公開日:2021年 8月23日
更新日:2021年11月18日
本日はラスムッセン脳炎について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
ラスムッセン脳炎は、慢性の進行性の神経疾患です。何かに感染した後に脳の限られた領域に免疫反応によって起こる炎症がおこり、てんかん発作が起きることで発病します。
その後、てんかん発作なかなか改善せず、だんだんと片麻痺や知的障害などがが現れます。そして、左右どちらかの脳の萎縮が始まる病気です。
ラスムッセン症候群と呼ばれることも多く、日本には約250人の発症者がいると考えられています。改善がうまくいかない場合は、程度の重い後遺症が残ることもあります。
ラスムッセン脳症を発症する平均の年齢は9歳です。しかし、子供だけではなく、成人でも発症することもあります。
ラスムッセン脳炎の原因は、正常な細胞を細胞傷害性T細胞が攻撃してしまうことです。
細胞傷害性T細胞は、リンパ球の1つです。本来の働きは、がん細胞や感染した細胞を取り除く働きをしています。
しかし、細胞傷害性T細胞が間違えて正常な細胞を取り除こうとしてしまうと、脳に炎症が起こりラスムッセン脳症が起こるのです。
起こりやすい人として、免疫調節遺伝子に変化のある人に起こりやすいと言われています。
ラスムッセン脳症の主な症状は、てんかん発作です。体の一部から始まることが多く、持続性部分てんかんが起こります。症状が進むと、だんだんとてんかん発作が頻繁に起こるようになっていきます。
しかし、後遺症期になるとてんかん発作は減っていきます。
症状が進むと、てんかん発作の他にも発達の遅れや片麻痺が現れることもあります。成人の場合は、精神症状や視野の狭窄 、失語などの認知機能障害が起きることもあります。
場合によっては寝たきりになってしまうこともあります。
ラスムッセン脳炎の改善方法は、薬や手術などです。
薬は、抗てんかん薬を使って症状を改善していきます。ステロイドパルスやガンマグロブリン、タクロリムス、 血漿交換などの方法で改善をおこなうこともあります。
手術で改善を行う場合は、てんかんを改善するために半球離断術を行います。薬などの改善と合わせてリハビリテーションも行います。
ラスムッセン脳炎は、睡眠不足や疲労によって悪化する可能性があります。そのため十分な睡眠をとり、疲れは早めに解消するように心がけましょう。
感染症で悪化することもあります。そのため、感染症にもかからないように注意が必要です。日常生活の中で手洗いやうがいを心がけましょう。