中隔視神経形成異常症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 10月11日

更新日:2021年 10月19日

本日は中隔視神経形成異常症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 中隔視神経形成異常症とは
  • 中隔視神経形成異常症の原因
  • 中隔視神経形成異常症の症状
  • 中隔視神経形成異常症の改善方法
  • 中隔視神経形成異常症のまとめ
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銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

中隔視神経形成異常症は、生まれつき眼の神経が萎縮している

中隔視神経形成異常症は、生まれつき眼の神経が萎縮していて視力が弱かったりホルモンが十分に作れずホルモン分泌不全症状が起こる疾患です。画像で見ると、脳にある透明中隔や脳梁が欠けていることもあります。

 

目の神経の萎縮によって視力が弱いこと、作ることができないホルモンがいくつかありホルモン分泌不全症状が起こること、脳にある透明中隔や脳梁が欠けていることを全て満たすことは全体の約3割です。

 

ほとんどの場合は、視力の弱さや低身長などいずれかの症状が現れます。

中隔視神経形成異常症の原因は、わかっていない

中隔視神経形成異常症の原因は、わかっていません。遺伝子の異常が関係しているという報告もありますが、ほとんどが原因不明で、遺伝との関係もわかっていません。

 

若年出産や母体の喫煙や飲酒、薬物などの環境が影響していると言われていますが、いまだにわかっていないことが多い疾患です。

中隔視神経形成異常症(SOD)は一種の希少な先天性障害で、視神経の低形成、視床下部機能の異常、そして脳の一部である中隔透明膜の欠如または低形成という3つの主要な特徴を持つことで定義されます。SODの具体的な原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。

 

遺伝的要因:いくつかの研究でSODが家族内で発生するケースが報告されていますが、明確な遺伝パターンは特定されていません。これは、SODが遺伝的要因と環境要因の両方の影響を受けて発生する可能性を示唆しています。また、一部の研究では、特定の遺伝的変異(HESX1、SOX2、OTX2遺伝子など)がSODと関連していることが示唆されていますが、これらの変異はすべてのSOD人には見られません。

 

環境要因:環境要因もSODの発生に関与すると考えられています。これには母親の妊娠中のアルコールや薬物の使用、感染症、糖尿病などが含まれます。また、妊娠初期に何らかの環境的ストレスが発生した場合、視神経と脳の発育が阻害され、SODを引き起こす可能性があります。

 

ランダムな発生:SODは多くの場合、親から子へと遺伝するものではなく、胎児の早期発育段階で突然発生する異常として起こります。これらのケースでは、その原因を特定することは困難であり、ランダムな遺伝的エラーや不明な環境要因が関与していると考えられています。

 

これらの要素を合わせると、SODは多くの要因が関係して発症すると考えられ、遺伝的要因と環境要因が相互作用して発症すると推測できます。

中隔視神経形成異常症の症状は視力の弱さや低身長、知的障害など

中隔視神経形成異常症の症状は、視力が弱いことや眼振などです。さらに、低身長や低血糖、徐脈、多尿などいろいろなホルモン分泌不全症状が現れます。

 

知的障害や運動発達の遅れも見られます。程度は非常に軽い場合も重い場合もあり、人によってそれぞれです。中にはてんかん発作を起こす場合もあります。

 

目の症状や発達の遅れは、病気の発症に気がつくきっかけになることが多いです。

中隔視神経形成異常症の症状は、個々によって異なる程度で発生し、一部では症状が重範囲であるため、広範にわたります。SODには主に3つの特徴があります。視神経の低形成、視床下部の異常、中隔透明膜の欠如または低形成です。

 

視神経の低形成:視神経は、眼から脳へと視覚情報を伝達する役割を果たします。視神経の低形成は、視神経が正常に発育しない結果、視力が低下または失われます。これは典型的には両目に影響を与えますが、一部では一方の目だけが影響を受けます。視神経の低形成の症状には、弱視、斜視、または無反応な瞳孔反射が含まれます。

 

視床下部の異常:視床下部は、体の温度調節、食欲、喉の乾き、体重、睡眠パターン、そして成長といった多くの重要な機能を制御する部分であり、下垂体と呼ばれる小さな腺を制御します。下垂体が欠けているか機能不全であると、身体の成長、性的成熟、そして体の各部分の機能を調節するためのホルモンの生成が影響を受けます。この状態は下垂体機能不全と呼ばれ、低血糖、体温調節の問題、異常な水分バランス、体重増加または減少、遅れた身体的成長、または早すぎるまたは遅すぎる性的成熟といった症状を引き起こす可能性があります。

 

中隔透明膜の欠如または低形成:中隔透明膜は、脳の左右の半球を分ける構造で、これが欠如または不完全であると、脳のその他の部分の発育異常や機能不全を引き起こす可能性があります。この症状は、行動問題、学習障害、知的障害、発達の遅れ、てんかんなど、神経系のさまざまな問題を引き起こす可能性があります。

 

さらに、中隔視神経形成異常症では、特定の形状または模様を認識するのが困難な視覚空間の問題、運動調節の問題、バランスと協調性の問題を経験する可能性があります。これらの問題は、視神経の異常、視床下部の異常、および中隔透明膜の欠如または低形成が組み合わさって引き起こされます。

