公開日:2021年 10月23日
更新日:2021年 11月11日
本日は天疱瘡について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
天疱瘡の原因は、表皮や粘膜上皮の細胞と細胞をくっつけるデスモグレインというタンパクに対しての自己抗体です。自分の細胞が自分自身を攻撃してしまうことによって症状が起こるのです。
どのようにして自己抗体が作られ、病気を発症するのかということについてはいまだにわかっていません。
天疱瘡は、自己免疫の病気の一種で、皮膚と粘膜の間に水疱(水膨れ)や潰瘍(ただれ)が形成される病態です。天疱瘡の原因は、免疫系の異常に関連しており、自己抗体が正常な細胞や組織を攻撃することが原因と考えられています。
免疫異常
天疱瘡の主な原因は、免疫系の異常です。正常な状態では、免疫系は体を守るために異物や異常細胞を攻撃する働きを持っています。しかし、天疱瘡では免疫系が正常な細胞や組織を攻撃し、それによって水疱や潰瘍が形成されます。
自己抗体の形成
天疱瘡に関与する重要な免疫異常は、自己抗体の形成です。自己抗体は、通常、外部からの侵入者や異常細胞を標的として作られますが、天疱瘡では誤って正常な細胞や組織を標的として攻撃する自己抗体が形成されます。具体的には、天疱瘡に関与する主な自己抗体は「ペンダリン抗体」と呼ばれるIgG型の自己抗体です。
遺伝的要因
天疱瘡の発症には遺伝的な要因が関与している可能性があります。遺伝子の変異や特定の遺伝子の異常は、天疱瘡の発症リスクを高めることがあります。ただし、具体的な遺伝的要因はまだ完全には解明されていません。
トリガー要因
天疱瘡の発症には、さまざまなトリガー要因が関与していることがあります。これらのトリガー要因は個人によって異なる場合がありますが、以下に一般的なものをいくつか挙げます。
薬物: 特定の薬物や薬剤は、天疱瘡の発症を引き起こす可能性があります。一部の抗生物質、解熱鎮痛剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、心臓病治療薬などが報告されています。しかし、これらの薬物は天疱瘡を発症する人に限定されており、一般の人々にとっては安全な薬剤です。
感染症: 特定の感染症が天疱瘡の発症を引き起こす可能性があります。ウイルス感染(インフルエンザ、ヘルペスウイルス)、細菌感染(肺炎球菌、連鎖球菌)などが報告されています。感染により免疫系が刺激され、天疱瘡の発症が誘発されると考えられています。
外傷や損傷: 皮膚の外傷や損傷も天疱瘡の発症を引き起こす要因となる場合があります。外傷や摩擦、熱傷、手術などにより、免疫系が活性化し、自己抗体が正常な細胞や組織を攻撃することが起こる可能性があります。
ストレス: 長期にわたる精神的または身体的なストレスが天疱瘡の発症を促すことがあります。ストレスは免疫系に影響を与え、自己免疫反応が調節されることで、天疱瘡の症状が悪化する可能性があります。
天疱瘡の原因は複雑で多様であり、まだ完全には解明されていません。免疫系の異常、自己抗体の形成、遺伝的要因、トリガー要因などが関与していると考えられています。しかし、具体的な原因を特定することは困難であり、個人の病歴や環境要因との関連性も考慮する必要があります。
天疱瘡は、大きく尋常性天疱瘡と落葉状天疱瘡に分けられます。尋常性天疱瘡は、水疱とびらんが口腔の粘膜を中心に現れます。痛みがあり、広い範囲に症状が広がると食事ができなくなることもあります。
症状が粘膜優位の場合は、主に粘膜に症状が現れますが、粘膜と皮膚に現れる場合では、体全体に水疱やびらんが広がります。そのため、皮膚の表面から水分がたくさん失われたり、感染を引き起こしたりすることもあります。
落葉状天疱瘡は、頭や顔面、胸、背中などに紅斑や浅いびらんが起きます。紅斑や浅いびらんは落屑もあります。症状の程度が重い場合は体全体の皮膚に症状が現れますが、粘膜には症状は現れません。
天疱瘡は、自己免疫性の皮膚の病気であり、特に粘膜や皮膚のバリアがある部位に発生します。
天疱瘡の最も特徴的な症状は、皮膚や粘膜の水泡や水疱の形成です。これらの水泡は、通常、健康な皮膚や粘膜から突然発生し、しばしば赤いベースに乗っていることがあります。水泡は非常に痛みを伴い、触れると破れて潰瘍になることがあります。
また、天疱瘡では、水泡が発生する前に、軽度のかゆみや燃えるような感じを伴うプレバーゼが現れることがあります。この段階では、まだ水泡が形成されていないため、皮膚には目立った変化はありません。
さらに、天疱瘡には皮膚以外の症状も存在します。口腔内の粘膜が影響を受ける場合、舌や口腔内の水泡が発生することがあります。これにより、食事や摂取物の摂取が困難になる可能性があります。
天疱瘡の症状は個人によって異なる場合がありますが、一般的な症状には以下が含まれます:
水泡や水疱の形成:赤いベースに乗った水泡や水疱が形成されます。
