急性胃粘膜障害の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 6月 2日

更新日:2022年 7月 3日

本日は急性胃粘膜障害について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 急性胃粘膜障害とは
  • 急性胃粘膜障害の原因
  • 急性胃粘膜障害の症状
  • 急性胃粘膜障害の改善方法
  • 急性胃粘膜障害のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

急性胃炎と急性潰瘍が見られる場合、急性胃粘膜障害

急性胃粘膜障害は、色々な原因で胃の粘膜が急激に傷つけられ、急性胃炎が起こったり潰瘍ができたりする病気です。

 

みぞおちのあたりに急激な痛みなどがあって調べた時、胃の粘膜に異常があり、急性胃炎と急性潰瘍が見られる場合、急性胃粘膜障害と言われます。

急性胃粘膜障害の原因は、ストレスやアルコールやコーヒーなど

急性胃粘膜障害の原因は、ストレスやアルコールやコーヒー、非ステロイド性抗炎症薬や低用量アスピリン、寄生虫、細菌、アレルギーなどです。

 

抗がん剤を使ったことや放射線で病気の改善を行なったこと、ピロリ菌などの感染症に感染したこと、全身の病気を発症したことなどが関係していることもあります。

 

ストレス刺激が加わると脳から胃酸の分泌を促す信号が送られ、胃の運動が活発になります。すると、胃粘膜の血流や粘膜保護作用が減り、粘膜が傷ついて発症すると言われています。

急性胃粘膜障害は、急性ストレスや炎症、虚血、薬の使用などのさまざまな要因によって引き起こされる急性炎症性の病気であり、胃壁の粘膜層に障害をもたらす病態です。胃潰瘍や胃癌などの合併症のリスクを増加させることがあり、重症例では合併症の発生率が高くなるため、適切な改善が必要です。

 

主な原因は以下のように分類されます。

 

非ステロイド性抗炎症薬: 長期間にわたるNSAIDsの使用は、主要な原因となります。NSAIDsは、疼痛や炎症の緩和に有効であり、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセンなどが代表的なものです。NSAIDsは、胃壁の粘膜層を損傷し、胃酸の分泌を増加させることがあります。これにより、胃壁に潰瘍が形成されることがあります。

 

ストレス: 無菌炎症、出血、感染、外傷、手術などのストレス性刺激が引き起こすことがあります。これは、ストレスが消化管の血流や粘膜層の保護を低下させるためです。重症外傷や敗血症などの場合、消化管に壊死や出血が発生することもあります。

 

慢性腎不全: 慢性腎不全患者は、高リン血症や低カルシウム血症などの代謝異常が起こるため、発生リスクが高くなります。これは、血液中のカルシウム濃度が低下し、胃酸の分泌が増加することが原因です。

 

化学物質: 酸やアルカリ、有機溶剤、金属塩などの化学物質が、胃壁に直接接触した場合に引き起こすことがあります。

 

感染症:一部の感染症も引き起こす可能性があります。ヘリコバクターピロリ感染は、胃粘膜の炎症や潰瘍を引き起こすことがあり、原因の1つとなることがあります。また、消化管出血を引き起こすウイルス性胃炎も原因となる可能性があります。

 

その他の原因: アルコールの過剰摂取、消化性潰瘍、胃食道逆流症、急性膵炎などの消化器系のの病気が原因になることがあります。

以上のように、急性胃粘膜障害は色々な原因によって引き起こされる急性の病気であり、改善方法や予防策の選択には原因に応じたアプローチが必要です。

急性胃粘膜障害の症状は、みぞおちあたりの痛みや胃部膨満感

急性胃粘膜障害の症状は、みぞおちあたりの痛みや胃部膨満感、悪心、嘔吐、吐血や下血、黒色便などです。

 

内視鏡を使って、胃の粘膜の状態を見ると、不整形や地図状のびらんや潰瘍が見られます。炎症や出血が見られることもあります。

急性胃粘膜障害の症状は、原因によって異なります。一般的に急性胃粘膜障害は、胃粘膜の急性炎症や潰瘍によって引き起こされるため、胃部の痛みや不快感が主な症状として現れます。以下では、主な症状を詳しく説明します。

 

腹痛: 最も一般的な症状は、腹痛です。腹痛は、胃部の不快感、痛み、圧迫感、激しい痛みなどの形で現れることがあります。腹痛は、NSAIDsの長期使用、ストレス、化学物質の曝露、アルコールの過剰摂取などの原因によって引き起こされることがあります。

 

吐き気と嘔吐: 腹痛とともに、吐き気と嘔吐も現れることが一般的です。これは、胃壁の粘膜層に炎症があるため、胃の消化機能が低下するためです。吐き気と嘔吐は、ストレス性の原因や、NSAIDsの使用によって引き起こされることがあります。

