腓骨筋炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  8月23日

更新日:2022年  9月10日

本日は腓骨筋炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 腓骨筋炎とは
  • 腓骨筋炎の原因
  • 腓骨筋炎の症状
  • 腓骨筋炎の改善方法
  • 腓骨筋炎のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

腓骨筋炎は、腓骨筋に炎症が起きること

腓骨筋炎は、腓骨筋に炎症が起きることです。腓骨筋は、脛の上部から外くるぶしの後方を通って土踏まずまで伸びる長い筋肉のことです。

 

腓骨筋炎では、特に足首の周りで痛みが現れることが多いです。

 

腓骨筋は、足の小指側を持ち上げて足の裏を外側へ向けるような動きをする働きをしています。また、足部のアーチを保つためにも働いています。

 

日常生活では、歩いたり走ったりする時に重要な筋肉です。特に足場が良くない場所や不安定になっている場所では腓骨筋の働きは非常に大事になります。

腓骨筋炎の原因として多いものは、足首の捻挫

腓骨筋炎の原因として多いものは、足首の捻挫です。捻挫をしてそのまま放っておいたり何度も繰り返し捻挫をしたりすると、腓骨筋が炎症を起こし、腓骨筋炎を発症するのです。

 

スポーツでは、ジャンプや切り返し、踏み込み動作を行うことの多いスポーツでの発症がよく見られます。サッカーやバスケットボール、ランニングなどは発症することが多いのです。

過度な使用:長時間や高い強度での運動やアクティビティは、腓骨筋に過度のストレスをかける可能性があります。特にランニングやジャンプなどの繰り返し動作は、筋肉や腱に炎症を引き起こすリスクを高めることが知られています。

 

不適切なフットウェア:足に合わない靴や、適切なサポートが提供されない靴を履くことは、足首や足の裏側に不要なストレスを加える可能性があります。特にランニングやウォーキングの際には、適切なシューズの選択が極めて重要です。

 

不均等な地形での走行:斜面や不均等な地形でのランニングは、一方の足に過度なプレッシャーをかける可能性があります。これは、腓骨筋に過度なストレスを加え、炎症を引き起こす要因となり得ます。

 

不適切なトレーニング方法:急激にトレーニングの強度や距離を増やすことは、筋肉や腱に急激なストレスを加える原因となります。徐々に強度や距離を増やすことで、体を適応させることが重要です。

 

バイオメカニクスの問題:足の形状、歩行の仕方、姿勢の問題など、個人の体の構造的または機能的な特性も腓骨筋炎の原因となり得ます。例えば、足の扁平足や外反母趾などの状態は、腓骨筋に不均等なストレスを加える可能性があります。

 

筋肉の柔軟性の欠如:足の筋肉が固く、柔軟性が不足している場合、それが腓骨筋に過度な緊張を引き起こし、炎症のリスクを高めることがあります。したがって、定期的なストレッチングは、腓骨筋炎の予防に役立ちます。

 

過度な体重:体重が増加すると、足にかかるプレッシャーも増加します。これにより、腓骨筋にストレスが増加し、炎症のリスクが高まる可能性があります。

 

これらの原因の中には、個人の努力でコントロールできるものもありますが、バイオメカニクスの問題のような、個人の手の届かない要因も含まれています。

腓骨筋炎の症状は、足の甲やくるぶしの周りに現れる痛み

腓骨筋炎の症状は、足の甲やくるぶしの周りに現れる痛みです。くるぶしの外側に刺すような痛みがあったり腫れが見られたりすることもあります。

 

症状の特徴としては、体の重心を足の外側にかけた時に痛みが現れることや日常生活で歩いている時にも痛みを感じることなどがあります。

 

痛みは、足の屈伸などの腓骨が引き伸ばされる動きや一歩目を踏み出す時、特に現れやすいです。ランニングをしてから1週間経っても足の痛みがなかなか改善しない場合は腓骨筋炎の可能性があります。

足の外側の痛み:最も一般的な症状は、足の外側、特に腓骨筋の経路に沿った痛みです。この痛みは、足首の近くから始まり、足の裏側に沿って上昇することがあります。

 

