爪周囲炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  9月10日

更新日:2022年 10月22日

本日は爪周囲炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 爪周囲炎とは
  • 爪周囲炎の原因
  • 爪周囲炎の症状
  • 爪周囲炎の改善方法
  • 爪周囲炎のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

爪周囲炎は、爪の周りが赤く腫れるなどの炎症を起こすこと

爪周囲炎は、爪の周りが赤く腫れるなどの炎症を起こすことです。爪の周りがささくれなどで傷つくことで細菌が入ることで炎症が起こります。

 

爪周囲炎が起こってもそのまま放っておくと、症状がさらに進、膿が見られるようになるため、できるだけ早く改善に取り組むことが大事です。

原因は、ささくれやふかづめ、陥入爪やネイル、爪を噛むくせなど

爪周囲炎の原因は、ささくれやふかづめ、陥入爪やネイル、爪を噛むくせなどです。このような原因によって細菌が入り込み、爪周囲炎が起きるのです。

 

原因となる菌は主に、黄色ブドウ球菌とレンサ球菌です。場合によっては、大腸菌や緑膿菌なども原因となることがあります。

 

爪周囲炎が起きると、爪の根もとに向かい化膿が進みます。

爪周囲炎は爪の周囲の皮膚が赤く腫れ、痛みを伴う状態を指します。この症状は非常に一般的であり、一般的には細菌や真菌の感染、損傷、異常な爪の成長に起因します。爪周囲炎の原因について詳しく見てみましょう。

 

感染:爪周囲炎は最も一般的には細菌感染、特に黄色ブドウ球菌やA群連鎖球菌による感染によって引き起こされます。これらの細菌は、皮膚の表面で通常は問題を引き起こさないが、爪周囲の皮膚に裂け目や小さな傷がある場合、これらの開口部を通じて侵入し感染を引き起こすことがあります。また、爪周囲炎はカンジダと呼ばれる特定の種類の真菌による感染によっても引き起こされることがあります。

 

損傷: 爪を噛む、爪を切りすぎる、あるいは手や爪を粗雑に扱うことは皮膚を損傷し、爪周囲炎を引き起こす可能性があります。また、一部の職業、特に水に頻繁に触れる必要がある職業では、爪周囲炎が発生する可能性が高くなります。

 

爪の異常な成長: 爪が正常に成長しない場合、爪周囲炎を引き起こす可能性があります。これには爪の成長の異常、爪の形状の変化、または爪の厚みの増加が含まれます。

 

皮膚病: 湿疹、乾癬などの皮膚の病状は、皮膚が乾燥し、ひび割れ、爪周囲炎を引き起こす可能性があります。

 

免疫系の病気: ループスやレイノー病といった免疫系の病気も爪周囲炎の原因となり得ます。

 

これらの要因は爪周囲炎の主な原因であり、個々の人によってその影響は異なります。理解する重要な点は、これらの要素が組み合わさって爪周囲炎を引き起こす可能性があるということです。

 

例えば、手に水を頻繁に触れる仕事をしている人は、皮膚の乾燥やひび割れを経験する可能性が高く、これが細菌や真菌の侵入を容易にし、感染を引き起こす可能性があります。また、免疫系の病気を持つ人は、皮膚や爪の問題を経験する可能性が高く、爪周囲炎のリスクが増加します。

 

さらに、爪を噛む、爪を切りすぎる、または手を粗雑に扱うという行為は、皮膚を損傷し、爪周囲の皮膚の感染を引き起こす可能性があります。このような行為は爪周囲炎のリスクを増大させ、特にすでに皮膚の問題を抱えている人にとっては更なる問題を引き起こす可能性があります。

爪周囲炎の症状は、爪の周りの痛みや赤み、腫れなど

爪周囲炎の症状は、爪の周りの痛みや赤み、腫れなどです。症状が進むと膿がたまって黄色くなります。

 

痛みなどの症状は、爪の側面や付け根に現れ、ずきずきとするような痛みです。痛みによって眠れない場合もあります。

爪周囲炎は、爪の周りの皮膚が赤く、腫れ、そして痛む状態を指す一般的な皮膚の症状です。この病状は爪の周りの皮膚が感染したり損傷を受けたりすると発生します。

 

痛みと敏感さ: 爪の周りの皮膚が敏感になり、触れると痛みを感じることが一般的です。この痛みは時には爪を使うための日常的な動作、例えば書くことや物をつかむことを困難にすることがあります。