 

下痢: 腸管運動が亢進するため、下痢が発生することがあります。下痢は、胃炎や消化管感染症の原因によって引き起こされることがあります。

 

出血: 重症の場合、胃壁の粘膜層に潰瘍や出血が生じることがあります。出血は、胃痛、吐き気、嘔吐、便の黒色化、貧血などの症状を引き起こすことがあります。

 

その他の症状: その他の症状には、胃部の膨満感、食欲不振、食後の胃部不快感、胃酸逆流症状、体重減少などが含まれます。

 

急性胃粘膜障害では、胃の不快感や痛み、吐き気、嘔吐、下痢、出血など、多岐にわたります。これらの症状が現れた場合は、原因を特定し、適切な改善を行うことが重要です。

急性胃粘膜障害の改善で大事なことは、原因を取り除くこと

急性胃粘膜障害の改善で大事なことは、原因を取り除くことです。

 

ストレスが原因の場合は、ストレスがなぜ起きているのかを確認しできるだけ取り除くことができるように心がけましょう。病気が原因の場合は原因となっている病気の改善を行うことが必要です。

 

合わせて、胃酸の分泌を抑えるための薬や、胃の粘膜を保護するための薬などを使って症状の改善に取り組みます。

急性胃粘膜障害は、原因によって異なる症状を引き起こします。症状の程度や病態の進行状況に応じて、様々な方法が存在します。以下では、改善法について詳しく説明します。

 

・NSAIDsによる胃炎や胃潰瘍の改善

NSAIDsは、胃粘膜の損傷や胃潰瘍を引き起こす原因の一つです。この場合、NSAIDsの使用を中止し、胃粘膜保護薬や鎮痛剤の投与が行われます。一般的には、プロトンポンプ阻害薬やヒスタミンH2受容体拮抗薬が使用されます。これらの薬は胃酸分泌を抑制し、胃粘膜の保護に効果的です。

 

・ストレスによる胃炎の改善

ストレスは、胃の粘膜層にダメージを与え、胃炎を引き起こすことがあります。この場合、ストレスの軽減や胃粘膜保護薬の投与が行われます。ストレスの軽減には、休息やリラクゼーション、運動などが効果的です。

 

・化学物質による胃炎や胃潰瘍の改善

化学物質は、胃粘膜の損傷や胃炎、胃潰瘍を引き起こす原因の一つです。この場合、化学物質の曝露を避け、胃粘膜保護薬の投与が行われます。また、薬剤性の原因である場合には、原因薬剤の使用を中止することが必要です。

 

・アルコールによる胃炎や胃潰瘍の改善

アルコールの過剰摂取は、胃粘膜に直接ダメージを与え、胃炎や胃潰瘍を引き起こすことがあります。この場合、アルコールの摂取を控え、胃粘膜保護薬や抗酸化剤の投与が行われます。

 

ヘリコバクターピロリ感染による胃炎や胃潰瘍の改善

ヘリコバクターピロリ感染による胃炎や胃潰瘍の場合には、抗生物質の使用が有効です。一般的には、ペニシリン系、マクロライド系、ニューキノロン系の抗生物質が使用されます。また、PPIやヒスタミンH2受容体拮抗薬も併用されます。抗生物質による改善方法は、通常1〜2週間程度行われます。

 

・胃潰瘍の改善

胃潰瘍の場合には、PPIやヒスタミンH2受容体拮抗薬の使用が有効です。これらの薬剤は胃酸分泌を抑制し、胃粘膜の保護に効果的です。また、胃粘膜保護薬の使用も有効です。ただし、症状が重い場合には、内視鏡的処置や手術が必要となることがあります。

 

・急性胃出血の改善

急性胃出血の場合には、早期の内視鏡的処置が必要となります。内視鏡的処置によって、出血源を特定し、凝固剤や内視鏡的止血用クリップの使用などにより、出血を止めることができます。また、PPIやヒスタミンH2受容体拮抗薬の使用も有効です。その他、輸血や血液凝固促進薬の使用が必要な場合もあります。

 

以上のように、原因や症状によって改善方法は異なります。症状の程度や病態の進行状況に応じて、適切な方法を選択することが重要です。

胃の粘膜障害による出血性の病気の総称

急性胃粘膜障害は、胃の粘膜障害による出血性の病気をまとめた呼び方です。

 

胃の粘膜障害による出血性の病気には、出血性びらんや急性出血性胃炎、急性潰瘍などがあります。このような病気と病気の特徴や改善方法が似ていることからまとめて考えられるようになりました。

急性胃粘膜障害に効果的なツボ

・天枢

公孫

合谷

天枢

天枢は、消化器系や泌尿器系の機能の働きを活発にするため、胃もたれや消化不良、便秘や下痢などに効果を発揮します。

 

