後天性赤芽球癆の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 10月23日

更新日:2021年 12月 3日

本日は後天性赤芽球癆ついて解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 後天性赤芽球癆とは
  • 後天性赤芽球癆の原因
  • 後天性赤芽球癆の症状
  • 後天性赤芽球癆の改善方法
  • 後天性赤芽球癆のまとめ
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銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

後天性赤芽球癆は、赤血球が作られなくなる病気

後天性赤芽球癆は、骨髄で造血幹細胞が増えたり分化したりすることに対して障害が起きることによって赤血球が作られなくなる病気です。

 

後天性赤芽球癆は、大きく特発性赤芽球癆と続発性赤芽球癆の2つに分けることができます。特発性赤芽球癆は原因を特定できない場合、続発性赤芽球癆は基礎的な病気に合わせて起こる場合です。

 

中高年に多い病気で、発症すると貧血が起きます。

続発性赤芽球癆の原因となる疾患

後天性赤芽球癆には原因を特定できない特発性赤芽球癆と基礎的な病気に合わせて起こる続発性赤芽球癆があります。

 

特発性赤芽球癆の場合は、原因はわかりません。続発性赤芽球癆の場合の原因となる病気には、胸腺腫やリンパ系腫瘍、固形腫瘍、ウイルス感染症などがあります。改善のために使っている薬が原因になることもあります。

 

非常に珍しいケースでは、妊娠に合わせて赤芽球癆がおこるケースもあります。

後天性赤芽球癆(Secondary Erythrocytosis)は、骨髄に異常が生じ、体内で異常な数の赤血球が生成される病気です。後天性赤芽球癆の原因について説明して行きます。

 

【赤血球の生成と制御】

まず、赤血球の生成と制御について簡単に説明します。正常な場合、身体は酸素の需要に応じて赤血球を生成します。低酸素状態が続くと、腎臓からエリスロポエチン(EPO)と呼ばれるホルモンが分泌され、骨髄にある幹細胞が刺激されて新しい赤血球が生成されます。一方、酸素濃度が適正範囲に戻ると、EPOの分泌が抑制され、赤血球の生成も制御されます。

 

【後天性赤芽球癆の主な原因】

後天性赤芽球癆は、異常な数の赤血球が生成されることによって特徴付けられます。以下に、後天性赤芽球癆の主な原因をいくつか紹介します。

 

酸素供給の低下:酸素供給が不十分な状態が長期間続くと、腎臓が過剰にエリスロポエチンを分泌し、赤血球の過剰生成を引き起こすことがあります。これは、肺の病気、心血管の病気、高山病など、酸素供給に関わる状態によって引き起こされることがあります。

 

EPOの過剰分泌:EPOの異常な分泌も後天性赤芽球癆の原因となることがあります。腫瘍(特に腎臓や肝臓の腫瘍)や多発性嚢胞腎などの病態により、EPOの過剰な産生が起こります。

 

遺伝子変異:まれなケースでは、特定の遺伝子の変異が後天性赤芽球癆の原因となることがあります。例えば、特定の酸素感知受容体(HIF2A、VHLなど)に変異があると、EPOの制御が乱れ、赤血球の生成が異常に亢進します。

 

薬物や物質の影響:一部の薬物や物質は、赤血球の過剰な生成を引き起こす可能性があります。例えば、エリスロポエチン製剤(貧血改善のために投与されることもある)や腎臓移植後に使用される免疫抑制剤(シクロスポリンなど)は、後天性赤芽球癆のリスクを高めることが報告されています。

後天性赤芽球癆の症状は、貧血

後天性赤芽球癆の症状は、貧血です。そのため、貧血状態になることによって起こるいろいろな症状が現れます。疲れやすさや倦怠感、動悸や顔面蒼白などです。

 

病気が原因となる続発性赤芽球癆の場合、病気によって現れる症状もあります。

後天性赤芽球癆(Secondary Erythrocytosis)は、異常な数の赤血球が体内で生成される病気です。後天性赤芽球癆の主な症状について詳しく説明します。

 

【赤血球の増加と症状】

後天性赤芽球癆では、体内の赤血球の数が異常に増加します。増加した赤血球の数によって、循環系や臓器にさまざまな影響が生じます。以下に、後天性赤芽球癆の主な症状をいくつか紹介します。

 

多血症症状:赤血球の増加により、血液が過剰になります。このため、顔や頭皮、手足などの皮膚が紅潮し、赤みを帯びることがあります。また、皮膚の発赤とともに、頭痛やめまい、視覚異常、掌のひどいかゆみなどが現れることもあります。

 

血栓症状:赤血球の増加により、血液がドロドロと粘性が高くなり、血液の循環が悪くなる可能性があります。これにより、血栓が形成されやすくなり、血管を詰まらせることがあります。血栓が脳内にできると、脳梗塞を引き起こす可能性があります。また、血栓が心臓や肺にできると、心筋梗塞や肺塞栓症を引き起こすことがあります。

 

疲労感と息切れ:赤血球の増加により、血液中の酸素運搬能力が高まります。しかし、増加した赤血球がドロドロの血液を引き起こすことで、酸素の運搬が妨げられる場合があります。その結果、疲労感や息切れが頻繁に起こることがあります。

 

頭痛やめまい:赤血球の増加により、血液の循環が悪くなることで、酸素供給が不十分になることがあります。このため、頭痛やめまいが起こることがあります。頭痛は特に起床時に強く現れ、体位変化によって悪化することがあります。

 

