公開日:2023年 2月11日
更新日:2024年 1月26日
本日は距骨下関節症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
距骨下関節症の原因は、距骨と踵骨の適合性が悪くなることです。距骨と踵骨の適合性は、踵骨骨折によって悪くなることがほとんどです。
踵骨骨折が起きた時、距骨下関節まで骨折が及んでいた場合に関節の適合性が悪くなり、距骨下関節症が起こるのです。
踵骨骨折をすると、ベーラー角が減少します。ベーラー角は、踵骨隆起上面から距骨下関節上面に引いた線と距骨下関節上面から踵骨前方突起上面に引いた線の交差により形成されている角度のことで、正常の角度は20~40°です。
しかし踵骨骨折をしてベーラー角が20°未満に減少すると、距骨下関節症につながります。
骨粗しょう症でかかとの骨がつぶれてきたり、縦アーチの扁平化によって荷重部分が変わることが原因になることもあります。
距骨下関節症は、足の距骨下関節の軟骨が摩耗し、損傷することによって引き起こされる関節炎です。以下に、距骨下関節症の主な原因を挙げます。
外傷:足首の捻挫や骨折などの外傷が、距骨下関節の軟骨損傷や関節の不安定性を引き起こすことがあります。
過度の使用または反復的なストレス:特定のスポーツや職業活動による足への反復的なストレスが、関節の摩耗を引き起こすことがあります。
関節の構造異常:扁平足や高アーチなどの足の構造異常が、距骨下関節への異常な圧力をかけ、軟骨の摩耗を引き起こすことがあります。
炎症性の関節の病気:関節リウマチなどの病気が、距骨下関節の軟骨を損傷し、関節炎を引き起こすことがあります。
加齢:加齢に伴い、軟骨の耐久性が低下し、関節炎のリスクが高まります。
遺伝的要因:家族歴や遺伝的な要因が、関節の軟骨の質や構造に影響を与え、関節炎のリスクを高めることがあります。
距骨下関節症の症状は、走ったりでこぼこした道を歩いたりした時に踵の奥に起こる痛みです。まっすぐ足を着地した時には痛みを感じないことも多く、足の親指側や小指側で着地した時に痛みが起きます。
痛みが出る場所は、踵の奥のほうという表現で言われることが多く、足の中のほうが痛い感覚と言われることもあります。
炎症が強い場合は、まっすぐに足を着いても痛みが現れることがあります。ただし、強い炎症が起こっていても腫れが現れることが少ないため、強い炎症であると気が付かないこともあります。
距骨下関節症は、足の距骨下関節での軟骨の摩耗や損傷によって引き起こされる病気で、以下のような症状が現れます。
足の痛み:足の外側、特に距骨下関節周辺に痛みを感じます。痛みは歩行時や立ち上がる時に顕著になることが多いです。
足の腫れ:関節周辺が腫れ、触ると痛みを伴うことがあります。
運動制限:関節の変形や痛みにより、足の動きが制限されることがあります。特に足の内外への回旋が困難になることがあります。
足のこわばり:特に朝起きた時や長時間安静にしていた後に、足のこわばりを感じることがあります。
歩行障害:痛みや運動制限により、歩行時に不安定感や異常な歩き方が生じることがあります。
関節の変形:症状が進行すると、関節が変形することがあります。
クリック音またはこすれる音:足を動かすときに、関節内でクリック音やこすれる音が聞こえることがあります。
距骨下関節症の症状は、病気の進行によって異なります。軽度の場合は症状が軽微ですが、重度の場合は日常生活に影響を及ぼすことがあります。
距骨下関節症の改善方法は、荷重を和らげて固定することと、安静にすることです。
炎症がおさまってきたら、足底板やインソールなど左回旋を使って距骨下関節にかかる負荷のコントロールを行います。場合によっては、改善のために手術を行うこともあります。
距骨下関節症の改善方法法は、症状の重さや全体的な健康状態に応じて異なりますが、以下に一般的な改善方法を紹介します。
物理的な方法:専門家による指導のもとで行う筋力トレーニング、ストレッチ、関節の可動域を改善するエクササイズが、関節の機能を向上させ、痛みを軽減します。
