感染性眼内炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 11月 1日

更新日:2022年 11月15日

本日は感染性眼内炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 感染性眼内炎とは
  • 感染性眼内炎の原因
  • 感染性眼内炎の症状
  • 感染性眼内炎の改善方法
  • 感染性眼内炎のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

感染性眼内炎は病原体に感染することが原因のぶどう膜炎

感染性眼内炎は、ぶどう膜炎の中でも病原体に感染することが原因で発症する病気です。

 

細菌や真菌、ウイルス、寄生虫などが直接目に感染することで発症することもあれば、目以外の臓器に発症した感染症が目にも及んで発症することもあります。

 

目以外の臓器に発症した感染症が目にも及ぶのは、ぶどう膜の組織が血管がたくさんあり血流に富んでいるためです。

感染性眼内炎の原因は、病原体に感染すること

感染性眼内炎の原因は、病原体に感染することです。手術や外傷によって傷口から眼の中に直接、細菌や真菌、ウイルス、寄生虫などが感染する場合も、肝臓などの他の臓器に感染した病原体が原因になる場合もあります。

 

トキソプラズマのような寄生虫やトキソカラといった原虫が病原体となり、発症することもあります。

1. 細菌感染による眼内炎:

感染性眼内炎の約半数は細菌によるものです。一般的な細菌性感染症の原因としては、主に以下の細菌が挙げられます。

 

- ストレプトコッカス属(Streptococcus):

ストレプトコッカス属は、口腔や咽頭などの粘膜に常在している細菌ですが、眼の組織への感染も起こり得ます。特に感染性結膜炎や角膜炎の原因としてよく関与しています。

 

- シュードモナス属(Pseudomonas):

シュードモナス属は環境中に広く分布しており、けがや外傷などによる感染の原因として重要です。角膜炎や眼内炎に関連して感染を引き起こすことがあります。

 

- イレウス菌属(Enterobacter):

イレウス菌属は腸内に存在する細菌であり、感染性眼内炎の原因として報告されることがあります。一般的に外傷や手術後の感染に関与しています。

 

- グラム陰性桿菌(Gram-Negative Bacilli):

グラム陰性桿菌は様々な種類の細菌を含み、感染性眼内炎の原因として報告されることがあります。医療関連の感染や外傷による感染が多く、改善が難しい場合もあります。

 

2. ウイルス感染による眼内炎:

ウイルス性感染による眼内炎も一部の症例で見られます。代表的なウイルス性眼内炎の原因としては、主に以下のウイルスが挙げられます。

 

- 単純ヘルペスウイルス(Herpes Simplex Virus, HSV):

単純ヘルペスウイルスは主に感染性角膜炎を引き起こすことで知られていますが、眼内炎の原因としても関与することがあります。

 

- 帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster Virus, VZV):

帯状疱疹ウイルスは帯状疱疹を引き起こすウイルスですが、眼に感染すると眼内炎や角膜炎を引き起こすことがあります。

 

- サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus, CMV):

サイトメガロウイルスは免疫抑制状態の患者に感染し、眼内炎を引き起こすことがあります。特にHIV感染などの免疫力が低下している場合に注意が必要です。

 

3. 真菌感染による眼内炎:

真菌感染による眼内炎は比較的稀ですが、特に免疫抑制状態の場合や外傷などで感染することがあります。真菌による眼内炎の原因としては、主に以下の真菌が挙げられます。

 

- カンジダ属(Candida):

カンジダ属は皮膚や粘膜に広く分布しており、免疫力の低下した場合に感染しやすいとされています。眼内炎を引き起こすことがあります。

 

- アスペルギルス属(Aspergillus):

アスペルギルス属は環境中に広く分布しており、土壌や植物からの感染が起こります。眼内炎を引き起こすことがありますが、稀な感染症です。

 

感染性眼内炎は免疫状態や生活環境によって原因が異なる場合があります。また、既往の眼の病気や手術などが感染のリスクを増加させることがあります。感染性眼内炎は、以下のようなリスク要因によっても引き起こされることがあります。

 

4. 免疫抑制状態:

免疫抑制状態は感染性眼内炎に罹りやすくなります。免疫抑制剤を使用している場合や、HIV感染などで免疫力が低下している場合は特に注意が必要です。

 

5. 外傷:

眼への外傷が感染性眼内炎を引き起こす原因となることがあります。例えば、けがや手術による外傷が感染の入り口となり、炎症を引き起こすことがあります。

 

6. 手術など:

手術や改善に伴う感染も感染性眼内炎の原因となることがあります。手術時の不潔な状態や感染対策が不十分な場合に、病原体が眼内に侵入することが考えられます。

 

7. 眼の前の炎症:

眼の前の炎症が感染性眼内炎を引き起こすリスクを高めることがあります。例えば、結膜炎や角膜炎などが眼内炎に進展することがあります。

 

