嚢胞性肺疾患の鍼灸【原因・定義・症状

公開日:2022年 12月23日

更新日:2024年  4月 3日

本日は嚢胞性肺疾患について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 嚢胞性肺疾患とは
  • 嚢胞性肺疾患の症状
  • 嚢胞性肺疾患の原因
  • 嚢胞性肺疾患の改善方法
  • 嚢胞性肺疾患のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

嚢胞性肺疾患は、肺に大きな中空の袋のような構造ができること

嚢胞性肺疾患は、肺に大きな中空の袋のような構造ができることです。袋の大きさは人によって色々です。1cm以下と小さいこともあれば鶏の卵くらいの大きさのこともあります。

 

大きい場合は、肺がおさまっている胸腔と肋骨で囲まれたスペースを押しつぶすくらい大きいこともあります。大きい袋ができている場合は、ほかの肺や周りの臓器を押すため、息苦しさや胸の痛みなど症状が現れます。

 

原因はいろいろあり、先天性の場合もあります。先天性の場合は、肺分画症、気管支閉鎖症、先天性嚢胞性腺腫様奇形などがあります。

嚢胞性肺疾患の原因は、いろいろ

嚢胞性肺疾患の原因は、いろいろあります。原因としてあげられることは、先天的に肺の構造に異常があったり、マルファン症候群など細胞をつなぎ止める結合組織が弱い病気であったりすることなどです。

 

肺炎や肺結核や寄生虫感染などによって肺の炎症が起こり肺胞の壁が崩れることが原因となることもあります。また、原因がわからないこともあります。

 

先天的に肺の構造に異常がある場合で嚢胞性肺疾患を発症した場合は、肺分画症、先天性嚢胞状腺腫様奇形、気管支原性嚢胞、気管支性嚢胞などに分けることができます。

嚢胞性肺疾患とは、肺内に嚢胞が形成されることで引き起こされる病気の総称であり、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。

 

遺伝的要因

嚢胞性肺疾患の一因として、遺伝的な要因が関与していることがあります。代表的なものとして嚢胞性線維症があり、これは嚢胞性線維症遺伝子の変異により、肺内の粘液が異常に分泌され、それが原因で肺内に嚢胞が形成される病態を引き起こします。嚢胞性線維症は遺伝性の病気であり、両親からの遺伝子の受け継ぎによって発症します。

 

感染症

嚢胞性肺疾患は、肺内に感染が生じることで引き起こされる場合もあります。肺内に細菌やウイルスが侵入し、感染が生じると、それが原因で肺内に嚢胞が形成されることがあります。特に肺炎や結核などの感染症が引き起こす嚢胞性肺疾患には注意が必要です。

 

環境要因

嚢胞性肺疾患は、環境要因によっても引き起こされることがあります。たとえば、空気中の塵や花粉、化学物質などが肺に入ることでアレルギー反応や炎症が生じ、それが原因で肺内に嚢胞が形成される場合があります。

 

免疫系の異常

免疫系の異常も嚢胞性肺疾患の原因の一つと考えられています。免疫系の異常により、肺内に炎症が生じると、それが原因で嚢胞が形成されることがあります。特に自己免疫疾患や免疫不全状態が原因で肺内に嚢胞が形成されることがあります。

 

外傷や手術

外傷や手術が原因で肺内に嚢胞が形成される場合もあります。たとえば、肺に傷が付いたり、手術により肺組織が損傷されると、それが原因で肺内に嚢胞が形成されることがあります。

 

以上が嚢胞性肺疾患の主な原因となりますが、これ以外にも様々な要因が関与している可能性があります。

息苦しさや胸の痛みなどの症状が現れる

嚢胞性肺疾患の症状は、嚢胞が小さい場合は特にありません。袋が大きい場合は、ほかの肺や周りの臓器を押すため、息苦しさや胸の痛みなどの症状が現れることもあります。

 

袋の壁は弱いため、破裂することもあります。袋が破裂した場合、口から吸いこんだ空気が胸腔の内部で肺の外に漏れて胸腔の中に溜まり気胸が起こります。

 

