腸チフスの鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 6月 2日

更新日:2024年 2月 6日

本日は腸チフスについて解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 腸チフスとは
  • 腸チフスの原因
  • 腸チフスの症状
  • 腸チフスの改善方法
  • 腸チフスのまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

腸チフスを発症した場合は保健所に届け出る

腸チフスは、細菌の一種であるサルモネラ属のチフス菌によって引き起こされる感染症のことです。

 

主に開発途上国を中心に、世界各地で発生し繰り返し流行っている病気です。チフス菌に感染するのは人間だけで、発症者や保菌者の便や尿で汚れた食品や水をとることで感染し、広がっていきます。

 

日本では、昭和初期から戦後にかけては代表的な感染症でしたが、環境が整い、衛生的になることで、発症はあまり見られなくなっています。

 

現在は日本での発症は、海外で感染するケースが多いですが、渡航歴がない人や食中毒での発症の報告もあります。日本の法律では、腸チフスを発症した場合は保健所に届け出なければいけません。

腸チフスの発症は、発展途上国に多い

腸チフスの原因は、チフス菌です。細菌を含んだ水や食べ物をとることによって感染し、広がっていきます。

 

チフス菌が体に入り込むと、細菌が増殖し、血流に乗って体の中に広がります。潜伏期間でも人に感染させてしまう可能性もあります。

 

腸チフスの発症は、発展途上国に多いです。これは、衛生的に設備が整っておらず、安全な水の利用ができないことが原因となっています。

腸チフスは、サルモネラ属の細菌であるサルモネラ・チフィによって引き起こされる感染症です。この病気は主に汚染された食品や水を介して人から人へと伝播します。腸チフスは世界中で発生していますが、特に衛生状態が悪い地域や発展途上国での発生が多いです。

 

腸チフスの主な原因と伝播経路

 

1. 食品や水の汚染

感染者の便に含まれるサルモネラ・チフィ菌が、水や食品に混入することで汚染が生じます。汚染された水を飲んだり、その水で洗った食品を摂取することで感染します。

 

2. 不十分な衛生環境

下水処理が不十分な地域や、手洗いなどの基本的な衛生習慣が守られていない場合に感染リスクが高まります。

 

3. 感染者や保菌者との直接的な接触

腸チフスの感染者や、症状がないにもかかわらず菌を体内に保持している保菌者との密接な接触も感染の原因となります。特に、感染者が調理に携わった場合、食品を介して菌が伝播するリスクがあります。

 

4. 長期保菌者

腸チフスに感染した人の中には、改善後も腸管に菌を保持し続ける長期保菌者がいます。これらの人々は、便を通じて環境に菌を排出し続けるため、感染源となり得ます。

腸チフスでは、週ごとに症状が変わることが多い

腸チフスの症状は、高熱や咳、発疹下痢や便秘などです。感染すると、2週間前後潜伏し、少しずつ体温が上がっていき高熱になります。

 

腸チフスでは、週ごとに症状が変わることが多いです。1週目は熱がだんだんと上がっていき、2週目は約40℃の熱が続き、体力を消耗して無気力な表情になります。これをチフス性顔貌と言います。

 

2週目には咳や発疹、下痢、便秘なども見られます。症状が重くなると意識障害や難聴を起こすこともあります。3週目は高熱と微熱を繰り返すようになります。場合によっては、腸出血や腸穿孔が起きることもあります。

 

4週目には熱が下がります。症状が重くなると、合併症を引き起こし命に危険が及ぶこともあります。

腸チフスはサルモネラ・チフィ菌によって引き起こされる感染症で、主に汚染された食品や水を通じて人に感染します。感染後、症状が現れるまでの潜伏期間は通常7〜14日程度ですが、この期間は数日から数週間まで変動することがあります。腸チフスの症状は徐々に発展し、治療を受けない場合は病状が進行して重篤化することがあります。以下に、腸チフスの典型的な症状を紹介します。

 

