扁桃炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2021年  5月 15日

本日は扁桃炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 扁桃炎とは
  • 扁桃炎の原因
  • 扁桃炎の症状
  • 扁桃炎の改善方法
  • 扁桃炎のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

扁桃炎とは扁桃で炎症を起こす病気

扁桃炎は、扁桃でウイルスや細菌が原因で炎症を起こす病気です。扁桃は、鼻や口から体の中に細菌が入りこむことを防ぐ役割をするリンパ組織です。

 

扁桃炎になると、細菌感染などが原因で炎症が起きる扁桃周囲炎が進み、その周りにも炎症が広がり、膿を持った状態になります。症状として激しい喉の痛みや高熱、飲み込むとき喉の痛みなどが現れます。

 

扁桃腺の奥にある噛むための筋肉にも炎症が広がった場合、口が開きにくくなる可能性もあります。扁桃炎は、20~30代の大人に多く、子どもに起こることは珍しいです。

 

何度も繰り返すと慢性扁桃炎になることもあります。

急性扁桃炎が進むと、膿がたまり膿瘍ができます。腫瘍ができると扁桃周囲膿瘍になります。扁桃周囲腫瘍は、基本的には左か右のどちらか片方に起こります。

 

症状としては、食事ができなかったり、水が飲めなかったりするほどの痛みが起こったり、 高い熱が出たりします。さらに膿瘍が大きくなると、首が腫れ口が開けにくくなることもあります。

 

さらに症状が進行した場合、首の深い場所に膿がたまることや、肺の間を中心に心臓や気管、食道などが存在する一帯の領域に膿瘍ができることがあります。そうなると最悪の場合死に至る可能性も考えられるため注意が必要です。

扁桃炎の原因は空気中にある病原菌

空気中にある病原菌の多くは鼻や喉、扁桃腺に付きます。扁桃腺に付いてしまった病原菌が増えると炎症が起きます。これが扁桃腺が腫れる原因です。

 

扁桃腺が腫れると多くの場合は発熱があります。病原菌が増える原因としては、風邪や疲れ、ストレスによって起こる免疫力の低下、喉の乾燥や激しい気温の変化など色々あります。特に、子どもの場合はウイルス感染が原因のことが多いです。

 

風邪を引いて体力が落ちているときは、色々な病原体に対して免疫力が足りないことが多いです。その場合、病原菌やウイルスが増えていくことがあります。

 

その時、喉の免疫器官の口蓋扁桃で病原体とたたかって赤くはれている状態が扁桃炎です。

・ウイルス性扁桃炎

多くの場合、扁桃炎はウイルス感染によって引き起こされます。ウイルス性扁桃炎は、以下のウイルスが原因で発症します。

・アデノウイルス

風邪や咽頭結膜熱の原因となるウイルスです。喉の痛み、発熱、結膜炎などを引き起こします。

・インフルエンザウイルス

インフルエンザによる扁桃炎は、発熱、咳、筋肉痛などの全身症状を伴うことが多いです。

・エプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)

伝染性単核球症(モノヌクレオーシス)の原因となるウイルスで、喉の痛み、発熱、リンパ節の腫れが特徴です。

・コロナウイルス

一部のコロナウイルス(例:SARS-CoV-2)は、喉の痛みや扁桃炎を引き起こすことがあります。

・パラインフルエンザウイルス

クループ(喉頭炎)や風邪の原因となるウイルスで、喉の痛みや咳を引き起こします。

・エンテロウイルス

手足口病や咽頭結膜炎を引き起こすウイルスで、喉の痛みや発疹が見られることがあります。

 

細菌性扁桃炎

細菌性扁桃炎は、細菌感染が原因で発症します。以下の細菌が主な原因です。

・A群溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)

最も一般的な細菌性扁桃炎の原因で、急性扁桃炎や咽頭炎を引き起こします。高熱、喉の激しい痛み、膿の存在が特徴です。

・化膿性レンサ球菌

扁桃炎だけでなく、皮膚感染症や骨髄炎なども引き起こすことがあります。

・肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)

肺炎や中耳炎などの感染症を引き起こす細菌で、扁桃炎の原因となることもあります。

・黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)

皮膚感染症や食中毒の原因となる細菌で、扁桃炎を引き起こすことがあります。

 

その他の原因

扁桃炎の原因は細菌やウイルスに限らず、以下の要因も関与することがあります。

・真菌感染

免疫力が低下している場合、カンジダなどの真菌が原因で扁桃炎が発生することがあります。

・環境要因

乾燥した空気や汚染物質、タバコの煙などが喉の粘膜を刺激し、扁桃炎を引き起こすリスクを高めることがあります。

扁桃炎の症状は風邪の症状+喉の赤みや腫れ

熱などの風邪の症状と同時に喉の赤みや腫れが現れることがあります。急性扁桃炎は、口の中などの左右にあり鮮やかなピンク色の部分の口蓋扁桃が腫れて高熱、食欲不振、全身のだるさを生じます。

