セリアック病の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2023年  1月 2日

更新日:2023年  1月 6日

本日はセリアック病について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • セリアック病とは
  • セリアック病の原因
  • セリアック病の症状
  • セリアック病の改善方法
  • セリアック病のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

セリアック病は小児脂肪便症やグルテン過敏性腸症、グルテン不耐症

セリアック病は、小麦に含まれるグルテンという物質に対して免疫反応を起こしてしまう病気です。セリアック病は、小児脂肪便症やグルテン過敏性腸症、グルテン不耐症と言われることも多いです。

 

セリアック病では、グルテンに対して間違えて免疫反応が起きることで、小腸が障害を受け、栄養の吸収に問題が起きます。

 

セリアック病の症状の現れ方は人によって様々で、ほとんど症状がない人も重度の栄養失調が現れる人もいます。

セリアック病の原因は、グルテンへの免疫反応が起きること

セリアック病の原因は、グルテンというタンパク質に対して免疫反応が起きることです。グルテンが多く含まれている食べ物は、小麦やライ麦、大麦などの穀物類です。

 

アミノ酸は、タンパク質を構成していますがグルテンにはアミノ酸の中でもグルミンとプロリンが多く含間れています。そのため、胃や小腸での消化が不完全であることが多いということがわかっています。

 

不完全消化の物質が小腸の粘膜から吸収されると、トランスグルタミナーゼという酵素によって処理をされ、グリアジンというより抗原性の高い物質が産生されます。

 

セリアック病を発症している人は、グリアジンが自己免疫反応を引き起こすのです。全身臓器にあるHLAというタイプは、人によって違い、中でもHLA-DQA1HLA-DQB1と呼ばれる型ではセリアック病の発症リスクが高いといわれています。

セリアック病は、食事から摂取するグルテンというタンパク質に対する過敏性が原因で、消化管の慢性的な炎症を引き起こす自己免疫の病気です。グルテンは主に小麦、ライ麦、大麦などに含まれています。

 

セリアック病の原因を詳細に理解するには、遺伝学、免疫学、環境因子の観点から考える必要があります。

 

まず遺伝的要素について見てみましょう。遺伝子がセリアック病の発症に大きな影響を与えています。特に、HLA-DQ2およびHLA-DQ8という2つのヒト白血球抗原遺伝子の存在が関与していると確認されています。これらの遺伝子は、ほとんどのセリアック病の発症者に存在します。しかし、これらの遺伝子を持っているすべての人がセリアック病になるわけではありません。これは、これらの遺伝子が病気の発症を可能にする「必要条件」ではあるが、「十分条件」ではないことを示しています。

 

次に免疫系の反応について説明します。通常、免疫系は体を病原体から守るために働きますが、セリアック病では免疫系が誤ってグルテンを攻撃します。グルテンが小腸に到達すると、グルテンは体内の酵素によってグリアジンというタンパク質に分解されます。これにより、先ほど述べたHLA-DQ2やHLA-DQ8の遺伝子を持つ個体では、免疫系がグリアジンを攻撃する反応を引き起こします。これにより小腸の粘膜が炎症を起こし、栄養の吸収が阻害されます。

 

最後に、環境要因が病気の発症に影響を与えることが示されています。例えば、離乳期にグルテンを摂取し始める時期、グルテンの摂取量、感染症の経験、腸内細菌のバランスなどがセリアック病の発症リスクに影響を与える可能性があります。

 

セリアック病はまだ全てのメカニズムが解明されていません。遺伝的要素、免疫反応、環境要素が複雑に絡み合い、その結果として発症することが研究から明らかになっています。

セリアック病の症状は、便秘や腹部の張り、頭痛、腹痛など

セリアック病の症状は、便秘や腹部の張り、疲れやすさや頭痛、腹痛などです。症状が重い場合は、慢性的な下痢や体重の減少、成長障害なども現れます。

 

また、体に必要な鉄やカルシウム、ビタミン、その他の栄養素が吸収される時に障害が起きるため、鉄欠乏性貧血や骨粗しょう症、口内炎、脱毛、皮膚の萎縮、手足の感覚障害、慢性的な肝障害なども現れます。

 