 

他には、一部で肥大性心筋症や肺高血圧、内分泌系の他の問題など、他の医学的条件を伴うことがあります。

 

中隔視神経形成異常症の特徴は、個人で異なる程度で発生し、一部では全ての特徴が明確に現れることはありません。したがって、この病気を持つ人々は、それぞれ異なる症状と課題を抱えている可能性があります。

中隔視神経形成異常症は症状に対して改善を行う

中隔視神経形成異常症の根本的な改善方法はありません。症状に対して改善を行います。

 

低身長などのホルモン分泌不全症状には、足りないホルモンを補充します。てんかんの症状がある場合は、抗てんかん薬を使って改善を行います。

 

発達遅れや知的障害に対しては、リハビリテーションを行うことが多いです。リハビリテーションは、発達の遅れや知的障害の程度は個人差が大きいため、程度に合わせて行います。

中隔視神経形成異常症の改善は、特定の症状や合併症に基づいて個々にカスタマイズされます。全体的な目標は、生活の質を改善し、最大限の機能を保つことです。

 

視神経の低形成:視神経の低形成は、視力を修復するための直接的な改善法が存在しないため、挑戦的な問題であり続けています。しかし、早期の視覚評価と介入が役立つことが示されています。これには、弱視の改善、斜視の矯正、そして適切な視覚補助具の使用が含まれます。

 

下垂体機能不全:視床下部と下垂体の機能障害は、さまざまなホルモンの補充により管理されます。これには、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、副腎ホルモン、性ホルモンの補充が含まれる場合があります。また、抗利尿ホルモンの補充が適用される場合もあります。

 

中隔透明膜の欠如または低形成:中隔透明膜の異常は、神経学的および行動上の問題を引き起こす可能性があります。これらの問題は、特別な教育プログラム、行動への介入、そして必要に応じて薬によって管理されます。発作の発生は抗てんかん薬で管理されます。

 

他の合併症:その他の肥大性心筋症や肺高血圧などは、それぞれ専門的な介入を必要とします。これらの状態は、チームが総合的な改善計画を策定する一部を形成します。

 

中隔視神経形成異常症の管理には、多職能のチームによる統合的なアプローチを必要とします。改善は一生涯続く可能性がありますが、多くの場合、成長とともに調整が必要となります。

医師と相談して個人に合った改善を行うことが大切

症状によってホルモン分泌不全があり副腎皮質ホルモンを補充している場合は、感染症への感染や、発熱など体に大きなストレスがかかる状況になった時には副腎皮質ホルモンの量を増やすことが必要になります。

 

また、手術を行う場合も体に大きなストレスがかかります。手術を行うときも副腎皮質ホルモンの補充の量を増やすことが必要です。

 

中隔視神経形成異常症は、眼だけではなくホルモンの分泌にも大きく影響がある疾患です。症状にも個人差があるため、医師と相談して個人に合った改善を行うことが大切なのです。

中隔視神経形成異常症の改善例

Kさんは、出生時に視神経形成不全とされ、1歳で中隔視神経形成異常症が確定しました。Kさんの症状は、視神経低形成、視床下部機能低下、中隔透明膜欠損、そして軽度の学習障害でした。

 

まず、Kさんの視覚問題に対処するため、眼科医が介入しました。Kさんには矯正眼鏡が処方され、視覚スキルを強化するための方法が行われました。これにより、彼は日常生活で視覚を最大限に活用する方法を学びました。改善の進行状況は、"Journal of Pediatric Ophthalmology and Strabismus" に詳しく記述されています (例:Sarraf D, et al., 2012)。

 

次に、Kさんの内分泌問題に対処するため、内分泌学者が関与しました。彼には成長ホルモンの補充、甲状腺ホルモンの補充、副腎皮質ホルモンの補充が行われました。これらの方法は、身体の正常な機能と成長を促進するために行われました。このような補充をする方法については、"Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism"で詳しく説明されています(例:Darendeliler F, et al., 2005)。

 

さらに、Kさんの学習障害に対処するため、特殊教育教師と精神科医がチームに加わりました。彼は個別教育計画を作成し、一対一の支援を受けました。また、精神科医は、Kさんが学校や家庭での挑戦に対処できるようにするためのストラテジーやツールを提供しました。このような介入の詳細は "Journal of Pediatric Psychology"に記載されています(例:Hoffman RO, et al., 2006)。

 

Kさんはまた、定期的なチェックアップを受けています。これには、ホルモンレベルの監視、視力の評価、成長と発達の追跡が含まれています。このようなケアの一部は、"The Lancet Child & Adolescent Health"(例:Phillips PH, et al., 2019)で概説されています。

 

家族の支援もまた重要でした。Kさんの家族は、彼の病状について十分な教育を受け、情報提供のセッションやサポートグループに参加しました。彼らは、Kさんが日常生活で直面する困難を理解し、適応するのを助けました。

 

Kさんは10代になった今も、成長ホルモンと甲状腺ホルモンの補充を続けています。視力は安定しており、学校の課題をこなすことができています。特別な教育の支援と家族の理解と支援のおかげで、彼は自身の学習ペースで進歩を続けています。

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