公開日:2021年 7月11日
更新日:2023年 9月 5日
本日は外傷性散瞳について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
外傷性散瞳の主な原因は、交通事故です。交通事故などで眼に打撲を受けると眼球の筋肉が傷付くことがあります。
眼球にある筋肉は瞳の大きさを調整する役割があるため、眼球にある筋肉に傷が付くと瞳の大きさを調節することができなくなります。そのため、瞳が開いたままになるのです。
1. 眼球の直接の外傷
眼球への直接の打撃や外傷は、虹彩の損傷を引き起こすことがあります。特に、鋭利な物体や高速で動く物体による外傷は、虹彩の筋肉や組織の断裂を引き起こす可能性があります。これが、散瞳の一因となることが多いです。
2. 頭部外傷
強い頭部の外傷、例えば交通事故や高所からの転落などの事故によるものは、脳の機能や神経の機能に影響を及ぼす可能性があります。これにより、瞳孔のサイズや形状を制御する神経の機能に障害が生じることが考えられます。
3. 外傷後の合併症
外傷後に発生する出血、浮腫、炎症などの合併症も、散瞳の原因となる可能性があります。特に、前房出血や水晶体の脱臼、網膜剥離などの重大な合併症は、虹彩の形状や位置の変化を引き起こすことがあります。
4. 手術後の合併症
眼の手術後には、手術部位の炎症や浮腫、出血などが生じることがあります。これらの合併症は、散瞳の原因となる可能性があります。
5. 外傷による神経損傷
眼の周辺や顔部の外傷は、視神経や動眼神経、交感神経などの神経を損傷する可能性があります。これらの神経は、瞳孔のサイズや形状を制御する機能を持っているため、神経の損傷は散瞳の原因となることがあります。
6. 化学物質や毒物による外傷
眼に化学物質や毒物が入ると、虹彩や瞳孔を制御する筋肉や神経にダメージを与える可能性があります。特に、強酸や強アルカリの化学物質は、眼の組織に深刻な損傷を引き起こす可能性があります。
7. 瞳孔の筋肉の断裂や損傷
外傷によって、瞳孔のサイズや形状を制御する筋肉が断裂することがあります。筋肉の断裂や損傷は、瞳孔の異常な拡大や形状の変化を引き起こす可能性があります。
外傷性散瞳の症状は、瞳が開いたままの状態になることです。これは、眼球の筋肉である散大筋や括約筋に傷が付くことによって起こります。
外傷性散瞳を発症すると、必要以上の光が眼球に入ります。そのため、まぶしさを感じるようになったり見たい物にピントを合わせることが難しくなったりします。
外傷性散瞳は、目に外傷が生じたことで、瞳孔の形状や大きさが通常と異なる状態を指します。以下は、外傷性散瞳の主な症状について詳しく説明します。
1. 瞳孔の不均等:外傷性散瞳の最も顕著な症状は、瞳孔の形状や大きさの変化です。特に、両目の瞳孔の大きさが異なる場合、アニソコリアと呼ばれる状態が生じます。この症状は、外傷の影響範囲や深さによって異なります。
2. 光に対する反応の鈍化:正常な状態では、光が目に当たると瞳孔は縮小しますが、外傷によってその反応が鈍化することがあります。この症状は、夜間の運転や明るい場所での読書など、日常生活において不便を感じることがあります。
3. 視力の低下:外傷性散瞳は、単に瞳孔の形状の変化だけでなく、視力の低下を伴うことがあります。特に、外傷が角膜や水晶体に影響を及ぼした場合、焦点のずれや乱視を引き起こす可能性があります。
4. 眼の痛み:外傷の影響で眼の組織が損傷すると、炎症や感染を引き起こし、眼の痛みを感じることがあります。この痛みは、激しい場合や継続的に存在する場合、医師に判断してもらうことが必要です。
5. 瞳孔の中心がずれる:外傷により、虹彩の筋肉や組織が損傷すると、瞳孔の中心がずれたり、楕円形になることがあります。
6. 光の散乱:角膜や水晶体の損傷により、入射する光が散乱し、光の輪やハロ現象を引き起こすことがあります。
7. 瞳孔の不規則な動き:通常、瞳孔は均等に拡大または収縮しますが、外傷性散瞳では、瞳孔の動きが不規則になることがあります。
8. 視野の変化:外傷が網膜や視神経に影響を及ぼした場合、視野が狭まったり、一部が欠けるような症状が出現することがあります。
総じて、外傷性散瞳の症状は外傷の範囲や深さ、影響を受けた眼の部位によって異なります。外傷性散瞳の疑いがある場合や、何らかの症状を感じた場合は、専門家の意見を求めることが推奨されます。
