過活動膀胱の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  7月20日

更新日:2023年 12月14日

本日は過活動膀胱について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 過活動膀胱とは
  • 過活動膀胱の原因
  • 過活動膀胱の症状
  • 過活動膀胱の改善方法
  • 過活動膀胱のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

過活動膀胱は、膀胱に上手に尿を貯めることができない病気

過活動膀胱は、膀胱に上手に尿を貯めることができない病気です。急に我慢できないくらい強い尿意を感じたり、トイレに頻繁に行ったり、我慢できずに尿が漏れてしまったりします。

 

過活動膀胱の症状は、40歳以上の男女の8人に1人が感じているということがわかっています。過活動膀胱は、40歳代から高齢になるほど増え、80歳以上では約4割を超える人が発症しているとも言われています。

 

発症する性別に男女の差はなく、男性も女性も発症する可能性があります。

過活動膀胱の原因は、脳と膀胱を結ぶ神経のトラブルかそれ以外

過活動膀胱の原因は、脳と膀胱を結ぶ神経にトラブルが起きる場合とそうではない場合があります。

 

脳と膀胱を結ぶ神経のトラブルについての詳しくはわかっていませんが、神経が膀胱の尿の量を感じ取って脳に伝え、脳から尿道や膀胱の筋肉に命令を伝えることをがスムーズにできなくなると過活動膀胱が起きると考えられています。

 

過活動膀胱以外の原因には、加齢や骨盤底の筋肉が弱くなることなどが考えられています。

過活動膀胱は、膀胱が過敏になり、頻繁にまたは急に尿意を感じる状態です。過活動膀胱の正確な原因は常に特定できるわけではありませんが、以下に一般的な原因や関連因子を挙げます。

 

膀胱の筋肉の問題:膀胱の筋肉が異常に活動的になると、頻繁に尿意を感じることがあります。

 

神経系の異常:脳、脊髄、または膀胱を支配する神経の損傷や病気が、過活動膀胱の原因となることがあります。

 

尿路感染:尿路感染症は、膀胱の刺激を引き起こし、一時的に過活動膀胱の症状を引き起こすことがあります。

 

膀胱の異常:膀胱結石や腫瘍など、膀胱内の異常が刺激となり、症状を引き起こすことがあります。

 

ホルモン変化:更年期におけるエストロゲンの低下は、女性の膀胱機能に影響を与え、過活動膀胱の症状を引き起こす可能性があります。

 

ライフスタイルの要因:大量のカフェインやアルコールの摂取、過剰な水分摂取などが膀胱を過剰に刺激することがあります。

 

加齢:年齢とともに膀胱の容量が減少し、筋肉の弾力性が低下することで、過活動膀胱の症状が現れやすくなります。

 

肥満:体重の増加は膀胱に余分な圧力をかけ、過活動膀胱の症状を引き起こす可能性があります。

過活動膀胱の症状は、頻尿や尿意切迫感、切迫性尿失禁など

過活動膀胱の症状は、頻尿や尿意切迫感、切迫性尿失禁などです。切迫性尿失禁は、急に強い尿意が起こり、トイレに行く前に漏れてしまうという症状です。

 

ある調べによると、過活動膀胱を発症した800万人のうち、約半数は切迫性尿失禁の症状があるということがあることがわかっています。

 

さらに、強い尿意を感じるのにもかかわらず1回に排泄する尿の量は少ないため、何度も繰り返しトイレに行くという特徴もあります。

過活動膀胱は、膀胱の筋肉が過剰に活動することにより引き起こされる症状群です。この状態の主な症状は以下のとおりです。

 

頻尿:一日に8回以上の頻度で尿意を感じる状態。通常の人よりも頻繁にトイレに行く必要があります。

 

切迫性尿意:急に強い尿意を感じること。この尿意は、しばしば予測不可能で、抑えがたいものです。

 

夜間頻尿(夜尿症):夜間に何度も起きて尿を排泄する必要があります。これは睡眠の質に影響を及ぼすことがあります。

 

尿失禁:切迫性尿意により、間に合わずに尿が漏れることがあります。これは「切迫性尿失禁」とも呼ばれます。

 

これらの症状は日常生活に大きな影響を与え、社会活動や職業活動、さらには精神的健康にも影響を及ぼす可能性があります。

過活動膀胱を改善する主な方法は、薬と生活での注意

過活動膀胱を改善する主な方法は、薬と生活での注意をすることです。症状や生活の状況を詳しくわかっておくためにトイレに行った時間や尿の量などを記録し、改善に役立てることもあります。

 

薬は抗コリン薬を使い、膀胱の過剰な収縮を抑えます。さらに、尿意を我慢することができるようにするトレーニングや骨盤底筋を鍛えるトレーニングを行うことも効果的です。

過活動膀胱の改善方法は、症状を緩和し、生活の質を向上させることを目的としています。以下に、一般的な改善法を紹介します。

 

