公開日:2023年 2月 3日
更新日:2024年 5月10日
本日は下腿外旋症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
下腿外旋症候群は、大腿骨に対して脛骨が外旋し、外にねじれていることです。下腿外旋症候群は、変形性膝関節症につながりやすい状態です。
膝には、伸びるときに下腿が外にねじれて、曲げるときには内側にねじれる動きあります。下腿外旋症候群では、この動きが正常にできなくなります。
スムーズに膝を曲げたり伸ばしたりすることができなくなることで、膝に痛みが起きたり膝のお皿の骨もスムーズに動くことができなくなったりするのです。
下腿外旋症候群の原因は、大腿の外側についている大腿筋膜張筋と腸脛靭帯の緊張、骨盤の後傾、足首の回外です。
骨盤の後傾すると、運動連鎖で太腿の骨は外旋します。そのため、大腿の骨と一緒に脛の骨も外旋するのです。
足首の回外をしていることを判断するためには靴の減り方を確認することをお勧めします。足首が回外している場合、靴の外側が減っています。
下腿外旋症候群は、下腿が外側に過度に回旋することによって生じる状態です。この症候群の原因は複数あり、以下に主なものを挙げます。
筋肉の不均衡: 下腿や腰部、臀部の筋肉の不均衡が、下腿の外旋を引き起こすことがあります。特に、外旋を助ける筋肉が過度に強くなると、下腿の外旋が促されます。
関節の柔軟性の問題: 股関節や膝関節の柔軟性が不足している場合、下腿が外旋することで補償しようとすることがあります。
姿勢の問題: 長時間の座位や不適切な姿勢が続くことで、下腿の筋肉が特定のパターンで緊張し、外旋を引き起こすことがあります。
運動不足: 運動不足により筋肉が弱化し、筋肉の不均衡が生じることが、下腿外旋の原因となることがあります。
外傷や過去の怪我: 膝や股関節、脊椎の怪我や外傷が、下腿の外旋を引き起こすことがあります。
運動の習慣: 特定のスポーツや運動によって、下腿を外旋させる筋肉が過度に使用されることがあります。
骨格の構造的問題: 生まれつきの骨格の形状や発育による問題が、下腿の外旋を引き起こすことがあります。
下腿外旋症候群の症状は、膝の痛みです。
下腿外旋症候群では、膝が伸びるときに下腿が外にねじれて、膝を曲げるときには内側にねじれる動きが正常にできなくなるため、膝が伸びている時に過剰に下腿が外旋し、膝を曲げるときに下腿の内旋が足りない状態になります。
そのため、膝を曲げたり伸ばしたりするとき、スムーズに動くことができなくなるため、膝に痛みが起きるのです。他にも、膝のお皿の骨のスムーズな動きを失うことにもつながります。
下腿外旋症候群では、主に下腿が外側に過度に回旋することが特徴的な症状ですが、それに伴い以下のような症状が見られることがあります。
歩行時の不自然な足の位置: 歩行時に足が外側に過度に向くことがあります。これは下腿の外旋によって足が外向きになるためです。
膝や股関節の痛み: 下腿の外旋は、膝や股関節に不自然な圧力をかけることがあり、これが痛みの原因となることがあります。
運動パフォーマンスの低下: 特に走るときやジャンプするときなど、下腿の外旋が運動の効率を低下させる可能性があります。
筋肉の緊張や疲労: 下腿の外旋に関与する筋肉(例えば外腿筋群)が過度に緊張したり、疲労したりすることがあります。
バランスの問題: 下腿の外旋により、立っているときや歩いているときのバランスが悪くなることがあります。
姿勢の問題: 下腿の外旋は全体的な姿勢に影響を及ぼし、腰痛や背中の痛みなど他の部位にも症状が現れることがあります。
下腿外旋症候群の改善方法は、内側のハムストリングスのエクササイズを行うことです。外捻りをしてくれる筋肉は外側のハムストリングスです。
下腿外旋症候群では、内側のハムストリングスがうまく使えていない状態のため、今までうまく使うことができていなかった内側のハムストリングスを使うことができるようにすることが必要なのです。
エクササイズを行うときに、内側に捻った時、もも裏の内側を触り筋肉の収縮を感じながら足首は捻らないように意識して行うことが大事です。
下腿外旋症候群の改善方法は、症状の原因や重さに応じて異なりますが、一般的には以下のような方法があります。
物理的方法: 筋力を強化し、筋肉のバランスを改善するためのエクササイズが行われます。特に、股関節、腰部、膝の筋肉をターゲットにした運動が有効です。
ストレッチ: 下腿や股関節、腰部の柔軟性を高めるために、特定のストレッチが推奨されます。これにより、筋肉の緊張を和らげ、外旋の度合いを減少させることができます。