 

赤みと腫れ:爪周囲炎は通常、爪の周りの皮膚が赤く腫れ上がることを特徴とします。これは、細菌や真菌が皮膚に侵入して感染を引き起こすためです。

 

爪の変化:爪周囲炎が進行すると、爪の色、形状、またはテクスチャに変化が見られることがあります。爪は厚く、変形し、または割れることがあります。

 

排膿:重度の爪周囲炎では、感染した領域から膿が排出されることがあります。この膿は通常、黄色または白色であり、感染の典型的な兆候です。

 

温度の上昇:感染部位は通常、他の皮膚よりも暖かく感じることがあります。

 

爪周囲炎が進行すると、痛みが増大し、感染が拡大する可能性があるためです。

 

 

爪周囲炎の症状が見られる場合、それが一過性のものであっても、何らかの潜在的な皮膚の問題が存在する可能性を示しています。乾燥した皮膚、皮膚の剥がれ、ささくれ、あるいは割れた爪などが爪周囲炎を引き起こす可能性がある環境を作り出している可能性があります。したがって、爪周囲炎の症状が見られた場合は、皮膚の健康に対する一般的なケアと保湿のルーチンを見直すことも重要です。

 

さらに、特定の行動や習慣が爪周囲炎の症状を引き起こすか悪化させる可能性があります。これには、爪を噛む、爪を切りすぎる、または手を粗雑に扱うといった行動が含まれます。これらの行動は、皮膚をさらに損傷させ、感染のリスクを高めます。

爪周囲炎の改善方法は、抗生物質と冷湿布を使うこと

爪周囲炎の改善方法は、抗生物質と冷湿布を使うことです。膿がたまっている場合は、切開して膿を出します。

 

爪が食い込んでいることによって爪周囲炎が起こっている場合は、食い込んでいる爪の一部を部分的に切除することもあります。

爪周囲炎は、爪の周りの皮膚が赤く、腫れ、そして痛む状態で、特定の改善が必要となることがあります。その程度と原因によりますが、治療は自己ケアから医師による介入までさまざまです。以下に、爪周囲炎の主な改善方法を詳述します。

 

自己ケア:爪周囲炎の初期の段階や軽度の場合、自己ケアが有効です。それには、爪の周りの皮膚を清潔に保つ、保湿を行う、爪を噛んだり引っ掻いたりすることを避けるなどが含まれます。また、手袋を使って手を湿気や水から守ることも役立ちます。

 

薬物療法:爪周囲炎が感染を引き起こしている場合、抗生物質や抗真菌薬が必要となることがあります。これらは通常、塗り薬または錠剤の形で処方され、感染を改善し症状を和らげます。

 

トップカルステロイド:これらは皮膚の腫れを減らし、赤みや痛みを軽減するために用いられます。ステロイドクリームやローションは、通常、医師の指示に従って使用されます。

 

手術:重度の爪周囲炎や、他の方法が効果を発揮しない場合、手術が必要となることがあります。これは、感染した皮膚を取り除くため、または爪の成長を改善するために行われます。

 

ビタミンとサプリメント:ビオチンや他のビタミンは爪の健康をサポートし、爪周囲炎の再発を防ぐことができます。

 

これらの方法を適用するにあたっては、各人の症状、一般的な健康状態、そして症状の原因を考慮することが重要です。ある改善方法がある人には効果的であるとしても、他の人に同じ効果があるとは限りません。

 

したがって、爪周囲炎の症状が見られた場合、まず最初に皮膚科専門医に相談することを強くお勧めします。

爪周囲炎が起こった場合には、病院に行く

爪周囲炎が起こった場合には、病院に行くことをおすすめします。爪や爪の中、爪の周りの皮膚に異常がある場合は、皮膚科に行くことがおすすめです。

 

爪の違和感だけではなく、骨や指にも腫れが見られたりぶつけたり打ち付けたりなどの心あたりがある場合は、整形外科や形成外科に行くことをおすすめします。

爪周囲炎に効果的なツボ

井穴

大椎

合谷

井穴

井穴は、自律神経のバランスを整える働きを高めることです。さらに、冷えを感じた時に刺激をすることで、体の中で滞った血液を体の隅々にまでまんべんなく行きわたらせ、血液の流れを整える効果もあります。