 

悪くなってくると、扁桃部分に白い斑点が起きます。この白い斑点は膿です。その状態からさらに進んだ場合、白い膿の栓が全体に広がります。

 

扁桃以外の喉に関係する部分が腫れることを急性咽頭炎と呼びます。声帯に炎症が起こってしまうとひどい声がれの症状が出ます。

 

扁桃炎で起きる主な症状は急な高い熱や寒気、頭痛や全身のだるさ、関節痛などです。さらに、扁桃炎では喉の痛みや耳の下から首にかけての腫れ、痛みも見られます。

 

特徴的な症状は、喉の奥を見た時両方の脇が赤く腫れていることです。高い熱と激しい喉の痛みも特徴で、喉の痛みから食欲不振になることが多いです。熱はが続く期間は様々で、2~3日で下がることも1週間程度つづくこともあります。

・喉の痛み

扁桃炎の最も一般的な症状で、喉の痛みがひどくなることがあります。

飲み込む際に特に痛みが増すことが多いです。

・扁桃の赤みと腫れ

扁桃が赤く腫れ上がり、正常な状態よりも大きく見えることがあります。

・発熱

扁桃炎に伴い、高熱が出ることがあります。特に細菌性扁桃炎では38度以上の高熱が見られることが多いです。

・扁桃に白または黄色の斑点

扁桃の表面に白色または黄色の膿が見られることがあり、これは細菌感染の兆候です。

・飲み込みの困難

扁桃の腫れと痛みのため、固形物や液体を飲み込むのが困難になることがあります。

・頭痛

発熱や炎症の影響で頭痛が伴うことがあります。

・倦怠感

全身の疲労感や倦怠感が見られることが多いです。

・首のリンパ節の腫れ

首の側面や下顎のリンパ節が腫れ、触ると痛みを感じることがあります。

・口臭

扁桃炎により口腔内の細菌バランスが崩れ、口臭が発生することがあります。

・声の変化

喉の炎症や腫れによって、声がかすれたり、こもったりすることがあります。

・咳

喉の刺激によって乾いた咳が出ることがありますが、これは必ずしも全ての患者に見られる症状ではありません。

・耳の痛み

喉と耳は神経でつながっているため、喉の痛みが耳に放散することがあります。

・食欲不振

喉の痛みや全身の不調により、食欲が低下することがあります。

扁桃炎の改善方法

扁桃炎がウイルス性の場合、対症療法を使います。扁桃炎が細菌性の場合は主に抗菌薬を使います。喉の痛みが軽く食事ができる状態であれば、抗菌薬を使用します。しかし、食事ができない場合は、入院して抗菌薬の点滴をします。

 

扁桃炎が扁桃周囲膿瘍まで進んでしまった場合、抗菌薬を使用し、膿がたまった口蓋扁桃の周りを穿刺や切り開くことで膿を出せるように試みます。何度も扁桃炎を繰り返し起こしてしまう場合は、扁桃摘出術が最適だと言えます。

扁桃炎が疑われる場合にはすぐに耳鼻科医にいき指示に従うことが大事です。改善には抗生物質を使用することが多いです。

 

家では温かく安静にし、喉に負担のかからない喉越しのよい食事をとるようにしましょう。喉が痛くて食事がとれない場合は、入院して点滴で水分と栄養を補うことが多いです。

 

大事なことは痛みや熱が下がってもすぐに薬をやめないことです。この段階ではまだ細菌が生きています。さらに数日間薬を飲み続けないと、慢性扁桃炎や習慣性扁桃炎になってしまう危険があります。

ウイルス性扁桃炎の場合

・休養

十分な休養を取ることが重要です。体を休めることで免疫システムが感染と戦うのを助けます。

・水分補給

喉の痛みを和らげるために、十分な水分を摂取します。温かい飲み物(例:スープ、ハーブティー)や冷たい飲み物も効果的です。

・鎮痛剤および解熱剤

アセトアミノフェン(タイレノール)やイブプロフェン(アドビル、モトリン)などの市販の鎮痛剤および解熱剤を使用して、痛みや発熱を緩和します。

・塩水うがい

塩水でうがいをすることで、喉の痛みや腫れを軽減することができます。1杯のぬるま湯に塩を小さじ1杯溶かしてうがいします。

・加湿

部屋の湿度を保つことで、喉の乾燥を防ぎ、症状を和らげます。加湿器を使用するか、シャワーの蒸気を吸い込むと効果的です。

 

