後鼻漏の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 10月23日

更新日:2024年  4月 4日

本日は後鼻漏について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 後鼻漏とは
  • 後鼻漏の原因
  • 後鼻漏の症状
  • 後鼻漏の改善方法
  • 後鼻漏のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

後鼻漏は鼻の奥に何かがあると感じるが意図的な排斥運動では排除できない状態

後鼻漏は、過剰に分泌された鼻水が喉まで流れ落ちてくる状態のことです。鼻の奥に何かがあると感じるが、意図的な排斥運動では排除できない状態になります。多くの場合は、鼻水が流れ落ちる感覚で不快感や咳といった鼻や喉の奥に苦しい感覚を感じます。

 

鼻水が喉へ流れ落ちてくる時に不快感があり、喉の粘膜を傷つけてしまうこともあるため注意が必要になります。症状が重くなると日常生活にも大きな影響を及ぼします。

後鼻漏の原因はいろいろある

後鼻漏の原因として考えられることは、急性や慢性の鼻炎、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、上咽頭炎、トーンワルト病、逆流性食道炎や咽喉頭酸逆流症、鼻ポリープ、腫瘍、感覚障害、加齢などです。

 

人間は1日に64リットルの鼻水が流れると言われています。普通、鼻から喉に向けて自然に流れる粘液線毛機能という仕組みができているため、何も気にせず流れます。

 

鼻水は2つの細胞がさらさらとした鼻水とどろどろした鼻水を出しており、両方が混ざってできています。しかし、副鼻腔炎などの炎症が起きていると鼻水に粘り気が出てきてしまいどろどろした鼻水の割合が増え、喉の奥に流れる鼻水が止まってしまい自覚しやすくなるのです。

 

病院に行くと喉の奥をみてもらうと思います。医師が目視で確認できる鼻水の後鼻漏は真性後鼻漏です。真性後鼻漏の場合は、鼻の中鼻漏と副鼻腔炎の状態と密接に関係しているため、鼻の構造の問題や副鼻腔炎の炎症度合いによって後鼻漏の重症度が推測できます。

後鼻漏の主な原因

アレルギー:花粉、ダニ、動物の毛、カビなどのアレルギー原因物質に反応して、鼻の粘膜が刺激され、過剰な粘液が生成されます。

 

副鼻腔炎:細菌やウイルスによる副鼻腔の感染が、副鼻腔からの分泌物の増加を引き起こします。

 

風邪やインフルエンザ:上気道感染症は、鼻や喉の粘膜を刺激し、分泌物を増加させます。

 

妊娠:妊娠中のホルモン変化によって、鼻腔の粘膜が腫れ、分泌物が増えることがあります。

 

ガストロエソファジアル逆流症:胃酸が食道へ逆流し、喉や鼻腔に影響を与えることがあります。

 

特定の薬剤の副作用:高血圧の薬や避妊薬など、特定の薬剤が後鼻漏の原因となることがあります。

 

環境因子:乾燥した空気、汚染、温度の変化などの環境因子が鼻腔の刺激となることがあります。

 

食品および飲料:スパイシーな食べ物、アルコールなどの特定の食品や飲料が鼻腔の分泌物を増加させることがあります。

 

後鼻漏は多くの場合、重大な健康問題を示すものではありませんが、症状が長期間続く場合や他の症状が伴う場合は、病院に行くことが重要です。

後鼻漏の症状は、鼻水が喉まで流れ落ちてくること

後鼻漏の症状は、鼻水が喉まで流れ落ちてくることです。鼻水が喉まで流れ落ちてくることによって様々な症状が起きます。咳込みや痰の絡み、喉の引っかかりや違和感や強い不快感などです。

 

強い不快感を感じることによって食事や睡眠などに影響が出て、日常生活に支障が出ることも多いです。

後鼻漏の主な症状

喉の異物感または粘液感:喉の後ろに粘液が絶えずあるような感覚が最も典型的な症状です。

 

