翼状片の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 10月11日

更新日:2023年  9月 5日

本日は翼状片について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 翼状片とは
  • 翼状片の原因
  • 翼状片の症状
  • 翼状片の改善方法
  • 翼状片のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

翼状片は、三角形の形をした結膜が角膜の鼻側に入り込んでくる

翼状片は、三角形の形をした結膜が角膜の鼻側に入り込んでくることです。翼状片は、結膜下の組織の異常増殖であるため、悪性ではありません。

 

角膜の中央の近くまで入り込んできた場合は、乱視が悪化し視力の低下につながるため、切除する必要が出てきます。

 

翼状片に似ている病気に偽翼状片があります。偽翼状片は熱傷や角膜潰瘍などの炎症性の角膜の病気を改善している過程で翼状片に似ている症状が現れるものです。

翼状片の原因は明らかになっていない

翼状片の原因は明らかになっていません。

 

ただし、高齢者や野外で働いている人に 発症が多いことがわかっているため、紫外線や風やほこりに暴露することが発症と関係しているのではないかと考えられています。

翼状片は、角膜(眼球の前面部分)の変形と成長に関連した症状を指します。ここでは、翼状片のリスクになることを述べていきます。

 

 

紫外線曝露:最も一般的な翼状片の原因の一つは、紫外線(UV)の過度な曝露です。紫外線は太陽光の一部で、肌や眼に損傷を引き起こす可能性があります。屋外で長時間過ごす人や、紫外線が強い地域に住む人は、翼状片のリスクが高まります。

 

外的刺激:乾燥や風、塵、砂などの外的刺激も翼状片の原因となります。これらの要素は目を刺激し、角膜上の組織を刺激することで翼状片を引き起こすことがあります。

 

眼の乾燥:眼の乾燥も翼状片の形成に寄与します。涙は角膜を保護し、保湿する役割を果たします。しかし、涙の生成が不足すると眼は乾燥し、これが角膜を刺激し、翼状片の形成を促すことがあります。

 

肺頭部の病気:一部の研究では、翼状片と肺頭部の病気(特に慢性閉塞性の肺の病気や喘息)との間に関連性が示されています。これは、これらの病気が体の酸素供給を制限し、それが眼に影響を与える可能性があるためです。

 

遺伝的要因:一部の人々は、遺伝的な要因により翼状片のリスクが高まる可能性があります。これは、特定の遺伝的変異が角膜組織の成長と発展に影響を与える可能性があるためです。

翼状片の症状は、充血や目の違和感

翼状片の症状は、充血や目の違和感です。

 

初期段階では、外見的な症状以外に目立った症状はみられませんが、症状が進むと、炎症部分が盛り上がってきて瞬きをするたびに炎症部分にこ吸ってしまうことになり目の違和感が現れるのです。

翼状片とは、角膜の一部が眼球の白い部分に突出し、成長して翼のような形状を呈する症状を指します。しかし、この翼状片がどのような症状を引き起こすのでしょうか。

 

視覚的な変化:翼状片の最も明らかな症状は、眼球の表面に見える物理的な変化です。これは通常、眼の白い部分から角膜への成長として現れます。初期の翼状片はほとんど目立たないかもしれませんが、時間と共に大きくなり、翼状片が肥大化すると角膜の中央に達することもあります。

 

疼痛または不快感:翼状片は、目の不快感や疼痛を引き起こすことがあります。これは特に、翼状片が角膜の中央部に近づくと顕著になることがあります。

 

赤みや炎症:翼状片の領域はしばしば赤くなり、炎症を起こします。これは翼状片が角膜の表面を乾燥させ、刺激するためです。

 

乾燥感:角膜の表面に異常な組織が生じると、涙の分布が乱れ、目の乾燥感が増すことがあります。

 

異物感:翼状片はしばしば目に異物が入ったような感覚を引き起こします。これは、角膜表面の変化がまばたきや眼球の動きに影響を与えるためです。

 

視力の低下:翼状片が角膜の中央部に到達すると、視力に影響を与えることがあります。これは、角膜が光を正しく眼内に屈折させなくなるためです。

 

これらの症状は全てが同時に現れるわけではなく、翼状片の大きさや成長の度合いにより異なります。また、一部の人々では翼状片が存在しても症状が全くないこともあります。

翼状片の改善方法は、点眼薬や手術

翼状片の改善方法は、点眼薬や手術です。翼状片は、初期の段階であればほとんど悪影響がないため、特に改善に取り組まず経過観察をすることもあります。

 

症状が進んだ場合は異物感や視力障害につながることもあるため、点眼薬を使います。点眼薬は充血や目の違和感の改善に役立ちます。炎症を抑える効果のあるステロイド系の点眼薬を使うことも多いです。

 

点眼薬では翼状片を小さくすることはできません。翼状片を小さくしたい場合は手術を行うことがあります。

 

経過観察を行っていた場合も、角膜と結膜の境界部分からみて角膜の中心までの半分ほどの大きさまで症状が進んだり症状の進むスピードが速かったりする場合は、手術を行うこともあります。