初期段階の症状

発熱: 症状の最初は、徐々に発熱が始まり、発症後1週間ほどで40℃近くまで上昇することがあります。

頭痛: 中等度から重度の頭痛が生じることがあります。

筋肉痛: 筋肉の痛みや不快感を感じることがあります。

倦怠感: 強い疲労感や全身のだるさが特徴です。

食欲不振: 食べ物に対する関心が低下します。

 

進行すると現れる症状

腹痛と腹部の不快感: 腹部に痛みや不快感が生じることがあります。

便秘または下痢: 初期段階では便秘が一般的ですが、病気が進行すると下痢に変わることがあります。

発疹: 胸、背中、腹部にローズスポットと呼ばれる小さな赤い発疹が出現することがあります。

肝腫大および脾腫大: 肝臓や脾臓が腫れることがあり、触診で確認できることがあります。

 

重篤な合併症

腸出血または腸穿孔: 腸の壁が損傷し、出血や穿孔を引き起こすことがあります。

意識障害: 高熱や感染の進行により、意識がもうろうとしたり混乱したりすることがあります。

 

腸チフスは適切な抗生物質によって効果的に改善することができます。症状が現れた場合は、早期に病院に行きし、判断と改善を受けることが重要です。また、予防策として安全な飲料水の利用、食品の適切な調理と保存、手洗いの徹底などが推奨されます。

適切な改善方法で改善を行うことが大事

腸チフスの改善方法は、薬です。症状があってもなくても抗菌薬を使って改善に取り組みます。第三世代セファロスポリンやアジスロマイシンなどが使われることが多いです。

 

腸チフスが流行っている場所では、色々な耐性を持った菌が出てきているため、投薬を始める前に血液培養採取をすることや検出菌の感受性を確認することが大事です。

 

適切な抗菌薬で改善を始めたとしても、しばらくは発熱が続きます。投薬を始めて3~5日経つと少しずつ熱が下がっていきます。5日以内に熱が下がらない場合は他の抗菌薬を使うことが必要になります。

 

腸チフスは、適切に改善を行わなければ生涯保菌者になる可能性もあります。そのため、適切な改善方法で改善を行うことが大事です。

腸チフスはサルモネラ・チフィ菌によって引き起こされる重篤な感染症で、適切な改善が行われない場合、合併症を引き起こすリスクが高まります。腸チフスの改善には主に以下の方法があります。

 

抗生物質

腸チフスの改善の基本は、サルモネラ・チフィ菌に対して効果的な抗生物質を用いることです。抗生物質による改善は、症状を軽減し、感染の持続期間を短縮し、感染の伝播を防ぐ効果があります。以下は一般的に使用される抗生物質です。

 

シプロフロキサシン: 成人の腸チフスの改善によく用いられます。

アジスロマイシン: シプロフロキサシン耐性の菌株に対して有効な選択肢です。

セフトリアキソン: 主に小児や妊婦に推奨される場合があります。

 

補助的方法

水分補給: 脱水を防ぐために、適切な水分補給が必要です。重症の場合は、静脈内での水分補給が行われることがあります。

適切な栄養摂取: 食欲がない場合でも、体力を維持するために栄養状態を良好に保つことが大切です。

 

合併症の管理

腸チフスによって腸の穿孔、出血などの合併症が発生した場合、迅速な改善が必要になります。これには外科的介入が必要になることもあります。

 

長期保菌者への対応

腸チフスを発症した後、一部ではサルモネラ・チフィ菌の長期保菌者となることがあります。これらの個人は、感染の拡散を防ぐため、特定の抗生物質による長期の改善を必要とする場合があります。

 

改善を開始する際には、地域の耐性パターンや健康状態を考慮して、最適な抗生物質が選択されます。改善の過程で、症状の改善にも関わらず熱が下がらない場合は、医師に相談し、計画の見直しや追加の調べが必要になることがあります。

腸チフスの改善に使用される薬剤は主に抗生物質であり、これらはサルモネラ・チフィ菌を殺菌または増殖を抑制することによって感染を改善します。以下に、腸チフスの改善に用いられる代表的な抗生物質の効果と副作用を説明します。