8. 先天性免疫不全症:

先天性免疫不全症では感染性眼内炎に罹るリスクが高まります。先天性免疫不全症は免疫系が正常に機能せず、感染症に対する抵抗力が弱い状態を指します。

 

9. 接触レンズの使用:

長時間の接触レンズの使用や清潔な取り扱いが怠られると、眼の表面に細菌やウイルスが感染するリスクが増加します。特に寝る前にレンズを取り外さないことは感染リスクを高める要因となります。

 

10. 環境要因:

特定の職業(例:農業、建設業)、屋外活動、あるいは特定の地域に暮らすことが感染性眼内炎のリスクを増加させることがあります。

 

感染性眼内炎は、早期の判断と適切な改善が重要です。感染性眼内炎の原因を正確に特定し、適切な抗生物質、抗ウイルス薬、抗真菌薬などを使用して感染を制御することが必要です。

感染性眼内炎の症状は、急激な視力低下や霧視、眼の痛み、充血

感染性眼内炎の症状は、片方の目の急激な視力低下や霧視、眼の痛み、充血などです。

 

一部の感染性眼内炎では、網膜組織が壊死し、網膜剥離が起きることもあります。網膜剥離が起きると、急激に視力を失ってしまうこともあります。そのため、視力を保つためにもできるだけ早く発見し、改善することが大事です。

1. 目の充血:

感染性眼内炎では、目が赤く充血することがよく見られます。炎症によって血管が拡張し、目の表面が赤くなります。

 

2. 目のかゆみや痛み:

感染性眼内炎によって目がかゆくなることがあります。また、眼球に痛みや圧迫感を感じることもあります。

 

3. 眼の分泌物の増加:

感染によって涙や膿の分泌物が増え、目の周囲に分泌物がたまることがあります。目がにじんだり、ねばりけのある分泌物が目に付着することがあります。

 

4. 視力の低下:

感染性眼内炎によって、眼の組織が炎症を起こし、視力が一時的に低下することがあります。炎症が重篤な場合、視力の低下が持続する可能性もあります。

 

5. 光過敏:

感染性眼内炎では、目が強い光を受けると痛みを感じる場合があります。明るい場所や日光を避ける傾向が見られることがあります。

 

6. 眼のかすみ:

感染性眼内炎によって、眼の表面に炎症や分泌物が付着することで、視界がかすんで見えることがあります。

 

7. 眼の腫れ:

感染性眼内炎によって眼の周囲が腫れることがあります。炎症によって眼の組織が腫れ上がり、目の周囲が膨らむことがあります。

 

8. 眼の異常な充血:

感染性眼内炎によって、目の充血が異常に広がることがあります。眼白のほぼ全体が赤くなることもあります。

 

9. 角膜の混濁:

感染性眼内炎によって、角膜に混濁が生じることがあります。角膜の表面がぼやけることがあり、視界のクリアさが失われることがあります。

 

10. 眼球運動の障害:

重症の感染性眼内炎では、眼球の運動に障害が生じることがあります。眼球の動きが制限されることで、視野が限られることがあります。

 

感染性眼内炎の症状は個人差があり、感染の原因や進行度合い、免疫状態などによっても異なります。また、感染性眼内炎の症状は他の眼の病気と似ていることがあるため、自己判断での判断は避けるべきです。

感染性眼内炎の改善方法は、原因に合わせて抗微生物薬を使うこと

感染性眼内炎の改善方法は、原因に合わせて抗微生物薬を使うことです。炎症を抑えるために、副腎皮質ステロイドを投与することもあります。

 

場合によっては、原因となる菌を取り除くことと網膜剥離を防ぐことを目的に硝子体手術を行うこともあります。

1. 細菌性感染の改善:

感染性眼内炎の約半数は細菌によるものです。細菌性感染の場合、一般的には抗生物質が使用されます。改善前に、感染の原因となる細菌を確認するために調べられることがありますが、一般的な細菌性感染の場合は広域カバーを目的とした抗生物質が処方されることがあります。

 

抗生物質点眼薬:

細菌性感染の場合、目の表面に直接抗生物質を点眼することで感染を改善します。多くの場合、点眼薬は数日から数週間にわたって使用されます。適切な点眼法を守り、改善を継続することが重要です。

 

抗生物質内服薬:

感染が重篤な場合や眼の内部に感染が及んでいる場合には、抗生物質の内服が必要になることがあります。内服薬は目の外から炎症を抑えるために用いられます。

 

2. ウイルス性感染の改善:

ウイルス性感染の場合、抗ウイルス薬が使用されることがあります。主なウイルス性感染には単純ヘルペスウイルス(HSV)や帯状疱疹ウイルス(VZV)などが挙げられます。