さらに、セリアック病は自己免疫に関する病気のため、甲状腺の病気や1型糖尿病など免疫反応に関係した病気を発症するリスクも高くなることがわかっています。

セリアック病は、遺伝的要素と環境要素が絡み合った結果、グルテンというタンパク質に対する過敏性が引き金となり、小腸の機能障害を引き起こす自己免疫の病気です。これにより様々な症状が引き起こされます。セリアック病は、症状の範囲と重症度が人によって大きく異なるため、判断が困難とされています。

 

一部の人々は、典型的な腸の症状を発症します。これには腹痛、腹部の膨満感、慢性的な下痢、便秘、または不規則な便通といった症状があります。また、吸収不良による体重減少や成長遅延(特に子供の場合)も見られます。特に重要なのは、セリアック病による栄養不足は、吸収不良が引き起こす無力感や疲労感といった全身的な症状をもたらします。

 

しかしながら、全ての人がこれらの典型的な腸の症状を経験するわけではありません。実際、多くの人が非典型的な症状を示すことが知られています。非典型的な症状には、骨粗鬆症、鉄欠乏性貧血、口内炎、関節痛、皮膚の問題、頭痛やうつ病などの神経系の問題が含まれます。これらの症状は、セリアック病とは関連性がないと誤認されることが多いため、判断までに時間がかかることが多いです。

 

さらに、いくつかの研究では、セリアック病が無症候性(症状が表れない)であることが示されています。これらの人々は、他の健康問題のために調べている際に偶然にセリアック病が見つかることがあります。無症候性であっても、セリアック病は小腸の損傷を引き起こし、その結果として長期的な健康問題を引き起こす可能性があります。

セリアック病の改善ではグルテンを食事から取り除くことが大事

セリアック病を改善するために大事なことは、グルテンを食事から取り除くことです。グルテンを食事から取り除くことによって数日から数週間の間に症状や小腸粘膜萎縮の改善が見られることもあります。

 

しかし、グルテンが除かれた食品は一般的に価格が高く、外食で完全にグルテンを抜いた食事をすることも難しいなど、実際にグルテンを完全に取り除くことは難しいということもわかっています。

 

セリアック病では、鉄やカルシウム、葉酸、ビタミンB12、ビタミンDなどの栄養素が不足するため、足りない栄養素を補充することもあります。

セリアック病の改善には、食事が中心となります。具体的には、一生涯にわたる厳格なグルテンフリーダイエットが必要です。グルテンは、小麦、大麦、ライ麦などの穀物に含まれる一種のタンパク質で、セリアック病を発症している人が摂取すると小腸の粘膜に損傷を与えます。

 

まず、グルテンを含む食品を避けることが重要です。これには、パン、パスタ、ビスケット、ケーキ、ビールなどが含まれます。しかし、グルテンは意外な場所にも存在します。例えば、ソース、調味料、処方薬、ビタミンサプリメントなど。したがって、食品のラベルを慎重に読むことが必要です。

 

また、十分な栄養を確保するためには、自然にグルテンフリーである食品を摂取することが大切です。これには、肉、魚、卵、果物、野菜、米、ジャガイモ、ビーンズなどが含まれます。

 

さらに、食品メーカーはグルテンフリーの製品を増やしています。グルテンフリーのパンやパスタ、ビスケットなどが普及しているため、以前よりもグルテンフリーダイエットを維持することが容易になってきています。

 

しかし、グルテンフリーダイエットを開始しても、小腸の回復には時間がかかることがあります。特に、判断が遅れたり、病状が進行している場合は、栄養吸収が改善するまでに数ヶ月から数年かかることがあります。

 

そのため、判断をした直後や重症の場合、医師は短期間ステロイド薬を処方することがあります。これは、炎症を抑え、小腸の回復を早めるためです。また、鉄欠乏性貧血や骨粗鬆症など、セリアック病による合併症に対する補助的な改善が必要な場合もあります。

 

最後に、セリアック病の改善方法は専門家との継続的なコミュニケーションと、自身の健康状態への注意深いモニタリングによるものです。グルテンフリーダイエットは一生涯にわたるものであるため、栄養士やダイエット専門家と連携することも有益です。

グルテンの含まれる食品

グルテンは、小麦やライ麦、大麦などの穀物類に多く含まれています。パンやパン粉、うどん、素麺、ピザやパスタ、餃子の皮やワンタン、焼売、カレーやシチューのルウなど色々な食べ物に含まれているのです。