細菌性扁桃炎の場合

・抗生物質の処方

細菌性扁桃炎の場合、ペニシリンやアモキシシリンなどの抗生物質が処方されることが一般的です。医師の指示に従い、処方された抗生物質を最後まで飲み切ることが重要です。

・対症療法

ウイルス性扁桃炎と同様に、鎮痛剤や解熱剤を使用して症状を和らげます。

水分補給、塩水うがい、加湿などの方法も効果的です。

 

重症の場合や頻繁に繰り返される場合

・扁桃摘出術(扁桃腺切除術)

扁桃炎が繰り返される場合や、重度の症状が続く場合に、扁桃摘出術が推奨されることがあります。これは扁桃を外科的に取り除く手術です。

・ステロイド薬の使用

喉の腫れや炎症が非常にひどい場合、短期間のステロイド薬(プレドニゾンなど)が処方されることがあります。

・喉のケア

喉を冷やしたり温めたりすることで、痛みを和らげることができます。冷たいアイスキャンディーや温かいスープが効果的です。

・食事の工夫

喉が痛む場合は、柔らかい食べ物や喉に優しい食べ物(例:スープ、ヨーグルト、プリン)を選びます。

・免疫力の強化

バランスの取れた食事、十分な睡眠、定期的な運動を心がけ、免疫力を高めることで、扁桃炎の予防に役立ちます。

・手洗いと衛生管理

手洗いや口腔衛生を徹底し、感染のリスクを減らします。ウイルスや細菌の感染を防ぐために、人混みを避けることも重要です。

ウイルス性扁桃炎に使う薬

ウイルス性扁桃炎の場合、抗生物質は効果がありません。主に対症療法が行われます。

鎮痛剤および解熱剤

・アセトアミノフェン(タイレノール)

発熱や喉の痛みを和らげるために使用されます。胃に優しく、子供から大人まで広く使われます。

・イブプロフェン(アドビル、モトリン)

鎮痛、解熱、抗炎症作用があります。痛みや腫れを軽減し、発熱を下げるのに役立ちます。ただし、胃に負担がかかることがあるため、空腹時の使用は避けるのが良いでしょう。

・のど飴や鎮痛スプレー

ベンゾカイン含有のど飴(チェリーエーズ、セパコール)

喉の痛みを一時的に緩和するのに効果的です。

・リドカインスプレー

喉に直接スプレーすることで局所麻酔効果が得られ、痛みを和らげます。

 

細菌性扁桃炎に使う薬

抗生物質

・ペニシリン

最も一般的に処方される抗生物質で、A群溶血性レンサ球菌(ストレプトコッカス)感染に特に有効です。ペニシリンアレルギーがない場合に使用されます。

・アモキシシリン

ペニシリンと同様に広く使用される抗生物質で、効果が高いです。

・セファレキシン(ケフレックス)

ペニシリンアレルギーのある患者や、他の抗生物質が効果を示さない場合に使用されます。

・アジスロマイシン(ジスロマック)

ペニシリンアレルギーのある患者や、ペニシリン系抗生物質が使えない場合に使用されます。長時間作用型で、短期間の服用で済むことが多いです。

・クリンダマイシン

重度の細菌感染や、他の抗生物質が効果を示さない場合に使用されることがあります。

 

その他の薬

ステロイド薬

プレドニゾン

喉の強い腫れや炎症を和らげるために短期間使用されることがあります。ステロイド薬は免疫抑制作用があるため、感染症の管理に注意が必要です。

抗ヒスタミン薬

・ジフェンヒドラミン(ベナドリル)

喉のかゆみやアレルギー反応を抑えるために使用されることがあります。

扁桃炎になったらこじらせない

扁桃炎になってしまった場合、こじらせないように気をつけることが重要です。こじらせてしまうと、扁桃周囲膿瘍に進行してしまうことがあるためです。

 

扁桃炎で起こる炎症は、鎮痛解熱薬や抗生物質などを使うと約4~5日ほどで改善することが多いです。そのため、なるべく早く炎症ができるだけ軽いうちに改善することが重要です。

扁桃炎を予防する方法で1番大切なことはストレスをためず、規則正しい生活をすることです。ストレスをためないようにし、規則正しい生活をすると免疫力を高めることができます。

 

日常生活を送る上で、栄養バランスに気をつけた食事をし、適度な運動をし、よく睡眠をとることが大切です。さらに、外出した時は帰って必ずうがいをし、口の中を清潔に保つことも大切です。

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