運動:定期的な運動が推奨され、特に水泳や自転車などの低衝撃運動が有効です。これにより筋力が強化され、関節のサポートが向上します。
薬:非ステロイド性抗炎症薬や鎮痛剤などが痛みの管理に用いられます。
装具の使用:足底板、アーチサポート、靴の調整などの装具を使用して、関節にかかる負荷を軽減し、歩行をサポートします。
関節内注射:コルチコステロイドの注射やヒアルロン酸の注射が、痛みの軽減と関節機能の向上に用いられることがあります。
外科手術:症状が重度で保存的な方法で改善が見られない場合には、関節のクリーニング、関節の固定、関節置換術などの外科手術が検討されます。
距骨下関節症の改善方法には、これらの方法を組み合わせた多面的なアプローチが一般的です。計画は、痛みの特性、生活習慣、個人的なニーズに応じてカスタマイズされます。
距骨下関節症の改善に使用される薬は、主に痛みの管理と炎症の軽減を目的としています。以下に、距骨下関節症の改善で使用される薬の種類、効果、および副作用について詳しく説明します。
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
効果: 痛みと炎症を和らげます。
例: イブプロフェン、ナプロキセン、ディクロフェナクなど。
副作用: 胃腸障害(胃痛、消化性潰瘍)、腎機能障害、心臓病リスクの増加など。長期使用は副作用のリスクを高めるため、用法用量を守ることが重要です。
・鎮痛剤
効果: 軽度から中等度の痛みを和らげます。
例: アセトアミノフェン(パラセタモール)。
副作用: 過剰摂取すると肝臓へのダメージがあり、重篤な場合は肝不全を引き起こす可能性があります。推奨される最大量を超えないよう注意が必要です。
これらの薬剤は、距骨下関節症に伴う痛みや炎症を管理するための対処として使用されます。薬は症状の緩和に役立ちますが、変形性関節症の根本的な原因を改善するものではありません。したがって、薬は物理的な方法、運動、装具の使用などの薬を使わない改善方法と併用されることが一般的です。
薬での改善を行う際は、医師の指示に従い、副作用や相互作用に注意することが重要です。また、距骨下関節症の改善には、活動の修正、適切な靴の選択などの方法も重要な役割を果たします。症状や全体的な健康状態に基づいて、適切な計画が立てられます。
距骨下関節症の原因は踵の骨折であることが多いため、予防するためには高いところから飛び降りたり落ちたりしないように注意することが大事です。
また、足の裏の筋肉のケアを行うことも足の不調を防ぐために大事なことです。捻挫などの怪我が起こった場合は放っておかないように注意しましょう。
・太谿
・解谿
・天宗
太谿は、血行促進をするツボとして有名です。冷え性の改善や関節炎に効果があります。特に足の冷えに対して有効です。
そのため、距骨下関節症の症状として現れる痛みを和らげる効果が期待できます。
解谿は、広い範囲の病気に効果を発揮するツボです。坐骨神経痛やぎっくり腰、関節リウマチなどの病気に効果的です。
さらに、足首の痛みや腰の痛み、足やお尻のむくみなどを和らげるためにも有効です。
天宗の効果は、肩や背中の筋肉を和らげることです。 特に背中から腕にかけてだるさや痛みがある場合の肩こりに対して効果的です。
他にも、胸の痛みや呼吸器症状や動悸などにも有効です。
太谿は、内くるぶしとアキレス腱の間のへこんでいる部分にあります。探すときは、触って動脈の拍を感じる場所を探します。
押すときは、ゆっくり息を吐きながら静かに押して、息を吸いながら離しましょう。
解谿は、足首の前側にあります。探すときは、足首を曲げ、シワのちょうど真ん中あたりを探します。
押すときは、親指をツボに当てて、他の指で足首を軽く持ち、つま先を軽く天井に向けることでへこみがわかりやすくなります。その状態で押しましょう。
天宗は、肩甲骨のほぼ中央にあるツボで骨が薄くなってくぼみになっている場所にあります。探すときは、押してみて腕にかけて響くような痛みを感じる場所を探します。
家族やパートナーに押してもらっても良いでしょう。その場合は親指で押してもらいましょう。