臍ヘルニアの鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2023年  3月11日

更新日:2023年  3月12日

本日は臍ヘルニアについて解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 臍ヘルニアとは
  • 臍ヘルニアの原因
  • 臍ヘルニアの症状
  • 臍ヘルニアの改善方法
  • 臍ヘルニアのまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

臍ヘルニアは、臍が飛び出た状態で中に腸管が飛び出した状態になる

臍ヘルニアは、臍が飛び出た状態になり、その中に腸管が飛び出した状態になることです。乳児期に発症する臍ヘルニアは全ての子供が発症する可能性があります。

 

臍ヘルニアは成人にも発症することがあります。成人の場合、臍は臍の緒が閉じた跡で元々弱い場所であることが発症に関係しています。

 

もともと弱い場所に肥満、妊娠、腹水などによって持続的に腹圧が上昇すると発症すると言われているのです。

成人の臍ヘルニアの原因には、肥満や妊娠、腹水が関係している

成人の臍ヘルニアの原因には、肥満や妊娠、腹水が関係していると言われています。 さらに、筋膜の代謝異常などとも関係していると言われています。

 

乳幼児の場合は、強い腹圧がかかることなどが原因です。

 

腹部の皮膚は閉じていても内側にある筋肉の膜が完全に閉じきっていない状態で、赤ちゃんが激しく泣いたり力んだりして強い腹圧がかかると、腸や腹膜の一部が外に押し出されることで発症するとされています。

臍ヘルニアは、腹部の弱い部分、特にへそ周辺の筋肉や組織が弱って、腹部の組織や器官がその部分を押し上げ、体表に突出する病状です。

 

先天性の要素: 人間は胎児の段階で、へその部分は本来母体とつながる臍帯を通すために開いています。通常、生まれる頃にはこの開口部は自然に閉じますが、これが完全に閉じないまま生まれてしまうと、その部分が弱点となり、臍ヘルニアを発症する可能性があります。これは特に新生児や乳児に見られる原因です。

 

物理的な圧力: 腹部に過度の圧力がかかると、弱い部分から組織が突出する可能性があります。これは、慢性的な咳、重いものを頻繁に持ち上げる、便秘による度重なる力み取り、肥満、複数回の妊娠や多胎妊娠など、腹圧が増大する状況下でよく見られます。

 

年齢: 年齢と共に筋肉組織は自然と弱くなり、ヘルニアのリスクが高まります。特に、筋肉の張りや強度を維持するのが難しくなった高齢者には注意が必要です。

 

腹部手術の歴: 腹部を開く手術を受けたことがある人は、手術による組織の損傷や弱さからヘルニアを発症するリスクが増えます。

 

免疫性の病気やコラーゲン異常症: ループスや結合組織の病気など、体の組織やコラーゲンの構造や強度に影響を与える病状もヘルニアのリスクを高めます。

 

これらの原因が組み合わさることで、ヘルニアのリスクはさらに増大します。例えば、高齢であり、重度の肥満で、慢性的な咳を伴う喫煙者は、ヘルニアのリスクが特に高いです。

 

また、遺伝的な要素もヘルニアの発症に関与する可能性があります。特定の家系でヘルニアが頻繁に見られる場合、遺伝的な要素がその発症に寄与している可能性が考えられます。

 

臍ヘルニアの発症メカニズムを理解することは、予防策を講じる上でも重要です。例えば、肥満を避け、適度な運動を行うことで筋肉を強化し、慢性的な咳や便秘の改善を適切に行うなどが挙げられます。

 

しかし、ヘルニアが発症した場合、必ずしも自分で改善するとは限らず、症状が悪化する可能性もあります。重篤な症状や合併症を引き起こす可能性があるため、適切な助けを得ることが重要です。具体的な改善方法は、ヘルニアの大きさ、位置、健康状態などによって異なりますが、多くの場合、手術が推奨されます。

 

手術は主に開腹手術と腹腔鏡手術の2つがあります。開腹手術は伝統的な方法で、腹部を切開してヘルニアを直接修復します。一方、腹腔鏡手術はより侵襲性が少なく、小さな切開部からカメラと手術器具を挿入してヘルニアを修復します。どちらの手術法が適しているかは、状態や医師の判断によります。

臍ヘルニアの症状は臍のふくらみが大きくなって痛みなどが現れる

臍ヘルニアの症状は、臍のふくらみが大きくなって痛みなどが現れることです。臍のふくらみが起こるのは、腸管などの腹部の中の臓器が脱出することによって起こります。

 