保存的な改善:初期の翼状片、または症状が軽微な場合、保存的な改善が選択されることがあります。これは主に、疼痛を軽減し、炎症を抑制し、さらなる角膜の損傷を防ぐためのものです。これには、人工涙液、ステロイド眼薬、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)などが含まれます。

 

外科的なkじえん:翼状片が進行し、視力に影響を与えたり、症状が保存的な改善に反応しない場合、外科的な改善が必要となることがあります。翼状片の外科的な改善には、標準的な切除手術やレーザー手術などがあります。これらの手術は角膜から翼状片を除去し、視力を改善します。

 

ペリオステージ切除:これは特殊な外科手術で、翼状片の成長を引き起こす可能性がある組織を除去します。手術後、健康な組織は自然に再生し、角膜の表面を覆います。

 

羊膜移植:重度の翼状片や再発性の翼状片に対しては、羊膜移植が選択されることがあります。この手法では、供与者から得られた羊膜組織が角膜表面に適用され、自己修復を助けます。

 

予防策:翼状片の改善はその予防にも重要です。紫外線保護(サングラスの使用)、適切な眼の保湿、定期的に調べることなどは、翼状片の発生や再発を防ぐために重要です。

 

それぞれの方法は、翼状片の大きさ、位置、症状の重さ、また全般的な健康状態など、個々の状況に応じて選択されます。そのため改善方法の選択は、眼科医と密接なコミュニケーションをとり、共同決定します。

 

なお、すべての方法にはリスクと利益があります。例えば、手術は一般的には安全ですが、感染、出血、角膜の形状の不規則な変化などのリスクがあります。一方で、保存的な改善は通常、副作用が少ないですが、症状の完全な解消を保証するものではありません。

手術をした後の再発の可能性

翼状片は、手術をした後の再発の可能性が比較的多いといわれています。発症することが多いのは高齢者ですが、年齢が若ければ若いほど再発する可能性は高いと言われています。

 

手術を行った後は、状態を確認するために手術の翌日や数日後、1~2週間後などの感覚で経過を見てもらうことも大事です。

 

手術をした後はすぐに症状や違和感がなくなるわけではありません。改善までには早い人で約2~3週間、遅い人であれば約2ヶ月かかることもあります。

 

また手術をした後に一時的に充血や違和感が強くなるため注意しましょう。

翼状片の改善例

<Aさん 40歳の女性>

右目に小さな翼状片がありました。彼女は目の乾燥感と軽度の不快感を訴えていましたが、視力には影響がありませんでした。人工涙液とステロイド眼薬を処方し、6か月間の定期的なフォローアップを行いました。彼女の症状は改善し、翼状片の進行は抑えられました。(参考文献:American Academy of Ophthalmology, "Pterygium (Surfer's Eye)")

 

<Bさん 55歳男性>

大きな翼状片により左目の視力が低下していました。彼に翼状片切除手術を勧め、彼はそれを受け入れました。手術は無事に成功し、彼の視力は手術前の状態に戻りました。手術後6か月、彼の角膜は正常に回復し、再発の兆候はありませんでした。(参考文献:Clinical Ophthalmology, "Long-term follow-up for recurrent pterygium after pterygium excision with conjunctival autograft")

 

<Cさん 65歳の男性>

再発性の翼状片に悩まされていました。彼に羊膜移植を勧めました。手術は成功し、彼の視力は改善しました。現在、彼は定期的にフォローアップを受けており、これまでのところ翼状片の再発は見られません。(参考文献:Cornea, "Long-term Outcomes of Amniotic Membrane Transplantation for Pterygium")

 

これらの例は、翼状片がどのように取り扱われるかの一例です。ただし必要な改善方法は、翼状片の大きさ、位置、進行度、及び全般的な健康状態など、個々の特定の状況によるところが大きいです。

 

<Dさん 50歳の男性>

翼状片による再発性の視力問題を抱えていました。彼は過去に何度も基本的な切除手術を受けていましたが、翼状片が再発し、彼の視力を依然として脅かしていました。彼にペリオステージ切除手術を提案しました。手術は成功し、手術後1年以上にわたり、翼状片の再発は見られませんでした。(参考文献:Ophthalmology, "Conjunctival Autograft versus Amniotic Membrane Transplantation for Treatment of Pterygium: Findings from a Cochrane Systematic Review")

 

<Eさん 30歳の男性>

家族歴から翼状片発症のリスクが高いと思われました。彼は主に屋外で働いていましたが、適切な眼の保護をしないでいました。私たちは彼にUV保護のあるサングラスを使用し、目を適切に保湿することを強く勧めました。彼はこれらの予防的対策を取り入れ、1年後の時点で翼状片の発症は見られませんでした。(参考文献:Journal of Ophthalmology, "Epidemiology and Risk Factors for Pterygium: A Systematic Review and Meta-analysis")

 

それぞれの状況は異なり、一部では保存的な改善方法で症状が改善し、他は外科的介入が必要であるかもしれません。翼状片の改善は個々の状況に応じて適応されるのです。

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