母指CM関節症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  8月23日

更新日:2024年  2月 1日

本日は母指CM関節症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 母指CM関節症とは
  • 母指CM関節症の原因
  • 母指CM関節症の症状
  • 母指CM関節症の改善方法
  • 母指CM関節症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

母指CM関節は、母指MP関節のさらに中枢にある関節

母指CM関節症は、母指CM関節を支えている靭帯がゆるくなったり関節表面を覆う軟骨がすり減ったりすることで、関節のかみ合わせが悪くなり親指に痛みや動きの制限が起こる病気です。

 

母指CM関節を支えている靭帯がゆるくなったり関節表面を覆う軟骨がすり減ったりする原因は、使い過ぎや加齢などであると考えられています。

 

母指CM関節は、母指の付け根に位置する母指MP関節のさらに中枢にある関節です。母指CM関節は、大菱形骨という手根骨に第1中手骨が乗った構造をしています。

 

大菱形骨は親指をいろいろな方向へ動かすことに対して働いてるため、母指CM関節症では動きの制限が起こるのです。

母指CM関節症の主な原因は、手の使い過ぎや加齢

母指CM関節症の主な原因は、手の使い過ぎや加齢です。最近では、女性に発症する母指CM関節症の場合、ホルモンバランスの変化も発症に関係していると考えられています。

 

親指の痛みは、母指CM関節を支えている靭帯がゆるくなったり関節表面を覆う軟骨がすり減ったりすることで、関節のかみ合わせが悪くなって起こります。

 

関節の軟骨がすり減ると、関節を包む袋である関節包の内側にある滑膜にはがれた軟骨のかけらが散るため、滑膜に炎症が起こったり腫れたりして痛みが起こるのです。

母指CM関節症は、手の親指の根元にある第一中手骨と手根骨を結ぶ関節、すなわち母指CM関節に生じる関節症です。この状態は、関節の軟骨が摩耗または劣化することにより、痛み、腫れ、動きの制限を引き起こします。母指CM関節症が発生する主な原因には以下のようなものがあります。

 

1. 年齢による摩耗

関節の自然な摩耗と老化プロセスは、時間の経過とともに軟骨の減少を引き起こし、母指CM関節症の一般的な原因です。

 

2. 過度の使用

手の使用が多い仕事や趣味、特に親指を頻繁に使う活動は、関節に過剰なストレスをかけ、軟骨の摩耗を早める可能性があります。

 

3. 怪我

親指の怪我や過去の骨折、脱臼などは、関節の損傷を引き起こし、将来的に関節症を発症するリスクを高めます。

 

4. 遺伝的要因

家族歴や遺伝的な要素も、関節症の発症に影響を及ぼすことがあります。特に、関節の形状や構造に関連する遺伝的な特徴は、関節症のリスクを高める可能性があります。

 

5. 性別

女性は男性よりも母指CM関節症を発症する可能性が高いとされています。これは、ホルモンの違いや関節の構造的な違いが原因と考えられています。

 

6. 関節の解剖学的な特徴

関節の形状やアライメントの異常は、特定の関節に過剰なストレスをかけ、関節症の発症につながることがあります。

母指CM関節症の症状は、親指の痛みや動きの制限

母指CM関節症の症状は、親指の痛みや動きの制限です。瓶の蓋を開ける時など、親指に力を入れて摘まんだり掴んだり握ったりする動作を行った時に痛みが現れます。

 

病気が進むと、関節が亜脱臼して骨が出っ張ってきます。 母指が開きにくくなり、MP関節が反って、IP関節が曲がって伸びにくい状態になることもあります。

母指CM関節症は、親指の基底部にある母指CM関節に関連する病状で、この関節の軟骨の摩耗や損傷が原因で起こります。以下に、母指CM関節症の典型的な症状を詳しく説明します。

 

1. 痛み

親指の根元、特に手のひらの側にあるCM関節周辺で痛みを感じます。この痛みは、親指を使う動作によって悪化することが一般的です。

 

2. 腫れと圧痛

関節周辺の腫れや触ると痛むことがあります。この腫れは、関節内の炎症や関節周囲の組織の反応によるものです。

 

3. こわばり

親指の動きが制限されることがあり、特に朝や長時間動かさなかった後にこわばりを感じることがあります。

 

