反芻症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2023年 2月23日

更新日:2024年 2月14

本日は反芻症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 反芻症とは
  • 反芻症の原因
  • 反芻症の症状
  • 反芻症の改善方法
  • 反芻症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

反芻症は、食べたものを逆流させる行為の特徴がある摂食障害

反芻症は、食べたものを逆流させる行為の特徴がある摂食障害のことです。意図的に食べたものを逆流させる場合もあります。

 

反芻症の人の中には、社会的に逆流させる行為が良くないことであると思っていて、他の行為に装ったり隠そうとしたりすることもあります。

 

食事の量を制限していたり逆流させていることを人に見られないようにしていたりする場合、体重が減ったり栄養不良になったりすることもあります。

 

食べた物を1ヶ月以上にわたって繰り返し逆流させている場合に、反芻症であると判断されます。

反芻症の原因は、心理的な問題や親子関係の問題など

反芻症の原因は、心理的な問題や親子関係の問題などです。幼児や年少の子どもの場合、ネグレクトを受けていたりストレスの多い生活環境に置かれていたりすることが原因で発症するケースが見られるためです。

 

反芻症の発症は、乳児から成人まで幅広い年代で見られます。

反芻症は、食べた食物を意図的に嘔吐せずに胃から口へと戻し、再び咀嚼し、飲み込むまたは吐き出す行動を繰り返す障害です。この状態は、乳幼児、子ども、成人に見られ、特に乳幼児において自然に解消されることもありますが、一部の個人では成長しても続く場合があります。反芻症の原因は完全には明らかにされていませんが、以下に主な要因を挙げます。

 

心理的・感情的ストレス

ストレスや不安、感情的な問題が反芻症の引き金になることがあります。感情的なトラウマやストレスが高い状況は、特に成人や子どもにおいて、この行動を促進することがあります。

 

発達障害

自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害などの発達障害を持つ人々は、反芻症を発症するリスクが高いと報告されています。これらの障害による感覚処理の違いや自己調節の困難が、反芻の行動に影響を与える可能性があります。

 

生理的要因

消化器系の問題、特に胃腸の動きが反芻行動に関連している場合があります。また、胃食道逆流症など、消化器系の既存の状態が反芻症の症状を悪化させることもあります。

 

環境要因

不適切な育児環境やケアの不足、家庭内のストレスが高い環境も、特に幼児において、反芻症の発症に関連することがあります。

 

学習行動

反芻行動が意図せず強化されることもあります。例えば、特定の行動後に注意を引くために反芻を行うなど、学習した行動として定着することがあります。

 

対人関係の問題

社会的な孤立や対人関係の問題も、反芻症の発症に寄与することが示唆されています。

反芻症の症状は、食べ物の吐き戻しを繰り返すこと

反芻症の症状は、食べたり食べさせたりした後に食べ物の吐き戻しを繰り返すことです。

 

逆流は、毎日行われることが多いです。吐き気や胃のむかつきがあるわけではないのに口腔内に上がってきます。意図的に逆流を行なっていることもあります。

 

食べ物はそのまま吐き出すこともあれば、再び飲み込むこともあります。体重が減ったり栄養失調になったりすることもあります。

 

口の前に手を当てたり食べ物の摂取量を制限したりすることで、逆流行為を隠そうとしたり、他人と食事をすることを避けたりすることもあります。

反芻症は、摂取した食物を意図せず胃から口へ戻す行為が特徴の障害です。この行為は反復的であり、しばしば慢性化します。反芻症の症状は個人差がありますが、以下に一般的な特徴を挙げます。

 

反芻行動:摂取した食物を何度も胃から口へ戻し、再び咀嚼し、飲み込むか吐き出す。この行動は通常、食事の後すぐに発生し、意識的な嘔吐とは異なります。

 

消化不良や腹痛:反芻行為により、胃酸が食道に逆流し、炎症や腹痛を引き起こすことがあります。

 

口臭や歯の問題:反芻による胃酸の逆流は、歯のエナメル質を侵食し、口臭の原因となることがあります。

 

体重減少や成長の遅れ:長期にわたる反芻行為は、十分な栄養摂取を妨げ、体重減少や成長の遅れを引き起こす可能性があります。

 

脱水症状:反芻による液体の損失は、脱水症状を引き起こすことがあります。

 

栄養不良:反芻症によって栄養素の吸収が不十分になり、栄養不良に陥ることがあります。

 

社会的・心理的影響:反芻行為は社会的な場面で恥ずかしいと感じることがあり、孤立や抑うつ、不安を引き起こすことがあります。

 

反芻症の潜在的な合併症】

反芻症が改善を行わないまま放置されると、食道炎や胃食道逆流症、歯のエナメル質の侵食、嚥下障害、食道や胃の潰瘍嚥下時の気道への食物の誤嚥による肺炎のような健康上の合併症を引き起こすリスクがあります。

反芻症の改善方法は、行動に介入する方法

反芻症の改善方法は、行動に介入する方法です。

 

乳児や幼児の場合、反芻が起こるたびに口にレモン汁を吹きかけることで、行動を抑える方法が効果的であると言われています。

 

