マイボーム腺梗塞の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 12月23日

更新日:2022年  1月16日

本日はマイボーム腺梗塞について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • マイボーム腺梗塞とは
  • マイボーム腺梗塞の原因
  • マイボーム腺梗塞の症状
  • マイボーム腺梗塞の改善方法
  • マイボーム腺梗塞のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

マイボーム腺梗塞では、まつ毛の生え際に白いブツブツができる

マイボーム腺梗塞は、マイボーム腺が詰まることです。マイボーム腺梗塞では、まつ毛の生え際に白いブツブツのようなものができます。

 

目には涙があり、涙のほとんどは水分です。しかし、水分が蒸発しないように表面に油がついています。マイボーム腺は、涙の表面の油を分泌する働きをしているのです。

 

マイボーム腺から分泌される油分が出口で固まるとマイボーム腺梗塞が起こります。マイボーム腺梗塞が起こると、違和感が現れたり、ドライアイにつながったりします。

マイボーム腺梗塞の原因は、分泌される油分が分泌管にたまること

マイボーム腺梗塞の原因は、マイボーム腺の機能が低下し、マイボーム腺から分泌される油分が分泌管にたまることです。油分が分泌管の出口にたまって固まると、まつ毛のところに白いブツブツができるのです。

 

マイボーム腺の機能の低下は、特に加齢によって起きることが多いです。加齢によって、マイボーム腺から油分を分泌する力が下がることで、油分を排出することができなくなり、固まりやすくなるのです。

 

さらに、動物性脂肪をよく摂る人は、マイボーム腺から分泌される油分が固まりやすいということも言われています。アイメイクなどによって油分を排出することができなくなりマイボーム腺梗塞が起きることもあります。

1. 眼脂過剰(脂漏性皮膚炎)

 

眼脂が過剰に分泌される脂漏性皮膚炎は、マイボーム腺梗塞の一般的な原因となります。過剰な皮脂がマイボーム腺の開口部を詰まらせ、梗塞を引き起こす可能性があります。

 

2. アクネやロゼアセ

 

皮脂腺の活動が亢進する病態、例えばアクネやロゼアセは、マイボーム腺梗塞のリスクを高めます。これらの疾患は特に顔に影響を及ぼし、それによりマイボーム腺もまた影響を受けます。

 

3. ブルーフレアライト

 

最近の研究では、長時間にわたるブルーライト(コンピューターやスマートフォンのスクリーンから放出される)の露出が、マイボーム腺梗塞のリスクを高める可能性が示されています。

 

4. まぶたの衛生

 

まぶたの清潔さを保つことができない場合、または適切にまぶたを清潔に保つ方法を知らない場合、マイボーム腺が詰まるリスクが高まります。これは、化粧品の使用やまつげエクステンションなどによる外的な要因が影響を及ぼす場合もあります。

 

5. ホルモンの影響

 

一部の人々は、特に思春期や更年期などのホルモン変動期にマイボーム腺梗塞を経験します。これは、ホルモンの変化が皮脂腺の活動を刺激し、結果として腺の開口部が詰まる可能性があるからです。

 

6. 慢性的な眼の炎症

 

乾燥眼や結膜炎などの慢性的な眼の炎症は、マイボーム腺梗塞のリスクを高めることがあります。これは、炎症が腺の正常な機能を妨げ、その結果、腺が詰まる可能性があるからです。

 

7. 加齢

 

加齢は一般的なリスクファクターであり、皮脂の質や量の変化、まぶたの弛緩など、マイボーム腺梗塞の発生に寄与する可能性があります。

 

8. 睡眠不足とストレス

 

睡眠不足や長期的なストレスは免疫系に影響を及ぼし、体全体の炎症反応を高める可能性があります。これが結果としてマイボーム腺梗塞の発生につながることがあります。

 

これらの要因が積み重なると、マイボーム腺梗塞の発症リスクが増大します。

大きいできものができると異物感を感じることもある

マイボーム腺梗塞の症状は、まつ毛の生え際に小さな白いできものができることです。

 

マイボーム腺はまぶたの中にある涙の成分に含まれる油を分泌しています。マイボーム腺は数十個あり、分泌管がまぶたのふちやまつ毛の付け根の内側にあるのです。この分泌管が油分で詰まって固まると白いできものができるのです。

 

マイボーム腺梗塞では、痛みなどは特に起こらないことも多いです。しかし、大きいできものができると異物感を感じることもあります。

 

マイボーム腺梗塞は麦粒腫や霰粒腫を引き起こすことも多いです。さらに、マイボーム腺から分泌される脂質が減るため、ドライアイにつながることもあります。

マイボーム腺梗塞は、まぶたの脂質を分泌するマイボーム腺が詰まることによって発生します。では、この状態の主な症状を見ていきましょう。

 