場合によっては、臍のふくらみが元の状態に戻らなくなって痛みや吐き気が現れるのです。

 

臍ヘルニアが起こると、ヘルニアの穴が小さいため腸が出たまま入らなくなる嵌頓が発生する危険性が高いです。さらに症状が進むと腸閉塞が発生する可能性もあります。

臍ヘルニアは、へその周囲の組織や腹部の器官が筋肉の弱い部分を通って皮膚の下に突出する状態を指します。症状は個々により異なる場合がありますが、以下に主な症状とそれらがどのように発生するかについて詳しく説明します。

 

可視性の突出物: 臍ヘルニアの最も一般的な症状は、へそ周辺に突出した塊や膨らみを視認できることです。これは通常、立った状態や力を入れるとき(例えば咳をしたり、物を持ち上げたりするとき)に特に顕著になります。

 

痛みや不快感: へその周辺で痛みを感じることがあります。これは一般的に、体位の変化、身体活動、あるいは食事後に特に増加します。激しい痛みがある場合は、ヘルニアが閉塞または捻転している可能性があります。

 

消化器系の症状: ヘルニアには腸や他の消化器官が含まれることがあり、これが影響を受けると消化に関連した症状が現れます。これには、吐き気、嘔吐、便秘、または腹部膨満感が含まれます。

 

皮膚の変化: 長期間放置されたヘルニアや、血流が制限されたヘルニア(閉塞または捻転ヘルニア)は、皮膚に変化を引き起こす可能性があります。このような場合、皮膚は赤くなったり、暖かく感じたり、または感染の兆候として腫れたりします。

 

一般的な不快感: 体調不良、食欲不振、疲労感などの一般的な症状も、ヘルニアの存在を示す可能性があります。これらの症状は他の多くの病状と重なります。

 

臍ヘルニアが進行し、組織が閉塞または捻転すると、症状は急速に悪化し、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。これを「閉塞ヘルニア」または「捻転ヘルニア」といいます。

 

激烈な痛み: ヘルニアが閉塞または捻転している場合、患者は突然、非常に激しい痛みを感じることがあります。この痛みは通常、ヘルニアが形成されている部位に局在します。

 

腫れまたは硬化: ヘルニアが閉塞または捻転している場合、関連する組織は血液供給を失い、壊死が始まります。これは、腫れ、硬化、または触った時の敏感性として表れることがあります。

 

発熱と全身的な不快感: ヘルニアが壊死した場合、全身の感染症の症状、つまり発熱、冷汗、急性の体調不良が発生することがあります。

 

 

 

臍ヘルニアの症状は多種多様で、個々の体の状況によります。

臍ヘルニアの改善方法は、手術

臍ヘルニアの改善方法は、手術です。臍の縁に沿って下側半周の皮膚を切開して筋肉の穴を閉じることで改善を行います。

 

糸は自然に溶ける糸を使うため、手術を行った後に抜糸を行う必要はありません。 退院してからは約1週間、腹部に強い圧がかかる運動は控えることが大事です。

 

乳幼児の臍ヘルニアは、自然に改善することが多いです。1歳までに約8割、2歳までに約9割の人は改善すると言われています。

臍ヘルニアは、特に不快な症状や合併症がない場合、すぐに改善が必要ないと考えられることがあります。しかし、ほとんどの場合、組織の閉塞や壊死を防ぐために、手術による修復が推奨されます。以下では、一般的な改善方法とそれがどのように健康に影響を与えるかについて説明します。

 

観察: 小さな臍ヘルニアで、特に不快な症状や合併症がない場合、医師は観察を推奨することがあります。これは、ヘルニアの進行を監視し、必要に応じて手術を提案することを意味します。

 

手術: しかし、多くの場合、ヘルニア修復手術が最善の選択となります。ヘルニア修復手術は、開腹手術または腹腔鏡手術のいずれかで行われます。

 

開腹手術: この手術では、医師は直接ヘルニアを修復するために、腹部に一つの大きな切開をします。手術後の回復は時間がかかる場合がありますが、しっかりとした修復が可能です。

 

腹腔鏡手術: 腹腔鏡手術は、体への侵襲が少ない方法でヘルニアを修復します。これは、小さな切開を通して腹腔鏡(細長いチューブに取り付けられたカメラ)と特殊な手術器具を挿入することにより行われます。腹腔鏡手術は通常、回復期間が短く、痛みが少ないです。

 