 

抗ウイルス点眼薬:

ウイルス性感染の場合、抗ウイルス薬を点眼することで感染を抑えることができます。定期的な点眼を行い、ウイルスの増殖を抑えることが改善の目標です。

 

抗ウイルス内服薬:

重症なウイルス性感染の場合、抗ウイルス薬を内服することで改善を補完することがあります。内服薬は体内でウイルスの増殖を抑える効果が期待されます。

 

3. 真菌感染の改善:

真菌感染の場合は抗真菌薬が使用されます。真菌性感染は一般的に他の感染よりも治療が難しく、早期の判断と改善が重要です。

 

抗真菌点眼薬:

真菌性感染の場合、抗真菌薬を点眼することで感染を抑えることができます。感染の原因となる真菌に対して特異的な抗真菌薬が使用されます。

 

抗真菌内服薬:

重症な真菌感染の場合や眼の内部に感染が及んでいる場合には、抗真菌薬の内服が必要になることがあります。内服薬は体内で真菌の増殖を抑える効果が期待されます。

4. 症状に対する対処:

感染性眼内炎の改善には、症状に対して対処することも重要です。これは症状の軽減や快適性の向上を目的とした改善法です。

 

目薬の使用:

目の炎症を軽減するために、抗炎症作用を持つ目薬が使用されることがあります。これにより、目の赤みや腫れを軽減し、症状の緩和が図られます。

 

目の洗浄:

目の表面に異物や分泌物が付着している場合、医師による目の洗浄が行われることがあります。これにより、感染を広げるリスクを軽減し、症状の改善が期待されます。

 

保湿剤の使用:

目の乾燥や不快感を軽減するために、保湿剤が処方されることがあります。これにより、目の表面を保湿し、快適性を向上させることができます。

 

5. 外科的な改善:

重症の感染性眼内炎や合併症が生じた場合には、外科的な改善が必要になることがあります。

 

ドレナージ手術:

眼の内部に膿が溜まってしまった場合、ドレナージ手術が行われることがあります。これにより、膿を排出し、感染の拡大を防ぐことができます。

 

眼球摘出術:

極めて重篤な感染性眼内炎や合併症が生じた場合、眼球摘出術が検討されることがあります。これは感染の拡大を防ぐために必要な場合があります。

 

感染性眼内炎の改善には、原因となる病原体に対して適切な薬剤を用いることが重要です。しかし、薬剤に対する耐性や病原体の種類によって改善効果が異なる場合もあります。

感染性眼内炎は、手術を行ったときの傷口から発症することもある

感染性眼内炎は、手術を行ったときの傷口から発症することもあります。

 

晩発型眼内炎の場合は、手術を行ってから約2~数ヶ月後に発症します。手術を行った後、視力の低下や充血、眼の痛みなどがあった場合はすぐに医師に相談することをお勧めします。

 

手術を行った後に感染性眼内炎を発症することを防ぐために手術の3日前から抗菌薬の点眼を行うことが多いです。

感染性眼内炎の改善例

Aの感染性眼内炎の改善例

 

Aは30歳の女性で、最近目の充血とかゆみ、目の周囲の腫れを感じるようになりました。視界にもかすみを感じることがあり、自己判断で目薬を使用しても改善しなかったため、眼科に行きました。感染性眼内炎の疑いがあり、以下のような改善が行われました。

 

 

まず、Aの症状や病歴を詳しく聞き取り、眼を調べられました。眼の表面には充血や腫れが見られ、角膜にも混濁が認められました。炎症の程度や感染の原因を特定するため、目の分泌物や角膜擦過標本の調べが行われました。

 

 

Aの症状や調べた結果から、細菌性感染が疑われました。抗生物質に対して感受性がある細菌を特定するため、抗生物質感受性の調べも行われました。この結果をもとに、適切な抗生物質点眼薬の使用と症状に対する対処を行うことが決定されました。

 

 

Aには、感染の原因となる細菌に対して効果のある抗生物質点眼薬が処方されました。点眼薬は1日数回、目の状態によってはより頻繁に点眼するよう指示されました。また、眼の洗浄や保湿剤の使用も指導され、症状の軽減を目指しました。

改善を開始してから数日後、Aの症状は徐々に改善していきました。目の充血が軽減し、かゆみや腫れも緩和されました。ただし、角膜の混濁が持続しているため、治療効果を確認するために経過観察を続けました。

 

 

改善が順調に進行し、数週間後にはAの症状は完全に改善しました。角膜の混濁も解消され、視界のクリアさが回復しました。改善の終了後も定期的な調べを受け、再発を防ぐためのケアを行いました。

 

以上が、Aの感染性眼内炎の改善の一例です。実際の改善例は個々の状態や原因によって異なるため、必ず専門医の指導を受けることが重要です。

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