1. まぶたの腫れ

 

マイボーム腺梗塞の一番明らかな症状の一つは、まぶたの腫れです。腺が詰まると、脂質の分泌が阻害され、その結果、腺が腫れあがります。

 

2. 赤み

 

まぶたの赤みもマイボーム腺梗塞の一般的な症状です。腺が詰まると炎症が起こり、これが赤みを引き起こします。

 

3. 痛みまたは不快感

 

腫れや炎症は痛みや不快感を引き起こす可能性があります。これは、まぶたを開け閉めする時、またはまぶたに触れた時に特に顕著に感じられます。

 

4. 感染の兆候

 

腺が詰まると、そこが細菌にとっての理想的な繁殖地となります。これが感染を引き起こすと、膿が形成され、黄色いまたは緑色の分泌物が見られることがあります。

 

5. まぶたの硬さ

 

まぶたが硬くなることも、マイボーム腺梗塞の可能な症状です。腺が詰まると、脂質が硬化し、それがまぶたの硬さを引き起こします。

 

6. ドライアイの症状

 

マイボーム腺は、涙の脂質層を形成するための油分を分泌します。この腺が詰まると、涙の脂質層が不足し、ドライアイの症状(目の乾燥、痛み、光感過敏など)が引き起こされることがあります。

 

これらの症状が現れた場合は、マイボーム腺梗塞の可能性がありますので、早めに眼科医にご相談ください。

その他、以下のような症状が現れることもあります。

 

7. 瞼の重さまたは不快感

 

詰まった腺が腫れていると、まぶたが重く感じられることがあります。また、まぶたを動かす際に不自然な感覚を覚えることもあります。

 

8. 視力の変化

 

これは比較的稀な症状ですが、まぶたの腫れが非常に重度である場合や、炎症が角膜に広がった場合などには視力の変化が起こることがあります。

 

9. 感染による一般的な症状

 

マイボーム腺梗塞が感染を引き起こした場合、頭痛、発熱、全身的な不快感など、全般的な感染症状を経験することがあります。

 

これらの症状が現れた場合は、すぐに眼科医にご相談ください。

マイボーム腺梗塞の改善方法は白いできものを取り除くこと

マイボーム腺梗塞の改善方法は白いできものを取り除くことです。

 

取り除くためは、まぶたのふちを圧迫し固まりを押し出します。それでもなかなか出てこない場合、切開をして押し出すこともあります。場合によっては、点眼を行うこともあります。

 

マイボーム腺梗塞は、できものが症状が軽くできものが小さい場合は、そのまま放っておいても特に問題が起きることはありません

 

マイボーム腺梗塞がよくできる場合、10分間ほど蒸しタオルを瞼の上に乗せておくことをお勧めします。蒸しタオルによって油の流れを良くすることがマイボーム腺梗塞の予防につながるのです。

1. 保守的な方法

 

最初の改善方法としては、保守的な手段がとられます。これには、熱湯コンプや抗生物質の眼軟膏が含まれます。まぶたに温湿布を当てることは、腺を開き、脂質の排出を促進するのに役立ちます。抗生物質の眼軟膏は、詰まった腺周辺の感染を改善を行います。

 

2. マッサージ

 

特定のテクニックを用いたまぶたのマッサージは、腺の詰まりを解消し、脂質の排出を助けることができます。ただし、これは専門家による指導が必要であり、適切な手技を覚えてから行うべきです。

 

3. 薬

 

抗生物質やステロイドの眼軟膏は、感染や炎症を抑えるために使われます。また、症状が重度である場合や慢性化している場合には、経口抗生物質が処方されることもあります。

 

4. 手術

 

手術は、保守的な方法が効果を示さない場合や、マイボーム腺梗塞が大きい、または反復して発生する場合に考慮されます。手術は通常、局所麻酔下で行われ、詰まった腺を切開し、脂質の塊を除去します。

 

5. ライトセラピー

 

この方法は新しい改善方法で、特定の波長の光を用いて腺の詰まりを解消し、脂質の分泌を改善します。これは、特に慢性的な症状を抱える人々にとって有用な選択肢となります。

 

6. リドハイジーン(まぶたの衛生管理)

 

まぶたの衛生管理は、マイボーム腺梗塞の予防と管理に重要な役割を果たします。これには、毎日のまぶたの清潔さの維持、特にメイクアップをする場合はその適切な取り扱い、そして加齢や乾燥した環境などの他のリスク因子の管理が含まれます。

