パンケーキ症候群の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 9月 10日

更新日:2024年 2月 11日

本日はパンケーキ症候群について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • パンケーキ症候群とは
  • パンケーキ症候群の原因
  • パンケーキ症候群の症状
  • パンケーキ症候群の改善方法
  • パンケーキ症候群のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

ホットケーキなどを食べた後に全身性アレルギー症状を起こす

パンケーキ症候群は、自宅の台所で使いかけの調理粉を保管すると中に侵入したダニが繁殖し、その粉で調理した料理を食べてアレルギー症状を起こすことです。

 

欧米では多くの場合が、パンケーキミックスが原因で起こるため、パンケーキ症候群と呼ばれるようになったのです。

 

ホットケーキやお好み焼き、たこ焼きなどを食べた後に全身性アレルギー症状を引き起こすことがあります。そのような場合、小麦などに対する食物アレルギーではなく、その食べ物の中に混入しているダニ由来のアレルゲンのタンパク質によって症状が出ているケースがあります。アレルゲンとは、アレルギーの原因となる物質のことです。

 

この状態のことをパンケーキ症候群と言うのです。ダニアナフィラキシーとも言います。

パンケーキ症候群の原因は、食べ物の中のダニ由来のアレルゲン

パンケーキ症候群の原因は、食べ物の中に混入しているダニ由来のアレルゲンのタンパク質です。

 

通常は、体の中に少量のダニが入ってもアレルギー症状が現れることはありません。しかし、一度に大量のダニを経口摂取すると、パンケーキ症候群を発症するのです。

 

パンケーキ症候群は、パンケーキやお好み焼き、たこ焼きなどを食べた後に起こることがあります。これは、小麦粉、お好み焼き粉、たこ焼き粉、ホットケーキミックスなどの袋を開封して自宅の台所で常温で数カ月放置していることによって、袋の中でダニが大量に繁殖してしまうためです。

 

大量にダニが繁殖した粉を経口摂取した時に、アレルギー症状が起こるのです。加熱調理してダニが死んでいたとしても、体に対してアレルゲンは作用します。そのため、加熱していてもパンケーキ症候群が起こることがあります。

 

パンケーキ症候群は、もともと製造工程中に袋に混入していたダニが増えることによって起こるケース、一度封を開けた袋の中に家の中のダニが混入して増殖して起こるケースがあります。

 

外食産業の場合は、小麦粉やお好み焼き粉などはすぐに消費されます。そのため、長期間放置されることはほとんどありません。よって外食産業においてパンケーキ症候群を起こすことはほとんどないといえます。

小麦粉やその他の穀物製品の中に混入することがあるダニに由来するアレルゲンは、特にアレルギー体質の人にとって健康上の問題を引き起こす可能性があります。

 

これらのダニは、主にヒョウヒダニ、コナダニ、クロマダニなどの種に属しています。これらのダニは、小麦粉や穀物だけでなく、乾燥食品、ペットフード、家庭のほこりなどにも見られます。

 

ダニが産生するアレルゲンには、主に以下のようなタンパク質が含まれます。

 

ダニの排泄物: ダニの主要なアレルゲン源は、その排泄物に含まれるタンパク質です。これらのタンパク質は人間の免疫系によって異物と認識され、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。

 

ダニの死骸: 死んだダニの体や体の一部もアレルゲンを含んでおり、これらが空気中に浮遊することでアレルギー反応を引き起こすことがあります。

パンケーキ症候群の症状は、アナフィラキシー

パンケーキ症候群の症状は、急性のアレルギー反応が出るアナフィラキシーです。具体的には、じんましんや浮腫、腹痛、下痢などです。場合によっては呼吸困難や意識障害などが起きることもあり、その場合命に危険が及ぶこともあります。

 

このような症状は、一度に大量の原因物質を口から摂取することによって起こります。発症までの時間は、多くの場合食べた後30分以内であると言われています。

小麦粉やその他の穀物製品に混入するダニ由来のアレルゲンによって引き起こされるアレルギー症状は、個人の感受性によって異なりますが、一般的に以下のような反応が見られます。