顔面の浮腫:赤血球の増加により、血管内の圧力が上昇し、顔面に浮腫みが生じることがあります。特に、目のまわりや頬に浮腫みが現れることがあります。

 

その他の症状:後天性赤芽球癆では、上記の症状以外にも倦怠感、夜間の多汗、食欲不振、体重減少などの症状が現れることがあります。

原因が基礎的な病気の場合、病気の改善を行うことが大事

後天性赤芽球癆の原因が基礎的な病気である場合は、病気の改善を行うことが大事です。病気の改善を行ってもなかなか貧血が改善しない場合や特発性赤芽球癆の場合は、主に免疫抑制薬を使って改善を行います。

 

薬が原因で赤芽球癆を発症している可能性がある場合は原因となっている可能性のある薬をやめることが大事です。

 

改善を行ってもなかなか症状が改善しない場合や貧血の症状が重い場合は、赤血球輸血を行います。輸血を行った後は、鉄過剰症を防ぐためにも鉄をキレートすることがほとんどです。

後天性赤芽球癆(Secondary Erythrocytosis)は、異常な数の赤血球が体内で生成される病気です。適切な改善を行うことで、症状の緩和や合併症の予防が可能です。後天性赤芽球癆の主な改善法について詳しく説明します。

 

後天性赤芽球癆の改善の目標は、以下の点を含みます。

赤血球数の正常化:異常に増加した赤血球数を正常範囲に戻すこと。

症状の緩和:多血症症状や血栓症状などの症状を軽減すること。

合併症の予防:血栓や心血管疾患などの合併症の発生を予防すること。

 

後天性赤芽球癆の改善には、以下のようなアプローチがあります。

血液除去(Phlebotomy):体内の赤血球数を減らすために定期的な血液除去が行われます。症状や赤血球数に応じて、定期的な輸血や自己血輸血が行われることもあります。血液除去は、多血症症状の軽減や血栓の予防に効果的です。

 

原因の改善:後天性赤芽球癆は、他の病気の結果として発症する場合があります。そのため、原因となる病気に対して適切な改善を行うことが重要です。例えば、肺の病気の場合は喫煙を避ける、酸素の補充を行うなどの方法が行われます。

 

薬:一部では、特定の薬物が処方されることもあります。例えば、赤血球の生成を抑制する薬物(ヒドロキシ尿素)や、血小板の凝集を抑制する薬物(アスピリン)が使用されることがあります。これらの薬物は、赤血球数を調整し、合併症のリスクを低減するために使用されます。

 

予防措置:血栓症のリスクを低減するために、予防措置が重要です。定期的に血液を調べることや適切な対処が行われることで、早期に血栓症の徴候を検知し、適切な改善を行うことができます。

 

後天性赤芽球癆の改善は、個別の症例に応じて行われます。適切な方法を選択するためには、症状、赤血球数、原因などを総合的に評価する必要があります。

改善を行う時には医師ときちんと相談して行う

後天性慢性赤芽球癆には、免疫抑制薬を使って改善を行います。しかし、免疫抑制薬をやめると再び貧血が起きることも多いということがわかっています。

 

改善を行う時には医師ときちんと相談して行い、免疫抑制薬を減らしたりやめたりする時も医師の指示のもとで行動しましょう。

 

免疫抑制薬を使っているときは感染症に感染しないことが非常に大事です。

 

普段から手洗いとうがいをしっかりして、インフルエンザのワクチンを接種したり食中毒の可能性がある食べ物を避けたりなど注視して日常生活を送ることをおすすめします。

後天性赤芽球癆の改善例

後天性赤芽球癆(Secondary Erythrocytosis)は、異常な数の赤血球が体内で生成される病気です。この病態は、多血症症状や血栓症のリスクを伴い、適切な改善が重要とされています。

 

「田中太郎 52歳の男性の例」

彼は最近、異常な数の赤血球が見つかり、後天性赤芽球癆と判断されました。田中さんは日常生活に支障をきたす症状を抱えており、適切な改善方法が必要でした。

 

田中さんは、血液専門の医師による詳細な評価を受けました。初めに、彼の赤血球数を正常範囲に戻すために、フレボトミーが開始されました。フレボトミーでは、定期的に一定量の血液を除去し、赤血球数を調整します。田中さんは1か月に1回のフレボトミーを受けることとなりました。

 

さらに、田中さんの後天性赤芽球癆の原因となる病気が特定されました。彼はCOPDを発症しており、酸素供給の低下が赤血球数の増加に関与していることが判明しました。したがって、田中さんはCOPDの改善に重点を置く必要がありました。

 

田中さんは、喫煙の中止、酸素補充の導入、気管支拡張薬の使用など、COPDの症状の管理を行うことを勧められました。これにより、酸素供給が改善され、赤血球数の過剰な増加が抑制されることが期待されました。

 

田中さんの場合、赤血球数の調整のために薬も導入されました。彼は、ヒドロキシ尿素という薬剤の処方を受けました。ヒドロキシ尿素は、赤血球の生成を抑制する効果があります。田中さんは、薬剤の適切な投与量とスケジュールについて医師から指示を受け、継続的に服用することとなりました。

 

田中さんは改善開始後、多血症症状の軽減と症状の改善を実感しました。フレボトミーによる血液除去とヒドロキシ尿素による薬の組み合わせが、赤血球数の正常化と症状の緩和に寄与しました。

 

ただし、効果は個人によって異なるため、田中さんの改善法が全ての人に適用されるわけではありません。後天性赤芽球癆の改善方法は個別のケースによって異なり、病歴や詳細な結果に基づいた適切な判断と計画が必要です。

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