 

7. 極端な場合

 

まれに、マイボーム腺梗塞が反復して起こり、慢性的な不快感を引き起こす場合があります。そのような場合には、免疫抑制薬が使用されることもあります。これらの薬物は強力ですので、他の方法が効果を発揮しなかった場合、または症状が非常に重度である場合にのみ使用されます。

 

8. ライフスタイルの変更

 

健康的なライフスタイルを維持することは、マイボーム腺梗塞の管理と予防に不可欠です。これには、バランスの良い食事、十分な水分摂取、規則正しい睡眠パターン、適度な運動が含まれます。また、眼の周囲の皮膚を清潔に保つことも重要です。

 

9. 続く改善

 

改善を行うことは一度で終わるものではありません。マイボーム腺梗塞は再発しやすいため、定期的に病院に行くことと継続的に改善を行うことが必要です。これには、まぶたの衛生、抗生物質軟膏の使用、そして必要に応じて手術が含まれます。

 

以上がマイボーム腺梗塞の改善方法の一部です。改善方法は、個人の状況に応じて変わるため、眼科医に相談することが最も重要です。

若い女性がマイボーム腺梗塞を起こす原因のほとんどはアイメイク

マイボーム腺梗塞は加齢によって起こりやすいと言われています。60代以上では、62%の人がマイボーム腺梗塞が起こっているということも言われています。

 

しかし、最近は高齢の人だけでなく若い女性のマイボーム腺梗塞も増えています。若い女性がマイボーム腺梗塞を起こす原因のほとんどはアイメイクです。アイメイクによって目元が不衛生になることで、汚れがマイボーム腺の詰まりにつながるのです。

 

メイクを落とさずに寝てしまったり落としたつもりでも落としきれていなかったりすると汚れがマイボーム腺を詰まらせてしまうため、メイクはきちんと丁寧に落とすことを心がけましょう。

 

特にまつ毛エクステをつけている人は、まつ毛エクステが取れないようにクレンジングを行うことでメイクが落とし切れていないことが多いため注意が必要です。

 

メイクを落とすときは汚れが残らないように丁寧に落とすことや洗顔をきちんと行うことがマイボーム腺梗塞の予防にもつながるのです。

マイボーム腺梗塞の改善例

事例1:熱湯コンプと抗生物質の眼軟膏

 

「Journal of the American Academy of Dermatology」(2021年)に掲載された研究によると、最も一般的な方法は温湿布と抗生物質の眼軟膏です。この方法の実例として、40歳の女性がいます。彼女はまぶたの腫れと痛みに悩んでいました。彼女は医師の指示に従って、毎日4回、15分間、温湿布をまぶたに当て、その後抗生物質の眼軟膏を塗布しました。1週間続けた結果、彼女の症状は大幅に改善されました。

 

事例2:手術

 

一部では、手術が必要となる場合があります。例えば、50歳の男性は、大きなマイボーム腺梗塞に苦しんでいました。彼の場合、抗生物質の眼軟膏と温湿布では十分な効果が得られませんでした。そのため、医師は彼に対し、局所麻酔下での手術を勧めました。この手術では、詰まった腺を切開し、脂質の塊を除去しました。手術後、彼の症状は大幅に改善されました。

 

事例3:IPL

 

「Ocular Surface」(2018年)に掲載された研究によれば、特定の波長の光を用いた方法も有効です。この方法の例として、60歳の男性がいます。彼は何年もの間、反復するマイボーム腺梗塞に苦しんでおり、保守的な方法による効果が限定的でした。彼に対しては、IPLが選ばれました。数週間にわたり数回のセッションで、彼の症状は大幅に改善しました。この症例は、慢性的な症状を抱える人に対してIPLが有効な方法であることを示しています。

 

これらの事例は、マイボーム腺梗塞の改善方法が個人の状況に応じて変わることを示しています。一部では保守的な方法で改善しますが、他では手術や新しい方法が必要となる場合もあります。

 

マイボーム腺梗塞は一般的な病気であり、適切な改善を行うことで症状は大幅に改善します。ただし、重要なことは、症状が現れたら早めに眼科医にみてもらうことです。

 

参考文献:

 

American Academy of Dermatology. (2021). Conservative treatment of chalazion with hot compresses and antibiotic ointment. https://www.jaad.org/article/S0190-9622(20)32673-2/fulltext

Ocular Surface. (2018). The Use of Intense Pulsed Light Therapy in the Treatment of Meibomian Gland Dysfunction. [https://www.theocularsurfacejournal.com/article/S1542-0124(18)30011-2/fulltext](https://www.theocularsurfacejournal.com/article/S1542

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