グルタミン酸ナトリウム症候群の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  5月10日

更新日:2025年 10月11日

本日はグルタミン酸ナトリウム症候群について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • グルタミン酸ナトリウム症候群とは
  • グルタミン酸ナトリウム症候群の原因
  • グルタミン酸ナトリウム症候群の症状
  • グルタミン酸ナトリウム症候群の原因となる可能性と改善
  • グルタミン酸ナトリウム症候群のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

グルタミン酸ナトリウム症候群は、中華料理店症候群の別名

グルタミン酸ナトリウム症候群は、中華料理店症候群の別名で、中華料理を食べた後15~30分後に一時的に頭痛や顔面紅潮、発汗などの色々な症状が始まる症候群です。

 

当時、症状が現れる原因として、調味料として使われていたグルタミン酸ナトリウムの大量摂取が考えられておりグルタミン酸に対して過敏に反応する体質を持っている人がアレルギー反応を起こしているとされていました。

 

グルタミン酸ナトリウムは、食品添加物の一種で、アメリカの中華料理店で非常に多くの量が使われていたために原因と考えられ、グルタミン酸ナトリウム症候群とも呼ばれるようになったのです。

 

しかしその後、臨床試験の結果から、グルタミン酸ナトリウムを大量に摂取することと症状が現れることの明確な関係性が認められないということがわかっています。

原因がグルタミン酸ナトリウムの摂取と断定することはできない

現在では、グルタミン酸ナトリウム症候群の原因がグルタミン酸ナトリウムを摂取することであると断定することはできません。

 

ある研究で、グルタミン酸ナトリウム症候群になったことがある人に対して、グルタミン酸ナトリウムが大量に含まれる食事を与えた研究があります。

 

その研究では、症状が再現されなかったため、グルタミン酸ナトリウムとグルタミン酸ナトリウム症候群の関係は証明できていません。

 

その後の研究でも、通常の料理に使うグルタミン酸ナトリウムの量では、人間に対しての毒性があるという確認はできていません。

 

現在では、胸焼けやふらつき、顔や肩のこわばり、胸痛などの症状は、グルタミン酸ナトリウムの摂取だけが原因で起きたのではないということが証明されています。

 

また、口から摂取したグルタミン酸ナトリウムは小腸で吸収された後、たんぱく質になるために腎臓や肝臓にとどまるため、全身にまわる血管や脳に入ることはな胃ことからも症状とグルタミン酸ナトリウムの関係はわかっていません。

グルタミン酸ナトリウム症候群の原因

グルタミン酸の過剰摂取: MSGはグルタミン酸の塩であり、グルタミン酸は神経伝達物質として働きます。MSGの過剰摂取が神経系に過剰な刺激を与え、症状を引き起こす可能性があります。

 

ヒスタミン反応: MSGは体内のヒスタミン放出を増加させる可能性があり、これが症状の一部を引き起こす可能性があります。

 

感受性: 個々の体質や遺伝的な感受性がMSG症候群の発生に関与している可能性があります。一部の人々は、MSGに対して特に敏感である可能性があり、その結果、他の人々よりも症状が出やすくなります。

 

プラシーボ効果: 一部の科学者は、MSG症候群の症状は、人々がMSGに対する悪影響を期待することによるプラシーボ効果である可能性があると示唆しています。つまり、人々はMSGを摂取すると症状が現れると予期し、その結果、体がそのように反応する。

症状は、頭痛や発汗、皮膚の潮紅、しびれなど

グルタミン酸ナトリウム症候群の症状は、頭痛や発汗、皮膚の潮紅、しびれや口の中や喉のひりひり感、吐き気、疲労などです。

 

症状は、中華料理を食べた後15分~30分くらいで現れ、2~3時間続きます。

 

グルタミン酸ナトリウムに対してアレルギー反応として、胸の痛みや異常な心拍

、呼吸困難や顔や喉の腫れなどの非常に重い症状が現れることもあります。その場合は、命にも関わるため、できるだけ早く改善を行うことが必要です。

主な改善方法

頭痛: グルタミン酸ナトリウム症候群の最も一般的な症状の一つは頭痛で、これは偏頭痛のような形で現れることがあります。

 

発汗と顔面紅潮: フラッシングや発汗は、身体が過剰に温まると感じる症状です。これは身体が温度を調節しようとする反応で、心拍数の増加と一緒に起こることがあります。

 

顔面のほてりと麻痺感: これは一部の人々が経験する症状で、通常は数時間以内に消えます。

 

胸の締めつけ感: これは心臓の問題ではなく、通常は一時的な不快感です。

 

腹痛と吐き気: MSG摂取後に胃や腸に影響を及ぼす可能性があります。これは吐き気や胃痛を引き起こす可能性があります。

 

全身の無力感や倦怠感: 一部の人々は、全身的な無力感や疲れを感じることがあります。これは数時間後に解消することが一般的です。

症状が現れる原因として可能性のあること

グルタミン酸ナトリウム症候群で症状が現れる原因として可能性のあることは、体質的にビタミンB6が不足していることです。その場合、グルタミン酸ナトリウム症候群の発症を抑えるためには、ビタミンB6を補足することが大事です。

 

グルタミン酸ナトリウム症候群が、中華料理店で食事をした後に見られた場合は、中華料理や料理に使われている食材にヒスタミンの含有量が高いものが多いことからヒスタミン中毒が考えられます。

 

さらに、中華料理のナトリウム含有量が一般的には高いことから血中のナトリウム濃度が上がることも原因として考えられます。

症状が現れた時には

水分補給: 水分補給は、体の脱水状態を防ぎ、体が正常に機能するのを助けます。発汗や頭痛などの症状が出た場合、十分な水分を摂ることが重要です。

 

休息: 症状が現れた場合、十分な休息をとることで体が回復するのを助けます。

 

頭痛薬: 頭痛がひどい場合、一般的な頭痛薬が症状を和らげるのに役立つ場合があります。ただし、これらの薬は医師の指導なしに長期間服用することは推奨されません。

グルタミン酸ナトリウムのことを正しく理解し適切な使い方で使う

グルタミン酸は体の中に存在する非常に重要なものです。特に母乳には、昆布のだし汁の中のグルタミン酸とほとんど同じ濃度のグルタミン酸があると言われており、赤ちゃんは毎日高い濃度のグルタミン酸を摂っていることになります。

 

しかし、母乳を飲んだ赤ちゃんがグルタミン酸ナトリウム症候群で現れるような症状を発症しているわけではありません。ただし、体質によってはグルタミン酸ナトリウムに対して敏感に反応する人もいます。

 

グルタミン酸ナトリウムによる過敏反応であるかどうかを判断するためには、医師に症状や食事での摂取量、食事の内容を評価してもらうことが必要です。気になる症状が現れた場合は、病院に相談に行くことをお勧めします。

 

グルタミン酸ナトリウムは料理をおいしくするために便利な調味料で、旨味調味料として販売されています。食生活を楽しむためにも、グルタミン酸ナトリウムのことを正しく理解し、適切な使い方で使うことが大事です。

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