黄色靱帯骨化症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  9月 5日

更新日:2021年 10月23日

本日は黄色靱帯骨化症について解説させていただきます。

本記事の内容

  • 黄色靱帯骨化症とは
  • 黄色靱帯骨化症の原因
  • 黄色靱帯骨化症の症状
  • 黄色靱帯骨化症の改善方法
  • 黄色靱帯骨化症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

黄色靱帯骨化症は、黄色靭帯が神経を圧迫し、足の麻痺が起きる

黄色靱帯骨化症は、黄色靭帯が神経を圧迫し、主に足の麻痺が起きる病気です。黄色靭帯は、脊髄の後ろにある靭帯です。

 

黄色靱帯骨化症では、黄色靭帯が骨になり、だんだん大きくなり、神経を圧迫します。そのため足の麻痺が起きるのです。他にも、足のしびれや、歩きにくさ、膀胱の働きの低下などの症状が現れます。

 

発症する人は40歳以上に多く、男性と女性で発症する割合の差は特にありません。

原因は、外力や加齢、遺伝、代謝などいろいろな原因が重なること

黄色靭帯骨化症の原因は、いろいろあります。原因は一つではなくいろいろな原因が重なることで黄色靭帯の骨化が起こると考えられているのです。

 

原因となる要素として考えられていることは、外力や加齢、遺伝、代謝などです。

 

要素の一つに遺伝がありますが、必ず遺伝するわけではありません。ただし、遺伝をしやすい家系は存在すると言われています。

黄色靱帯骨化症は、背骨の後ろを覆う靱帯が骨に化ける病状を指す病気です。多くの場合、頚部に現れ、進行性であり、場合によっては神経の圧迫を引き起こす可能性があります。

 

1.遺伝的要因:黄色靱帯骨化症は一部の家系で集中して発症する傾向があり、特定の遺伝子が関与していると考えられています。COL6A1やCOL11A2など、骨や靱帯の形成に関わる遺伝子の変異が指摘されています。

 

2.年齢:黄色靱帯骨化症の発症は年齢と強く相関しています。これは靱帯組織の自然な老化プロセスが関与していると思われます。靱帯の弾力性が失われ、骨化する可能性が高まるのです。

 

3.生活習慣:生活習慣も黄色靱帯骨化症の発症に影響を与えます。運動不足や不健康な食生活、喫煙などは全身の健康に影響を及ぼし、骨や靱帯の健康にもネガティブな影響を与えます。

 

4.内分泌因子:一部の内分泌に関する病気、特に糖尿病や高血圧症が、骨化を加速させる可能性が指摘されています。

 

5.炎症と免疫反応:長期の軽度炎症や異常な免疫反応も靱帯の骨化を促す可能性があります。靱帯へのダメージや細菌感染によって引き起こされる炎症は、靱帯組織の修復過程で過剰な骨形成を引き起こすことがあります。また、免疫系のバランスが崩れると、自己の靱帯組織を攻撃して炎症を引き起こし、その結果として骨化が起こると考えられています。

 

6.物理的ストレス:物理的ストレス、特に過剰な姿勢ストレスが靱帯に骨化を引き起こすという説も存在します。長時間の座り仕事や重い物を頻繁に持ち上げるなど、背骨に持続的なストレスをかける行動は、靱帯の骨化を促進する可能性があります。

 

以上の原因が組み合わさることで、黄色靱帯骨化症が発症します。しかし、これらの要因は全ての人に影響を及ぼすわけではありません。遺伝的要素、生活習慣、年齢などが一定のバランスを保つことで、健康な靱帯が維持されます。

 

しかし、何らかの理由でこのバランスが崩れると、靱帯の骨化が進行する可能性があります。具体的には、靱帯の修復能力が衰え、新たな細胞の生成が骨細胞に偏ると、靱帯の骨化が進行します。これが、黄色靱帯骨化症の主な発症メカニズムと考えられています。

黄色靱帯骨化症の主な症状は、足の麻痺、足のしびれや歩きにくさ

黄色靱帯骨化症の主な症状は、足の麻痺です。他にも、足のしびれや歩きにくさ、の膀胱の働きの低下や締めつけ感、脱力感などが症状として現れます。膀胱の働きの低下では、頻尿や尿漏れなどが見られます。

 

このような症状は、大きくなった靭帯の骨化が神経を圧迫することによって現れるものです。

黄色靱帯骨化症は、背骨を覆う黄色靱帯が骨へと化ける病気です。主に頚部で見られ、進行性を持ちます。それが症状に影響を及ぼし、個々の症状は、どの部分の靱帯が骨化し、それがどの程度神経を圧迫しているかによります。

 

1.疼痛:最も一般的な症状は疼痛で、特に頚部や背部の痛みがあります。骨化した靱帯が神経を圧迫すると、疼痛が生じます。また、物理的な負担やストレスが加わると、痛みはさらに悪化することがあります。

 

2.手足の感覚異常:骨化した靱帯が神経を圧迫し、神経の伝達が妨げられると、手足の感覚異常が現れることがあります。これにはしびれ、痛み、感覚の鈍化などが含まれます。