4. 力の低下

親指の使用時に力が入りにくくなり、物を掴む力や握力が低下します。これは日常生活の多くの動作に影響を及ぼし、物を持つことや文字を書くことが困難になることがあります。

 

5. 運動範囲の制限

関節の損傷や痛みにより、親指を動かす範囲が制限されることがあります。特に、親指を他の指に近づける動作や親指を手のひらから遠ざける動作が困難になることがあります。

 

6. クリック音やこすれる感じ

関節を動かす時にクリック音がすることや、骨がこすれ合うような感覚を感じることがあります。これは、関節の軟骨が摩耗して骨同士が直接接触していることが原因です。

 

7. 変形

進行した場合、親指の基底部に変形が見られることがあります。これは、関節の不安定性や軟骨の摩耗による関節の変形が原因です。

母指CM関節症を改善するために大事なことは、安静にすること

母指CM関節症を改善するために1番大事なことは、安静にすることです。テーピングや固定装具などを使って、なるべく負担をかけないようにしましょう。母指CM関節は日常生活を送る上でよく使う部分のため休ませることが大事なのです。

 

負担をかけないように気をつけて休ませることで、炎症が鎮まって痛みが落ち着いてきます。痛みが強い場合は消炎鎮痛剤の湿布や塗り薬、内服薬などを使うこともあります。

母指CM関節症の改善方法は、症状の重さや日常生活への影響度に応じて異なります。改善の主な目的は、痛みの管理、関節機能の維持、改善、日常生活の質の向上です。以下に、一般的な改善法を紹介します。

 

1. 保存的方右方

活動の調整: 特定の活動や動作が痛みを引き起こす場合、それらを避けるか、異なる方法で行うように調整します。

 

物理的方法: 専門家が指導する特定の運動により、親指周りの筋肉を強化し、関節の柔軟性を高めることができます。

 

装具の使用: 親指を安定させ、関節にかかる負担を軽減するためのサポートやスプリントの装着が有効です。特に夜間や特定の活動時に使用することで、痛みの軽減に役立ちます。

 

薬: 炎症や痛みを軽減するために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が処方されることがあります。重度の痛みの場合は、ステロイド注射が関節内に直接投与されることもあります。

 

2. 手術

保存的方法で十分な改善が見られない場合や、関節の損傷が進行している場合には、手術的治療が検討されます。手術の種類には以下のようなものがあります。

 

関節形成術: 損傷した軟骨を取り除き、関節面を滑らかにすることで痛みを軽減し、関節の動きを改善します。

 

関節固定術: 関節の動きを止めるために、関節を固定します。これにより痛みは軽減されますが、関節の動きは失われます。

 

関節置換術: 損傷した関節を人工関節に置き換える手術です。関節の動きを保持しつつ、痛みを軽減します。

 

関節切除術: 損傷した関節の一部を切除し、周囲の組織で隙間を埋めることで、痛みを軽減し、一定の動きを保持します。

 

手術の選択は、年齢、活動レベル、症状の重さ、および関節の損傷の程度に基づいて決定されます。改善法を選択する際には、専門医との詳細な相談が重要です。手術の後のリハビリテーションも、機能回復には欠かせない要素です。

母指CM関節症の改善において、薬は痛みや炎症の管理に役立ちます。使用される薬剤とその使用場面について以下に詳しく説明します。

 

1. 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

使用される薬: イブプロフェン、ナプロキセン、ディクロフェナクなど。

使用場面: NSAIDsは、炎症を抑え、痛みを軽減するために一般的に使用されます。母指CM関節症による軽度から中等度の痛みの場合、経口での摂取または局所的に塗布する形で使用されます。

 

2. ステロイド注射

使用される薬: コルチコステロイド(例: トリアムシノロン)

使用場面: NSAIDsで十分な痛みの軽減が得られない場合や、関節の炎症が顕著な場合に、ステロイド注射が検討されます。関節内に直接投与することで、炎症と痛みを効果的に軽減します。しかし、ステロイド注射は使用回数に限りがあり、長期的な使用は関節の損傷を進行させる可能性があるため、慎重に使用されます。

 

3. 局所鎮痛薬

使用される薬: カプサイシン軟膏やリドカインパッチなど。

使用場面: 関節の痛みを局所的に管理するために使用されます。カプサイシン軟膏は痛みの伝達をブロックすることで効果を発揮し、リドカインパッチは局所麻酔作用により痛みを軽減します。これらは、特に皮膚に直接適用する形で使用され、痛みの軽減を目的としています。

