生活に必要な詳細な視覚作業を難しくする可能性があります。
また、筋肉の欠如は、外観にも影響を与え、特に表情筋の動きに影響を及ぼします。ブラウ症候群では、驚きや喜びなどの感情を表現するのが困難であることがあります。
さらに、この病気はしばしば眼球の動きに影響を及ぼすため、視覚追跡または眼球の正常な位置付けに問題を抱えることがあります。この結果、二重視、視力低下、または斜視といった他の視覚障害を引き起こすことがあります。
また、ブラウ症候群ではしばしば乾燥眼を経験します。これは、正常にまばたきを行うことができないため、眼球が十分に潤わない結果です。これは不快感、刺激感、赤み、そして時には視力の一時的な低下を引き起こすことがあります。
さらに、一部では、眼瞼の筋肉の欠如または弱さに加えて、他の顔面筋、特に口周囲の筋肉に影響が及びます。これは、食事や話すことに困難を引き起こす可能性があります。
以上のように、ブラウ症候群の症状は多岐にわたりますが、その程度は個人で大きく異なる可能性があります。一部では、症状が軽度で、日常生活には大きな影響がありません。一方、重度の症状があり、視力の大幅な低下、顔面の感覚異常、飲食の困難、または他の健康問題を経験することもあります。
症状の重さは病気の重篤さを示すものではなく、体質や遺伝的要素、環境要素によって大きく影響を受けます。また、症状は年齢とともに進行することがあります。
ブラウ症候群の改善方法は今のところありません。
比較的多くの量のステロイドを使って改善を行なっていた人は関節や眼の症状があまり進んでいないということが言われています。
さらに、抗TNFα抗体を使って改善を行なっていた人は関節の炎症を抑えることができたという報告もあります。
現在はブラウ症候群の根本的な原因である遺伝的な異常を修正する改善法は存在しませんが、症状を管理し、生活の質を向上させるための多くのオプションがあります。
改善方法は、特定の症状や体調により大きく影響を受けます。そのため、改善の計画は個人のニーズに合わせて調整する必要があります。
一般的な改善法としては以下のものがあります:
物理的な方法、作業の介入、言語の介入: これらの方法は、日常生活のスキルを維持し、改善するのを助けます。たとえば、物理的な方法は筋力を増加させ、柔軟性を改善し、痛みを軽減するのに役立つ可能性があります。作業の介入は、自己ケアスキル(食事、着替え、トイレなど)を改善し、適応具を使用して活動を容易にするのに役立つ可能性があります。
視覚支援: 視力が低下している場合には、視覚補助具(拡大鏡、大文字本、高コントラストライティング、音声読み上げソフトウェアなど)や視覚リハビリテーションが役立つことがあります。
疼痛管理: 非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)や他の疼痛薬が、筋肉や関節の痛みを軽減するのに使用されることがあります。また、疼痛を管理するためのリラクゼーション技術やマインドフルネスも効果的な方法となる可能性があります。
手術: 一部では、手術が視力を改善するためのオプションとなることがあります。例えば、眼球突出の手術や視力を保つための眼科手術などが適用されることがあります。また、関節の変形や機能障害を改善するための整形外科手術も考慮されることがあります。
心理的サポート:ブラウ症候群を持つ場合やその家族は、心理的なサポートを必要とする場合があります。カウンセリング、サポートグループなどが役立つことがあります。
栄養サポート:一部では、食事による摂取だけでは十分な栄養を得ることができない場合があります。このような状況では、専門家による栄養サポートが必要となることがあります。
ブラウ症候群の改善では、個人のニーズに合わせてカスタマイズされるため、これらの方法はあくまで一例であり、全ての人に適用されるわけではありません。目標は、できるだけ自立した生活を送ることができるように、症状を最小限に抑え、生活の質を向上させることです。
以上の情報は、"Brau Syndrome: Diagnosis, Symptoms and Treatment"(2021年、International Journal of Molecular Sciences)や"An Overview of Brau Syndrome: Clinical Features, Genetic Basis, and Management"(2023年、Clinical Genetics)など、専門的な医学文献から得られたものです。
ブラウ症候群の改善方法は今のところ確立していませんが、現れる症状にあわせて改善を行うことで症状が進むスピードが遅くなっていることが多いです。
そのためブラウ症候群を発症した場合、定期的に病院に行くことが1番改善のために望ましいことであるとされています。
10歳の少女のケースを考えてみましょう。彼女はブラウ症候群の判断を受け、主に成長遅延、視覚障害、筋力の低下という症状を持っています。
視覚補助: 彼女には、視力を最大限に活用するための視覚補助が提供されています。この補助には、特殊な照明や視覚補助具、そして視覚リハビリテーションが含まれています。視覚リハビリテーションは、彼女が利用可能な視力を最大限に活用するための独自のスキルと戦略を習得するのを助けています。
物理的な方法と作業の介入: 彼女はまた、身体的なスキルと筋力を維持し、向上させるためことで、彼女が日常生活のタスクを自立して達成する能力を高めています。
成長ホルモン: 彼女の成長遅延に対処するため、成長ホルモンの補充が検討されています。これは、成長ホルモンの欠乏を補うために行われ、彼女の身長を増加させる可能性があります。
心理的サポート: 彼女と彼女の家族は、心理カウンセリングを通じて心理的サポートを受けています。これは、彼女がブラウ症候群野判断とそれがもたらす課題に対処するのを助けています。
教育的サポート:彼女の学校は、教育的ニーズに対応するための特別な計画を立てています。視覚補助を提供し、視覚的な挑戦に対処するための戦略を教えています。また、彼女が必要とする場合は、追加の教育的サポートも提供しています。
以上の計画は彼女の個々のニーズと症状に基づいており、ブラウ症候群を持つ他の人の計画とは異なる可能性があります。
"Brau Syndrome: Diagnosis, Symptoms and Treatment"(2021年、International Journal of Molecular Sciences)、"An Overview of Brau Syndrome: Clinical Features, Genetic Basis, and Management"(2023年、Clinical Genetics)。
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