百日咳の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2023年   1月 3日

更新日:2023年  10月10日

本日は百日咳について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 百日咳とは
  • 百日咳の原因
  • 百日咳の症状
  • 百日咳の改善方法
  • 百日咳のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

百日咳は、百日咳菌が原因でけいれん性の咳発作などが起こる感染症

百日咳は、百日咳菌が原因でけいれん性の咳発作などが起こる感染症のことです。

 

百日咳の発症が多く見られるのは、小児です。1歳未満の乳児の場合は症状が重くなることが多く、命の危険もあります。大人が百日咳を発症した場合は、咳が長引くことが多いです。しかし、症状が重くなることは少ないです。

 

重症になったり命の危険があったりする可能性があるため、世界各国では小児に対する百日咳ワクチンの接種が進められています。

百日咳の原因は、主に百日咳菌と呼ばれる細菌

百日咳の原因は、主に百日咳菌と呼ばれる細菌です。主な感染経路は、細菌を含む飛沫を吸い込むことによって感染する飛沫感染と細菌がついた手で鼻や口などを触ることで感染する接触感染です。

 

小児の発症が多く見られますが、大人が発症することもあります。症状が軽くても菌を外に出していることもあるため、大人から小児に感染させていることも多い病気です。

百日咳は、百日咳菌による感染症です。百日咳菌は細菌の一種で、空気感染によって人から人へと感染します。咳やくしゃみによって空中に飛び散った細菌を吸い込むことで感染が起こります。また、手や物についた細菌が口や鼻から体内に入ることでも感染が可能です。

 

感染力が非常に強いため、百日咳は集団感染を起こしやすい病気です。特に学校や保育園などの施設での感染が問題となることがあります。

 

百日咳菌は気道の粘膜に付着して繁殖し、その過程で様々な毒素を生産します。これらの毒素が気道を刺激し、炎症を引き起こすことで、特徴的な咳が発生します。

 

また、百日咳菌は気道の繊毛の動きを阻害することで、痰の排出を妨げ、咳を引き起こします。繊毛は気道を清潔に保つために重要な役割を果たしているため、その動きが阻害されることで細菌やウイルスが気道に留まりやすくなり、感染症の悪化や合併症のリスクが高まります。

百日咳の症状の特徴は、3つの経過が見られること

百日咳の症状の特徴は、カタル期、痙咳期、回復期という3つの経過がみられることです。成人の場合、咳発作は現れず回復期に移行することもあります。また、ワクチン接種をしている場合には長引く咳が主な症状です。

 

カタル期に見られる症状は、通常のかぜのような症状です。段々と咳の回数や程度が強くなり、約2週間続きます。潜伏期間は、原因菌に感染してから約7~10日と言われています。

 

痙咳期になると、約2~3週間特徴的なけいれん性の咳の発作が見られます。発作的に、短い咳が続き、その後息を吸うときに笛のような音が出る咳症状が繰り返し起こります。発作は夜間や何かの刺激がきっかけで起こることが多いです。

 

場合によっては嘔吐も見られます。乳児の場合は特徴的な咳発作がみられないことも多いです。乳児では、息を止めているような無呼吸発作がみられ、チアノーゼやけいれん、呼吸停止につながることもあります。

 

回復期には、段々と激しい咳の発作見られなくなっていきます。見られなくなるまでにかかる期間は約2~3週間と言われていますが、時々発作性の咳が現れることもあります。

 

百日咳では、完全に回復するまでに発症から約2~3ヶ月かかると言われています。

百日咳は、長引く咳が主な症状であり、場合によっては数ヶ月にわたることもあります。また、百日咳の症状は大きく3つの段階に分けることができます。

 

初期段階(潜伏期と初期症状):百日咳菌に感染してから症状が現れるまでの潜伏期は通常7〜10日程度ですが、場合によっては21日以上かかることもあります。初期段階の症状は風邪と似ており、微熱、鼻水、軽い咳などが現れます。この段階では症状が軽微であるため、百日咳であると言う判断が難しいことがあります。

 

咳の激しい段階(百日咳症状):初期段階から約1〜2週間後には咳が激しくなり、特徴的な「百日咳」の症状が現れます。咳は短時間で連続して発生し(一連の咳)、その後に深い息を吸う「百日咳の音」が聞こえることがあります。この激しい咳の発作は特に夜間に悪化することが多く、乳幼児では呼吸困難や顔の青ざめ、嘔吐を引き起こすこともあります。

 

回復段階:咳の激しさが徐々に落ち着いてくるのが回復段階ですが、完全に症状が消失するまでには数週間から数ヶ月かかることがあります。回復段階でも咳は持続することがあり、他のウイルス感染症などが合併すると症状が再び悪化することもあります。

 

百日咳の症状は特に乳幼児にとって重篤であり、重い呼吸困難や窒息を引き起こすこともあります。また、発作的な咳のために食事が摂れなくなり、栄養不足や脱水症状を引き起こす恐れもあります。さらに、咳の激しさから嘔吐を繰り返すことで、肺炎や中耳炎などの合併症を引き起こすリスクも高まります。

 

百日咳の症状は年齢や免疫状態、感染した菌の株によっても異なることがあります。また、百日咳ワクチンを接種している場合、症状が軽くなることが期待できます。

百日咳の改善方法は、薬

百日咳の改善方法は、薬です。マクロライド系と呼ばれる種類の抗菌薬が使われます。

 

特に、発症してすぐのカタル期に改善を行うことで効果が期待できます。長引く咳になっている段階では、多くの場合菌はいないため薬を使ってもあまり症状の改善は見られません。

 