ヘルニアメッシュ: どちらの手術法でも、ヘルニアメッシュと呼ばれる特殊な網状の補強材を使用してヘルニアの穴を覆うことがあります。これによりヘルニアが再発する可能性が低くなります。

 

ライフスタイルの変更: 重量の持ち上げや過度の腹部の圧力を避けるように指導されることがあります。これらはヘルニアの発症を悪化させる可能性があるためです。また、適切な体重を維持し、定期的な運動を行い、栄養豊富な食事を摂ることは、体全体の健康を維持し、ヘルニアの再発を防ぐために重要です。

 

疼痛管理: 手術前後の疼痛管理も重要な部分です。医師は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛薬を処方することがあります。

ヘルニア手術のリスクは、一般的な手術リスク(感染、出血、麻酔に関連する問題など)とヘルニア特有のリスク(再発、網膜の問題、慢性疼痛など)があります。しかし、多くの場合、修復手術の利点はこれらのリスクを上回ります。

 

この改善の目標は、症状の軽減、再発の防止、および閉塞や壊死などの深刻な合併症のリスクを最小限に抑えることです。それぞれの患具体的な状況により、最適な方法は異なります。専門家と密接に連携し、選択肢を十分に理解することが、最善の結果を達成するための鍵となります。

臍ヘルニアの手術

乳幼児は、生まれた後2ヶ月までに医者に臍を見せにいくことが進められています。 生まれた後1ヶ月あたりから臍ヘルニアであるかどうかを判断することができると言われています。

 

生まれてから2ヶ月までに改善に取り組み始めることで、臍ヘルニアの手術を1 歳以降に行うことができます。 ただし1 歳を過ぎても絶対に手術が必要なわけではありません。見た目や症状を考えて手術を行うかどうか決定します。

臍ヘルニアの改善例

事例1: 40代の男性が、自分のおへそ周りに小さな膨らみを発見しました。この膨らみは痛みを伴わないため、最初は彼はそれに気付かなかった。しかし、重いものを持ち上げるときに痛みを感じるようになり、医師に相談することにしました。

 

彼の医師は、臍ヘルニアの判断を確認し、手術修復を提案したため手術を選択し、開腹手術によるヘルニア修復が行われました。手術は成功し、ヘルニアは再発せず、彼は通常の生活に戻ることができました。

 

事例2: 60代の女性が、数年間持続する腹部の不快感と膨満感を経験しました。初めて病院に行った時には、臍ヘルニアの症状が明らかではなかったため、観察と生活習慣の改善が推奨されました。

 

しかし、その後ヘルニアが大きくなっていることが確認され、手術が提案されました。彼女は腹腔鏡手術を選択し、手術は成功しました。術後の回復も順調で、以前の不快感と膨満感はすっかり解消されました。

 

事例3: 30代の男性が、激しい腹部の痛みを伴って病院に運ばれました。閉塞した臍ヘルニアであることが確認され、緊急手術が行われました。彼の場合、開腹手術が選ばれ、閉塞した組織を修復し、ヘルニアを修復しました。回復期間は長かったものの、状態は安定し、全快しました。

 

以上の事例から明らかなように、臍ヘルニアの改善方法は具体的な状況により異なります。ヘルニアの大きさ、位置、症状、そして患者の全般的な健康状態など、これらすべてが計画の決定に影響します。

 

事例4: 70代の男性が長期間にわたって小さな臍ヘルニアを持っていました。そのヘルニアは彼に何の不便もなく、彼の活動に影響を与えていませんでした。したがって、彼の医師は積極的に改善を行う代わりにヘルニアの監視を勧めました。定期的なチェックアップにより、ヘルニアが大きくなったり、症状が悪化したりした場合には迅速に対応できるようになっています。

 

事例5: 若い女性が妊娠中に臍ヘルニアを発症しました。彼女のヘルニアは比較的小さく、彼女やその胎児にとって直ちに危険な状況ではありませんでした。彼女の医師は、彼女の妊娠中と出産後にヘルニアを監視することを選びました。妊娠後、彼女のヘルニアは自然に改善し、追加で改善を行う必要はありませんでした。

 

事例6: 50代の男性が腹部の痛みを伴う大きな臍ヘルニアを発症しました。彼の痛みは、活動を制限し、日常生活に影響を与えるほどでした。彼の医師は、ヘルニア修復のための腹腔鏡手術を推奨しました。彼はこの提案を受け入れ、手術は成功しました。術後の回復は順調で、痛みは解消され、日常生活に戻ることができました。

 

それぞれ状況は違うため、最良の改善戦略もそれぞれ異なります。

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