知的障害や発達障害を発症していることに合わせて、反芻症を発症している場合は、知的障害や発達障害の改善に行うことで症状が改善されることもあります。

反芻症の改善方法は、年齢、症状の重さ、そして反芻行動の背景にある原因に基づいて行われます。改善の主な目的は、反芻行動を減らしまたは停止させ、摂取した食物を正しく消化吸収させ、栄養状態を改善し、関連する健康問題を管理することです。以下に、反芻症改善の主な方法を紹介します。

 

行動への介入

反芻症の改善において最も効果的なアプローチの一つです。

 

環境調整: 反芻行動を引き起こす環境因子を特定し、それらを減少させる。

反応阻止: 反芻行動の初期段階で妨害し、行動を中断させる技術。

差別化強化: 正しい食事行動を強化し、反芻行動には反応しないようにする。

 

心理的な介入

反芻症に関連する不安やストレスを管理するために用いられることがあります。

 

認知行動法(CBT): 不健全な思考パターンを特定し、変更することで反芻行動を減少させる。

家族法: 家族全体を巻き込んで、反芻行動の背景にある家庭内の問題を解決する。

 

栄養指導

反芻症により栄養不良が生じている場合、栄養指導が重要です。

 

栄養士による食事計画の作成と指導や鉄分や亜鉛など、欠乏している可能性のある栄養素の補給。

 

反芻症自体に対する特定の薬はありませんが、不安、抑うつなど関連する症状や状態を管理するために薬が用いられることがあります。

 

抗不安薬や抗うつ薬が処方される場合があります。消化器系の問題に対して、プロトンポンプ阻害薬などが使用されることがあります。

 

医学的評価と介入

反芻症が他の医学的状態によって引き起こされている場合、その根本的な原因を改善する必要があります。

反芻症の改善において、薬は主に関連する症状や他の精神医学的状態の管理に用いられます。反芻症自体に対する特定の薬はありませんが、不安、抑うつ、消化器系の問題など、反芻症に伴う症状や根底にある条件を対象とした薬物が処方されることがあります。以下に、これらの状態を管理するために使用される薬物の例を挙げます。

 

「抗うつ薬」

・選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)

例: フルオキセチン(プロザック)、セルトラリン(ゾロフト)

用途: 抑うつ症状や不安症状の管理。

副作用: 吐き気、頭痛、性欲減退、睡眠障害など。

 

抗不安薬」

・ベンゾジアゼピン系

例: ロラゼパム(アティバン)、クロナゼパム(クロノピン)

用途: 不安症状の短期間の管理。

副作用: 眠気、筋力の低下、依存性など。

 

消化器系の薬物」

・プロトンポンプ阻害薬(PPI)

例: オメプラゾール(プリロセック)、ランソプラゾール(プレバシッド)

用途: 胃食道逆流症(GERD)や胃炎の治療。

副作用: 頭痛、腹痛、吐き気、下痢など。

 

薬での改善は、反芻症の全体的な改善の計画の一部として考慮されるべきであり、行動への介入や心理的な介入と併用されることが一般的です。薬での改善中は、副作用や薬物相互作用に注意し、定期的な医師のフォローアップが必要です。

反芻症であるという判断

反芻症では、食べ物の逆流が起こりますが、食べ物が飲み込めなくなることはありません。

 

反芻症を発症している子供は、舌で吸う運動をしながら頭を後ろに倒して背中をそらして弓形になるという特徴的な姿勢が見られます。

 

反芻症であるという判断は、食べ物を1ヶ月以上、繰り返し逆流させており、逆流の原因になる消化管の病気や他の摂食障害の可能性がない場合です。

反芻症に効果的なツボ

・合谷

神門

膻中

合谷

合谷は、自律神経が乱れている時やストレスを感じている時などに効果を発揮するツボです。さらに合谷は色々な症状に対して効果を発揮するツボで、生理痛や胃腸の症状にも効果的です。

 

他にも、疲れ目や肩こり、頭痛や鼻血、鼻水、歯の痛み、視力の低下などに対しても使われます。

神門

神門は、自律神経のバランスを整えるツボです。自律神経が興奮している状態の時、興奮を抑えて気持ちをリラックスさせてくれるのです。

 

ストレスによって便秘などの症状が現れているときや、不安によって精神的に乱れている時にオススメです。

膻中

膻中は、気持ちが落ち込んでいる時にオススメのツボです。膻中には鎮痛安定作用があるため、自律神経の調整をしてくれるのです。

 

気持ちが昂ることによって起こる動悸にも効果を発揮します。

ツボの位置と押し方

合谷

合谷は、親指と人さし指の骨が交わっているところから少し人さし指側に進んだところのへこみ部分にあります。

 

押すときは、親指を使って押しましょう。人差し指の方に向かって押し込むように押すと良いです。

神門

神門は、手のひら側の手首にある横ジワのライン上にあるツボです。小指側にある腱の内側にあります。

 

押すときは、指の先で押しましょう。お灸を行うこともオススメのツボです。

膻中

膻中は、胸部の正中線上にあるツボで、左右の乳頭の間にあります。

 

ストレスが溜めっている時に押すと痛みを感じることもあります。服の上から押しても良いでしょう。

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