ケロイドの鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  7月10日

更新日:2022年  8月20日

本日はケロイドについて解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • ケロイドとは
  • ケロイドの原因
  • ケロイドの症状
  • ケロイドの改善方法
  • ケロイドのまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

ケロイドは、傷が過剰な状態で改善したもの

ケロイドは、皮膚に起きた傷あとが赤くなり、元の傷より広がって盛り上がった状態のことです。

 

傷は早く改善するときれいな傷になることが期待できますがゆっくりと改善した場合にケロイドになることが多いです。ケロイドは、傷が過剰な状態で改善したものなのです。

 

ケロイドは傷の原因や傷の重症度、傷の広さとは関係なく現れる可能性があります。ケロイドが発生する頻度には人種差があり、白人には少なく黒人に多いと言われています。

ケロイドの原因は、傷

ケロイドの原因は、傷です。特に傷が改善がゆっくりと自然に改善した場合にケロイドが起こりやすいです。

 

ケロイドのできやすい部位は、下床に軟骨や骨のある部位で、前胸や顔面、上腕、背部、恥骨部に多くられます。肥厚性瘢痕は傷を受けた部位にできるため、できやすい部位は特になくそこにできる可能性もあります。

ケロイドは皮膚が損傷を受けた後に発生する過剰な瘢痕組織の一種です。この状態は、体の傷口癒合プロセスが過度に活発化し、通常よりも大量の瘢痕組織を産生することにより引き起こされます。ここでは、ケロイドが発生する原因となる様々な要素を深掘りします。

 

物理的皮膚損傷:ケロイドは、外傷、手術、刺青、穿孔、火傷、皮膚の深い割れ目、さらには重度のにきびなど、皮膚が何らかの形で損傷を受けた後に最もよく発生します。これらの種類の損傷は、皮膚を刺激し、体の自然な治癒プロセスを引き起こします。しかし、ケロイドが発生する人々では、このプロセスが過度に活発化し、通常よりも大量の瘢痕組織が産生されます。

 

遺伝的要因:ある人がケロイドを発症するかどうかは、その人の遺伝的要因によるところが大きいです。アフリカ系、アジア系、ラテン系の人々はケロイドを発症する可能性が高く、これは遺伝的な傾向が関与している可能性があります。また、一部の家族ではケロイドの発症が多く見られ、これも遺伝的要因が影響している可能性を示しています。

 

ホルモン:ホルモンは皮膚の健康と状態に大きな影響を与えます。そのため、ホルモンの変化は、ケロイドの発症や既存のケロイドの成長を誘発する可能性があります。研究者はまた、一部のケロイドにはエストロゲン受容体が多く含まれていることを発見しており、これはホルモンがケロイドの発症に影響を与える可能性を示しています。

 

自己免疫反応:ケロイドが自己免疫反応の結果であるという説も存在します。自己免疫疾患は、体が誤って自分自身の健康な細胞を攻撃するときに発生します。この誤った反応が皮膚の傷口の改善プロセスに影響を及ぼし、ケロイドの発生を促進する可能性があります。

 

炎症反応:ケロイドの形成には、炎症が重要な役割を果たすことが示唆されています。炎症は体が感染、損傷、病気に対抗するための自然な反応です。しかし、この炎症反応が過度になると、ケロイドの形成を助長する可能性があります。

 

感染:いくつかの研究では、感染がケロイドの発生を引き起こす可能性が示されています。特に、ピアスや刺青、外傷などからの感染が関連している可能性があります。

 

ストレス:ストレスは、体全体のさまざまな健康問題に影響を与える可能性がありますが、特に皮膚の状態に影響を及ぼすことが知られています。ストレスは、体内の炎症反応を高め、結果的にケロイドの発生や成長を助長する可能性があります。

 

ケロイドは、これらの要因が組み合わさることによって発生する可能性が高いです。例えば、遺伝的にケロイドを発症しやすい人が皮膚の外傷を経験し、その結果、炎症反応が起こり、結果としてケロイドが発生する可能性があります。このように、ケロイドの発症は複数の要因が組み合わさることによって起こる複雑なプロセスであり、その全ての要因を十分に理解するための研究が現在も続けられています。

ケロイドは、はじめに傷ができた部位よりも大きくなる

ケロイドの症状は、境界線が明らかな扁平隆起性から半球状隆起ができることです。色は鮮やかな赤や紅褐、褐色をしており、少しずつ側方に進んで行きます。

 

中央部は多くの場合、退色して扁平化します。ケロイドは、はじめに傷ができた部位よりも大きくなっていきます。押さえても痛みはありませんが、横から強くつまんだ時には痛みが現れます。

ケロイドは、皮膚の傷口が回復した後に発生する過剰な瘢痕組織の一種であり、特徴的な症状として肌の表面に突出した、しばしば不規則な形状の病変を形成します。このブログでは、ケロイドの主な症状とそれらがどのように進行するかについて詳しく説明します。