痛みの増悪:活動や運動、特にランニングやジャンピングなどの繰り返し行動を伴うものを行うと、痛みが増悪することがよくあります。特に、運動の初めや終わりに痛みが強まることが一般的です。

 

足の外側の圧痛:腓骨筋の部位を直接圧迫すると痛みが感じられる場合があります。これは、筋肉や腱に炎症が存在することを示す可能性があります。

 

腫れや熱感:一部では、腓骨筋の周囲に腫れや熱感を伴う炎症の徴候が現れることがあります。

 

活動後のこわばり:長時間の活動や運動の後、足の外側の筋肉にこわばりや硬さを感じることがあります。

 

歩行時の痛み:歩く際、特に長時間の歩行や不均等な地形での歩行によって、足の外側に痛みが生じることがあります。

 

伸ばす動作での痛み:足を伸ばしたり、足首を内側に曲げる動作をすると、腓骨筋が伸展するため痛みが生じることがあります。

 

症状の変動:日によって、または活動の強度や種類によって、症状の重さや質が変わることがあります。

 

これらの症状は、個人の活動量や身体の状態、既存の健康問題などによって異なる場合があります。

インソールやヒールパットなどを使って調整を行う

腓骨筋炎を改善する方法は、インソールやヒールパットなどを使って調整を行うことです。痛みの原因を探しながら、調整を行って痛みを和らげるのです。

 

強い痛みがある場合は、包帯やテーピングなどを使って固定することもあります。

 

腓骨筋が硬くなっている場合は、マッサージを行うことも良いでしょう。ただし、強く押しすぎないようにすることが重要です。

休息:腓骨筋炎は多くの場合、過度な活動やトレーニングが原因となっています。痛みや炎症を和らげるためには、炎症の部位を休ませることが重要です。ストレスをかけないよう、活動を一時的に減少させるか、中断することを考えてみてください。

 

冷却:アイスパックや冷たいコンプレスを痛みのある部位に適用することで、炎症や腫れを軽減することができます。改善の初期段階では、特に有効です。

 

圧迫:圧迫バンドや弾性サポートを使用して、腓骨筋の周囲をしっかりと固定することで、腫れを軽減し、筋肉をサポートすることができます。

 

挙上:足を挙上して休むことで、腫れや炎症を軽減するのに役立ちます。

 

ストレッチング:腓骨筋や関連する筋肉を柔軟に保つことは、症状を和らげるのに役立ちます。しかし、痛みを感じる動きは避け、ゆっくりと穏やかにストレッチを行ってください。

 

物理的な方法:筋肉の強度や柔軟性を改善するための特定のエクササイズやテクニックを学ぶことで、腓骨筋炎の改善や再発の予防に役立つことがあります。

 

整形外科靴:正しいサポートやクッションを提供する靴を選ぶことは、腓骨筋へのストレスを減少させ、症状の和らぎやすさを助けることができます。

 

薬:疼痛や炎症を和らげるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を短期間使用することが、一部では有効です。

 

外部サポート:足首サポートやテーピング技術を使用して、足首や足の外側の筋肉に追加のサポートを提供することで、活動中の痛みを軽減することができます。

 

マッサージ:専門家による筋肉のマッサージは、筋肉の緊張を緩和し、血流を促進するのに役立ちます。

 

ショックウェーブ法や超音波:これらの方法は、痛みを軽減し、炎症の改善を促進することが報告されています。

 

手術:保守的な改善法が効果的でない場合、手術が推奨されることがあります。しかし、これは最後の選択肢として考慮されるものです。

 

 

腓骨筋炎は、適切な方法で改善を受けることで効果的に改善することが多いです。重要なのは、早期に症状を確認し、適切な対応をとることです。

腓骨筋炎の際に適切な靴を選ぶことは、症状の軽減や回復を促進する上で非常に重要です。以下は、腓骨筋炎の改善のために選ぶべき靴の特徴や考慮点です。

 

適切なアーチサポート: 足のアーチ(土踏まずの部分)に適切なサポートが提供される靴を選ぶことで、腓骨筋への過度なストレスを減少させることができます。これは、フラットフィートや高足裏の人に特に重要です。

 

クッション性: 適切なクッション性を持つ靴は、歩行やランニング時の衝撃を吸収し、腓骨筋へのストレスを減少させます。

 