袋には、感染症が起こることもあります。感染症が起こると、熱や痰、咳などがみられます。

・咳

嚢胞性肺疾患では、咳が現れることがあります。嚢胞が肺に形成されることで、気道が狭くなったり、異物が気道に入り込むことで咳が誘発される場合があります。また、感染症が原因で嚢胞性肺疾患が引き起こされる場合もあり、感染による咳が現れることもあります。

 

喀痰

咳とともに、喀痰が現れることもあります。喀痰は、気道や肺内の粘液が排出されるもので、風邪や肺炎などの病気でも見られる症状です。嚢胞性肺疾患の場合、肺内の嚢胞が炎症を引き起こし、それが原因で喀痰が増加する場合があります。

 

呼吸困難

嚢胞性肺疾患では、呼吸困難が現れることがあります。嚢胞が肺に形成されることで、肺の機能が低下し、呼吸が困難になる場合があります。また、肺内に液体が溜まることで、肺の膨張が妨げられ、呼吸が困難になることもあります。

 

胸痛

嚢胞性肺疾患では、胸痛が現れることもあります。嚢胞が肺に形成されることで、肺組織が損傷され、それが原因で胸痛が生じる場合があります。また、肺内に感染が生じると、それが原因で胸痛が現れることもあります。

 

発熱

嚢胞性肺疾患の原因が感染症である場合、発熱が現れることがあります。感染により体温が上昇し、発熱が生じる場合があります。発熱は、体が感染に対抗しようとする反応であるため、嚢胞性肺疾患の場合でも感染が原因で発熱が現れることがあります。

 

痰の色の変化

嚢胞性肺疾患の場合、痰の色が変化することがあります。たとえば、感染症が原因で嚢胞性肺疾患が引き起こされる場合、痰の色が黄色や緑色に変化することがあります。これは、感染により炎症が生じ、それが原因で痰の色が変化するためです。

 

以上が主な症状となりますが、これ以外にも様々な症状が現れる可能性があります。

嚢胞性肺疾患の改善方法は、手術

嚢胞性肺疾患の改善方法は、手術です。息苦しさなどの症状があったり、周りの臓器を押していたり、破れて問題を起こす可能性があったり、気胸を起こしていたりする場合は、手術によって袋を切り取ります。

 

近年、行う手術は開胸手術ではなく、胸に小さい穴を開けて細い器具を入れる胸腔鏡手術が増えています。

 

感染症がある場合、抗生物質を使ったり、痰を取る薬を使ったりします。

嚢胞性肺疾患の改善方法は、その原因や症状の重症度によって異なります。

 

嚢胞性肺疾患の改善方法には、さまざまな薬物が使用されることがあります。その中でも主なものとして以下のような薬物が挙げられます。

抗生物質:感染症が原因で嚢胞性肺疾患が引き起こされている場合、適切な抗生物質の投与が行われます。

ステロイド:炎症の抑制や免疫系の調整を目的として、ステロイド薬が使用されることがあります。

喘息の薬:嚢胞性肺疾患が喘息に関連している場合、吸入ステロイドや長時間作用型β2刺激薬などの喘息治療薬が使用されることがあります。

鼻腔洗浄:アレルギー反応や感染による症状の軽減を目的として、鼻腔洗浄が行われることがあります。

 

酸素の補充

嚢胞性肺疾患の中には、肺の機能が低下しているために酸素が不足している場合があります。そのため、酸素の補充が行われることがあります。酸素の補充では、酸素濃縮器や酸素ボンベを使用して、必要な酸素を供給します。

 

リハビリテーション

嚢胞性肺疾患の中には、肺の機能が低下しているために運動能力が低下している場合があります。そのため、リハビリテーションが行われることがあります。リハビリテーションでは、呼吸法の指導や運動などが行われ、運動能力の向上や日常生活の質の向上を目指します。

 