 

ケーキ類やクッキー、ドーナツやカステラ、パンケーキなどのお菓子やドレッシングやしょうゆなど一部の調味料にも含まれています。

 

グルテンを完全に取り除く食事をすることは難しいですが、セリアック病の改善のためには、できるだけグルテンを食事から取り除くことが必要です。

 

パスタやうどんにはグルテンが含まれていますが、そば粉100%の十割蕎麦や米からできたフォーなどは含まれていません。パンやケーキも米粉や蕎麦粉でできたものであればグルテンを避けることができます。

 

セリアック病に効果的なツボ

関元

中脘

天枢

関元

関元は腹部にあるツボで、腹部の冷えや便秘に効果を発揮します。また、関元は元気を補填するツボとして有名なツボです。虚弱体質の人や強い疲労感を感じている人にもおすすめのツボなのです。

 

セリアック病では腹部に症状が現れます。さらに栄養不足になるため、免疫力が低下します。そのため、関元の効果が期待できます。

中脘

中脘は、内臓機能の働きを活発にする働きがあります。中脘というツボの名前は、胃の真ん中にあたるツボという意味を持っています。

 

中脘は消化器に現れる色々な症状に効果を発揮します。特に胃腸の病気を改善したり胃腸の働きを活発にしたりする働きがあるため、胃もたれや食欲不振に効果的です。

天枢

天枢の効果は、消化器系や泌尿器系の機能を活発にすることです。特に消化器系の症状に対して効果を発揮します。天枢は、胃腸の機能を左右するような重要なツボであると言われています。

 

吐き気や嘔吐のある慢性胃炎や腹部の不快感、腹部の張りなどにもおすすめです。下痢や便秘にも効果があります。

ツボの位置と押し方

関元

関元はへそから指4本下に下がった場所にあります。

 

関元は指で強い刺激をすることはおすすめしません。カイロやお灸を使って温める方法が良いでしょう。

中脘

中脘の場所は、へそとみぞおちの中間くらいにあります。

 

押すときは、やさしく押すことをおすすめします。胃の調子が悪いとき、軽く押すことで胃腸の働きを改善する効果が期待できるでしょう。

天枢

天枢はへそから指3本外側にあるツボです。

 

押すときは、人差し指と中指、薬指を揃えて指の腹を使って押します。息を吐きながらゆっくり弱めの力で押していきましょう。

セリアック病の改善例

セリアック病の改善例を見てみましょう。ここでは、中年女性であるさおりさんの事例を紹介します。さおりさんは40歳で、慢性的な下痢と疲労、謎の体重減少のために病院に行きました。彼女の医師はさまざまなテストを実施し、結果としてセリアック病のであると判断されました。

 

まず、さおりさんの医師は、彼女にセリアック病の本質と、その改善方法であるグルテンフリーダイエットについて詳しく説明しました。グルテンは小麦、大麦、ライ麦に含まれるタンパク質で、これを避けることがさおりさんの症状を改善させる一方、小腸の損傷を修復する鍵となります。

 

次に、医師はさおりさんに栄養士を紹介しました。栄養士は、グルテンフリーダイエットの詳細と、どのようにそれを遵守するかについて彼女に教えました。例えば、どの食品がグルテンを含むか、どの食品がグルテンフリーであるか、食品ラベルの読み方などを詳しく説明しました。さらに、栄養士はさおりさんが好きな食べ物をグルテンフリーの選択肢に置き換えるための提案も提供しました。

 

さおりさんが新しい食事に適応すると、彼女の症状は次第に改善していきました。慢性的な下痢はなくなり、疲労感も軽減しました。また、さおりさんは元の体重を取り戻し、さらには活力も増してきました。そして、定期的なフォローアップの中で、彼女の小腸の回復が確認されました。

 

しかし、改善はそれだけで終わったわけではありません。さおりさんは定期的に病院に行き、血液を調べ、必要に応じて小腸生検を行いました。これは、さおりさんがグルテンフリーダイエットを続けていることを確認し、セリアック病が管理されていることを確認するためです。

 

さおりさんの例は、セリアック病の改善方法がライフスタイルの変化と密接に関連していることを示しています。しかし、専門家との継続的な対話、適切な教育、そして本人の積極性があれば、この病気はうまく管理することが可能です。

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