空の巣症候群の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 11月23日

更新日:2022年  6月 7日

今日は空の巣症候群について解説させていただきます。

☆本記事の内容

 ・空の巣症候群とは

 ・空の巣症候群の原因

 ・空の巣症候群の症状

 ・空の巣症候群の改善方法

 ・空の巣症候群になりやすい人

空の巣症候群は、子供が自立によって空虚感や喪失感が強くなる状態

空の巣症候群は、子供が自立によって自分の役割がなくなったと感じ、空虚感や喪失感が強くなった状態のことです。適応障害のひとつであると言われています。空の巣症候群はエンプティネスト・シンドロームとも呼ばれています。

 

子育てが終わった40代~50代の母親に起こることが多いです。進学や就職、結婚などの子供が自立するタイミングで起こるのです。

 

空の巣症候群では、環境の変化に上手に適応することができないため、ストレスとなり心にも体にも不調が現れます。不調が続くとうつ病につながることもあります。

空の巣症候群の原因は、子供が自立した環境に適応できないこと

空の巣症候群の原因は、子供が自立した環境の変化に適応できないことです。自分の手から子供が離れて外の世界に巣立っていくとき、胸に穴が開いたように感じてしまうのです。

 

さらに、子供中心に送っていた生活が夫婦中心の生活になるという環境の変化がきっかけになることもあります。

 

最近では、家庭内での介護の増加によって、身内の介護が終わったことがきっかけで空の巣症候群を発症することもあります。

空の巣症候群は、子育てが人生の主要な焦点であった親にとって特に一般的です。以下に、空の巣症候群の原因について詳しく説明します。

 

心理的な原因

役割の変化: 子どもの家を離れることで、親としての日常の役割が減少または終了します。これにより、自己同一性の危機や、自分の役割に関する疑問が生じることがあります。

目的喪失感: 子育てが生活の中心であった親にとって、子どもが独立すると生活の目的を失ったように感じることがあります。

 

社会的な原因

社会的期待: 特に母親に対して、子育てを主要な社会的役割と見なす文化的な期待がある場合、子どもが家を離れると、社会的なつながりやアイデンティティを失うと感じることがあります。

孤立感: 子育てを通じて形成された社会的なネットワークや関係が減少することで、孤立感を感じることがあります。

 

個人的な原因

自己価値の問題: 子育てを通じて得られる達成感や満足感が減少することで、自己評価が低下する可能性があります。

人生の他のストレス: 職場の問題や夫婦関係の問題、親の健康問題など、人生の他の領域でのストレスが空の巣症候群を悪化させることがあります。

 

その他の要因

突然の変化: 子どもが大学に行く、結婚する、仕事のために遠くに移るなど、子どもの生活の大きな変化が親に影響を及ぼすことがあります。

空の巣症候群では心にも体にも不調が現れる

空の巣症候群では心にも体にも不調が現れます。体に現れる症状は、食欲不振や動機、息切れ、強い倦怠感や疲労感、吐き気や頭痛などです。

 

心に現れる症状は、喪失感や虚無感、無気力、急に涙が出る、強い孤独を感じるなどです。

 

空の巣症候群では、色々な症状が現れます。洗われる症状も程度も人によって違いますが、ストレスとなって溜まってしまうとうつ病になることもあります。

空の巣症候群は、成人した子どもが家を離れることによって親が経験する心理的な反応です。この症候群は病気ではありませんが、人生のこの段階で親が感じることがある一連の感情を表します。症状は個人によって異なりますが、以下に典型的なものを挙げます。

 

感情的な症状

悲しみ: 子どもの独立は喜ばしい成長の一歩であるにも関わらず、親は自宅を離れる子どもに対して強い悲しみを感じることがあります。

寂しさ: 家が静かになり、子どもの日常の存在がなくなることで、深い孤独感を覚えることがあります。

不安: 子どもが自分で生活していけるか、安全かどうかについて過度に心配することがあります。

目的喪失感: 子育てが主な日々の活動だった親は、自分の役割が終わったと感じ、生活における目的を見失うことがあります。

 