手術

嚢胞性肺疾患の中には、手術が必要な場合もあります。たとえば、嚢胞性線維症による肺移植や、嚢胞の摘出手術などが行われることがあります。手術は、症状の重症度や患者さんの全身状態を考慮して、医師により判断されます。

 

以上が嚢胞性肺疾患の主な改善法となりますが、これ以外にも様々な改善法が存在する可能性があります。

嚢胞性肺疾患の改善には、病態や原因、症状によって様々な薬が使用されます。

 

抗生物質

感染症が原因で嚢胞性肺疾患が引き起こされている場合、感染を引き起こしている細菌や真菌に対して効果的な抗生物質が使用されます。例えば、細菌感染に対してはペニシリン系やマクロライド系などの抗生物質が、真菌感染に対してはアゾール系やエキノカンジン系などの抗真菌薬が使用されることがあります。

 

ステロイド

嚢胞性肺疾患がアレルギー反応や自己免疫反応によるものである場合、ステロイド薬が使用されることがあります。ステロイド薬は炎症を抑制し、免疫反応を調整することで症状の改善を目指します。

 

喘息の薬

嚢胞性肺疾患が喘息に関連している場合、喘息の薬が使用されることがあります。例えば、吸入ステロイドや長時間作用型β2刺激薬などが使用されます。

 

鼻腔洗浄薬

アレルギー反応や感染による症状の軽減を目的として、鼻腔洗浄薬が使用されることがあります。これは、鼻腔内の異物や病原体を洗い流すことで症状の改善を目指します。

 

以上が主な薬での改善の例ですが、嚢胞性肺疾患の原因や症状は多岐にわたるため、改善法も状態に合わせて個別に決められることが一般的です。そのため、医師の指導のもとで行うことが重要です。

手術によって嚢胞を切除した後

嚢胞性肺疾患を改善するためには手術を行うことが多いです。

 

手術によって嚢胞を切除した後は、本来あるべき空間を肺に確保することができます。さらに嚢胞が心臓や肺、縦隔を圧迫している場合は、手術によって呼吸循環状態も安定します。

 

しかし、手術を行った後、しばらくの間は人工呼吸が必要になることもあります。

嚢胞性肺疾患に効果的なツボ

・肺兪

・尺沢

・雲門

肺兪

肺兪は、昔、肺に繋がって肺に気を送る場所であると考えられていました。肺兪の効果は、内臓の機能や全身の機能を整えることです。

 

呼吸器系の症状を和らげたり、息切れや呼吸困難、息苦しさを改善したりする効果があります。インフルエンザなどの予防や風邪の症状を和らげるためにも使われます。

尺沢

尺沢は、呼吸器に現れる色々な症状に効果を発揮します。そのため、嚢胞性肺疾患の症状に対しても役立つことが期待されます。

 

尺沢は咳や痰、喉の痛みに特に有効です。風邪の症状で口の渇きや喉の渇きがある時にもお勧めです。

雲門

雲門は肺経に属するツボです。そのため、肺に関係する咳や喘息などの症状に効果的です。また、息苦しい時にも効果を発揮するツボです。

 

さらに、胸部と肩に通じる場所にあることから胸部と背部のこりにも有効です。

ツボの位置と押し方

肺兪

肺兪は、胸椎の3番目と4番目の間でへこんでいる部分から指幅2本分外側に進んだ場所にあります。

 

背中にあるツボのため、ツボを押すときは家族やパートナーに押してもらうと良いでしょう。呼吸が苦しいときは使い捨てカイロで温めることもお勧めです。

尺沢

尺沢は、手の平を上にして肘を曲げた時にできるシワの上にあります。親指側にある筋肉の外側を探しましょう。

 

押すときは親指を使って程よい強さで押しましょう。咳などの症状があるときは押すと痛みがあるため力加減を自分で調整しながら押してください。

雲門

雲門は、鎖骨の下縁から肩に向かって進んだ時のくぼみにあります。

 

押すときは、ゆっくり押しましょう。軽い力で叩いて刺激をしても良いでしょう。

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