 

4. 鎮痛薬

使用される薬: アセトアミノフェン(パラセタモール)

使用場面: 炎症を伴わない痛みの管理にアセトアミノフェンが用いられることがあります。NSAIDsを使用できない場合の代替として、またはNSAIDsと併用して痛みを管理します。

 

これらの薬は、母指CM関節症に伴う痛みや炎症を緩和するために有効ですが、改善の計画は具体的な状況や症状の重さに基づいて、専門家によってカスタマイズされる必要があります。

 

特に薬での改善を開始する前には、副作用や他の医薬品との相互作用について医師に相談することが重要です。また、薬物はあくまで症状の緩和を目的としており、根本的な原因に対処するためには、物理的な方法や場合によっては手術などの他の改善方法が必要になります。

母指CM関節とは

母指CM関節は、手の甲を上に向けた時、親指から手首に向けての輪郭を見て、手首のやや末梢でくの字に曲がっているところにあります。

 

このくの字の頂点で強い突出が見られる場合、関節のかみ合わせが悪くなっているというサインになります。

 

くの字の頂点を圧迫した時に痛みが起きたり、瓶の蓋を開けようとしたとき親指の付け根から手首の親指側に痛みが起きたりする場合は、母子CM関節症を発症している可能性があります。

 

しかし、母子CM関節症の症状は個人差があります。関節の大きな変形が起こっていても痛みが現れないケースや小さな変形で痛みが現れるケースなど人によって症状に差があるのです。

母子CM関節症に効果的なツボ

魚際

・陽渓

陽池

魚際

魚際は、喉や肺の熱を緩和し呼吸を楽にする働きや、胃の不調や手から肩にかけてのだるさを和らげる働きがあります。押すことで血流が良くなるため、指の痛みにも役立ちます。

 

イライラしている時に刺激をすると呼吸を整えてくれる効果があるため、気持ちを落ち着かせる効果もあります。

陽渓

陽渓というツボの名前の由来は、手の甲は「陽」に属していること、筋と筋の間のくぼみを「渓」ということです。

 

陽渓は、主に手首の関節の病気の改善に役立ちます。肩や腕、肘や手関節の痛みやしびれ、片麻痺などに使われます。他にも、頭痛や耳鳴り、難聴、のどの痛みや腫れ、歯痛、目の充血や痛みなどにも有効です。

陽池

陽池は自律神経のバランスを調整する効果があります。手足の末梢神経の血行を促す効果もあるため、肌荒れや肩凝りにも有効です。

 

他にも、リウマチや腕や手首などの冷え、便秘、頭痛、頭のふらつき、耳鳴り、目の痛み、咽喉の腫れや痛み、手首の痛み、口の乾燥などに効果的です。

ツボの場所や押し方

魚際

魚際は、親指の付け根の上のへこんでいる場所にあります。

 

押すときは、押す側と反対の手の親指を使って押します。爪を使わずに、親指の腹で押すように注意しましょう。

陽渓

陽渓は、手の甲を上にして親指を外に開いた時、手首の親指寄りにできる2本のすじの真ん中のへこんでいる場所にあります。

 

押すときは押す側の反対の手で、手首を握りしめるようにして親指を使って押します。

陽池

陽池は、手首の甲側、腕関節の横紋中央にあります。

 

押すときは、押す側と反対側の手で、手を挟むように持ち、親指を使って押しましょう。小さい円を描くように刺激をする方法もお勧めです。

ツボの位置と押し方

解谿

解谿は、足首の関節の前で、内くるぶしと外くるぶしを結んだ線の真ん中あたりにあるくぼんでいる場所にあります。

 

押すときは、両手で足首を持ち両手の人差し指と中指を使って押します。かかとを手のひらで包むようにしながら親指を使って押す方法でも押しやすいです。

大鐘

大鐘は、内くるぶしとアキレス腱との間にあるツボです。アキレス腱の際にあります。

 

押した時に痛みが強い場合は、痛みを無理して押す必要はありません。息を吐きながら、親指でゆっくりと押していきましょう。

商丘

商丘は、足の内くるぶしの前方の少し下にあるくぼんでいる場所にあります。

 

押すときは、親指を使って押します。ゆっくり押していき、約1~3分押すことをおすすめします。力加減は痛くない程度がおすすめです。

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