身体的な症状

睡眠障害: 寂しさや心配事により、眠りが浅くなるか、眠りにつきにくくなることがあります。

食欲不振または過食: 感情的な問題が食欲に影響を与えることがあります。

エネルギーの減少: 悲しみや不安により、日常活動に対するエネルギーが落ちることがあります。

 

行動的な症状

過度の連絡: 子どもに対して頻繁に電話やメッセージを送るなど、過度に連絡を取ろうとすることがあります。

趣味や活動への関心喪失: 以前楽しんでいた趣味や社会活動への関心が薄れることがあります。

社会的な引きこもり: 社会的な活動や友人との交流を避けるようになることがあります。

空の巣症候群の改善方法は、早めに病院に相談に行くこと

空の巣症候群の改善方法は、早めに病院に相談に行くことです。

 

そのままにしておくと、ストレスがたまり、状態が悪くなっていくこともあります。そのため、医師に相談し、状態に合わせて正しい処置することが改善のためには非常に大切です。

 

空の巣症候群は適応障害の一つですが、うつ状態が続くと、うつ病と判断されうつ病として改善を行なっていくことが必要になることもあります。

空の巣症候群を改善するためには、新たな生活のステージへの適応と自己成長に焦点を当てることが重要です。以下に、空の巣症候群を改善するための具体的な方法をいくつか紹介します。

 

新しい趣味や活動に参加する

趣味や興味を探求することで、自己成長の機会を見つけ、生活に新たな意味を与えることができます。芸術、音楽、スポーツ、園芸、読書クラブなど、自分に合った活動に挑戦してみましょう。

 

社会的なつながりを強化する

友人や家族との関係を再構築し、新たな人々と出会うことで、孤独感を克服できます。地域のイベントやクラブに参加する、ボランティア活動に参加するなど、社会的な活動に積極的に関わりましょう。

 

パートナーとの関係を深める

子どもが家を離れると、パートナーと二人だけの時間が増えます。この機会を利用して、関係を強化し、共通の興味や活動を共有しましょう。

 

自己改善に投資する

個人的なスキルやキャリアの発展に時間を費やすことも有効です。オンラインコースや夜間講座に参加して、新たなスキルを学ぶことができます。

 

カウンセリングやセラピーを受ける

感情を整理し、この過渡期を乗り越えるために、専門家の支援を受けることが有益です。カウンセリングやセラピーでは、感情を表現し、新たな生活の節目に適応する方法を学ぶことができます。

 

健康的なライフスタイルを維持する

健康的な食事、定期的な運動、十分な睡眠を心がけることで、体と心の両方の健康を支えることができます。

 

自分へのご褒美

自分自身を大切にし、自分へのご褒美を忘れないようにしましょう。マッサージや旅行、好きな本や映画を楽しむことも、気分転換に役立ちます。

 

空の巣症候群を改善するためには、自分自身の感情を認め、新しい生活の段階への適応を試みることが大切です。時間が経つにつれて、新しい生活のリズムを見つけ、充実感を感じることができるようになります。

空の巣症候群で症状が特に強い時、特に感情がコントロールできない、日常生活に大きな支障をきたす、深刻な悲しみやうつ症状が続く場合には、専門家の助けを求めることが賢明です。病院では、以下のような対処法を提供することができます。

 

心理的評価

医師や心理士は現在の心理的状態、症状の程度、日常生活への影響の度合いを評価します。これには、感情、思考パターン、行動、身体的な症状などに関する詳細な質問が含まれることがあります。

 

カウンセリングや心理的方法

認知行動法: 負の思考パターンと感情、行動の間の関係を理解し、より健全な思考パターンへと変化させる方法を提供します。

家族法: 家族関係の改善に焦点を当て、家族全体が状況に対処するためのサポートとガイダンスを提供します。

対人関係法: 対人関係の問題に焦点を当て、他人との関係を改善する方法を探ります。

 