連続的な咳:特に夜間や朝方に、喉の刺激によって引き起こされる咳が起こります。

 

喉の刺激や痛み:継続的な咳や粘液によって喉が刺激され、痛みや不快感が生じることがあります。

 

頻繁なのどのクリア:粘液を除去しようとして、頻繁に喉をクリアする必要があります。

 

声のかすれ:声帯が粘液によって刺激され、声がかすれることがあります。

 

悪口臭:粘液が口内に滞留することによる悪口臭が起こります。

 

耳の圧迫感:鼻と耳をつなぐ耳管に粘液が影響を与えることによる耳の圧迫感や詰まりが起こります。

 

息苦しさ:特に粘液が気道を塞ぐことで、呼吸が苦しくなることがあります。

 

嚥下困難:粘液が喉に溜まることにより、食べ物や飲み物の嚥下が困難になることがあります。

後鼻漏は、しばしばアレルギーや感染症など他の病状と関連しています。

 

これらの症状が現れた場合は、特に症状が長期間続く場合や他の症状が伴う場合には、病院に行くことが重要です。

鼻水の量を減らす、鼻水の粘り気をなくす、副鼻腔炎の炎症をなくす

後鼻漏の症状で病院に行くと、多くの場合は抗生物質を処方されたり鼻うがいを勧められたりします。

 

改善方法は原因によって違います。まずは原因となる病気を改善することが大切です。基本的には、鼻水を吸引して吸い出し、薬を使って原因となる病気を改善していきます。病気によっては症状の程度が重い場合、手術を行うこともあります。

後鼻漏の主な改善方法

脱水症状の管理:十分な水分を摂取し、脱水を防ぎます。これにより粘液の粘度が減少し、排出が容易になります。

 

塩水でのうがい:塩水でうがいをすることで、喉の粘液を薄め、刺激を和らげることができます。

 

鼻洗浄:鼻洗浄器や生理食塩水スプレーを使用して、鼻の粘膜を清潔に保ち、余分な分泌物を除去します。

 

抗ヒスタミン薬と点鼻薬:アレルギーが原因の場合、抗ヒスタミン薬やステロイドを含む点鼻薬が有効です。

 

アレルギーの改善:アレルギーが原因である場合、長期的なアレルギーの改善が有効な場合があります。

 

GERDの改善:胃食道逆流症が原因の場合、プロトンポンプ阻害薬などの薬での改善が行われます。

 

気化器や加湿器の使用:空気を湿らせることで、呼吸器系の粘膜を湿潤に保ち、粘液の排出を助けます。

 

環境要因の管理:空気中の刺激物を避けることが重要です。

後鼻漏の改善に使う薬

抗ヒスタミン薬:アレルギーが原因の場合、抗ヒスタミン薬が処方されます。これには、セチリジン(ジルテック)、ロラタジン(クラリチン)、フェキソフェナジン(アレグラ)などが含まれます。抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応を抑え、鼻水やくしゃみなどの症状を緩和します。

 

点鼻ステロイド薬:アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎による後鼻漏には、点鼻ステロイドが有効です。例えば、フルチカゾン(フリックスナーゼ)、モメタゾン(ネゾネックス)、ブデソニド(ライノコート)などがあります。これらの薬は、鼻の粘膜の腫れを減らし、過剰な分泌物を抑制します。

 

アレルギー注射:特定のアレルゲンに対するアレルギー注射が、アレルギー性後鼻漏の改善に用いられることがあります。

 

鼻洗浄:生理食塩水の点鼻や鼻洗浄は、過剰な粘液を洗い流し、鼻の通りを良くするのに役立ちます。

 

GERDの薬:胃食道逆流症が原因の場合、オメプラゾール、ラベプラゾールなどのプロトンポンプ阻害薬やランチジン、ファモチジンなどのH2ブロッカーが処方されます。

鍼灸院でみる後鼻漏

後鼻漏を発症した人で鍼灸院に来院する場合、

①抗生物質の改善が終わった人

②鼻の炎症が止まらないため病院の先生に見捨てられた人

の2パターンの後鼻漏があります。

①と②のそれぞれのタイプで改善方法が違います。

 

