先天性気管狭窄症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 8月23日

更新日:2022年 8月25日

本日は先天性気管狭窄症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 先天性気管狭窄症とは
  • 先天性気管狭窄症の症状
  • 先天性気管狭窄症の原因
  • 先天性気管狭窄症の改善方法
  • 先天性気管狭窄症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

先天性気管狭窄症は、生まれつき気管が細く呼吸困難が起きる

先天性気管狭窄症は、生まれつき気管が細かったり生まれてすぐに風邪などに感染することによって呼吸困難が起きる病気です。

 

先天性気管狭窄症では多くの場合、気管の膜様部と呼ばれる筋肉の部分が欠けており、気管内腔を保っている軟骨の部分が完全にリング状になっています。

 

この部分は成長できない部分です。そのため、成長するとともに症状が悪くなることもあります。

 

狭窄部がどのくらいであるのかということについては人によって違います。そのため、狭窄部の長さによって現れる症状の程度や改善方法も違います。

先天性気管狭窄症の原因は今のところわかっていない

先天性気管狭窄症の原因は今のところわかっていません。気管狭窄は気管の発生の時に起こる異常で、気管軟骨の形成異常であると考えられています。

 

先天性気管狭窄症は、多くの場合遺伝することはありませんが、特定の遺伝子が病気の発症に関わっているということについての研究は行われています。

先天性気管狭窄症は、気管の発生における異常により生じる病気です。特に、気管軟骨の形成異常が原因と考えられています。

 

正常な気管は、馬蹄形の気管軟骨と平滑筋からなる膜様部で構成されていますが、先天性気管狭窄症では、この馬蹄形の軟骨が輪状軟骨として形成されることにより、気管狭窄が引き起こされます。

 

この病気では、狭窄部の気管には膜様部が存在せず、気管壁の全周を軟骨がドーナツ状に取り囲んでいる状態になります​​​​​​。

 

先天性気管狭窄症の原因は、現在も完全には解明されていません。しかし、気管の発生異常、特に気管軟骨の形成異常が重要な役割を果たしていることが知られています。この病気は遺伝することはほとんどなく、特定の遺伝子が関与している可能性についての研究が進められています​​。

先天性気管狭窄症の主な症状は、新生児期に発症する呼吸困難

先天性気管狭窄症の主な症状は、新生児期に発症する呼吸困難です。生まれてすぐから呼吸不全や循環不全が起き、 チアノーゼや徐脈、無呼吸などを起こしてしまうのです。

 

生まれつき気管が細くても、生まれてすぐには呼吸症状が現れないこともあります。その場合、風邪などに感染したときに気道の粘膜が腫れ、呼吸困難が起きることがあります。

 

症状の程度が軽いケースでは、特に症状がなく、レントゲンなどでたまたま気管が細いということがわかることもあります。

先天性気管狭窄症では、気管の狭窄により呼吸困難が生じます。この症状は、気管の正常な発育に必要な膜様部分が欠如していることに起因します。これにより、気管は軟骨によって完全に囲まれ、柔軟性が低下し、狭窄することになります。以下に先天性気管狭窄症の初期症状と長期的な影響について説明します。

 

・初期症状

新生児期: 新生児期には、高度な呼吸不全や循環不全が生じることがあり、これによりチアノーゼ)、徐脈、無呼吸などの症状が現れます。これらの症状は、生まれた直後から観察されることがあります。

生後数か月: 生後1~2か月頃から、喘鳴、チアノーゼ発作などの呼吸症状が認められることがあります。上気道感染などが契機となって呼吸困難が悪化し、窒息に至ることもあります。

 

・長期的な影響

呼吸器系の問題: くり返す呼吸器感染、慢性肺機能障害、慢性肺高血圧症などが発生することがあります。

その他の健康問題: 胃食道逆流症、逆流性食道炎、栄養障害に伴う成長障害、精神運動発達遅延、聴力障害、漏斗胸、脊椎側弯などが後遺症として現れることがあります。

 

これらの症状は、気管の狭窄の程度や合併する他の病気の存在によって変わります。症状が進行するとより複雑な健康問題を引き起こす可能性があります。

先天性気管狭窄症の改善方法は手術

先天性気管狭窄症の改善方法は手術です。気管が細い部分の長さがどのくらいであるかによって改善方法も違います。

 

細い部分が短い場合は、細い部分を切除し、正常な太さの気管同士でつなぎ改善を行います。しかし、多くの場合は切除して繋ぐだけではなく、気管を形成する手術が必要になります。

 

場合によっては気管切開を行うこともあります。症状が軽い場合は薬などを使って経過を見ることもあります。

先天性気管狭窄症の改善方法には、外科的および非外科的なアプローチがあります。これらの方法は、症状の重さや状態に応じて異なります。

 

□外科的方法

・気管切開術(Tracheostomy)

新生児や乳児において、重度の呼吸困難がある場合に行われることが多い方法です。気管の一部に小さな穴を開け、人工的な気道を確保します。長期的な呼吸サポートが必要な場合に用いられる方法です。

・気管拡張術(Tracheal Expansion)

狭窄した気管を物理的に拡張する手術で、ステントの挿入や気管の一部を切除し、拡張する方法です。狭窄の程度に応じて、手術方法が選択されます。

・再建手術

気管の一部を取り除き、再建することで正常な気道を確保する方法で、重度の症例において選択されることがあります。

・合併症への対処

気管狭窄症が他の呼吸器系の問題を引き起こした場合、それらの問題に対処するための手術も行われます。

 

