抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 12月 2日

更新日:2024年  1月14日

本日は抗利尿ホルモン不適合分泌症候群について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群とは
  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の原因
  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の症状
  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の改善方法
  • 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群のまとめ
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銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

抗利尿ホルモン不適切分泌症候群は、水利尿不全が起きる病気

抗利尿ホルモン不適切分泌症候群は、低浸透圧血症下でもADHの分泌が抑えられず、水利尿不全が起きる病気です。

 

抗利尿ホルモンは、腎臓から外に出される水分の量を制御して減らす働きをしており、体の中により多くの水分を保ち体の中のナトリウム濃度を薄めます。

 

血液量が正常の場合か多い場合、血圧が正常の場合か高い場合、電解質濃度が低い場合、抗利尿ホルモンを放出するその他の適切な理由がない場合に、抗利尿ホルモンが放出されると、不適切であると判断されます。

抗利尿ホルモン不適切分泌症候群の原因は中枢神経や肺の病気、薬

抗利尿ホルモン不適切分泌症候群の原因は、脳炎や髄膜炎などの中枢神経の病気や細気管支炎や肺炎などの肺の病気、薬などです。小児の場合は、一過性のことが多いです。

 

成人の場合はがんや他のがんなどによって、下垂体以外でバソプレシンがつくられる場合に発症が見られることが多いです。

 

発症が多く見られるのは高齢者です。血液と尿を調べ、ナトリウムとカリウムの濃度を測定し、血液と尿の濃縮度を見て判断をします。

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群は、抗利尿ホルモン(ADH)の過剰な分泌または不適切な分泌によって引き起こされる状態です。ADHは、腎臓での水分の再吸収を制御するホルモンであり、その過剰な分泌により体内の水分量が過剰になり、低ナトリウム血症を引き起こします。SIADHの原因は以下の通りです。

 

悪性腫瘍:特定の種類の癌、特に肺癌(小細胞肺癌)が、ADHの過剰な分泌を引き起こすことがあります。

 

肺の病気:肺炎、結核、気管支喘息などの肺の病気がSIADHを引き起こすことがあります。

 

中枢神経系の障害:脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍、髄膜炎、脳炎などの中枢神経系の障害が原因となることがあります。

 

薬剤の副作用:特定の薬剤(抗てんかん薬、抗うつ薬、抗精神病薬など)がSIADHの原因となることがあります。

 

手術後の合併症:手術後、特に脳や胸部の手術後にSIADHが発生することがあります。

 

HIV感染:HIV感染症がSIADHの原因となることがあります。

 

その他の原因:甲状腺機能低下症や副腎皮質機能低下症など、他の内分泌異常が関連することがあります。

症状は、低ナトリウム血症の症状に関連している

抗利尿ホルモン不適切分泌症候群の症状は、低ナトリウム血症の症状に関連しているという傾向があります。主に、反応の鈍化や錯乱などが現れます。

 

このように脳機能の障害が症状として現れるのは、脳は血液中のナトリウム濃度の変化を特に敏感に感じるためです。突然血液の中のナトリウム濃度が下がると、急に症状が現れ、重くなることが多いと言われています。

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群は、抗利尿ホルモン(ADH)が過剰に分泌されることにより、体内に過剰な水分が保持され、低ナトリウム血症を引き起こす状態です。この状態によって引き起こされる主な症状は以下の通りです。

 

低ナトリウム血症の症状:頭痛、吐き気、嘔吐、食欲不振。筋肉のけいれんや筋力の低下。倦怠感や不快感。

 

神経学的症状:混乱、注意力の低下、意識レベルの変化。重症の場合、けいれんや昏睡に進行することがあります。

 

体重増加:体内の水分保持による急激な体重増加。

 

むくみの欠如:SIADHでは、通常、顕著なむくみが見られないことが特徴です。

 

尿量の減少:抗利尿ホルモンの作用により、尿量が減少することがあります。

 

SIADHの症状は、低ナトリウム血症の程度と速度によって異なり、急速にナトリウムレベルが低下すると症状がより重篤になる傾向があります。

抗利尿ホルモン不適切分泌症候群の改善方法は、水分摂取制限と薬

抗利尿ホルモン不適切分泌症候群の改善方法は、水分摂取量を制限することと薬を使うことです。

 