症状がうつ病に似ている場合や、心理的方法だけでは十分な効果が得られない場合には、抗うつ薬が処方されることがあります。これにはSSRIやSNRIなどが含まれます。

 

サポートグループ

同じような経験をした他の人々と情報や経験を共有することで、孤独感を減少させ、新たな対処方法を学ぶ機会を提供します。

 

専門家を訪れることで、ひとりひとりの状況に合った改善の計画を立て、適切なサポートとガイダンスを提供することができます。症状が強い場合や、自分一人での対処が難しいと感じたら、遠慮せずに専門家の助けを求めることが大切です。

空の巣症候群になりやすい人の特徴

空の巣症候群になりやすい人には特徴があります。努力家の人や家庭の外に交流の場がない人、パートナーとの信頼関係が構築できていない人などです。

 

努力家という性格は、向き合う対象がなくなると強い喪失感が生まれることがあるため、空の巣症候群を発症しやすくなります。

 

家庭の外に交流の場がない場合は、子供が自立すると、話し相手がいなくなったり、空白の時間ができてしまったりするために空の巣症候群を発症しやすいです。

 

パートナーとの信頼関係が構築できていない場合は、虚しさを共有できなかったり空白の時間を一緒に過ごすことができなかったりすることで悩む人が多いです。その場合、空の巣症候群につながりやすいのです。

 

趣味をもったり、子供と関わることのできる場に参加するようにしたり、パートナーと話し合ったりすることで自分の時間を楽しめるようになれば空の巣症候群を防ぐことができます。自分の役割や楽しみを見つけることをお勧めします。

空の巣症候群に効果的なツボ

大敦

心兪

厥陰兪

大敦

大敦は、イライラした時に効果的なツボです。そのため、空の巣症候群でストレスを抱えているときに刺激をすることがおすすめのツボなのです。

 

他にも、目眩やだるさを和らげる効果もあります。大敦への刺激は肝機能を高める効果もあるため、二日酔いにも効果的であるとされています。

心兪

心兪のツボの名前の由来は、心の気が巡って体表に現れる場所であることだと言われています。

 

心兪は、ノイローゼやヒステリーや疲れなどに効果を発揮します。そのため、空の巣症候群の症状も和らげる効果が期待できるのです。

 

背中にあるツボのため、背中の凝りによって首の痛みや腕の痛みが現れている時にも効果的です。

厥陰兪

厥陰兪は、むかつきや嘔吐、ストレス、疲れ、更年期障害などに効果的なツボです。ストレスによって食べ過ぎてしまう時にも刺激をすることで、気持ちが和らぎ食べ過ぎを防いでくれると言われています。

 

さらに、バスト周りの血行をよくする働きもあるため、バストアップや母乳の出をよくするためにも役立つツボです。

ツボの場所と押し方

大敦

大敦は足にあるツボです。足の親指の爪の根元の外側にあります。爪の角から2ミリ外側に進んだ場所がツボの場所です。

 

押すときは、爪楊枝や割り箸などの先が細い棒で押すとより大きな効果が期待できます。

 

大敦は、お灸もおすすめで、めまいなどの症状がある場合はお灸を試してみると良いでしょう。

心兪

心兪は、背骨と肩甲骨の間で、肩甲骨の下部の高さにあるツボです。探すときは、その辺りを触ってみ心臓の鼓動が感じられる場所を探すと見つけやすいです。

 

自分で押すときは、体を傾けて体重を使って押します。1回30秒ほど、1日に1~2回押すことがおすすめです。

厥陰兪

厥陰兪は、左右の肩甲骨の内側にあるツボです。背骨を挟んだ両側あたりがツボのある場所です。

 

押すときは、温めてからツボを押すとより高い効果が期待できます。筋肉は温めることで血行が良くなり、緩みやすくなるため、入浴後に刺激をすることをお勧めします。

営業時間

11時から21時

営業日
 

11時~21時迄

休業日

年末年始

お問合せ
080-1802-9798