 

1. シプロフロキサシン

効果: シプロフロキサシンはフルオロキノロン系抗生物質で、DNAジャイレースとトポイソメラーゼIVを阻害し、細菌のDNA複製と細胞分裂を妨げます。広範囲にわたる細菌に対して効果があり、特に腸チフスに有効です。

副作用: 吐き気、下痢、腹痛、頭痛、めまい。稀に、アキレス腱などの腱の炎症や断裂、神経系の副作用、光過敏症が報告されています。

 

2. アジスロマイシン

効果: アジスロマイシンはマクロライド系抗生物質で、細菌のタンパク質合成を阻害します。シプロフロキサシンに耐性を持つサルモネラ・チフィ菌に対して効果的です。

副作用: 胃腸の不快感、下痢、吐き気、腹痛、一時的な味覚障害。稀に肝臓への影響や心電図の変化が報告されています。

 

3. セフトリアキソン

効果: セフトリアキソンはセファロスポリン系の抗生物質で、細菌の細胞壁合成を阻害します。重症の腸チフスやシプロフロキサシン、アジスロマイシンに耐性のある菌株に対して使用されることがあります。

副作用: 発疹、下痢、吐き気、腹痛。稀に血液異常、アレルギー反応、胆石形成が報告されています。

 

抗生物質の使用には、耐性菌の発生リスクも伴います。そのため、医師の指示に従い、処方された抗生物質を適切な期間、適切な用量で服用することが重要です。副作用が気になる場合や、予期せぬ反応が現れた場合は、速やかに医師に相談してください

改善した後も再発を起こす可能性がある

日本で腸チフスの発症は、海外に行って感染することが多いです。そのため、腸チフスが流行っている地域に行った時は、生の野菜や常温で用意された食べ物や常温保存の食べ物を食べないことが大事です。

 

氷や煮沸されていない飲料水、塩素処理されていない飲料水は安全ではないと考えた方が良いでしょう。

 

家畜などに触れた場合やトイレに行った後はせっけんを使ってきちんと手洗いをすることも大事です。

腸チフスに効果的なツボ

・天枢

公孫

合谷

天枢

天枢は、消化器系や泌尿器系の機能を促す効果があります。胃もたれや消化不良、食べすぎや飲みすぎのときにおすすめのツボです。

 

慢性の便秘や下痢にも効果的であるため、乳糖不耐症の症状が現れたとき、症状を軽くする効果が期待できます。 

公孫

公孫は、脾経に属するツボで、消化器系に対する症状に効果的です。

 

中でも、嘔吐や胃のむかつき、胃の痛みや食欲不振に有効であるとされています。そのため、刺激をすることで乳糖不耐症の症状を軽くすることが期待できます。

 

他にノイローゼや倦怠感などの症状にも効果的です。

合谷

合谷は、疲れ目や肩こりなどの首から上の疲れに効果を発揮するツボです。さらに、自律神経の乱れを正しい状態にして気持ちを落ち着かせる効果もあります。

 

下痢や嘔吐、腹痛や月経痛、風邪など幅広い症状に対して有効であるとされているため、乳糖不耐症によって現れる症状の改善にも効果が期待できると言えます。

ツボの位置と押し方

天枢

天枢の場所は、へそから指3本分外側に進んだところです。左右両側にあります。

 

押すときは、人差し指と中指と薬指の指の腹で押します。力加減は弱めの力で押しましょう。ゆっくりと呼吸をしながら押すことをお勧めします。

公孫

公孫の場所は、足の親指の内側にある出っ張っている骨の際のくぼみから足首に向かって親指1本分進んだところです。

 

押すときは親指の腹でゆっくり押します。押すだけではなく、お灸も効果的です。

合谷

合谷の場所は、親指と人差し指が分かれている部分のくぼみです。

 

押すときは、親指で少し痛みを感じるくらいの力加減で押します。ゆっくり押してゆっくり離すことがポイントです。

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