公開日:2022年 6月10日
更新日:2022年 7月 2日
本日はSAPHO症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
SAPHO症候群は、掌蹠膿疱症によって骨関節炎を発症した病気です。SAPHO症候群は比較的新しい病気で、1987年に概念が提唱されました。
滑膜炎、ざ瘡、膿疱症、骨化過剰症、骨炎の頭文字を合わせたものを頭文字を合わせてSAPHO症候群と呼ばれています。
SAPHO症候群の原因は今のところわかっておらず、改善方法も確立されていません。珍しい病気で、世界では0.04%程度の発症率である報告もあります。
日本の発症率に関してのデータはなく詳しくはわかっていませんが、全ての年齢で発症する可能性があります。発症年齢の平均は30~50歳で、男女で発症の差はほとんどないと言われています。
SAPHO症候群には、PAOや慢性再発性多発性骨髄炎も含まれるとされています。
SAPHO症候群の原因は今のところわかっていません。関係していると考えられていることは、遺伝的なことや細菌に感染すること、アレルギー、自己免疫反応などです。
現在原因として考えられており注目されていることは、扁桃炎や歯周炎などの病巣感染です。扁桃摘出術や歯周炎の改善によって骨関節炎が改善したという報告も多くあります。
SAPHO症候群では、関節や骨、皮膚に症状が見られます。特に多く見られる症状は、前胸部の痛みや腫れです。
他にも、脊椎や仙腸関節、手足や指趾の関節、膝関節、大腿骨、下顎の骨などに症状が出ることもあります。
初めの段階で症状が全て出るわけではありません。どの症状が最初に出るのかについては、人によって違います。場合によっては色々な症状が同時に現れることもあります。症状は落ち着いたり悪くなったりを繰り返します。
ほとんどの人は皮膚の症状も現れます。皮膚病変で最も多いものは、掌蹠膿疱症です。他には、重症ざ瘡などが現れることもあります。
小児の場合は皮膚の症状が少ないといわれています。
今のところ、SAPHO症候群の改善方法は確立されていません。現れている症状に対して改善に取り組みます。
禁煙などの生活指導を行ったり、薬を使ったりします。病巣感染がある場合は扁桃摘出術や歯周炎などの改善を行なうことが大事です。痛みは自然に軽くなっていくこともあるため、特に改善に取り組まなくても良い場合もあります。
改善のために多く使われる非ステロイド性抗炎症薬です。痛みが強い場合には、ステロイドや抗リウマチ薬が使われます。
また、骨粗しょう症の改善に使われることの多いビスホスホネート製剤は骨の破壊を抑え骨量を保つ作用があるため、骨や関節の痛みを抑える効果があるされています。
このような薬を使っても効果が見られない場合は、生物学的製剤である抗TNF製剤が使われることがあります。しかし、抗TNF製剤のSAPHO症候群への効果は十分に確認されていません。
SAPHO症候群は命に関わることもなく、予後が良い病気です。症状を上手にコントロールすることができれば、生活の質も改善されます。改善をする上で症状をコントロールすることが大事です。
SAPHO症候群の疑いがある場合は、皮膚科にいきましょう。 皮膚科医であれば、掌蹠膿疱症を判断することができます。
SAPHO症候群であると判断するためには、SAPHO症候群の特徴的な臨床症状の確認とレントゲン、CT、MRI、骨シンチグラフィーなどで画像を調べることが必要です。
判断には、世界的に用いられる基準がいくつか提唱されており、いずれかの基準が利用されていますが、基準は完全に確立されたものではないため、今後改訂されていく可能性もあります。
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