外傷性散瞳は症状が軽い場合は時間が経つことで少しずつ改善します。しかし、眼球の筋肉の損傷が大きい場合、完全に改善を行っても完全に改善することは難しいです。
損傷が大きい場合、症状を軽くすることを目的として虹彩が付いているコンタクトレンズを使います。
さらに、症状の程度によっては続発性緑内障につながることもあります。そのため緑内障を防ぐための改善を行うこともあります。
外傷性散瞳は、目に外傷を受けた際に瞳孔の形状や大きさが変化する症状を指します。改善のアプローチは、外傷の程度や原因、症状や全般的な健康状態によって異なります。以下に外傷性散瞳の主要な改善法を説明します。
1. 保存的な方法
初期段階や軽度の外傷であれば、保存的方法が選択されることが多いです。
・冷却:外傷直後には、冷却パッドや冷たい布で目を冷やすことで、腫れや炎症の軽減を図ることができます。
・抗炎症薬:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイド薬が、炎症の抑制や痛みの軽減のために処方されることがあります。
2. 手術
重度の外傷や、保存的方法に応じない場合には、手術が検討されます。
・瞳孔形成術:瞳孔の形を正常に戻すための手術で、瞳孔の周囲の組織を修復・調整します。
・人工瞳孔挿入:瞳孔の損傷が重度の場合、人工瞳孔を挿入して視力を回復・保持することが可能です。
・角膜移植:角膜に重大なダメージがある場合、健康なドナーの角膜を移植することで、視力を改善することができます。
3. リハビリテーション
外傷による視力の低下や視野の変化がある場合、視覚リハビリテーションが必要となることがあります。
・視覚トレーニング:視覚の機能を最大限に活用するためのトレーニングや、新しい視覚技術の習得をサポートします。
・低視力補助具の使用:拡大鏡や読書スタンドなど、日常生活での視覚のサポートをするための補助具の使用を学びます。
4. 定期的なフォローアップ
外傷性散瞳の改善後も、定期的に眼科医にいくことが重要です。改善の経過を確認し、再発や合併症のリスクを低減させます。
結論として、外傷性散瞳の改善法は多岐にわたります。症状や外傷の程度によって最適な改善方法が選択されるため、専門家と十分なコミュニケーションをとりながら、最良の方法を選ぶことが重要です。
外傷性散瞳は目に受けた外傷の結果、瞳孔が不規則になったり、通常よりも大きくなる状態を指します。外傷によって引き起こされる散瞳は、しばしば瞳孔の周囲の筋肉や組織の損傷によるものです。改善法は損傷の程度や症状によって異なりますが、以下に、外傷性散瞳の改善に使う薬の種類やその適応、効果について説明します。
・抗炎症薬
種類: 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイド薬など。
適応している人: 軽度から中等度の炎症や腫れを示す人。
効果: 炎症の抑制や腫れの軽減、痛みの緩和します。
・散瞳薬
種類: アトロピンやトロピカミドなどの薬剤。
適応している人: 瞳孔の筋肉をリラックスさせることで痛みを緩和したい場合や、眼内検査を行う前に瞳孔を広げる必要がある人。
効果: 瞳孔の拡大や筋肉のリラックス。瞳孔を一時的に拡大させることで、眼の内部を詳細に調べることができるようになります。
・瞳孔収縮薬
種類: ピロカルピンなど。
適応している人: 一部の外傷後や手術後に瞳孔のサイズを一時的に小さくしたい場合。
効果: 瞳孔を縮小させます。これは、瞳孔の筋肉に対して直接作用することで達成されます。
・抗生物質の点眼薬や軟膏
種類: シプロフロキサシン、トブラマイシンなど。
適応している人: 外傷によって眼の感染リスクが高まった場合。
効果: 眼の感染を予防します。
これらの薬は外傷性散瞳の改善だけでなく、他の眼の病気や症状の改善にも使用されることがあります。そのため、適切な薬を選択し、使用する際には必ず専門家の指示に従うことが重要です。
瞳孔が散大していることに気が付いたり、片方の瞳孔がもう片方と比べて大きく見えたりするときはすぐに医師に相談に行くことが大切です。
使用することで瞳孔が散大する可能性がある薬もあります。抗ヒスタミン薬や充血除去薬、乗り物酔いの薬、制嘔吐剤やボツリヌス毒素を含んでいる薬などです。
いずれにしても気になることがある場合は、すぐに眼科医相談に行くことをお勧めいたします。