 

爪の周りにあるため、爪の周りに対しても良い影響を及ぼすと言われています。そのため、爪周囲炎に対しても効果が期待できます。

大椎

大椎は、体を温める効果があり、風邪の引きはじめや冷房などによって起こる首こりや肩こりを和らげる効果があります。

 

他にも、下半身の冷えやむくみ、生理痛や更年期障害などにも有効です。アレルギー性の皮膚炎に対しても効果を発揮します。

合谷

合谷は、湿疹などの肌のトラブルに効果を発揮します。後述の足三里と併せて使用する基本のツボです。

 

東洋医学では冬に肌荒れがよく起こる原因の一つは、寒さから体温が逃げることを防ごうとして、肌を巡る気と血、水の流れが低下することであると言われています。

 

合谷は、冬の肌荒れに効果的なツボであると言われているため、刺激をすることは、乾燥してささくれなどができることを予防することにつながります。

ツボの位置と押し方

井穴

井穴は、爪の生え際から2mmほど下にあります。

 

押すときは、反対の手の親指と人差し指で挟むようにして押します。約10秒強めの力で押しましょう。

大椎

大椎は、第七頸椎と第一胸椎の棘突起の間にあります。首筋の襟があたる部分で、骨が出ている部分のすぐ下を探しましょう。

 

押すこともおすすめですが、体を温めるためには少し熱めのシャワーで約1分間温める方法もおすすめです。

合谷

合谷は、手の甲側にあるツボで、親指と人差し指の間の盛り上がった部分にあります。

 

押すときは、まっすぐと下に向かって押します。冬の乾燥しやすい時期は、皮膚の表面からのダメージも大きいため、表面はクリームなどでしっかり保湿して押すことをお勧めします。

爪周囲炎の改善例

爪周囲炎の改善方法は、症状の重症度、感染の原因、そして個人の健康状態により異なります。

症例1:軽度の爪周囲炎(J Dermatol Case Rep. 2013 Mar 30; 7(1): 1–3.)

Aさんは、手の爪の周りの皮膚が赤く腫れていることに気付きました。症状は軽度で、激しい痛みはありませんでした。Aさんは細菌感染による軽度の爪周囲炎と判断されました。改善法として、抗生物質の軟膏を処方され、適切な手のケアを行うよう指示されました。Aさんは指示通りに軟膏を使用し、手の清潔さと保湿に努めました。数週間後、彼の症状は大幅に改善しました。

 

症例2:中等度の爪周囲炎(J Am Acad Dermatol. 2015 Feb;72(2):327-33)

Bさんは、爪の周りの皮膚が痛むことに悩んでいました。彼女は爪をよく噛む癖があり、これが問題を悪化させていました。医師は彼女に、感染と炎症を改善するための抗生物質とステロイドクリームを処方しました。また、彼女の爪を噛む癖に対処するために行動への介入も勧めました。これにより、Bさんの症状は数ヶ月で大幅に改善しました。

 

症例3:重度の爪周囲炎(J Clin Aesthet Dermatol. 2012 Aug; 5(8): 25–27.)

Cさんは、爪の周りの皮膚が非常に痛み、何度も爪周囲炎になることを経験していました。彼は、抗生物質やステロイドクリームを試してみましたが、症状が再発するため、効果は限定的でした。医師と相談した結果、彼は手術を選択しました。手術では、感染した皮膚と異常な爪組織が取り除かれ、同時に爪の成長を改善するための手術も行われました。手術後、Cさんは指定されたケアを行い、炎症と感染を防ぐために抗生物質を服用しました。この結果、彼の症状は大幅に改善し、その後の再発は報告されていません。

 

症例4:真菌による爪周囲炎(Mycoses. 2016;59(5):296–302.)

Dさんは、爪周囲炎による痛みと不快感に悩んでいました。特に彼女の場合、爪周囲炎は真菌感染により引き起こされていました。医師は、感染を改善するために抗真菌薬を処方しました。この方法により、Dさんの爪周囲炎は大幅に改善され、再発することなく、爪の周りの皮膚も健康な状態を取り戻しました。

これらの症例は、爪周囲炎の様々なタイプとその改善法を示しています。医師と共に適切な計画を立て、それに従うことで、爪周囲炎の症状は管理可能であり、さらには完全に解消することが可能です。

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