姿勢矯正: 不適切な姿勢が下腿外旋の原因の一つである場合、姿勢を改善するための指導が行われます。これには、座り方や立ち方の改善、日常生活での動作の修正が含まれます。
筋力トレーニング: 下腿外旋に関与する筋肉群の強化やバランスを取るための筋力トレーニングが行われます。特に、股関節の内転筋や大腿四頭筋などの強化が重要です。
生活習慣の改善: 長時間の座位や特定のスポーツによる過度のストレスを避けるなど、日常生活での習慣の見直しも重要です。
足底板やサポートデバイス: 歩行時の足の位置を補正するために、足底板や特別な靴、サポートデバイスの使用が推奨されることがあります。
鎮痛剤や抗炎症薬: 痛みや炎症を和らげるために、必要に応じて非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が処方されることがあります。
これらの方法は、個々の症状や状態に応じてカスタマイズされることが一般的です。
下腿外旋症候群の改善に役立つストレッチは、特に股関節、膝、および下腿周辺の筋肉の柔軟性を高めることを目的とします。以下に、効果的なストレッチの方法をいくつか紹介します。ストレッチを行う際は、無理をせず、体の反応を注意深く観察しながら進めてください。
・股関節のストレッチ
バタフライストレッチ: 座った状態で足の裏を合わせ、膝を外側に開きます。膝をゆっくりと床に近づけるように押し下げ、股関節の内側をストレッチします。
・大腿筋のストレッチ
四つん這いのストレッチ: 四つん這いの姿勢で、片方の足を後ろに伸ばし、腰を下に押し下げます。太ももの前面がストレッチされるのを感じます。
・臀部筋のストレッチ
ピジョンポーズ: 一方の足を前に曲げ、もう一方の足を後ろに伸ばします。上体を前に倒し、臀部の筋肉をストレッチします。
・腸脛靭帯(ITバンド)のストレッチ
立位でのクロスオーバーストレッチ: 立った状態で、片方の足をもう一方の足の前に交差させます。側面に体を倒し、腸脛靭帯をストレッチします。
・ふくらはぎのストレッチ
壁を使ったストレッチ: 壁に手を置き、一方の足を後ろに伸ばします。膝を伸ばした状態でかかとを床に押し付け、ふくらはぎをストレッチします。
これらのストレッチは、各ポーズを15~30秒程度保持し、痛みや不快感がない範囲で行ってください。症状や柔軟性に応じて、強度や持続時間を調整することが重要です。また、定期的にストレッチを行うことで、効果を最大限に引き出すことができます。
下腿が内旋できるようになることで、膝関節が正常な位置に戻り、可動域の改善が期待できます。
また、ハムストリングスの内側を使うことができるようになると、ハムストリングスの筋活動も正常化になり、下肢部の筋バランスも改善していきます。
さらに、ハムストリングスの内側を使うことが習慣化すると、体全体の歪みの改善にもつながります。
・陽陵泉
・環跳
・居髎
陽陵泉の効果は、筋や腱の引きつり運動麻痺です。さらに、坐骨神経痛や腰痛に対しても有効であると言われています。そのため、下腿外旋症候群にも役に立つことが期待できます。
さらに、顔面神経麻痺、三叉神経痛など顔面部の症状にも使われます。
環跳は、股関節周りの血行がよくなるツボです。そのため、刺激をすることでたまっていた老廃物が流れて筋肉の緊張をほぐす効果があります。
他にも、ひざの痛みや股関節痛、頭痛、神経痛などにも効果的です。
居髎は、股関節のまわりの痛みやゆがみに直接働きかけるツボです。そのため、下腿外旋症候群の改善に役立つことが期待できます。
腰痛がある人に対してもおすすめのツボです。
陽陵泉は膝の外側にあるツボです。膝下の外側にある腓骨頭の斜め下のくぼんでいる場所にあります。
足の少陽胆経のツボで、普段からマッサージすることを心がけておくこともおすすめのツボです。
環跳は、お尻のやや外側にあるツボで、お尻の外側の力を入れるとえくぼができる場所にあります。
環跳は、お灸で温めることがおすすめです。
居髎は、腸骨上縁で側部より下方へ約指幅5本分向かった場所にあるツボです。股関節の前側で骨盤の骨が一番出ている場所とその場所より中指の長さ程度下のあたりで大転子を触り、この2つの点を結んだ中間にあります。
押すときは、親指の腹を使ってゆっくり押します。ツボから太ももにかけてマッサージすることもおすすめです。
11時から21時
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