・ライフスタイルの変更

水分摂取量の調整: 過剰または不足しない適切な水分摂取。

食生活の変更: 刺激物(カフェイン、アルコール、辛い食べ物など)の摂取を控える。

体重管理: 過体重や肥満がある場合は、減量を目指す。

 

・骨盤底筋トレーニング

ケーゲル運動などで骨盤底筋を強化し、尿失禁を予防または改善する。

 

抗コリン薬: オキシブトニン、トルテロジン、ソリフェナシンなど。膀胱の筋肉の過活動を抑える。ベータ3アドレナリン受容体作動薬: ミラベグロン。膀胱の筋肉をリラックスさせる。

 

行動

排尿トレーニング: 定期的な排尿スケジュールを立てる。

尿意遅延: 尿意を感じた際に、徐々にトイレに行くまでの時間を延長する。

 

神経刺激

骨盤底の神経を刺激することで、膀胱の過活動を制御する。仙骨神経刺激や経皮的経神経電気刺激などがあります。

 

ボトックス注射

膀胱の筋肉にボトックスを注射し、筋肉の過剰な収縮を抑制する。

 

手術

他の方法が効果を示さない場合、膀胱拡大術や膀胱の神経を切断する手術が検討されることがあります。

 

これらの方法は、症状の重さや健康状態、生活環境によって異なるため、医師の判断と指示に基づいて適切な改善法が選択されます。

過活動膀胱のための手術は、通常は他の改善方法が効果を示さない場合に検討されます。以下に、過活動膀胱の改善で用いられる主な手術方法を説明します。

 

膀胱拡大術:膀胱の容量を増やすために、腸の一部を使用して膀胱を拡張します。この手術は膀胱の収納能力を増加させ、頻尿や切迫性尿意を減少させることを目的としています。しかし、複雑な手術であり、合併症のリスクがあるため、他の改善が効果を示さない場合に限られます。

 

膀胱の神経を切断する手術:膀胱の神経を切断または破壊し、筋肉の過剰な活動を抑えます。この手術は、膀胱の筋肉の収縮を制御する神経信号を遮断することにより、症状を緩和します。

 

ボトックス注射:ボトックスを膀胱の筋肉に直接注射し、筋肉の過剰な収縮を抑制します。この手術は比較的単純で、通常は局所麻酔下で行われます。効果は一時的であり、数ヶ月後に再び改善が必要になることがあります。

 

仙骨神経刺激装置の埋め込み:骨盤底の神経を刺激する小型の装置を埋め込み、膀胱の過活動を制御します。この方法は、膀胱の機能を改善するために電気刺激を使用します。

 

これらの手術は重大な合併症を伴う可能性があるため、状態や症状の重さに応じて慎重に検討されます。手術は最終手段として考慮され、通常は他の改善法が効果を示さない場合に限られます。

水分の摂取量が多すぎることや薬が頻尿の原因のこともある

過活動膀胱だけではありませんが、頻尿の人は水分を摂取する量が多過ぎることもあります。ただし、病気などがある場合は多くの水分を摂取することが推奨されている場合もあるため注意してください。

 

薬などを使っている場合も薬の作用によって頻尿になっていることがあります。何かの病気によって薬を使用している場合は、医師に相談することもお勧めです。

過活動膀胱に効果的なツボ

中極

中髎

曲泉

中極

中極は、全身の気の流れを調節する任脈上にあるツボです。特に、泌尿器系の症状を改善するためによく使われます。過活動膀胱や尿道炎、膀胱炎、血尿、頻尿などの泌尿器に現れる色々な症状に効果的なのです。

 

他にも、月経不順や月経痛、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮下垂、性感染症、卵巣腫瘍、子宮腫瘍などの症状にも有効です。

中髎

中髎は、泌尿器に現れる症状に対してよく使われるツボです。不妊に対しても使うことが多いです。

 

中髎に刺激をすることは、過活動膀胱や痔疾や膀胱炎、直腸炎などの改善に効果が期待できます。 他にも、前立腺肥大や尿道炎、下痢や便秘、月経不順などにも有効です。

曲泉

曲泉は、肝の母としての水のツボです。曲泉を刺激することは、肝にパワーを与えるため、肝虚を改善するツボなのです。

 

そのため曲泉は、生殖器や泌尿器に現れる症状に対して使われることが多いです。腰痛の改善のためにもよく使われます。

ツボの位置と押し方

中極

中極は、へそから指5本分下に下がった場所にあります。

 

押すときは、ゆっくりと押します。深呼吸をしながら押すと良いでしょう。

中髎

中髎は、仙骨の下のほうにあるツボです。腰とお尻の中間くらいにあります。

 

中髎は温めることも効果的です。温めるときは、仙骨全体をカイロなどで温める方法や腹巻などで温める方法をお勧めしますお風呂で湯船に浸かって温めることもお勧めです。

曲泉

曲泉は、膝を曲げた時にできる皺の内側の端にあります。太い骨の際に位置するツボなのです。

 

押すときは、ちょうどよく刺激を感じるくらいの強さで押します。ゆっくりおしてゆっくり離すことを意識して押すと良いでしょう。

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