 

呼吸器系の症状

喘息: ダニアレルゲンによる喘息の発作は、呼吸困難、胸の締めつけ、咳、喘鳴などの症状が特徴です。

アレルギー性鼻炎: 鼻水、鼻づまり、くしゃみ、鼻のかゆみなどが生じます。また、鼻腔の周囲の皮膚が赤くなったり、目がかゆくなることもあります。

 

皮膚の症状

湿疹: アトピー性皮膚炎を含む湿疹の症状として、皮膚の赤み、かゆみ、腫れ、ひび割れ、時には液体が滲み出ることがあります。

蕁麻疹: 皮膚が赤く盛り上がり、強いかゆみを伴うことがあります。

 

目の症状

アレルギー性結膜炎: 目のかゆみ、赤み、涙目、光への過敏反応などが見られます。

 

消化器系の症状

非常にまれですが、ダニアレルゲンの摂取によって、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの消化器系の症状が発生することがあります。

 

アナフィラキシー

ダニアレルゲンに対する重度のアレルギー反応として、アナフィラキシーが発生する可能性があります。これは生命を脅かす緊急事態で、全身のかゆみや発疹、腫れ、呼吸困難、血圧の低下、意識の喪失などを引き起こすことがあります。

発症してすぐの急性期はアナフィラキシーに対して対応する

パンケーキ症候群になった場合、発症してすぐの急性期はアナフィラキシーに対して対応することが必要です。病院に行くまでにできる対応は、両足を少し高くし仰向けに寝る、呼吸が苦しい場合少し上体を起こす、嘔吐している場合は顔を横向きにする、突然座ったり立ち上がらないようにする、心肺停止の可能性があれば周囲の人が心肺蘇生を始めることなどです。

 

パンケーキ症候群によって起こるアナフィラキシー症状では、命に危険が及ぶこともあるため、症状が重い場合は救急車を呼びましょう。

 

病院に行き、症状が落ち着いた後は、再発予防が重要になります。アナフィラキシーを起こした場合は、今後の発作を防ぐためにアドレナリン自己注射薬のエピペンを携帯することもおすすめです。

 

ダニアレルギーに対してはアレルゲン免疫法を行なうことも可能です。

パンケーキ症候群の改善法は、症状の重症度や個人の健康状態によって異なりますが、一般的には以下の改善方法があります。

 

抗ヒスタミン薬

症状を緩和するために最も一般的に使用される薬剤です。抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応によって放出されるヒスタミンの作用をブロックし、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状を軽減します。

 

点鼻ステロイド

鼻のアレルギー症状が強い場合に使用され、抗炎症作用により鼻づまり、鼻水、くしゃみなどを軽減します。

 

点眼薬

目のかゆみや充血などのアレルギー性結膜炎の症状を緩和するために使用されます。抗ヒスタミン作用や抗炎症作用のある点眼薬があります。

 

吸入ステロイドや吸入β2刺激薬

喘息のような呼吸器系のアレルギー症状に対して使用されます。これらの薬剤は、気道の炎症を抑え、気道の収縮を緩和することで呼吸を楽にします。

 

モンテルカスト

ロイコトリエン受容体拮抗薬として知られるこの薬剤は、アレルギー性鼻炎や喘息の治療に用いられます。炎症を引き起こす物質の作用を阻害し、症状の緩和に役立ちます。

 

免疫法

アレルギーの根本的な原因に対処する改善方法で、特定のアレルゲンに対する体の耐性を徐々に高めることを目的としています。ダニアレルゲンに対する免疫法は、注射や舌下錠の形で行われることがあります。

 

環境管理

アレルギー反応を引き起こすダニの数を減少させるために、家庭内の環境管理が非常に重要です。湿度を低く保つ、定期的な掃除を行い、ダニ防止カバーを使用するなどの対策が有効です。

パンケーキ症候群によって起こるアレルギー反応に対する改善で使われる薬には様々な種類があり、それぞれに特定の効果と副作用があります。以下に、一般的に使用される薬剤、その効果、および副作用について詳しく説明します。

 