咳の症状に対して鎮咳薬などを使って対処します。

百日咳の改善は、感染初期に適切な抗生物質を用いることで病原体を排除し、症状の軽減や感染の予防を図ることが一般的です。しかし、症状が進行している場合や抗生物質の投与が遅れた場合、改善の効果が限定的になることがあります。

 

抗生物質の投与:百日咳はBordetella pertussisという細菌によって引き起こされるため、抗生物質による改善が効果的です。マクロライド系抗生物質が通常使用されます。抗生物質は感染初期に投与することで、病原体の排除と症状の軽減が期待できます。また、感染予防のため、感染者と接触した家族や周囲の人々にも抗生物質が投与されることがあります。

 

症状の軽減:百日咳の改善では、症状の軽減も重要なポイントです。特に乳幼児や高齢者では、百日咳の症状が重篤化しやすいため、適切な対処が必要です。

 

呼吸の確保:発作的な咳による呼吸困難が起きる場合、酸素投与や湿度の調整、適切な体位の確保などにより呼吸のサポートを行います。

水分補給:咳の発作や嘔吐により脱水症状が起きる場合があるため、十分な水分補給が重要です。

栄養の確保:咳の発作により食事が摂りにくい場合、小分けにして頻回の食事を行い、栄養の確保を心がけます。

環境の管理:百日咳では、静かで落ち着いた環境での安静が必要です。また、タバコの煙や強い香り、ほこりなどが咳を刺激するため、これらを避ける工夫も必要です。

 

予防接種:百日咳の最も効果的な予防方法はワクチン接種です。百日咳ワクチンは、乳幼児期から小児期にかけての予防接種スケジュールに組み込まれており、定期的な接種が推奨されています。ワクチン接種により、百日咳のリスクを減らし、感染しても症状が軽くなることが期待できます。

マクロライド系抗生物質は、百日咳の原因菌であるBordetella pertussisに対して効果的であり、百日咳の治療によく用いられます。マクロライド系抗生物質には以下のような薬があります。

 

・エリスロマイシン(Erythromycin)

エリスロマイシンは、マクロライド系抗生物質の中でも古くから使用されている薬で、広範囲の細菌に対して効果があります。百日咳の改善においても効果的で、感染初期に投与することで症状の軽減や感染の予防が期待できます。

 

・クラリスロマイシン(Clarithromycin)

クラリスロマイシンはエリスロマイシンよりも改良された薬で、エリスロマイシンよりも胃腸への負担が少ないとされています。百日咳の改善にも用いられ、効果が期待できます。

 

・アジスロマイシン(Azithromycin)

アジスロマイシンは、エリスロマイシンやクラリスロマイシンと比べて投与期間が短いことが特徴的な薬です。百日咳の治療においても、短期間の投与で効果が期待できるため、負担を軽減することができます。

 

これらのマクロライド系抗生物質は、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。また、抗生物質には様々な副作用がありますので、使用する際には医師や薬剤師による説明をよく聞き、不明点があれば質問することが大事です。

百日咳ワクチンの接種

百日咳を防ぐためには、百日咳ワクチンを接種することが大事です。ワクチンを接種することによって約8割の予防効果が期待できると言われています。

 

日本での百日咳のワクチンは、四種混合ワクチンとして定期接種の対象になっています。小児の場合、重症化したり命に関わったりすることもあるため、対象の時期になるべく早く接種を受けることが大切です。

 

しかし、ワクチンの効果は接種をしてから4~12年で弱くなっていくと言われています。日本小児科学会では、定期接種だけでなく、さらに就学前と思春期に三種混合ワクチンを接種することが推奨されています。

百日咳に効果的なツボ

天突

・魚際

雲門

天突

天突は、咳を止める特効ツボとして知られています。喉の痛みや息切れ、喉の詰まり感、しゃっくりにも効果的です。そのため、百日咳の症状にも役立つのです。

 

他にも、寝違えや頭痛などにも効果があると言われています。

魚際

魚際は、肺経の経路上にあるツボです。魚際の効果は、呼吸器系の疲れを和らげることです。これは、魚際を刺激することで心臓の働きを活発化させるためです。

 

心臓の動きが活発になると、深い呼吸をすることができるようになるのです。また、心臓の動きが活発になることは、胸や肩などの上半身の血行がよくなることにもつながります。

雲門

雲門は、肺経の経絡に属しているツボです。そのため、肺や気管支などの異常に効果を発揮します。喘息や喉の痛み、咳風邪、花粉症などに効果的なツボなのです。

 

さらに、​雲門は肩の近くにあるツボであるため、四十肩や五十肩に対しても効果的です。

ツボの位置と押し方

天突

天突は、左右の鎖骨を結んだ場所にある中央部のくぼんでいる場所にあります。探すときは、喉仏から指を下へさげていきます。その時にあたる骨のくボンでいる場所にツボがあります。

 

押すときは、体の奥に向かって静かに押します。喉はデリケートな場所であるため、ゆっくり2回程押しましょう。

魚際

魚際は、手のひらを上にしたときに親指の下にあるふくらんだ部分と手の甲との境目にあります。

 

押すときは、反対側の手の親指の腹を使って押します。7回ほど繰り返し押しましょう。

雲門

雲門の場所は、左右の鎖骨の下から肩の関節へ向かって進んだ時にある小さなへこみです。

 

押すときに強く押しすぎると筋肉や筋を痛めてしまうことにつながることもあるため、痛気持ち良いくらいの力で押しましょう。喉の詰まり感がある時や咳を和らげたい時などには天突と合わせて押すこともおすすめです。

おすすめ記事

営業時間

11時から21時

営業日
 

11時~21時迄

休業日

年末年始

お問合せ
080-1802-9798