①の抗生物質の改善が終わった人は副鼻腔炎は改善しているため、鼻水の粘り気はなく訴えだけが残っています。咽喉頭異常感症といい、鼻の奥の神経が興奮して後鼻漏と誤認しているケースです。

 

②の鼻の炎症が止まらないため病院の先生に見捨てられた人は自分の免疫細胞が過剰に反応してしまい、鼻での炎症が続いています。

 

2パターンに共通する基本的な改善の方針は、鼻水の量を減らすこと、鼻水の粘り気をなくすこと、副鼻腔炎の炎症を限りなくなくすことです。

後鼻漏と咳

後鼻漏では症状としてよく咳が出ることがあります。これは、喉についた鼻水を出そうとして起こる症状です。そのため、無理に抑えず、自然に出すことをおすすめします。

 

常に喉に鼻水が残っている状態になるため、強い不快感を感じることが非常に多いです。強い不快感は、日常生活で欠かせない食事や睡眠などに影響が出ることも多いです。

 

そのため、咳を改善しようと考えるのではなく、後鼻漏を改善していくことが必要です。後鼻漏を改善するためには原因となる病気を改善することが大事です。

後鼻漏に効果的なツボ

鼻通

鼻流

上星

鼻通

鼻通は、鼻筋のちょうど真ん中から真横にあるツボで、多くの人がしこりがある場所です。

 

このしこりは、顔周辺に炎症が起こることでリンパの流れが悪くなり、リンパが頭蓋骨にへばりついてゲル化することでできます。

 

へばりついているジェル上のこりが鼻の異常感覚を引き出し、喉の奥が辛いと訴える人が多いため、鼻通のこりをとることが改善のために大事です。

鼻流

鼻流には、鼻の奥の筋肉を緩める効果があります。刺激をすることで、少しずつ喉の奥の違和感が消えていきます。

上星

上星は、副鼻腔炎に効果を発揮するツボです。花粉症の症状にも劇的に効くツボで、生え際のポイントを刺激することで鼻の通りが良くなります。

 

鼻の通りが良くなるため、寝る前に刺激することで、いびきの防止にもつながります。

 

上星は、頭の血行を良くする効果もあります。そのため、頭痛や頭重感、眼精疲労、めまい、顔の火照りにも効果的です。

ツボの位置と押し方

鼻通

鼻通は鼻の付け根にあるツボで、鼻筋のちょうど真ん中から真横にあります。

 

刺激するときは、人差し指と中指で鼻の横をなぞります。あまり強くやりすぎると循環が良くなりすぎて鼻が詰まったり、副鼻腔炎を持っている場合は炎症が強く感じたりすることがあるため優しく行うことが大事です。

 

1日3回10〜30秒間行いましょう。

鼻流

鼻流は、鼻の下にあるツボです。

 

優しく刺激をすることで、少しずつ喉の奥の違和感が消えていきます。1日3回10〜30秒間刺激を行いましょう。

上星

上星は、顔の正中線上の髪の生え際のへこみ部分にあります。

 

押すときは、人差し指で押します。1日3回10〜30秒間行いましょう。生え際のポイントを刺激することで鼻の通りが良くなるため、ぜひ強い刺激でアプローチをしてください。

鼻の症状は、神経、血管、免疫反応の3つが微妙に絡み合って起きている症状のため、3つのポイントを刺激して全ての原因にアプローチすることが必要です。

 

スギ花粉やヒノキ、ハウスダストが原因の場合は、体に入れないことが大事です。免疫反応を起こさないためにも服や体に付着した花粉は必ず洗い落とすことが必要です。服や体に付着した花粉は必ず洗い落とすことを行った上でセルフケアを行うと非常に効果的です。

 

抗生物質での改善は自分の体の中の良い細菌まで殺しかねないため、飲みすぎには注意が必要です。病院の先生も微妙な判断を強いられているのです。

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