そのため、急性胃粘膜障害で現れる症状を軽くする効果が期待できます。食べすぎた時や飲みすぎた時にもおすすめのツボです。胃の不調を感じた時に刺激をしてみると良いでしょう。

公孫

公孫は、消化器系の不調に有効なツボです。嘔吐や胃のむかつき、胃の痛みや食欲不振などに対してよく使われます。

 

そのため、急性胃粘膜障害によって症状が現れている時に刺激をすることで、症状を和らげることに役に立つと考えることができます。

合谷

合谷は、非常に色々な効果があるツボで、効果の中には下痢や嘔吐、腹痛なども含まれています。

 

さらに、合谷は自律神経を整える効果もあります。急性胃粘膜障害は、ストレスが原因になって発症することもあります。

 

自律神経を整えることはストレスを和らげ気持ちを落ち着かせることにもつながるため、刺激をすることで、原因のストレスの改善にも役立ちます。

ツボの位置と押し方

天枢

天枢は左右両側にあるツボで、へそから指3本分外に向かって右と左に進んだところにあります。

 

押すときは、強く押しすぎないように注意して弱めの力で押します。呼吸に合わせて押しましょう。

公孫

公孫は足にあるツボです。足の親指の内側にある出っ張っている骨の際のくぼみから親指1本分足首に向かって進んだ場所にあります。

 

押すときは親指の腹を使います。 食欲不振の人は左右どちらかのツボにしこりがあるため、しこりのある側を約3~5秒、5~10回押すことで、食欲の改善が期待できます。

合谷

合谷は、親指と人差し指が分かれている部分にあるくぼんでいる場所にあります。

 

爪を立てないように気をつけて押しましょう。押す時に大事なことは、ゆっくり押してゆっくり離すことです。

急性胃粘膜障害の改善例

急性胃粘膜障害は、多くの場合、NSAIDs、ストレス、化学物質、アルコール、またはヘリコバクターピロリ感染によって引き起こされます。症状は、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢などであり、症状の程度に応じて、さまざまな改善方法があります。

 

・NSAIDsによる急性胃粘膜障害の改善法

NSAIDsによる急性胃粘膜障害の場合、NSAIDsの使用を中止し、PPIやヒスタミンH2受容体拮抗薬の投与が行われます。例えば、50代男性がNSAIDsによる急性胃粘膜障害を発症し、上腹部の痛みと吐き気がありました。NSAIDsの使用を中止し、PPIの投与を開始しました。数日後には症状が改善し、食事も普通にとることができました。

 

・ストレスによる急性胃粘膜障害の改善法

ストレスによる急性胃粘膜障害の場合、ストレスの軽減や胃粘膜保護薬の投与が行われます。例えば、30代女性がストレスによる急性胃粘膜障害を発症し、腹痛、吐き気、下痢がありました。リラクゼーション法やヨガ、またはマインドフルネス瞑想などのストレス軽減方法をアドバイスし、PPIの投与を開始しました。数日後には症状が改善し、腸内環境の改善のためにプロバイオティクスも処方しました。

 

・化学物質による急性胃粘膜障害の改善法

化学物質による急性胃粘膜障害の場合、化学物質の曝露を避け、胃粘膜保護薬の投与が行われます。例えば、20代男性が塩酸との接触による急性胃粘膜障害を発症し、胃痛、吐き気、嘔吐がありました。改善のためには、化学物質との接触を避けるために、環境調査が行われました。また、胃粘膜保護薬の投与が開始されました。2週間後には症状が改善し、食事も普通にとることができました。

 

・ヘリコバクターピロリ感染による急性胃粘膜障害の改善法

ヘリコバクターピロリ感染による急性胃粘膜障害の場合、抗生物質の使用が有効です。例えば、40代女性がヘリコバクターピロリ感染による急性胃粘膜障害を発症し、胃痛、腹痛、吐き気、下痢がありました。ヘリコバクターピロリの除菌のために、抗生物質とPPIの投与が開始されました。1週間後には症状が改善し、食事も普通にとることができました。

 

・アルコールによる急性胃粘膜障害の改善法

アルコールによる急性胃粘膜障害の場合、アルコールの使用を中止し、胃粘膜保護薬の投与が行われます。例えば、60代男性がアルコールによる急性胃粘膜障害を発症し、上腹部の痛み、嘔吐、下痢がありました。アルコールの使用を中止し、胃粘膜保護薬の投与を開始しました。2週間後には症状が改善し、食事も普通にとることができました。

 

以上のように、原因や症状に応じて改善方法は異なります。個々の症状に合わせて改善方法を選択して改善に取り組みますが、症状のできるだけ早い発見とできるだけ早く改善に取り組むことが大事です。

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