 

形状と色:ケロイドの最も顕著な特徴は、傷口の範囲を超えて皮膚から突出した肉芽状、不規則な形状の瘢痕です。ケロイドは初めて形成された時には赤みを帯びていることが多いですが、時間の経過とともに徐々に紫から茶色、最終的には肌色に変色します。ケロイドはしばしば滑らかな表面を持ち、その大きさは数ミリメートルから数センチメートルにも及ぶことがあります。

 

痛みとかゆみ:ケロイドが形成されると、しばしば痛みやかゆみを感じます。これらの感覚は通常、ケロイドが形成されている領域に限定されます。痛みとかゆみは常に存在するわけではなく、特定の時間や活動(例えば、衣服が擦れる、体温が上昇するなど)によって増減します。

 

触感:ケロイドは硬く、しっかりとした感触があります。これは、ケロイドがコラーゲンと呼ばれる皮膚の支持構造物質の過剰な蓄積によって形成されるためです。また、ケロイドはしばしば皮膚表面に突出しているため、触れると明らかに感じることができます。

 

増大:ケロイドは時間の経過とともに成長することがあります。一部のケロイドは形成後すぐに成長を停止するのに対し、他のケロイドは数ヶ月から数年にわたり持続的に成長することがあります。この成長は徐々に進行し、ケロイドの形状、大きさ、色が時間とともに変化します。

 

位置:ケロイドは身体のどの部分にも発生することがありますが、特に耳たぶ(特にピアス後)、胸部、背部、肩、首、顔など、外傷や摩擦が頻繁に発生する場所でよく見られます。また、手術や深い切り傷、炎症があった場所でもケロイドが形成されることがあります。

 

感情的影響:ケロイドは、身体の露出部に形成されると、自尊心や自己イメージに影響を及ぼす可能性があります。特に、ケロイドが顔や他の露出した部分に形成された場合、自意識や羞恥感を感じることがあります。これは、ケロイドの症状が身体だけでなく、精神的健康にも影響を及ぼすことを示しています。

 

無症状:時々、ケロイドは痛みやかゆみを伴わず、その存在が視覚的なものだけである場合があります。これは、ケロイドが体の露出部に形成されない場合や、その大きさが小さい場合によく見られます。

 

ケロイドの特性は、形成される場所や個々の体質によって変化するため、これらの症状は全てのケロイドに当てはまるわけではありません。例えば、一部の人々は特に痛みやかゆみを経験しないかもしれません。また、ケロイドは一部の人々にとってはほとんど目立たないかもしれませんが、他の人々にとっては非常に目立つ存在であり、それがどのように感じられるかは個々によります。

 

最後に、ケロイドの症状は他の皮膚の病気と混同されることがあります。例えば、肥厚性瘢痕はケロイドと似ていますが、その拡大は元の傷跡に制限されています。したがって、ケロイドや他の皮膚症状について不明確な場合は、皮膚科医または専門医に相談することが重要です。

ケロイドの改善方法は、手術や薬、注射など

ケロイドの改善方法は、手術や薬、注射などです。かゆみがある場合は抗アレルギー剤の飲み薬やステロイドの含まれた塗り薬、貼り薬や注射を使って改善を行います。

 

腹部の手術跡やピアス後の耳たぶにできたケロイドには手術を行うこともあります。手術と合わせて電子線を照射する方法で改善を行うこともあります。

ケロイドは皮膚の改善プロセスが過剰に働く結果として形成される肥大性の瘢痕で、遺伝的要素、人種、皮膚の損傷履歴などが影響を及ぼします。そのため、改善方法は個人の状況によりますが、以下に一般的な改善方法を列挙します。

 

コルチコステロイド注射:ケロイドの最も一般的な改善方法の一つは、直接ケロイドにステロイドを注射することです。これは瘢痕の膨張を抑制し、症状を和らげることができます。ただし、これらの注射は一定期間ごとに繰り返し行う必要があり、副作用として皮膚の薄化や色素沈着が起こる可能性があります。

 

外科的切除:大きなケロイドは外科的に切除することができます。しかし、この改善方法の問題点は新たなケロイドが再発するリスクがあることです。そのため、通常は外科的切除と他の改善方法を組み併せて行います。

 

レーザー:レーザーはケロイドの見た目を改善し、痛みやかゆみを軽減するのに有用です。これは、ケロイドの赤みを減らし、瘢痕組織の表面を平滑にすることができます。ただし、複数回のセッションが必要で、改善の後の皮膚の色素変化に注意が必要です。

 

圧迫:これはケロイドが形成される過程を妨げることにより、ケロイドの成長を抑えるための方法です。特製のシリコン製シートやバンドを使用して、ケロイドに一定の圧力を与えることで、ケロイドの成長を抑制します。ただし、この改善法は数ヶ月間にわたって毎日一定の時間行う必要があり、結果を得るためには時間と忍耐が必要です。