 

3.筋力低下:黄色靱帯骨化症の進行により、筋力低下を経験することがあります。これは、骨化した靱帯が神経を圧迫し、その神経が支配する筋肉への信号が遮断されるためです。

 

4.歩行困難:筋力低下や感覚異常が進行すると、歩行困難が発生することがあります。これは、靱帯の骨化が下半身の神経を圧迫する結果として起こります。

 

5.排尿・排便障害:骨化した靱帯が脊髄を圧迫し、その影響が膀胱や直腸の神経に及ぶと、排尿・排便の障害が生じる可能性があります。

 

これらの症状は、靱帯がどの程度骨化し、それがどの部位の神経を圧迫するかによります。したがって、同じ黄色靱帯骨化症でも、人によって症状は大きく異なることがあります。また、症状は徐々に進行し、初期段階では症状がないか、またはわずかであることが多いです。

 

これは黄色靱帯骨化症の非常に厄介な部分で、症状が明らかに現れるまでには数年かかることもあります。そして、症状が出始めると、病状はすでに進行しており、神経が圧迫され、機能的な問題が発生しています。

黄色靱帯骨化症の改善方法は、手術と薬

黄色靱帯骨化症の改善方法は、手術と薬です。

 

症状が軽い場合は薬で改善を行い、様子を見ます。症状が重たく神経の麻痺が進んでいる場合は手術によって改善を行います。手術では、神経を圧迫している靭帯の骨化を取りのぞきます。

黄色靱帯骨化症は背骨を覆う黄色靱帯が骨に化ける病気です。

 

1.非薬物:初期段階では、痛み管理や機能の維持に役立つ物理的な介入やリハビリテーションを受けることが推奨されます。これらでは、筋肉の強化、柔軟性の向上、疼痛の軽減を目指します。

 

2.薬:黄色靱帯骨化症の症状管理には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩剤、神経痛薬などの薬物が使用されます。これらの薬は、疼痛を軽減し、日常生活をより快適にするのに役立ちます。

 

3.手術:病状が進行し、神経の圧迫が重篤になった場合、手術が必要になることがあります。手術の主な目的は、神経を解放し(デコンプレッション)、さらなる骨化の進行を防ぐことです。

 

手術方法には、後方からのアプローチ(後方開窓術)や前方からのアプローチ(前方頸部椎間板切除術)があります。選択される手術方法は、骨化の位置、範囲、症状の重度などに基づきます。

 

4.予防策:黄色靱帯骨化症の進行を防ぐためには、健康的な生活習慣の維持が必要です。適度な運動、健全な食事、適切な体重管理、ストレスの管理は全般的な健康を維持するのに役立ちます

 

黄色靱帯骨化症の改善は個々の症状、進行度、全般的な健康状態により異なります。どの方法が最適かを判断するためには、専門家との密接な協議が必要です。

 

重要なのは、改善の目標が痛みの管理、神経の圧迫の軽減、生活品質の向上であるということです。

転ばないように注意して定期的に病院に行く

黄色靭帯骨化症によって骨になった靭帯は、だんだん大きくなることがあります。大きくなると神経を圧迫して麻痺が強くなっていきます。

 

さらに、転倒などによって急速に麻痺が進むこともあります。定期的に病院に行き、調べたり症状を相談したりして麻痺の進行に注意することが大切です。

 

黄色靭帯骨化症は、転ばないように注意して定期的に病院に行くことが大切なのです。

黄色靱帯骨化症の改善例

A 40代の男性。

彼は持続的な頚部の疼痛と手の感覚異常で、黄色靱帯骨化症が確認されました。この時点では神経圧迫はそれほど重篤ではなかったため、最初に非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と物理的な介入を提案しました。

 

物理的な介入によっては彼の筋力を強化し、疼痛を和らげるために有効でした。しかし、数ヶ月後、彼の症状は安定せず、さらに進行する兆候が見られました。そのため、手術を検討することになりました。

 

後方開窓術を行うことに決定しました。この手術は、骨化した靱帯を除去し、神経を圧迫から解放するものです。手術は成功裏に終了し、彼の症状は大幅に改善しました。彼は現在、定期的に診療所を訪れ、リハビリテーションを続け、生活品質が改善しています。

 

B 60代の女性。

手足の感覚異常と歩行障害を訴えており、黄色靱帯骨化症の判断を受けましたが、彼女の場合、病状がかなり進行していたため、即時的な手術が必要と判断しました。

 

彼女の場合、後方からのアプローチだけでは不十分であったため、前後からの同時アプローチを採用しました。手術後、彼女の感覚異常と歩行障害は改善し、現在は回復を続けています。彼女もリハビリテーションを定期的に受けており、活動の範囲と生活の質が改善しています。

 

これらのケースは、黄色靱帯骨化症の改善が人によって異なることを示しています。改善法は、年齢、病状の進行度、身体の全体的な健康状態、症状の重度によって異なるため、一つの改善法がすべての人に適しているわけではありません。

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