痛みやかゆみ:水泡や水疱が破れると、その周囲に痛みやかゆみが生じることがあります。
潰瘍:水泡が破れると、その下に潰瘍が形成されます。これにより、痛みや燃えるような感じが強まります。
皮膚の損傷:潰瘍が治癒するまでの間、皮膚は傷ついているため、炎症や赤みが見られることがあります。
粘膜の影響:口腔内や目、鼻、性器などの粘膜も天疱瘡の影響を受けることがあります。口腔内では水泡や潰瘍が発生し、摂食や会話に困難を伴うことがあります。
病状の再発:天疱瘡は一度完全に回復しても再発することがあります。再発時には同様の症状が現れる場合があります。
天疱瘡は痛みやかゆみが強いため、生活の質に大きな影響を及ぼす場合があります。また、重症の場合には合併症が発生する可能性もあります。
天疱瘡を改善するためには、自己抗体が作られる働きを抑えるために免疫を抑制することが大事です。そのために、副腎皮質ホルモンを内服することが天疱瘡の改善の中心になります。
副作用があまり起こらないようにするために、合わせて免疫抑制剤を使うこともあります。症状が強い場合には、 血漿を交換する方法やたくさんの量の免疫グロブリンを使う方法などを行い改善に取り組むこともあります。
天疱瘡の改善法は、病状の重症度や個人の状態によって異なります。ここでは一般的な改善法として考えられる手法について説明します。
ステロイド薬の使用: 天疱瘡の改善には、ステロイド薬が広く使用されます。これらの薬は、免疫系の過剰な反応を抑え、炎症を軽減する効果があります。一般的には、経口または局所的なステロイド薬が処方されます。ただし、ステロイドは副作用を引き起こす可能性があるため、使用方法と量は医師の指示に従う必要があります。
免疫抑制薬の使用: 重症の天疱瘡の場合、ステロイド単独では効果が不十分な場合があります。そのような場合には、免疫抑制薬の使用が考慮されることがあります。免疫抑制薬は、免疫系の過活動を抑制してくれます。
創傷管理: 天疱瘡の潰瘍や傷の管理も重要です。適切な創傷管理により、感染のリスクを減らし、傷の回復を促進することができます。これには、清潔な状態を保つこと、傷を洗浄し、適切な包帯やドレッシングで保護することが含まれます。また、創傷の回復を助けるために、特殊な創傷ケア製品や薬剤も使用される場合があります。
対症する方法: 痛みやかゆみを緩和する方法もあります。これには、痛み止めや抗ヒスタミン薬の処方、冷却や温める方法、かゆみを和らげる軟膏の使用などが含まれます。これらの方法は、症状の管理と快適さの向上に役立ちます。
栄養療法: 天疱瘡の改善中は、栄養バランスの良い食事や栄養補助食品の摂取が重要です。傷の回復に必要な栄養素を摂取し、免疫機能をサポートすることで、治癒プロセスを促進することができます。栄養面のサポートは、医師や栄養士の指導のもとで行うべきです。
フォローアップとケア: 天疱瘡の改善は継続的なフォローアップとケアが必要です。定期的に調べ、改善の効果を評価し、必要に応じて改善計画を調整することが重要です。また、医師との密なコミュニケーションを保ち、症状の変化や副作用の報告を行うことも重要です。
水疱やびらんが体にできている時には、脱いだり着たりすることが簡単でやわらかい素材の衣服を着ることをおすすめします。粘膜の症状が強いときは、なるべく固い食べ物を避けることもおすすめします。
ステロイドには副作用があります。感染症を起こしやすくなったり糖尿病や肥満、骨粗鬆症、胃潰瘍、高血圧などの症状を引き起こしたりすることがあります。気になる症状が現れた場合は早めに病院に相談に行くことが大事です。
症状が落ち着いたら、食べ過ぎに注意することと、適度に運動をすることを心がけて生活すると良いでしょう。
Aさんの症状
Aさんは、50歳の女性であり、天疱瘡の症状を呈しています。彼女の症状は、体全体に広がる赤い斑点と激しいかゆみで始まり、その後、水疱が形成され、破裂して濡れた傷となりました。また、水疱の周囲の皮膚は脱層し、悪臭が発せられるようになっています。
改善方法
Aさんは、初期段階で、ステロイド軟膏の塗布と抗ヒスタミン薬の経口投与が行われました。しかし、症状の進行と広範囲な皮膚の損傷を考慮し、免疫抑制薬の使用が開始されました。Aさんは、メトトレキサートとプレドニゾロンを併用し、症状の改善が見られました。また、外傷管理として、水疱や損傷した皮膚の清潔な処置が行われ、適切なドレッシングで保護されました。
追加で、免疫モジュレーターのアザチオプリンが追加され、さらなる症状の抑制と再発予防が図られました。改善を行なっている期間中、Aさんは定期的に専門医による経過観察を受け、必要な調整が行われました。
改善方法は、個人によって異なる可能性があります。重要なことは、適切な専門家との協力と定期的なフォローアップです。
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