 

放射線:これは通常、ケロイドの外科的切除後に行われ、新たなケロイドの再発を防ぐために使用されます。これは、放射線がケロイドを形成するために必要な細胞の増殖を阻害するからです。ただし、この改善方法は潜在的なリスクがあり、医師と詳細に話し合う必要があります。

 

クリオサージェリー:これは低温の液体窒素を使用してケロイドを凍結し、その組織を破壊する方法です。この改善方法は小さなケロイドや初期のケロイドに特に効果的です。ただし、皮膚の色素変化を引き起こす可能性があります。

 

トピカルクリームとゲル:特定のクリームやゲル(例えば、シリコンゲル)は、ケロイドの成長を抑制し、痛みやかゆみを軽減するのに役立つことがあります。これらの製品は通常、処方箋なしで入手することができますが、最良の結果を得るには、長期間にわたり一貫して使用することが推奨されます。

 

免疫の薬:一部のケースでは、免疫の薬が有効であることが報告されています。これらはケロイド形成の根本的な免疫反応を対象としています。

 

これらすべての改善方法は、ケロイドのサイズ、位置、症状、健康状態、本人の選択などによって異なる結果をもたらす可能性があります。したがって、ケロイドの改善を検討する際には、皮膚科医または専門医と詳細に話し合い、可能性のある利点とリスク、費用、かかる期間などを理解することが重要です。

ケロイドは改善を行なっても抵抗する

ケロイドは改善を行なっても抵抗します。そのため、一度小さくなっても繰り返しやすくなかなか改善が見られない病気です。

 

放っておいても特に問題はありませんが、年月がたてば大きくなってその後も引きつりや痛み、かゆみが続きます。

 

そのため、普段から皮膚を大事にしてケロイドを作らないことが非常に大事です。

ケロイドの改善例

ケロイドの改善方法は人によって異なるため、具体的な改善の例を挙げて説明します。以下のケーススタディは、様々な改善方法を適用してケロイドを管理した具体的な例を示しています。

 

ケーススタディ1: 20代前半の女性

この女性は、耳たぶのピアスから発生した小さなケロイドに悩まされていました。彼女は毎晩、シリコン製のシートを使用して圧迫を行いました。また、1ヵ月に一度皮膚科でコルチコステロイドの注射を受けました。数ヶ月の改善後、ケロイドは顕著に小さくなり、痛みも軽減しました。彼女は改善を行なった後も継続的にシリコンシートを使用し、ケロイドの再発を防ぎました。

 

ケーススタディ2: 40代の男性

この男性は、以前の胸部手術から生じた大きなケロイドに苦しんでいました。彼は皮膚科医と相談した結果、ケロイドを外科的に切除し、手術後に放射線を行うことにしました。手術は成功し、放射線は新たなケロイドの形成を防ぎました。彼は手術後も定期的にステロイド注射を受け、ケロイドの再発を防いでいます。

 

ケーススタディ3: 30代の女性

この女性は顔のケロイドに悩んでおり、そのケロイドは彼女の自尊心に影響を及ぼしていました。彼女はレーザーによる改善を選択し、数回のセッションの後、ケロイドの大きさが著しく小さくなり、皮膚の色も改善しました。また、彼女は自宅でトピカルクリームを使用し、ケロイドの再発を防いでいます。

 

ケーススタディ4: 50代の男性

この男性は、背中のケロイドに苦しんでいました。彼はクリオサージェリーを選択しました。数回の行なった後、ケロイドは消失し、かゆみも軽減しました。彼は定期的に皮膚科医に通い、病状の変化を注視しています。

 

ケーススタディ5: 60代の女性

この女性は腕の大きなケロイドに苦しんでいました。彼女は既に何度か切除手術を受けていましたが、ケロイドは再発していました。皮膚科医との相談の結果、彼女は免疫法を試すことを決定しました。特定の免疫法薬を使用した後、ケロイドは縮小し、痛みも軽減しました。彼女は今も定期的に皮膚科医に通い、薬による改善を続けています。

 

ケーススタディ6: 若い男性

この男性は、バーベルトレーニングによる胸部の小さなケロイドに悩まされていました。彼は自己管理のためのトピカルクリームを使用し、また皮膚科でコルチコステロイドの注射を受けました。継続的な改善により、ケロイドの大きさと赤みが軽減しました。

 

これらのケーススタディは、ケロイドの改善方法が多様であること、そして何よりも患者の個別の状況とニーズに基づいて適切な改善方法を選択することの重要性を示しています。改善方法の選択には、ケロイドの位置と大きさ、改善に対するの期待と希望、そして改善の費用と可能な副作用を考慮する必要があります。

 

また、これらの例からわかるように、ケロイドの改善は一回限りのものではなく、継続的なケアと管理が必要です。

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