広いつま先ボックス: 足の指が自然に動き、拡がるスペースが必要です。狭いつま先ボックスは足を圧迫し、不適切な動きや筋肉の緊張を引き起こす可能性があります。

 

適切なヒールカウンター: 靴の後ろ部分、特に踵の周りの部分がしっかりとフィットしていることが重要です。これにより、足首の安定性が向上し、適切な歩行動作をサポートします。

 

柔軟性: 靴の前部は、特に足の指の部分で、適度な柔軟性を持っていることが望ましい。ただし、過度な柔軟性はサポートが不足する可能性があるので注意が必要です。

 

耐久性: 耐久性が高く、長持ちする靴は、一貫したサポートとクッションを提供し続けることができます。

 

適切なフィット: すべての足は異なるので、靴を試し履きして、足にフィットするものを選ぶことが必要です。適切なサイズや形状の靴を選ぶことで、足への過度な圧迫や摩擦を避けることができます。

 

専門家のアドバイス: 理学療法士や整形外科医、専門の靴店のスタッフなど、専門家の意見やアドバイスを求めることで、自分の足に合った最適な靴を見つけることができます。

 

最後に、運動やランニングを頻繁に行う場合、特定のスポーツや活動のために設計された靴を選ぶことを考慮してください。例えば、ランニングシューズは、ランニングの際の特定の動作や衝撃を考慮して設計されています。適切な靴を選ぶことで、腓骨筋炎のリスクを軽減し、快適な活動をサポートすることができます。

腓骨筋のストレッチ

腓骨筋のストレッチ方法には、椅子に座って足を引き寄せ反対の膝ももに乗せ、両手で足の甲と足裏をつかんで足首を回す方法があります。

 

足の甲から脛の横部分が伸びている感覚を感じてストレッチを行いましょう。左右の足を20秒ずつ行うことがおすすめです。

 

立った状態で足をクロスして足の甲を床に当て、クロスした足の甲へゆっくりと体重を乗せていくことで、腓骨筋を伸ばす方法もあります。急に体重を乗せ過ぎないように気をつけて左右の足を20秒ずつ行いましょう。

腓骨筋炎に効果的なツボ

承筋

承山

・陰陵泉

・足三里

承筋

承筋は、ふくらはぎの重さやだるさ、脚の疲れやふくらはぎの痛みなどに効果的なツボです。そのため、腓骨筋炎に対しても効果が期待できます。

 

慢性腰痛があり、腰から膝の裏にかけての痛みやだるさがある時やこむら返りが起きた時にもおすすめです。

承山

承山の承は支えるという意味、承山の山は突起や隆起という意味です。ツボのある場所が、ふくらはぎの筋肉が突起している部分であるということから名付けられたと言われています。

 

足の疲れや腰のだるさやむくみを改善する効果のあるツボです。ブーツなど靴によって足がむくんだ時やたくさん歩いて足が疲れた時などに刺激することをおすすめします。

陰陵泉

陰陵泉は、足の疲れや痛みに対して効果を発揮します。そのため、腓骨筋炎に対しても効果が期待できるツボです。

 

ふくらはぎの血液の循環を良くする効果もあり、体の中の余分な水分を外に出し、水分代謝を助けるツボとしても知られているツボです。

ツボの位置と押し方

承筋

承筋は、ふくらはぎの中央の最も盛り上がっている場所にあるツボです。

 

押すときは、両手でふくらはぎを包み込むようにして持ち、左右の親指を重ねて約3~5秒かけて押していきます。繰り返し5~10回行うことがおすすめです。

承山

承山は、つま先立ちした時にふくらはぎの中央のアキレス腱と筋肉の境目にできるくぼんでいる場所にあります。

 

押すときは、足を曲げて左右の親指を重ねて押します。ツボに対して指が垂直になるように押しましょう。承山は強い力で押すと、痛いため強く押しすぎないように注意しましょう。

陰陵泉

陰陵泉は、足の内側の膝の大きな骨の真下のくぼんでいる場所にあります。探すときは、内くるぶしから骨を触って真上に向かって進んで行きましょう。そのとき指が止まる場所にツボがあります。

 

押すときは、親指の腹を使って押します。約3~5秒かけてゆっくりと押しましょう。

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