非外科的方法

・呼吸サポート

酸素法や換気支援を用いて、呼吸を助けることがあります。酸素飽和度や二酸化炭素のレベルをモニターしながら、適切な呼吸サポートを提供します。

・薬

気管を広げる薬、抗炎症薬、感染症に対する抗生物質などがあります。呼吸困難や喘鳴を軽減するために使用されます。

・物理的な方法

胸部の物理法や呼吸法を通じて、呼吸機能を改善します。粘液の排出を促進し、呼吸器感染のリスクを減少させます。

・栄養管理

適切な栄養摂取が成長と全体的な健康に重要です。必要に応じて、特別な食事計画や栄養サポートが提供されます。

・定期的なモニタリングとフォローアップ

定期的に医師にみてもらい病状の進行をモニタリングします。必要に応じて計画の調整を行います。

 

改善の計画は年齢、症状の重さ、全体的な健康状態に基づいて個別に決定されます。また、生活の質を考慮した方法の選択が重要です。

先天性気管狭窄症の改善において、薬は症状の管理と合併症の予防に重要な役割を果たします。以下に、使用される薬の種類とその効果について説明します。

 

1. 気管を広げる薬(気管支拡張薬)

効果: 気管支拡張薬は、気管や気管支の筋肉をリラックスさせることにより、呼吸の通り道を拡げる効果があります。

使用する薬剤: アルブテロール(サルブタモール)などの吸入薬が一般的です。

 

2. 抗炎症薬

効果: 抗炎症薬は、気管の腫れや炎症を軽減し、呼吸を楽にする効果があります。

使用する薬剤: コルチコステロイド(例:プレドニゾロン)が一般的に使われます。

 

3. 抗生物質

効果: 呼吸器感染が発生した場合に、感染の治療と拡散の防止に使用されます。

使用する薬剤: 感染の種類に応じて、様々な抗生物質が処方されます。

 

4. 鎮咳薬

効果: 過度の咳を抑え、喉の刺激や痛みを軽減するのに役立ちます。

使用する薬剤: シロップ型の鎮咳薬が一般的です。

 

5. 消炎鎮痛薬

効果: 咳や呼吸器の炎症に伴う不快感や痛みを和らげるために使用されます。

使用する薬剤: イブプロフェンやアセトアミノフェンなどが用いられます。

 

6. 粘液溶解薬

効果: 呼吸器系の粘液を薄め、排出を容易にするために使用されます。

使用する薬剤: グアイフェネシンなどが用いられることがあります。

 

これらの薬は、年齢、症状、全体的な健康状態に応じて個別に調整されます。また、薬での改善は他の改善法と併用されることが一般的です。重要なのは、これらの薬剤の使用は医師の指示に基づいて行われるべきであり、本人や家族が自己判断で改善を行うべきではないということです。

先天性気管狭窄症で注意すること

症状の重い場合は、肺や気管支の形成異常や先天性の心臓の病気があることがほとんどです。幼少期に呼吸器感染を起こすと症状が重くなってしまうことが多いため、呼吸器感染しない様に注意して生活を送ることが大事です。

 

日常生活を送る上でどのくらい活動に制限が必要であるのかについては、気道狭窄がどのくらいであるかということや後遺症や合併症があるのかということによって違います。

 

手術を行った後も定期的にフォローアップを受けることが大事なのです。

先天性気管狭窄症に効果的なツボ

天突

太淵

少沢

天突

天突の効果は、喉の痛みや息切れ、しゃっくりや咳、喉の違和感や声の掠れなどです。天突は、喉に現れる色々な症状を和らげることに効果を発揮するのです。

 

先天性気管狭窄症で現れる症状は、呼吸器に関する症状です。そのため、天突を刺激することは症状を和らげる効果が期待できるのです。

太淵

太淵は、肺の元となるツボです。先天性気管狭窄症の主な症状は呼吸器症状のため、症状を和らげることが期待できます。

 

太淵は、他にも発熱、せき、咽喉炎など特に風邪をひいたときに使用すると効果があると言われているツボです。

少沢

少沢には、胸の苦しさや咳を和らげることです。先天性気管狭窄症では呼吸困難のような症状が現れることがあるため、胸の苦しさを和らげることで呼吸困難の症状も和らげる効果が期待できます。

 

また、少沢は風邪の高熱、頭痛、小児のひきつけにも効果的です。

ツボの位置と押し方

天突

天突の場所は、 左右の鎖骨を直線で結び、中央にあたる部分のくぼみです。

 

押すときには、強く押しすぎないように注意しましょう。喉の部分に天突はあります。喉は繊細であるため、押しすぎると危険です。ゆっくりと気をつけて押しましょう。

太淵

太淵は原穴です。また、原穴以外に、脈会穴でもあります。 脈会穴とは、脈の気があつまる場所ということで脈の病に効果があると言われています。脈の病とは循環器などの症状のことです。

 

太淵は、手首にあるツボです。親指側の付け根のくぼんでいる場所にあります。親指の腹を使って押しましょう。

少沢

少沢の場所は、小指の外側の爪の付け根です。爪の外側の縁と下側の縁の交わるところにツボがあります。

 

症状が強い方のツボを押しましょう。痛いと感じるくらいの力加減がお勧めです。

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