症状が軽い場合は、水分の摂取量を1日約1リットル以下に制限します。利尿薬や他の薬が原因の場合は、用量を減らすか薬を止めることが大事です。

 

病気が原因の場合は、原因となっている病気を改善することが大事です。場合によっては、ナトリウム溶液の静脈内投与や利尿薬の投与を行います。

 

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群は、長い期間にわたって改善が必要になります。

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の改善方法は、低ナトリウム血症の重症度、原因、および全体的な健康状態に基づいて行われます。主な改善方法は以下の通りです。

 

水分摂取の制限:SIADHにおいて最も一般的な改善法は、水分摂取の制限です。これにより、体内の水分過剰を防ぎ、ナトリウム濃度を正常化させます。水分摂取量は通常、1日あたり500mlから1000mlに制限されます。

 

塩分摂取の増加:食事における塩分の摂取を増やすことで、ナトリウム濃度を上昇させることができます。

 

薬:ループ利尿薬(例:フロセミド)は、腎臓での水分の排泄を促進し、ナトリウム濃度を上昇させます。バソプレシン受容体拮抗薬(例:トルバプタン、コナビプタン)は、腎臓での水分再吸収を抑制し、ナトリウム濃度を正常化します。

 

原因の病気の改善:SIADHの原因となっている病気(例:肺炎、肺癌、脳の病気など)を特定し、適切に改善します。

 

重症低ナトリウム血症の緊急改善:重症の低ナトリウム血症の場合は、緊急改善が必要です。これには、高濃度の食塩水(3%食塩水)の静脈内投与が含まれます。

 

症状のモニタリングと調整:改善中は定期的に血中のナトリウム濃度をモニタリングし、計画の調整を行います。

 

SIADHの改善は、ナトリウム濃度を急激に変化させることなく、慎重に行う必要があります

使われることのある薬

水分の摂取量を制限しても血液中のナトリウム濃度が変化しなかったりより下がったりする場合は、デメチルクロルテトラサイクリンやリチウムなどの腎臓でのバソプレシンの作用を抑える薬を使うこともあります。

 

他にも、コニバプタンやトルバプタンなどのバソプレシン受容体を遮って腎臓がバソプレシンに反応しないようにする作用のある薬を使うこともあります。

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の改善に使用される薬剤は、主に体内の水分バランスを調整し、低ナトリウム血症を改善することを目的としています。以下は、SIADHの治療に用いられる主な薬剤とその特徴です。

 

バソプレシン受容体拮抗薬:トルバプタン(Tolvaptan)やコナビプタン(Conivaptan)などの薬剤は、バソプレシン受容体をブロックし、腎臓での水分の再吸収を抑制します。これにより尿量が増加し、体内の過剰な水分が排出され、血中ナトリウム濃度が改善します。

 

ループ利尿薬:フロセミド(Furosemide)などのループ利尿薬は、腎臓のヘンレのループでの水分とナトリウムの再吸収を阻害します。これにより尿量が増加し、水分過剰の状態を改善するのに役立ちます。

 

高張性食塩水:重症の低ナトリウム血症の場合には、3%の高張性食塩水が静脈内に投与されることがあります。これにより、迅速に血中ナトリウム濃度を上昇させることができます。

 

これらの薬剤は、血中のナトリウム濃度を慎重に監視しながら使用する必要があります。ナトリウム濃度の変化は、慎重かつ段階的に行うことが重要です。ナトリウム濃度を急速に上昇させると、中枢性脱髄症候群などの重篤な神経学的合併症を引き起こすリスクがあるため、改善は医師の指導のもとで慎重に行われる必要があります。

 

SIADHの改善においては、原因となる病態(例えば、肺炎や肺癌、脳のb表記、薬剤の副作用など)の特定と改善も重要です。原因となる病気の適切な改善がSIADHの解決に繋がることがあります。さらに、全体的な健康状態、低ナトリウム血症の重症度、関連する他の医学的問題を考慮して計画が立てられます。

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