・抗ヒスタミン薬

アレルギー反応によって放出されるヒスタミンの作用をブロックし、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、腫れなどの症状を軽減します。第一世代の抗ヒスタミン薬では、眠気、口の乾燥、ぼんやりした感じなどが報告されています。第二世代の抗ヒスタミン薬は眠気が少ないですが、頭痛、口の乾燥、胃腸の不快感が起こることがあります。

 

点鼻ステロイド

鼻の粘膜の炎症を抑え、鼻づまり、鼻水、くしゃみなどの鼻の症状を軽減します。鼻の乾燥、出血、刺激感。長期使用により鼻粘膜の損傷が起こることがあります。

 

点眼薬

目のかゆみ、赤み、腫れを緩和します。眼の刺激、瞬時のかすみ目、眼の乾燥や不快感などが起こることがあります。

 

吸入ステロイド

喘息などの呼吸器症状に対して、気道の炎症を抑制し、症状の管理を助けます。喉の刺激、声のかすれ、口腔カンジダ症など。

 

モンテルカスト

ロイコトリエン受容体拮抗薬で、アレルギー反応に関わる物質の作用を抑え、喘息やアレルギー性鼻炎の症状を緩和します。腹痛、頭痛、吐き気。稀に、気分の変化や睡眠障害が報告されています。

 

アレルゲン免疫法

長期的にアレルゲンに対する体の反応を減少させ、アレルギー症状の軽減や防止を目指します。注射部位の腫れや痛み、アレルギー反応の悪化。稀に、アナフィラキシー反応が起こる可能性があります。

パンケーキ症候群を予防するために1番重要なこと

パンケーキ症候群を予防するために1番重要なことは、小麦粉やお好み焼き粉、たこ焼き粉、ホットケーキミックスなどを開けた後に一度で使い切ることです。

 

一度で使い切れないことも多いですが、その場合でも開けた後1カ月以内には使い切るようにしましょう。今のところ、開けた後1カ月以内で、パンケーキ症候群を引き起こしたという報告はないためです。

 

開けた後して食べきれずに粉が残ってしまった場合は、シンクの下の収納など常温で保存するのではなく、冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵庫で保存することによってダニは繁殖しません。

パンケーキ症候群に効果的なツボ

湧泉

睛明

迎香

湧泉

湧泉は、生きるためのエネルギーが泉のように湧き出るという意味から名前がつけられたツボです。湧泉ツボから湧き出たエネルギーは、全身を巡ります。気力や体力を高める効果があるため、湧泉は万能ツボとも呼ばれています。

 

湧泉は、首のこりや体のだるさ、つかれ、足の痛み、足の冷え、のぼせ、不眠、喘息、むくみ、高血圧、生理痛など色々な効果があります。アレルギー症状にも効果的であるため、パンケーキ症候群にもオススメです。

睛明

睛明は、視力を回復させて目のかすみを改善するツボです。他にもアレルギー症状による目の症状にも効果的です。

 

目の充血、目の痛みなどにも役立つため、デスクワークの人などにもオススメです。

迎香

迎香は、花粉症の鼻の症状に対して有効なツボです。アレルギーによって起こる鼻の症状に効果を発揮するためパンケーキ症候群によって起こる鼻の症状にもオススメです。

 

鼻に症状があって臭いを感じられなくなっている時や鼻詰まりによって起こる頭痛がある時にオススメです。

ツボの位置と押し方

湧泉

湧泉は、足裏を3等分して約3分の1の場所にあります。足の指5本を内側に曲げたときにくぼみが現れます。その部分にツボがあります。

 

押すときは、親指を使って押します。力加減は強めで3秒ほど押します。お灸を使うこともオススメです。

睛明

睛明は、目頭の内側の少し上方にあるくぼみにあります。

 

押すとときは軽く押しましょう。眼球を避けて押すように注意することが大事です。

迎香

迎香は、左右にあるツボで、左右の小鼻の両わきにある少し凹んでいる場所にあります。

 

押すときは、よい刺激を感じるくらいの力で押します。ゆっくり押してゆっくり離すことが大事です。

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